国の名前とか隊の名前は適当です。
『こちらレインバード。フェニックス隊、応答せよ』
「こちらフェニックス隊、隊長機フェニックス01。どうした?」
『作戦司令部から伝達。17:00から都市制圧作戦を開始する。そのため、16:55の時計合わせを行う』
「了解」
『5、4、3、2、1、マーク』
「マーク」
『何か機体に異常は無いか?』
「機体状況及びレーダー異常なし。兵装も問題なし」
『了解した。あと8マイルで作戦区域に入る。速度を落とせ』
「了解」
『...』
「レインバード、聞きたいことがある」
『何だ?』
「この作戦の参加部隊はウチだけなのか?」
『いや、こことは別の三方向に二部隊ずつ配置されている』
「なぜこっちは自分だけなんだ?」
『いても邪魔だろう?大体、貴機の機動に着いていける味方機はいないさ』
「一応言っておくがこの機体は量産機だぞ?それで着いていけないって問題じゃ無いのか?」
『逆に言わせてもらうが、貴機のような機動をする奴が一般兵だと言いたいのであればイーセイ国軍は窮地に陥ることは無いぞ。過ぎた謙遜は嫌味に聞こえるから他の兵には言うなよな』
「了解、気をつける」
『フェニックス隊、作戦予定時刻だ。作戦区域に突入し、高速域で民間施設を破壊せよ』
「フェニックス01、任務了解」
血のような赤黒い塗装をされたMIG-31が紫線を引きながら敵国の都市主要施設に向けて高速で飛ぶ。
都市高層ビル屋上に設置されたAAガンやSAMが起動するも、その機体は轟音を立てながら真っ直ぐ突っ切る。
対空兵器はその圧倒的な速度を捉えきれずに目標を逃す。
都市主要施設が集まっている場所はコンクリートジャングルとなっており、一般パイロットであれば低速域でも飛行困難だろう。
しかしその機体は一切速度を緩めることなく、逆にグングン上げながら不自然な機動を行い、ビル群をすり抜ける。
その見事という言葉だけでは表せない操縦に逃げ惑っていた民衆も足を止めて見惚れていた。
フェニックス01(FE01)はその隙を見て、国の象徴である時計塔をミサイルで破壊する。
続いて遠距離から別働隊が長距離対地ミサイルで避難施設を爆撃していく。
フェニックス隊の予期せぬ撹乱で都市は数分にて炎の海と化した。
赤黒いMIG-31はその様子を一瞥してからまた高速で作戦区域を離脱する。
『フェニックス隊、ご苦労だったな。久しぶりの都市破壊、いや、フェニックスの業火の調子はどうだ』
「あぁ。いつも通りかつ、最高だよ。人々の日常を戦火で包んで不幸を大量に生み出す。こんなに素晴らしい事は他にないな」
『ハハハハハ!違いねえな」
『「他人の不幸は蜜の味」ってか?』
「わかってるじゃないか。傭兵という事は必ず勝たなければならない。だからこそ負けた相手は不幸になる。その様子は見てるだけで昇天してしまいそうになる」
『はぁ、そうかい。エースパイロットがどんなに歪んだ性癖であっても報酬通りの仕事をしてくれればこっちとしても万々歳だ』
「さあ今日も明日も全てを業火で包もう」
『そうだな。全機に通達、作戦は成功。各隊は所属基地へ順次帰投せよ』
「アルファ隊、了解」
「ベータ隊、了解」
「チャーリー隊、了解」
「ガンマ隊、了解」
「オメガ隊、了解」
「テラ隊、了解」
「で、アイツらは落としていいのか?」
『何だ?処理できるんであれば報酬金は3倍増しだが、出来るのか?』
「ふっ、この機体を舐めるなよ?フェニックス01、これより敵機制圧任務を開始する」
『フェニックス隊、交戦を許可する。奴らに金の代わりに業火をプレゼントしてやれ』
「言われなくてもしてやるさ、フェニックス01、engage!」
今日も今日とて不死鳥が血の雨を降らせ、その地を炎の海にしていく。
この世界が平和になる事は無いだろう。
地獄の不死鳥がいる限りは。
MIG-31速くてすこなんだ。