金属の生き物と金属を操る少年   作:鯣伊賀耕作

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ちょっと短めですw


2話 静かな超重量級少女ヴィーゼ

集落が壊滅した事件から3日、事件当日に詳しい情報がないにも関わらず新聞で報道され、人里ではここ数日この話題ばかりだ。

新聞では『土砂崩れで集落が崩壊!?生き残りは一人も居ない!?』などと報道された。

その他にも残骸の損壊具合、鋳鉄村特有の機材から『この集落では怪しい研究が行われていたのか?』などとあることないことに加え『謎の巨大生物同士の戦闘跡?』という事実も添え、結果的に怪しい研究による罰当たりだという理由で崩壊したと報じられた。

 

 

 

ーーー霧雨魔理沙の家ーーー

魔法の森の中にポツンと立つ一軒家。

その家の中は人が最低限生活する上で支障がないくらいには片付けられているものの、色んな物で溢れ返っている。

そんな家の中の一室に二人の少女がいた。

この家の主、霧雨魔理沙である。

彼女はチラチラとベッドに横たわる少女を見ながらベッドの傍で本を読んでいた。

そして、ベッドに横たわっていたのは霧雨魔理沙に瓜二つな少女であった。

魔理沙はベッドに横たわる少女を見ながら内心で呟いた。

(助けてからかれこれ3日、全く目を覚まさないなぁ。本当に生きているのか不安だぜ)

魔理沙は近くの机に本を置くと、ベッドに横たわる少女の顔を覗きこんだ。

(特に変わった様子は無いな。にしても鏡を見ているみたいだ・・・)

しばらくまじまじ見ていると、少女の瞼が少し動いた。

そしてゆっくりと目を開いた。

「お、目覚めたか!」

「・・・」

少女は口を動かした。

しかし声が出ていない。

「お前、喋れないのか?」

少女は何度か口をパクパクさせた後、頷いた。

「うーんどうしたものかなぁ」

魔理沙は腕を組んで悩んだ。

すると少女が魔理沙の裾を引っ張った。

「ん?どうした?」

少女は手を動かし、身ぶり手振りでなにかを伝えてきた。

「紙・・・ペン・・・が欲しいのか?」

少女は深く頷く。

「よしわかった!ちょっと待ってくれよ」

そういうと魔理沙は机の上から紙の束と鉛筆を持ってきた。

「はい!」

魔理沙は少女に鉛筆と紙を渡すと少女は頭をペコリと下げ何かを書き始めた。

そして書き終えると魔理沙に見せた。

そこには筆圧の高い字で簡単な自己紹介が書かれていた。

「私の名前はヴィーゼです・・・ここはどこですか?・・・なるほどヴィーゼって言うのか!」

少女はそれに応えるように頷いた。

「そっか!私の名前は霧雨魔理沙だ!普通の魔法使いさ!よろしくな!それとここは魔法の森にある私の家だ」

そしてヴィーゼは紙に筆圧の高い字で『よろしく』と書いた。

「ところでヴィーゼ、自分の身に何が起こったか覚えているか?」

ヴィーゼはその質問に少し考えた後に、再び紙に書き始めた。

そして魔理沙に見せた。

「村に魔物が攻めてきた・・・村が壊滅して私と友達だけが生き残った・・・友達は助けを呼びに行った・・・まじか」

ヴィーゼは少し寂しそうな表情を浮かべていた。

「あそこからこの辺まで結構距離あるぞ。飛んでいっても6時間はかかるぜ。それに魔物の住まう山なんて人が越えられる山じゃないぜ・・・」

それを聞いた瞬間、ヴィーゼは絶望したような顔になった。

そして再び紙に文字を書き始めた。

「彼が山を越えられる可能性は?・・・生きた生身の人間が何にも遭遇しなかったら可能性は無くもないがここに来るのに魔法の森もあるし・・・」

魔理沙の顔も曇り始めた。

そしてヴィーゼの顔はひどく悲しそうな表情をしていた。

魔理沙は見てられずに窓の外に目をやる。

外は夕焼けに染まり、カラスが夕暮れ時を知らせていた。

夜の魔法の森は昼間よりも危険だ。

普通の人間が無事に出てきた事例は殆ど無い。

 

ふと後ろで重々しい音と家が軋むような音がした。

「え!?」

うしろを見るとヴィーゼがベッドから降りていた。

「ちょちょちょ、ちょっと待て!?」

慌てて魔理沙はヴィーゼの冷たい腕を掴んだ。

「どこ行くつもりだ!まさか探しに行くつもりじゃ無いだろうな!?」

ヴィーゼは複雑な表情をしたまま俯いている。

「夜の魔法の森は危険だ!何があるjか分からないんだぞ!確かに探しに行きたい気持ちは分かる!だがお前まで死んでしまっては意味無い!それにまだ死んだって決まった訳じゃない。何処かで生きてるかもしれない。だからお前はまだ動かないで少し待て」

そう言って魔理沙はそっとヴィーゼを抱き寄せた。

ヴィーゼは泣きそうな表情を浮かべた。

魔理沙はただ何も言わずに抱き締めていた。

 

 

そのままどのくらいたっただろうか。

ヴィーゼはすっと魔理沙から離れて微笑んだ。

そして紙に『ありがとう』と書いた。

「まだ死んだって決まった訳じゃない。もしかしたら上手いこと生きてるかもしれない。だから今はここで大人しく待とうじゃないか!焦ってもいいこと無いぞ!」

魔理沙はそう言ってウィンクしながら親指を立てた。

そしてヴィーゼはそれをみて安心した表情を浮かべた。

そして魔理沙はとある疑問を口にした。

「そういえばヴィーゼってどうしてそんなに重たいんだ?」

その瞬間、ヴィーゼは硬直した。

そして少し恥ずかしそうに紙に書いて見せた。

そして魔理沙は驚愕した。

「・・・え?」

 

 

 

そこにはこう書かれていた。

 

『私は金属の妖精です』

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