この素晴らしい世界に祝福を!~和真たちが紡ぐ四天の物語~   作:キリア♪

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 剣道や柔道などの設定を変更しました(^v^)


この死後の世界とその先に冒険を!

 そして、死後そんな事を知らない和真は

 

 「残念だけど、貴方は死んでしまいました」

 

 「うん、知ってる」

 

 死後の世界で青い髪の女神と会っていた。

 

 女神は自分のことをアクアと名乗った。

 

 「で、ここは?」

 

 「あら、私がどんな女神だか聞かないのね…

 普通は驚いたりとか、私が女神なのを知って頭を垂れるやつが多いのに…

 まあいいわ、ここは転生の間と呼ばれるところで、貴方みたいに選ばれた死者が来る場所よ」

 

 「選ばれた…ね」

  

 「えぇ、親友とでも言える友人の為に悪役を演じた事でいじめられて、その友人が実はそのいじめの黒幕だったことを知り、もう人のことは助けないとか心に決めときながら最後にその親友だった子の妹を助けちゃった憐れで優しいお馬鹿な佐藤和真さん。

 もっと詳しく話しましょうか?」

 

 パチリとウィンクをしながら腰に手を当て和真に微笑むアクア。

 

 「なんで知ってるんだ…て、そりゃあそうか、神様だったら知ってるよな…

 てか、なんかあの女子高生の顔見たことあるかと思ったら、あいつの妹かよ…

 助けるんじゃなかったぜ」

 

あーあ、無駄な命使っちまったぜとぼやきつながら、和真はアクアと名乗る女神に要件は?と目で訴えかけた。

 

 「な、何よそんなに見ても生き返らしたりとかできないからね?

 え…違う?要件を言え?

 わかったわよぅ…佐藤 和真さん。

 貴方には3つの選択肢を与えましょう。

 一つ、天国という名の何もない真っ白な空間に行って地獄を味わう。

 二つ、記憶とか全消去してもとの世界に転生。

 三つ、記憶もそのままに特典をつけて俗に言う剣あり、魔法ありのファンタジーな世界で、魔王を倒すために動くか選びなさい」

 

 アクアが三本の指を突き出しえっへんとその豊かな胸を弾ませながら問いかける。

 そして、そんなアクアの豊かな胸を見もせず和真は引きこもり中に得たオタク魂に火がついた。

 

 (ふっ、その三つの選択肢なら俺の選択肢は決まっている)

 

 「じゃあ、三つ目で」

 

 「即決ね、ならこの本の中から特典を選んで頂戴」

 

 そう言ってアクアは特典が書かれた本を渡した。

 そして、和真がそれを読むこと数分ーーー

 

 「これにしてくれ」

 

 そう言って和真が開いたページに書いてあったのは

 

 『強大な魔力』

 

 と書かれたページであった。  

 

 「はいはい、ならそれで送るから少し待ってね」

 

 (この特典を使ったら、あっちのお金をすぐにでも稼げるだろう…)

 

 そう言ってアクアは祝言を和真に与えた。

 

 「佐藤 和真さん、貴方が魔王を倒した暁にはなんでも一つ願いを叶えましょう…

 そして、異世界であなたに祝福があらんことを!」

 

 そう言われて和真は異世界に旅立った。

 

 「あ、あら?

 なんで私まで巻き込まれてるのよぉぉぉ!?」

 

 イレギュラーを連れて…

 

 そして、アクアたちが送られ静かになった空間に置いてある特典の本が風もないのに勝手に開いた。

 

 そこに書いてあったのは、

 

 『強大な魔力』

 

 向こうでネタ魔法とされる極めても一日二回が限界と言われる爆裂魔法を連発して使えるほどの魔力と魔力回復速度を与え、コントロール出来る特典。

 

 と、ここまではカズマが読めた所。

 だが、その下に異世界の言葉で

 

 デメリット『女神が付いてくる』

 女神と言っても神々からこいつ最近緩んでるし一発気を締めさせようかと思われている女神を一柱連れて行くことになる。

 なので食費など色々嵩むことになる。

 あと、戦闘系の女神や真面目な女神はついてこないため気苦労が耐えないだろうが、この特典を選んでしまったものは頑張ってほしい。

 

 と書いてあるページであった。

 

 おそらくこれを読める者がいたら絶対に嫌がらせだとわかるだろう…

 そもそもな話、これは日本人専用の本であり書かれているのは日本語だけのはずなのだ。

 

 それに異世界の文字を書いてある事自体がそもそもおかしい話なのである。

 

 つまり、何が言いたいかというとーーー

 

 「はぁ!?

