金属の生き物と金属を操る少年   作:鯣伊賀耕作

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なんとなくで書きました。
次作がいつでるかわかりません。気まぐれです!
それとヴィーゼの見た目はバンブルビー(トランスフォーマー アメリカ版一作目)を想像してかいてます!黄色い見た目が黒色になった感じです!


プロローグ 村、襲撃

少し私の話をしよう。

 

とある森の奥、鉄工業が盛んな集落から1Km程の外れで、私は生まれ育った。

生まれ育ったといってもこの世に生を受けて10数年、大人たちにとってはつい最近の話である。

 

私の家は集洛内ではそこそこ大きめの小屋付の木造屋敷に家族三人、鉄の生き物一匹と仲良く幸せに暮らしていた。

 

父は鉄加工業を営んでいて、変わったものを発明するのが好きだった。お陰で小屋のなかには集落や人里でも見たことのないものが所狭しと並んでいた。

新たな機械を開発しては集落の人たちに見せびらかしていた。そして集落の人たちを驚かしていた。

そして私も父と一緒になって機械を作ったりしていた。そのときの父はいつも楽しそうだった。

 

母は専業主婦で、いつも家事をしたり庭の畑で野菜を育てたり変わった花を栽培したりしていた。

母は私と父が機械を作っているところをいつも楽しそうに見ていた。

母はほんわかとした性格で、多少のことでは動じずいつも「あらあら」といったように流してしまうので少々不安であった。

 

そして我が家にはとても大きな鉄の生き物がいた。名はヴィーゼという。物心ついた頃には既に家にいた。父がどこかから拾ってきたらしい。ヴィーゼを連れて帰ってきたときは流石の母も驚いた。しかしあっさり受け入れられてしまったらしい。

 

ヴィーゼは身体全身が機械で出来ており、普段はヒトの形をしている。そしてときどき見たこともない荷車のような近未来感のある乗り物に変形できる。

彼は人の言葉も話せて、よく近所の子供たちや周囲の人たちを和まして、集落のムードメーカだった。

 

そして彼が原因なのか、私にはとある能力が身に付いた。

それは触れた金属を自由自在に形を変え、組み合わせることが出来る、所謂金属を操る能力を持っていた。

この能力はここ数年に発動した。

発動したとき、父はすごく驚き、自分の事のように喜んだ。そしてなぜか誉められた。

そして能力のことを母に話すと母も喜んでくれた。

その日、家族全員で祝われた。

 

そして集落の人たちも何故か一緒に祝ってくれた。

 

村の人たちは謎の能力を持った私や謎の生き物ヴィーゼを怖がるどころかあっさりと受け入れてしまっている。

というより、ここの集落出身の人たちの性格なのか、皆暖かく多少のことでは動じず、ある程度の事であれば笑って済まされてしまう。

そのため、私たちは平和に楽しくこの集落で生活できていた。

 

 

 

そして、そんな平和な村での楽しい生活は突如として終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

とある新月の夜のこと、人々が寝静まった集落に、魔物たちの集団が押し寄せた。

魔物たちは逃げ惑う人たちを一人残らず食い殺し、集落を血と肉片で染めた。

 

村全体に悲鳴や叫び声が響く。

そして村の物見櫓の鐘が危険を知らせる。

 

私たち一家は村から少し離れていたため、騒ぎに気づいたのは鐘が鳴り始めてからであった。

 

「村の方で何かあったようだ。少し様子を見てくるよ」

そういって父は西洋風のコートを羽織り、出掛ける準備を始めた。

「あなた、気を付けてね」

母が心配そうに言った。

「あぁ、すぐ戻る。愛息子を頼んだよ」

そう言うと父は村の様子を見に出掛けていった。

そして、私たちも庭に出て村の方を見ていた。

庭に出るとヴィーゼも起きていた。

『村の方で何かあったのでしょうか?』

「分からないわ。今お父さんが見に行っているわ」

母は不安そうに言った。

そっと私の手を握りしめた。

 

 

 

