自立歩行型夢中探索機構。残業中   作:Ur世ワイな

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五話、「四話まではまとめさせていただきました」の五話。

できる私の朝は早い。

一日の始まりを、アスナちゃんの毛繕いで感じる。

天にも昇るような心地だが、うっかり声を出してはいけないのだ。須郷の野郎にバレてしまう。

今日も今日とて私は黒猫フォームだ。

 

アインクラッド終了後、私は、アスナちゃんの端末に意識を飛ばした。野郎の傍付はいい加減飽きていた。

アスナちゃんと、朝のコーヒーブレイクを楽しみながら、現状把握に努める。

 

鋼鉄の城の崩壊から一週間、アスナちゃんは未だ解放されていない。

それもこれも、あのロリコン野郎のおかげであるのだが。

須郷と私に面識はない。秘密裏に育て上げられたのだ、私が一方的に知っているとしても、向こうが認識している可能性はない。

 

「盗聴器の類いは無さそうだ。もちろんモニターは確認されているだろうがな。アイツにも仕事とという物がある筈だしな。」

 

「…喋ったぁぁぁぁ!!!?」

 

アスナちゃんにメンタルケア及びヒースクリフ戦での私の記憶はない。

とはいえ、身体は確かに覚えているようなのだが。

 

「ああ、猫だって話すとも。お前が話すのだから、私が話さない道理はない。

正体から明かそう。私は、茅場晶彦特製のAIだ。」

 

「…AI?ユイちゃんと同じ種類の?」

 

「そうだな。正確にはそのプロトタイプという事になるのだが…。

茅場晶彦特製とは言え、私にも意思はある。SAO開始後もシステム側から茅場排除を狙っていた。」

 

アスナちゃんと話しつつ、この世界に接続する。

まず、ここはALOと呼ばれる、ゲームの中らしかった。

もし、何処かでインターネットに接続出来るなら、意識を現実世界の端末に飛ばせるのだが…。

一応だが。鳥籠のような部屋に、プライベート設定を掛けておく。

須郷の野郎は信用できないし。

それに、いくら創造者とは言っても、プレイヤー自身の設定で言えば、メンタルケアプログラムアキとしての権限が上の筈なのだ。

 

 

「……追い出されちゃった…。」

 

須郷、考えたな…。まさか鳥籠の設定を逆手に取り、私に権限を与える事で追い出してしまうとは。

 

「やべぇ…。どうしよ…。」

 

まさかの詰み、である。

私は、この世界から出られず、また鳥籠にも戻れない。

仕方がないので、ピクシーとしての体を取り繕い、世界樹の下で思考を進める。

 

どうにもならないようだ。

プレイヤーに助けを求めるのは現実的ではない。須郷は神代ちゃんと同じ出身だ。無理に事態を進めるのは早計なの…か…?

アスナちゃんの方は、しばらく大丈夫。

みんなの英雄、キリトでも待ってみるか…いやぁ、なぁ…。

 

 

という訳で私、今、世界樹の中で門番の仕事、してます…。

 

 




メンタルケアは通常、アニマルセラピーに近い形で考えています。
たまにバリトンボイスで饒舌に話し始めますが…。
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