黒き小さな男の娘は"学友"と共に"空を駆る" 作:鎌寺正一@D-Alderz/神咲ハルカ
そうでない方はお久しぶりです。
今日から再び更新スタートします。
初日は2話同時にします。
あとが大変になりますが、出来るだけ早く更新できるように心がけていく所存です。
批評等はなるべく少ない方が私のメンタル的に助かります。
それでは、拙いですが本編、どうぞ
よくある何か
よく晴れた日。
僕は白い部屋のベッドの上で、窓の外を眺めてた。
「・・・ぃぁ・・・」
いい天気、とそう言ったつもりでも喉から出たのは掠れた声だけ。
でも、今日は調子がいい。
少ししたら声も出るようになった。
「・・・いい・・・てんき・・・」
暖かい日差し挿しこめる中、僕はベッドの上で口遊む。
少しずつ、眠たくなってきた。
ーーぴっ、ぴっ、と鳴る音の間隔が長くなった気がした。
今日はもう寝て、また明日、お天道様を見るんだ。
窓から差し込む光を僕は見るんだ。
そう思いながらゆっくりと、瞼を落とす。
ーーもう、起きれないって解りながら。
1人の少年が眠った病室。
「■■、来たよー?」
扉が開き、白い少女が姿を現す。
しかし、不自然に病室は静か。
「・・・■■・・・?」
少女は少年のベッドに近づくが、近くの機械から音が鳴っていないのに気がついた途端、顔を青ざめて叫んだ。
「■■ッ!!」
どれだけ叫んで揺すろうとも、少年はピクリとも動かない。
騒ぎを聞き付けた医師が駆けつけてくる。
少女は錯乱し、医師へ必死に何かを伝えようとする。
医師は何とかする、と口では言うがこうなる事を知っていた手前、確約は出来なかった。
まだ直後であれば治療出来るかもしれない。
手早く脈を測り、たくさんの事に手を尽くしたが・・・
「・・・残念ですが・・・」
・・・無情にも、その時間は告げられた。
「・・・・・・■■・・・・・・」
後には、目から光が消えた少女の、か細い呟き声のみが響いたのだった。
・・・苦しくない。
・・・痛みもない。
・・・そっか・・・僕・・・
・・・死んじゃった・・・んだ・・・
・・・まだ、生きたかった、かな・・・
ーー『その願い・・・叶えられるとすれば・・・どうしますか?』
・・・うぅん、僕はこの生で満足できるよ。
だから・・・って、あれ?
・・・ここは・・・?
真っ白の部屋。
なんにもない部屋にいつの間にか僕はいた。
『ようこそ■■さん、神界へ。』
・・・誰?
目の前に青い着物を着た女の子がいた。
『私はツクヨミ。あなた方で言う神という存在』
・・・神様?
僕は思わず首を傾げる。
『そう。貴方はあまりにも不自然に人生がねじ曲げられていたの。死んでしまったのもそのせい。
だから私があなたを呼び出した。』
・・・運命がねじ曲がる?
・・・なんのことだかさっぱり。
次々言われることは僕じゃよく分からないことで。
『生まれてこの方病室で過し、最後は原因不明の奇病で死去。それでもおかしいとは思わない?』
・・・わからない。僕には何も分からないよ。
『・・・そう。ならそれはそれで。
貴方に提案があって呼び出したの。
転生、してみない?』
・・・転生?
突然の提案だった。
『そうよ。異世界へ魂と記憶を保持したまま、別の人間へ生まれ直すこと。
それを私たちは転生と読んでるわ』
・・・小説みたいだね・・・
病室でよく読んでた小説に登場したっけ。
『当たらずとも遠からず。現実は小説より奇なり、って言うでしょ?』
・・・それも、そうだ・・・
『で、してみる気はある?』
・・・僕なんかが、生を望んでも・・・いいの・・・?
『貴方にその気があるのなら。』
・・・わかった。転生、してみる。
なんとか、僕はその声を絞り出した。
『決まりね。まずは・・・転生特典、決めましょうか』
転生特典を考えながら僕はツクヨミさんとお話をした。
これから転生するのは"インフィニット・ストラトス"の世界らしい。
それも、その後は別世界に転生し続けることが出来るって。
それだけの不幸を背負ってたらしいから、お詫びだそう。
だから僕は当たり障りなく、世界を壊さない程度に抑えることが出来るような転生特典を考えた。
1、専用機の手配とその永劫所持権
2、束さんと仲良くなれるように
3、ある程度の戦闘センス
4、死ににくい体質
バランスはどうしても壊れてしまうけど、死ぬよりはマシ。
そして僕はひとつ、自分に不利な条件を加えた。
5、極度の虚弱性体質
これは4の死ににくい体質に対するデメリットとして付けさせてもらった。
ようするに死ににくいけど脆くて弱い。
・・・あんまりいい例えではないけど交通事故でペシャンコになりはするけど死なないって感じかな・・・。
喋りすぎると血を吐いたり。
・・・そんな体質だ。
『・・・本当にそんな事でいいの?せっかくの第2の人生になるんだよ・・・?なのに自分から・・・こんな・・・』
・・・良いんですよ・・・生きる意思が弱い僕にとっては・・・お似合いですよ
『・・・っ・・・そう・・・それじゃあ、その設定で転生してもらうわね・・・ごめんね・・・ごめんねっ・・・!』
途中から泣き始めてしまったツクヨミさんに、僕は問いかける。
・・・ねぇ、ツクヨミさん・・・
『なに・・・かしら・・・?』
・・・あなたの名前、教えて?
『・・・ルカ・・・山城ルカ』
泣きじゃくる幼女のような女の子の神様。
きっと彼女は、人間よりも人間らしい性格を持っている神様なのかもしれない。
・・・ありがとう、ルカ・・・また死んじゃったら・・・会いに来るよ
『・・・っ・・・!?・・・バカっ!・・・早くに来たら、ダメだからね・・・っ!!』
最初とはかなり口調もイメージも変わっちゃったけど・・・可愛い神様だった。
・・・それじゃあ、行ってきます・・・
『・・・行ってらっしゃい・・・いい人生を・・・っ!』
そんな声とともに僕の意識はとだえた。
「・・・これは・・・酷い、ね・・・」
あれから、15年も経った。
沢山、書くことはあった。
でも、今からの物語を書く方が。
僕にとっては重要なんだ。
「・・・ら・・・ん・・・むらく・・・」
「織斑くんっ!」
「・・・はい・・・!」
さぁ、始めようか。
僕の第2の人生、物語にある人生を。
悲劇を喜劇に変えるため。
僕を僕たらしめるため。
僕は
「自己紹介、お願いできるかな・・・?」
「はい・・・!」
出来た家族を、絆を、友達を。
大切な人を。
守るためなら。
「僕は・・・」
僕は・・・。
自分を投げ捨ててでもみんなを守るよ。
「・・・織斑、千春、です・・・体・・・弱いけど・・・これから、よろしく・・・お願いします・・・っ!」
守りたいものが、出来たからっ!