日本国召喚 独立艦隊の奮闘   作:yyyyyyyyyyyyyyyyyyy

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ここもそれなりに続きます。

原作の「辺境の魔王編」にあたる部分を書かなかったので、その代わりです。


今更気づいたけどグラ・バルカス帝国から日本へ船で3週間は速すぎた...。ミリシアル帝国まで2週間かかる...しくじりました...5週間弱に修正します。すいません。

書籍が買えてなくて大陸間の距離に自信がないので間違ってたらご指摘お願いします...。

アンケートを設置してみましたので、ぜひ投票をお願いします。

ここからは主にトーパ王国とミリシアル帝国の様子、時々グラ・バルカス帝国を挟む予定です。


辺境の魔王編 補足分
第52話 グラメウス大陸大掃除作戦①


1641年―――

 

西暦にして2017年、元号で言えば平成29年が始まった。転移からおよそ2年、目立った混乱も大分静まってきたように思える。

 

日本国政府はこの2年で転移の原因を必死に探っていた。まだ確実な原因は分かっていなかったが、遠い過去にも日本軍が来ていたかもしれない、というとんでもない情報が入っていた。エスペラント王国に国宝として保管されていた魔写に、大和型と思われる戦艦が写されていたのだ。政府は現在、過去の資料を読みあさっているそうだ。

 

 

 

 

 

 

それはさておき―――。

 

 

年末年始のちょっとした休暇を終えた鎮守府は、早速仕事にとりかかろうとしていた。まずトーパ王国へ空母を中心とした艦隊が出港し、少し遅れて神聖ミリシアル帝国へ送り届ける魔導戦艦を護衛する艦隊が次に出ることになっている。

 

 

 

1月7日 午前5時 佐世保 

 

「.......なァ霧島。」

 

「はい?」

 

早朝、高橋と霧島は揃って布団から出て、顔を洗い歯磨きをしていた。

 

「......前から思ってたけど、お前って眼鏡取ると榛名に似てるよな。」

 

高橋は時々、急にこんなことを言う。

 

「いきなりどうしたのですか?」

 

「いや...言ってみたかっただけ。」

 

「そうですか。」

 

「うん。...あぁ、まだ眠いな。」

 

そう呟くと、彼は大きなあくびをした。

 

 

 

 

一時間後―――

 

「......そんじゃ行こうか。全艦抜錨。」

 

高橋の乗るレーニン級戦艦「スターリン」、その横に吉川の乗るクレムリン級戦艦「ペトログラード」、そしてその後ろにビスマルク級戦艦「ビスマルク」「ティルピッツ」の2隻、エセックス級航空母艦「イントレピッド」「ボクサー」「ヴァリー・フォージ」「ゲティスバーグ」「イオー・ジマ」の5隻と、アレクサンドル・ネフスキー級軽巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」「ドミートリィ・ドンスコイ」「ピョートル・バグラチオン」、最後尾にモスクヴァ級重巡洋艦「モスクヴァ」、「ペトロハブロフスク」、「リガ」が続く。合計15隻の艦隊はトーパ王国駐留艦隊基地に向かって出港した。

 

トーパ王国までおよそ7,000km、およそ一週間の道のりだ。

 

 

 

およそ2時間後―――

 

「なあコウスケ。それ、効くのか?」

 

ペトログラードが不思議そうな顔をして吉川に尋ねる。彼の手には青と銀に赤い牛が描かれた長い缶が握られていた。

 

「んなわきゃないだろ。翼が生えたことは一回もないね。」

 

吉川は中身を一気に飲み干し、そう言った。

 

「ふーん...なんだそりゃ。」

 

「こういうのは結局気分だよ、気分。.....でも眠いな。」

 

「全然駄目じゃないか。やはり、目覚ましならスピリタスに限るな。」

 

「んなもん飲んで死なないのはお前らソ連艦くらいだっつうの....。てか、ウォッカとかの酒ってもう買えないんじゃ?ほとんど輸入品だし。」

 

吉川の疑問に、ペトログラードはフフン、と鼻を鳴らして答えた。

 

「いや、クワ・トイネ公国に似たような酒があるらしくてな、少し前から輸入が始まっているらしい。それに日本のメーカーが拠点を構えたらしくてな、そこで造るらしいぞ。」

 

「へえ、詳しいんだな。」

 

「ああ。酒は大事さ。命と同じぐらいにな。」

 