村の方からはもう鐘の音は聴こえず、ただ地響きのような音が辺りに響いていた。

 

 

 

暫くして父が真っ青な顔で息を切らしながら帰ってきた。

そして叫んだ。

「逃げろ!魔物が来る!」

 

その直後、父の身体の上半身が消え、下半身だけがその場に倒れた。

何が起こったのか、理解ができなかった。

頭の処理が追い付かない。

 

父の亡骸の後ろには黒く大きな蛙のような魔物が立っていた。

『二人とも!はやく逃げてください!ここは私が!』

そういってヴィーゼは、魔物の前に立った。

次の瞬間、私の身体は母に抱えられて魔物たちとは反対方向の森の方向へと走り出した。

母に抱えられて連れていかれる最中、ヴィーゼの両腕が変型し見たこともない武器になり、その武器で魔物を退治していく様子が見えた。

辺りに破裂音と金属音が混じった音が鳴り響く。

見たこともない状況が繰り広げられるなか、母はひたすら森を目指して走っていた。

 

 

その方向が魔物の住まう山の方向とは知らずに。

 

 

山に入って暫くして、母は石につまづいて転んだ。

私は前に投げ飛ばされてしまった。

私は立ち上がろうと顔を前に向けるとそこには先程とは違う、熊の化身のような魔物がこちらにすごい勢いで向かってきた。

どうすることもできなかった私はそのまま魔物に左腕を踏み潰され、右腕を食いちぎられた。

このまま身体をバラバラにされるんだと悟った私は静かに目を閉じた。

 

次の瞬間、私の目の前には母がいて魔物の顔面を殴っていた。

母は魔物を殴り飛ばし、私を抱き締めた。

「非力な母だと思った?残念、これでも昔熊と喧嘩して勝ったことあるのよ」

そういう母の目は今までに見たことのない勝ち誇ったような表情をしていた。

しかし声は震えていた。

「痛いよね、大丈夫?泣かなくて偉いね」

そういって母はもげた私の両腕の止血を素早くしてくれた。

そして止血が終わって優しく微笑んだ。

 

それが隙だったのだろう。

次の瞬間、私と母は山の入り口まで吹き飛ばされていた。

地面を転がり、停止して横を見ると母が血を吐きながら咳をしていた。

どうやらお腹を殴られたらしい。

「お母さん・・・大丈夫?」

意識がもうろうとするなか、私は母に聞いた。

「えぇ・・・大丈夫よ・・・早く・・・逃げなさい」

そう母が言うと、母の身体が宙に浮いた。

正確には持ち上げられた。

上を見ると、先程の魔物が母の体を掴んでいた。

そしてそのまま、母を真っ二つに引きちぎった。

 

その光景をみて思わず走り出した。

うまく言葉に表せない感情が込み上げた。

悲しく、苦しく、喉の奥に何かが詰まりそうだった。

目から涙が溢れでる。

 

そして再び転んだ。

両腕がないため、うまくバランスを取って走ることができない。

そして両足に鋭い痛みを感じた。

後ろを振り返ってみると、先程の魔物が私の両足を踏み潰した。

私は今度こそ終わりだと思った。

 

次の瞬間、破裂音と金属音が混じった音がし、熊のような魔物の腹部に穴が空いた。

魔物の腹に空いた穴から黒い液体が吹き出し、魔物が倒れた。

『大丈夫ですか!』

そういってヴィーゼは手を通常の手の形に変形し私を大きな手で優しく抱えた。

しかし、その間に周囲を魔物に囲まれてしまった。

「ヴィーゼ・・・囲まれちゃった・・・よ」

『ご安心ください。寧ろ集まってくれたので片付けやすくなりました!』

そう言うとヴィーゼは私を左手に移して右腕を魔物に向け、右腕を複数のパイプを組み合わせたような武器に変形させた。

『撃ちますよ。気を付けてください』

そう言うとヴィーゼは複数のパイプを高速で回転させ、弾丸を連続で撃ち出した。

傍で見ていると光の筋で魔物を薙ぎ倒しているようにみえる。

そうこうしてるうちに魔物を全滅させてしまった。

 