 なんでお前までついてきてんだ!?」

 

 「あなたが選んだ特典のデメリットね…

  和真、このアクア様が力を貸してあげるからさっさと魔王倒してあの本作った神ばか殴り飛ばしに行くわよ!

 あ、あと私戦闘能力アンデット系や悪魔専門だからあとよろしくー」 

 

 選んだ者和真にとって、一番痛いペナルティーとなるのだ。

 

 「ふ、ふざけんなーーーー!!!

 アンタみたいな調子に乗ったらドジ漕いて色々やらかしそうな女神と一緒とか不安でしかない」

 

 青く透き通る空に和真の心からの叫びが響き渡る。

 

 (こいつが使えるか否かで俺の今後の動きが変わる…)

 

 「ちょ、ちょっとぉ!

 それってどういうことよ!」

 

 「言葉通りの意味だ!」

 

 「はぁ!?

 この世界のアクシズ教の女神であるアクア様が頭いいのに優しさと鈍感故に親友に裏切られて引きこもった挙句、親に迷惑かけてようやくまともになり始めたところで、その親友の妹庇って死んだあんたのについてやんのよ!?

 もう少し喜んで拝みなさいよ!」

 

 私偉いのよ!と言って無駄に背後に水のアーチを作りふんぞり返るアクアに和真は青筋たてて、

 

 「はぁ?

 だーれがお前みたいな奴拝むかぁ!」

 

 

 「なんですってぇー?

 いい度胸じゃない、表出なさい!

 ケチョンケチョンのぐちょんぐちょんにしてやるわ!」

 

 和真の胸ぐら掴みながらアクアは喧嘩を売るが…

 

 「え、俺女とか殴る趣味ないからパス、てか多分お前知ってると思うが、こう見えて俺体術系習ったり剣道経験者だからな?

 資格とかは取れてないけど一応教士の人と互角にやりあえる程度には強いぞ」

 

 そう言いながらアクアの手をふり払い苦笑する。

 

 「え、何その高スペック」

 

 アクアの顔が目に見えて引きつるがカズマは気が付かず続ける。

 

 「あれ?

 知らなかったのか?

 いや、学校やめてから家の親戚に剣道と柔道の教士の人がいてさ、引きこもってた俺を引っ張り出してくれてな。

 その人たちに鍛錬と礼儀を習ったり、根性を叩き直すためだとしごかれまくっていつの間にか生き残るために避けたり捌いたりしたら互角にやりあえるまでになってた…

 まあ、あの人達のお陰で親や現実と向き合えたし感謝してるよ」

 

 (あの時、何故か身体が勝手に動いて弾こうとしたナイフを胸で受けちまったけどな…)

 

 「さて、こんなところでくよくよしても始まらないし、あのうっすら見えてる町にまで行くか」

 

 そう言って、和真は街の方に歩きだした。

 

 「どうやら、そうした方が良さそうね」

 

 アクアもため息を吐きながらも歩き始めた。

 

 彼等が進む先には何があるのだろうか…

 

 街に進むこと数分、早くも和真は後悔していた。

 

 「つーかーれーたー!

 もう歩けない〜、和真ぁ背負ってぇ」

 

 (ダメだこの女神、使えねぇ)

 

 ジタバタと玩具買ってもらえなくてダタこねるかのように倒れ込み手足をばたつかせる駄女神(アクア)

 

 「はぁ、仕方ねぇ…

 ほれ、さっさとおぶってやるから行くぞ」

 

 そう言ってアクアに背を向けてしゃがむ和真を見たアクアはあり得ないものを見るかのように止まり

 

 「え?