「はは...流石だ。こいつはスイスから輸入してたから、たぶん発売停止だろうな..。少し残念だ。」

 

吉川は空になった缶をゴミ箱に投げ、そう呟いた。

 

 

同じ頃、戦艦「スターリン」艦内―――

 

「おい。」

 

「....なんだよ。」

 

艦娘「スターリン」は高橋に呼ばれ、振り返った。

 

「お前、そんなアホみたいな格好してると風邪引くぞ。」

 

高橋は彼女の服装を指さし、そう言った。レーニン級姉妹の制服は、比較的オーソドックスな軍隊の礼服と似たような装いだ。だが、姉と違い妹はそれをかなり崩して着ていた。ネクタイを付けずに、ワイシャツのボタンを5個ほど開けて、ブレザーも前を閉じず、黒いタイトスカートも膝上15センチほど上げていた。彼女のその出で立ちは、どこか不良学生を思わせる。当然だがレーニン級2人は名前の元となった人間のように髭を生やしている、なんてことはないし、姉がハゲている、なんてこともない。当然ではあるが。

 

 

 

 

「......うるさいなあ、別にいいだろ。寒くなったら上着着るし。」

 

彼女はぶっきらぼうにそう答えた。高橋も「そうかい。」とだけ返す。

 

建造されたばかりの頃のスターリンは、ずっと姉にくっついて、まるで狼のように周囲を警戒していた。今でも口は悪いままだが命令は素直に聞くようになったし、姉と離れての任務もこなすようになった。なんだかんだ面倒見もよく、他の艦娘たちにも好かれているらしい。しっかり者の姉とは違うが、彼女もまた信頼できる戦力であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

同日、午前9時 再び佐世保―――

 

「さーて、こっちも行こうか。目指すは神聖ミリシアル帝国の港湾都市、カルトアルパスだ。全艦抜錨!!」

 

『『『『『『『了解!!』』』』』』』

 

 

先ほど出港した艦隊よりも時間が遅いので、艦隊を率いる赤松は元気そうだ。とはいっても、彼らの向かう第一文明圏まではおよそ1万kmほども離れているので、結構な時間がかかる。船旅で退屈しないように、たっぷりと荷物は詰め込んだ。

 

戦艦「ヴィットリオ・ヴェネト」「リットリオ」「インペロ」「ローマ」及び、大型巡洋艦「プエルトリコ」「フィリピン」「サモア」がアダマン級魔導戦艦を護衛する。プエルトリコが後方でアダマン級を曳航する形となっていた。

 

今回ヴィットリオ・ヴェネト級4隻が選ばれたのは、年明け前に航続距離を伸ばすための試験的な改装を受けたからだ。イタリア海軍の軍艦は、主に地中海での行動を想定していたため全体的にスタミナが少なく、このままではこの広い星ではあまり活動できない、という問題があった。そのため、今回は航続力延長の結果を確認するため、この4隻が選ばれている。

 

およそ20ノットで、艦隊は神聖ミリシアル帝国の港湾都市カルトアルパスへと向かった。

 

 

同日、アルタラス王国に駐留していたキング・ジョージV世級戦艦「キング・ジョージV世」、「デューク・オブ・ヨーク」、「ハウ」、そしてマール王国に駐留していたネルソン級戦艦「ネルソン」、「ロドニー」は、佐世保にて改修を行うため、それぞれ日本に向かって出港した。

 

 

 

 

1月14日 午前9時 トーパ王国近海―――

 

大雪が降っていた。

 

「さっむ......」

 

煙草を吸おうと艦橋の外に出ていた高橋が震えながら戻ってきた。ドアを閉めると、彼はすぐにストーブの前の椅子に座った。

 

「そりゃそうだろ、こんなに雪降ってるんだし。到着するまで我慢しろよ。」

 

スターリンは呆れた様子でそう言った。

 

「ああくそ、分かったよ。うおぁっ!?」

 

「きゃあっ!?」

 

突然船体に衝撃が走り、大きく揺さぶられる。それによって二人は椅子から強く投げ出されてしまった。

 

 

「いつつ....何が起きた!?」

 

高橋が頭を押さえつつ体を起こすと、見張りの妖精から悲鳴のような通信が入った。

 

『たっ、大変です!!ばっ、化け物が船に!!!』

 

「ハァ!?化け物だぁ!?」

 