『さーて、終わりましたよー・・・!』

次の瞬間、新たな魔物がヴィーゼに殴りかかってきた。

ヴィーゼは吹き飛ばされてそのまま集落の鉄工所まで飛ばされた。

私はヴィーゼの手から落ちてしまい、鉄工所の近くの小屋に落ちた。

背中を強打してた。

鋭い痛みが走ったが、なんとか体を動かすことができた。

なんとか体を腹筋の力だけで起こし、魔物の方を見る。

今度はヴィーゼよりも大きな人形の魔物だった。

その魔物を私は知っていた。

「ダイダラボッチ・・・」

ダイダラボッチは、昔から伝わる巨人だ。

ダイダラボッチはヴィーゼの頭を掴んで鉄工所の煙突にヴィーゼの首を突き刺した。

その光景をみて私はもうだめだと思った。

 

しかしヴィーゼは死んでいなかった。

足でダイダラボッチを蹴り飛ばし、手をプラズマ砲に変形させ、青白い弾を撃ちだしダイダラボッチをあっさりと仕留めてしまった。

ダイダラボッチは蒸発した。

ヴィーゼはなんとか起き上がったが何やらフラフラとしており、青白い筋が所々からバチバチと出ている。

『損傷・・・軽微・・・生体維持に異常なし』

「ヴィー・・・ぜ?」

『スミマセン・・・スコシ・・・声帯に・・・ダメージ』

「声・・・帯?」

『コエガ・・・ダセナク・・・ナリソウデス』

『アト・・・エネルギー出力・・・低下中・・・補給ヲ・・・』

「ヴィー・・・ゼ・・・死んじゃうの?」

そのときの私には、その意味がわからなかった。

『デンゲンガ・・・オチル前二・・・ギシュヲ・・・』

そういってヴィーゼは鉄工所の残骸から金属を集めてきて私の前に置いた。

 

そして私の目の前にの地面に何かを浮かび上がらせた。

どうやら図面らしい。

『コノカタチドオリニ・・・金属を・・・ツクル・・・』

私は言われるがままに目の前の金属に近寄って形を変えては組み立てた。

金属は私の想像した通りに曲がり、くっつき組み立てられていく。

ヴィーゼが写してくれた図面のお陰でなんだかよくわからないが義手と義足が完成した。

ゴチャゴチャとした義手と義足を手と足があった場所に取り付けた。

とても人間の手と足とは思えないが、心なしかかっこいいと思う私がいた。

そしてヴィーゼが言った。

『サ・・・ソレデ人里ニイッテ・・・カラダヲ・・・チリョウす・・・ル』

「分かった・・・ヴィーゼも・・・来てくれる・・・よね?」

『ワタシハ・・・キミガモドッてくるのを・・・待ってる』

「どうして?・・・来て・・・くれないの?」

『エネルギーショウモウガ・・・ハゲシスギルので・・・休んで待って・・・マス』

「・・・分かった」

『カナラズ・・・帰ってきてクダサ・・・い』

そう言うとヴィーゼは少し嬉しそうな表情を見せた気がした。

 

やがて日が昇り始めた。

『さぁ・・・行ってください』

「うん」

『何があっても・・・途中でモドッテキテハナリマセンヨ』

「分かった」

そこで私は彼と指切りをした。

金属と金属が擦れる音がして、どこか彼と親近感が沸いた気がした。

『それとソノ義手とギソクニハ・・・アラユル機能があります・・・道中ヤクニタツカト』

「ありがとう」

『ソレデは・・・オキヲツケて』

「うん」

 

そう彼と最後の言葉を交わし、私はゆっくりと歩き出した。

幸いにも手足が義手になったお陰で歩行で使う体力が一気に減った。

後は意識をしっかりと保つことが重要である。

近くの大きな街までは魔法の森や山を越えなくてはならない。

その先の道のりを想像して気が引けながら魔物の住まう山を昇り始めると、後ろで大きな地響きがした。

 

