日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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ちょっと短めです。


第51話 使節団の帰国

11月26日 日本国 首都東京 とあるショッピングモール

 

「うーん......?」

 

カイザルが化粧品と睨めっこをしていた。彼は留守番を押しつけてしまったミレケネスへの土産を吟味しているところだった。

 

「困りましたな.....何を選べば良いのやら、さっぱり分かりません。」

 

悩むカイザルに森高が助け船を出した。

 

「ここは店員さんに聞くのが一番ですよ。」と。

 

 

 

一方、別の店ではラクスタルが家族への土産を購入していた。その彼はカイザルよりもいくらか手慣れた様子だった。

 

「もう済みましたか?」

 

吉川が尋ねると、彼は首を横に振った。

 

「いえ、まだあります。留守を任せている副艦長達にも何か買っていかねば。さすがに全員分は無理ですが.....。」

 

「なるほど、ではご一緒しましょう。」

 

「ありがとうございます。」

 

彼らはまた別の店へと歩いていった。

 

この日の夕方頃の飛行機で、カイザルらは使節団より一足早く佐世保へと戻っていった。

 

 

使節団も翌日の朝の飛行機で福岡空港へと戻っていった。

 

 

 

11月27日 午後3時頃 佐世保鎮守府

 

 

グラ・バルカス帝国使節団はおよそ2週間強の訪問を終え、今、日本を発とうとしていた。グレードアトラスターの煙突からは黒煙が吐き出され、いつでも出港できる状態だ。使節団は既に船に乗り込んでいる。

 

「どうも、お世話になりました。」

 

一方、カイザルとラクスタルは別れの挨拶をしているところだった。

 

「とても良い時間を過ごすことが出来ました。あなた方はこの世界での初めての友人です。本当に、ありがとうございました。」

 

カイザルが礼を述べる。

 

「嬉しいお言葉です。なに、国交を結べば空路が整備されてもっと手軽に行き来できるようになりますよ。」

 

「それはいいですね。機会があればぜひ帝国にもお越しください。今度は私が案内しましょう。」

 

「ええ、そのときは是非お願いします。」

 

その時、野太い汽笛の音が鳴った。それを聞いたラクスタルは苦笑いを浮かべてこう言った。

 

「おっと、副長たちが早く来いと催促しているようです。そろそろ行かねば。」

 

「おやおや、ではお別れですね。今度は合同で観艦式でもしましょうか。」

 

カイザルは笑って手を差し出した。

 

「ええ、また会いましょう。」

 

彼らはがっちりと握手を交わした。そして数分後、グレードアトラスターは錨を上げ、ゆっくりと佐世保を離れていった。その姿を提督達は見えなくなるまで送ったのだった。

 

 

 

「.....さてラクスタル君、国に帰ったらもう一働きだな。」

 

「ええ、そうですね。今はひとまず無事に帰りましょう。」

 

小さくなってゆく日本を、カイザルは艦橋から眺めていた。

 

 

 

 

「さて、とりあえず執務室に戻ろう。」

 

森高がそう言うと、そこにいた面々は建物に入っていった。

 

 

 

12月30日 グラ・バルカス帝国 帝都ラグナ 軍港

 

およそ5週間かけて、グレードアトラスターは帝国本土へと帰ってきていた。管制官に案内され、空いているスペースに滑り込み、大きな錨を下ろして停泊した。

 

「ん...?あれは『デュトワ・デルポルト』か。レイフォルから戻ってきていたのか。」

 

ラクスタルは隣に停泊していたヘルクレス級戦艦を見てそう呟いた。グラ・バルカス帝国の国旗と旗艦を示す旗の他に、第三艦隊、通称「ディオニソス」の旗が掲げられている。つまりこれはその艦隊の旗艦である4番艦の「デュトワ・デルポルト」だということだ。

 

使節団を船から降ろし、彼とカイザルも少し遅れて船を降りた。

 

「ふう...やっとついたか。しかし、また空気が汚れた気がするな。空が淀んでいる。」

 

カイザルは空を見上げ、ため息をもらした。転移直後は一時的に解消していた空気と海は、あっというまに元の汚れた状態に戻ってしまっていた。

 

そんな二人の元に誰かが歩いてくるのが見えた。ラクスタルが目を凝らすと、それは『デュトワ・デルポルト』の艦長であるセルダン・オクテウス大佐だった。

 

「やあセル、今戻ったよ。」

 

ラクスタルとオクテウスはお互い渾名で呼び合う仲だ。しかし、オクテウスの表情は明るくなかった。

 

「ラック、よく帰ってきたな。早速で悪いが来てほしい、大事な話がある。カイザル大将も出来れば来ていただきたいのです。」

 