『右舷を見てください!!』

 

妖精の必死な叫びに気圧され、高橋とスターリンも窓から右舷側に目をやる。そこには、150メートルはあるのではと思わせるほどの、巨大なイカかタコのような生物がいた。

 

「うおっ、なんだありゃあっ!?」

 

思わず素っ頓狂な声を出してしまったが、こうしている間にも船は大きく揺らされている。全長252m、排水量45000tのこの船がまさか沈むなんてことは無いだろうが、危険なことには変わりない。

 

「急いで近くの火を消せ!!!早くしろ!!」

 

高橋は艦内放送で指示を出し、自身も慌てて近くのストーブを消した。再び通信機を手にし、指示を出す。

 

「副砲手配置に付け!!後ろに巻き付いてる触手の付け根を狙え!!榴弾ブチ込んでやれ!!」

 

イカの化け物は船体後部の両用砲のあたりに触手を2本絡ませていた。船体中央部、各舷に2個づつ配置されている152mm三連装砲は異常なしだった。

 

『了解!!!』

 

妖精達は急いで配置につく。数分後、後ろ側の副砲が旋回を始め、まとわりついていた触手に狙いを定めた。

 

一方、高橋は艦隊の他の船にも通信を入れた。

 

「こちら『スターリン』、本艦だけで対処可能だ、手ェ出すなよ!!」と。

 

 

 

 

「撃てぇっ!!」

 

        ドォッ!!!

 

指示と共に152mm三連装砲が火を噴いた。この副砲はキーロフ級巡洋艦の主砲を基に開発されたものであり、最大射程は脅威の38kmと、戦艦の主砲並みである。

 

 

 

発射された砲弾は着弾と同時に爆発を起こし、化け物から触手を一本えぐり取った。

 

すると突然、「ギィィィィィィィィィイ!!!!!」という耳の痛くなる悲鳴を上げ、それはふらふらと海に潜っていった。

 

嵐の過ぎた後のような静けさが艦内に戻った。

 

「クソ...何でイカのくせに鳴くんだよ...。」

 

耳鳴りのする部分を押さえつつそう忌々しげに吐き捨てると、高橋は再び通信機を手に取り指示を出した。

 

「よくやってくれた、ご苦労。悪いが一応総員戦闘配置だ。到着するまで警戒を解くなよ。」

 

 

 

『―――おい、京介大丈夫か?』

 

隣の「ペトログラード」から吉川が通信を入れてきた。

 

「ああ、まあ大丈夫だ。転んだし、耳痛いけどな。」

 

『そうか。どうやらさっきのあれが噂に聞いてたクラーケンとかいう、船を襲う海魔の一種らしい。しかし、あのくらい大きいのはグラメウス大陸に近づかないと出ないらしい。それも、滅多にな。...普通はせいぜい20mくらいだとある。』

 

 

「....なんなんだ一体。まあいい、撃退できたしな。危ないがここにいる船が沈められる事はないだろ。」

 

『そうだな、しかし思ったより凄かったなあ。あんなのに喰われるのは御免だね。』

 

「ああ、そうだな。気を付けよう。」

 

通信を切り、高橋は船体後部に目をやる。そこには、切断された触手が1本、くっついたままになっていた。今度は主砲に目をやると、先ほどの揺れで波をかぶったせいで凍り付いてしまっていた。

 

(こりゃ、着いたら早速掃除だな....。)

 

小さくため息をつくと、彼は艦橋の掃除を始めるのだった。数分後、ふと彼はあることを思いだし、スターリンに声をかける。

 

「なあスターリン。」

 

「...あ?」

 

「お前、意外と悲鳴可愛いのな。」

 

「.....ブン殴るぞ。」

 

彼女の顔が赤くなった。

 

 

 

 

一方その頃、ムー国政府から日本国政府に連絡があった。

 

『6月、国王ラ・ムー陛下即位30周年記念観艦式が開かれる。日本国にも是非参加していただきたい。』と.........。

 

 

 




以前感想の返信にも書きましたが、名前の被っている艦艇には作者がそれらしい別の名前を付けています。今回登場したエセックス級「ゲティスバーグ」がその例です。名前は南北戦争の戦いにちなんでいます。有名な戦いですね。

見たい組み合わせは?

  • 大和型vsGA級
  • 紀伊vsGA級
  • 長門型vsヘルクレス級
  • 金剛型vsオリオン級
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