 ほ、本当にいいの!?」

 

 「しゃーねぇだろう、ここで立ち止まってたらさっきお前が言っていたモンスターって言う人を襲う奴らが来るんだろう?」

 

 「ま、まあそうだけど…」

 

 「そんなのが来るかもしれないところに女子供置いていけねぇし、なにより早く街に行きたいからな」

 

 「か、和真ぁ!

 あなたって本当に優しいのね!

 見直したわよ!」

  

 

 アクアはそう言いながらも素早く立ち上がりカズマの背中に飛び乗る

 

 「ぐっ、て言うほどの衝撃もこねえし思った以上に軽いのなお前」

 

 「ふふーん、それはそうよ。

 なんたって私は神よ?」

 

 そう言いつつ嬉しいのか恥ずかしいのか顔を真っ赤にするアクアだが、和真はそれに気が付かず歩き始めた。

 

 (なによ、カズマのくせに…

  親友とかに裏切られてもう絶対優しくしないとか心に決めてるくせに困ってる人見たら助けちゃうバカマのくせに!)

 

 「どうした、アクア」

 

 アクアが静かにしていたため和真は心配して振り向こうとするが

 

 「うっさい、バカマ!

 こっち見んな!」

 

 (本当は、私の事なんて…)

 

 アクアはそれを許さず片手で和真の頭を無理やり前に固定した。

 

 「え?

 なんで今俺罵倒されたの?

 てか、バカマってなんだよ…」

 

 なんか怒らせるようなことしたがなぁ…?とぼやきつつこういうときは黙っとくに限るかと思い渋々その歩をすすめる…

 

 「ねぇ、和真。

 本当は私なんて邪魔じゃないの?」

 

 アクアがそう言うまでは

 

 「はぁ?」

 

 そのアクアの発言に対し、和真の足は止まった。

 

 「だって、一人のほうが何かと動きやすいだろうし、私戦闘に向かないお荷物だし…

 なによりあんたに負担になるだろうし」

 

 それを聞いた和真は、はぁー…とため息をついたあと、アクアの方に顔を向け

 

 

 「ばーか、静かにしてると思ったらそんなこと考えてたのかよ」

 

 「な!

 バカとは何よ、私だって真剣に考えてるんだからね!」

 

 「俺はお前がいてくれて助かってるよ」

 

 「え?」

 

 「だってよ、こんな異世界で誰も知らない場所でたった一人で頑張るのは辛いし怖いさ…

 でも、今はお前がいるだろ?

 

 少しでも俺のこと知ってるお前がいるから俺は恐怖心も抱かずにこうしてのんびりとお馬鹿な女神さまおぶって歩けるんだよ」

 

 少しギザなこと言ったな、俺と言って顔を赤くする和真を見て、アクアは自然と顔が綻んだ。

  

 (あぁ、私はここに居ていいんだ…

 あの静かだけど暗くて寂しく、死んだ人たちの懺悔や負の感情が渦巻くつまらない場所ではない自由で温かいここに…)

 

 「なにニヤニヤしてんだ、お前は」

 

 「ううん、なんでもない…

 ただ、和真の背中って固くて温かいなーって」

 

 うふふ…と笑いながら前よりも強い力で抱きつくアクア

 ちょ、お前もう少し離れろよ当たってんだよ!と顔を赤くしながら告げる和真

 そんな風にしながら歩いて約一時間後

 

 「ようやく着いたな…」

 

 立派な石造りの門を目の前で和真はアクアを背負いつつも道中で狩った獲物引きずりながら呟いた。

 

 そこにいた門番達は顔を引きつらせ、青ざめながら和真達にお決まりの言葉をかける。

 

 「よ、ようこそ…駆け出し冒険者の町であるアクセルへ!」

 

 

 




 一体何故門番達は顔を青ざめていたのだろう…(愉悦スマイル)

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