後ろを見ると、土砂崩れが起こっていた。

そしてヴィーゼがいるであろう鉄工所の方へと大量の土砂が流れ込んでいった。

私は今すぐにでも助けに行きたかった。

しかし今の私には何も出来ないどころか共倒れの可能性もある。

仕方なく、私は街へ歩き出した。

倒れそうで死にそうな体を保ちながら、一歩ずつ確実に、歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

頭上を赤と白の巫女と白と黒の魔法使いが飛んでいくのを知らずに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博霊神社の巫女、博霊霊夢は土砂に埋もれて壊滅した集落をみてため息をついた。

「遅かったわね・・・」

「あぁ・・・もう少し早く気づいていればこんなに被害は出なかったぜ・・・」

魔法使いの霧雨魔理沙も悲惨な光景を目の当たりにして言葉を失っていた。

「まさか・・・魔法の森に隕石が落ちてきてそれに驚いた魔物が暴れだして山を越えるなんて・・・」

・・・ジジジ。

「全くだぜ・・・そんなことがあるなんてって馬鹿にして・・・クソ」

「悔やんでも仕方ないわ。起こってしまったものはもう戻せないわ。それに、全滅した訳ではないわ。もしかしたら一人でも生きているかもしれないわ。少しでも生きている人を見つけましょう」

そういって二人は辺りに人がいないか探し始めた。

 

 

 

「霊夢!ちょっと来てくれ!」

しばらく二人が集落を捜索していると、魔理沙があるものを見つけた。

「何?」

魔理沙に導かれて連れてこられたのは、半分が土砂に埋まった鉄工所の建屋の唯一壊れずに残っていた一角だった。

中に入るとなんとか形を保っているといった形に室内がひしゃげていた。

「なんだか壊れそうだわ」

霊夢がそういって中を見渡して、部屋の中央に目をやるとそこには黒髪の裸の少女が横たわっていた。

「ちょ、ちょっと魔理沙!あの子!」

「あぁ、まだ息がある!」

「というか私を呼ぶ前に助けてあげなさいよ!風邪引いちゃうでしょ!」

そういって霊夢は少女に近づいて、息を確認した。

少女は裸なところと喉に穴がある以外に特に変わった様子もなく、規則正しく息をしていた。喉の傷も出血もなく、止まっているようだった。

そして、からだが異様に冷たかった。

「良かった、息はあるわ。喉に傷・・・かわいそうに。一晩中こんな状態だったのね・・・」

「あぁ、喉に穴まで開けられて、生きているのが奇跡だぜ」

そういって、魔理沙が持ってきていたタオルを被せてあげた。

「にしてもこの子、魔理沙にそっくりじゃない?」

「そうか?私は黒髪じゃないぞ?」

「まぁそうだけど、でも顔の感じとか似てるじゃない!」

「うーん?そうなのかな?取り敢えずこの子を連れて帰ろう」

「そうね、他には生き残っている人も居なさそうだし・・・魔理沙」

「なんだぜ?」

「この子は任せたわ」

「はぁ!?なんだって私が!?」

「まぁいいじゃない!それにこの子にはきっと身寄りも無さそうだし」

霊夢は少し楽しそうに言った。

「・・・はぁ分かったよ。連れて帰ればいいんでしょ!っと重!?」

その少女は見かけに寄らず、すごく重たかった。

その重さは人間とは思えなかった。

「この子!すごく重たいんだけど!?」

「ちょっと魔理沙?さすがに女の子にそれは失礼なんじゃないの?」

「ほんとなんだってば!持てばわかるぜ!」

「嫌よ。腰が痛くなっちゃうわ」

「くっそう!この貧乏巫女!」

「何よ。泥棒魔法使い」

「ぐぬぬ・・・」

「取り敢えず、帰りましょうか」

「そ、そうだな・・・」

そういって二人は、その奇妙な少女を連れて帰った。

 

 

当然、その少女の正体も知らずに・・・




ちょっとした好奇心で書き始めたので変なところが多々あると思うのでコメントなんかでどしどし叩いちゃってください!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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