「....?分かった。」

 

案内された先はミレケネスの部屋だった。中に入ると、これまた複雑な表情の彼女が座っていた。挨拶もそこそこに、ミレケネスは重い口を開いた。

 

「......グラルークス陛下が倒れられた。」

 

「なに!?何故連絡を寄越さなかった!!」

 

カイザルの表情が変わった。

 

「落ち着け。最後まで聞いてくれ。グラルークス陛下は現在療養生活を送られているが、とても人前に出れる状態ではない.....。そして法に従って臨時議会が開かれた。」

 

「.....ッ!?まさか!?」

 

ミレケネスは腕を組み、話を続ける。

 

「お前も知っているだろう。国のトップである帝王は常にその任務を全うできなければならない。つまり今のグラルークス陛下にその資格はない.....!!」

 

「....!!」

 

「そして会議の結果......暫定君主に選ばれたのはグラ・アデル皇太子殿下だ......!!!」

 

「!!!!」

 

(まずいな....。)

 

ラクスタルの背に冷や汗が流れる。これが意味するのは、急進派が主導権を握った、ということだ。

 

「すまない、私は反対したんだが....!!力不足だった!!女一人では何も出来なかった!!」

 

ミレケネスはそう言って頭を下げた。強く握られた拳から、彼女の悔しさがひしひしと伝わってくる。男尊女卑の面が色濃く根付いている帝国では、いくら大将であるとはいえミレケネスの影響力は低かったのだ。

 

「いや、こちらこそすまない...私がいれば、もう少し状況は変わっていたかもしれん。」

 

 

彼らにしてみれば、グラルークスがここまで早く倒れてしまったのが想定外だった。少なくとも彼の跡継ぎをグラ・カバルに固めるところまでは出来ると思っていたのだ。あまりにも運が悪すぎる。

 

 

(くそ....絶対に、なんとしてでも戦争を回避せねば!!!さもなくば帝国に未来は無い!!)

 

 

 

カイザルらの、長い長い苦難が今始まった。

 

 

 

 

12月22日 佐世保鎮守府

 

 

現在、会議室では提督達が年明けの任務について打ち合わせをしていた。

 

「えーと....トーパ王国にはどいつを連れて行きゃあいいんだ?」

 

トーパ王国へ行くことになっている高橋が、同じく吉川と話をしていた。

 

「うーん....空母と、護衛の艦艇をいくつかってところかな。寒いから、気密性の高いソ連艦がいいかな。空母はいないからそこは別の国のを選ぶしかない。」 

 

「分かった。どうしようか....。というか戦車なしで大丈夫なのか?」

 

高橋の疑問に、森高が答えた。

 

「なんか聞いた話によると今回発生している魔物は空を飛んだりするやつが多いらしい。だから戦車はあまり必要ないんだとか。それに政府は自衛隊をこんなことで外に出したくないんだろう。」

 

「ふーん....。そんなもんかね。」

 

「あとは海魔とかいうイカのバケモノみたいなのも出るらしいから爆雷とかも持って行った方がいいな。駆逐艦だと危ないから、最低でも巡洋艦サイズがいいだろ。」

 

「イカのバケモノねえ...それ、美味いのか?」

 

「知るか!!」

 

 

 

 

一方、ほぼそれと同時に神聖ミリシアル帝国の港湾都市カルトアルパスにアダマン級魔導戦艦を送り届けることになっている赤松も、随伴艦を誰にするか考えていた。

 

 

「うーん......どうしようか。世界最強らしい国の機嫌を損ねるわけにもいかんし...。大型巡洋艦あたりでもいいな。」

 

結局彼は護衛兼アピールとして4隻の戦艦と3隻の大型巡洋艦を選んだのだった。

 

 

 

 

12月25日 ムー国 首都オタハイト―――

 

「「「「かんぱ~~~い!!」」」」

 

「か、かんぱ~い???」

 

ムーに滞在している艦娘達の邸宅で、クリスマスパーティーが開かれていた。そしてその中に一人の男の姿があった。技術士官マイラスである。なぜ彼が呼ばれているのかと言うと、「男がいないのはつまらない」という理由で暇を持て余していた彼が引っ張ってこられたのだ。ムー人の彼にはクリスマスという文化は当然無く、少し混乱が見て取れる。

 

しかし決して悪い気分では無かったので、マイラスもついつい深酒してしまっていた。途中から記憶がなくなり、翌朝目覚めたときにはなぜか全裸だった。彼はひどく赤面したのだった。

 




次回から新編「グラメウス大陸大掃除作戦(仮称)」が始まります。評価、感想をお待ちしております。よろしくお願いします。

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  • 大和型vsGA級
  • 紀伊vsGA級
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