謎の必殺技感があるなぁ。
Gジェネやってて思った事。
ダンタリオンどっかのヒーローアニメ?と思った鉄血です。
後、歴代ガンダムの主人公機体を見て、やっぱバルバトスは異形感あるわー。
では、どうぞ!
三日月ぽくなかったらごめんなさい。
遠征の後に盛大な酒宴を開くのが、【ロキ・ファミリア】の習慣だ。
眷属の労をねぎらうという名目のもと、無類の酒好きであるロキが率先して準備を進め、団員達もこの日ばかりは大いに羽目を外す。
遠征の後処理が一段落する頃にはすっかり日も暮れ、東の空は夜の青みがかかり始めていた。
遠征に参加しなかった居残り組の一部の団員にホームの留守を任せ、彼等に羨ましそうに見送られながら、アイズ達は西のメインストリートへ向かった。
本来、この酒宴に参加するのは遠征に参加したメンバーが殆どだが、今回は昨日入団したばかりの三日月と今日入ったハッシュが特別に参加する事になっていた。
三日月は「別にいい」と言って断っていたが、ティオナやロキに言われて参加する事になったらしい。
ハッシュに関しては三日月が行くのであれば「自分も行きます」と言って着いてきた。
オラリオの西地区は北西の大通りとは異なり一般市民が多く住まう地区だ。
魔石製品による世界中との交易を主産業とするオラリオは、製品製造を担う労働者を多く抱えている。
ギルドの計らいから生み出される雇用は、ダンジョンを求め訪れる冒険者以上の労働者を呼び寄せていると言われ、当然そんな彼等も都市に居着くことになるのだ。
【ファミリア】に加入していない無所属の労働者の多くがこの西地区に住居を構え、彼等の家族も生活することで、大規模な住宅街を形成していた。
勿論、目抜き通りである巨大なメインストリート沿いには酒場や宿屋など多くの店々が並んでいる。
垢抜けない素朴な町娘達を求め、こちらに足を運ぶ冒険者も少なくない。
「あまり来ないですけど、こっちの空気も賑やかでいいですよね」
「うん、冒険者しかいない北西のメインストリートより好きだな、あたし」
物騒な装備に包まれていない人の群れはそれだけで場の雰囲気を軽くしていた。
仕事帰りの労働者達が美味しそうに酒を飲み、純朴そうな売り子達が客を呼び込んでいる。
精悍な冒険者にちょっかいを出される彼女達はまんざらでもなさそうで、しかしそうはさせじと若い地元の青年達が彼等の間に割って入り、数瞬睨み合っていたかと思うと・・・勝負とばかりに盛大な飲み合いが始まった。
口と腹を押さえる売り子達と周囲の客も巻き込み大騒ぎとなる。
魔石灯の光に照らし出される盛況な大通りの光景に、会話を交わしていたティオナとレフィーヤは笑みを漏らす。
「ミア母ちゃーん、来たでー!」
残照が消え完璧な夜を迎えた辺りで、ロキが予約を入れた酒場に到着した。酒場の女将の名を呼ぶとすぐにウエイトレス姿の店員がアイズ達を出迎える。
この西のメインストリートの中でも最も大きな酒場『豊穣の女主人』は、ロキのお気に入りの店だ。
店員が全て女性であるのとそのウエイトレスの制服が彼女の琴線に触れたのだと、アイズ達は既に悟っている。
「お席は店内と、こちらのテラスの方になります。ご了承ください」
「ああ、わかった。ありがとう」
酒場にはカフェテラスが存在した。
恐らくはアイズ達一行が店に入りきらないための処置だろう、礼儀正しいエルフの店員にフィンが了承し、酒場へ入る前に団員の半数をテラスへ座らせる。
残ったアイズ達は入り口の方へ向かい案内された。
と、三日月がポツリと呟く。
「・・・酒臭い」
三日月にとって酒はあまり良い記憶はない。
CGSの時にいた一軍の大人も飲んでいたし、オルガも酒を飲んではいたが、あの時の酒場以降、オルガも酒を飲んでいない。
「三日月さん、酒駄目なんすか?」
ハッシュが三日月に言う。
「駄目って訳じゃないけど、好きじゃないだけ」
「そっすか」
ハッシュはそう言って周りを見渡す。
「まあ、こんだけ酒飲んでる奴がいると酒臭いっすね」
そう言ってハッシュはまた、モノ珍しげに周りを見渡す。
案内された酒場は満員だった。予約のためぽっかりと空いているアイズ達の席が不自然に映るほど、多くの種族の人間が飲み騒いでいる。ロキ以外にも従業員目当ての客は多いらしく、美少女のウエイトレス達に鼻の下を長くしていた。
が、彼女達は外の売り子達とは一味違うのか、ちょっかいを出されても軽くあしらい、時には手痛い反撃も行っている。ロキも早速獣人の店員に迎撃されていた。
店内は木張りで、他の酒場と比べると落ち着きのある内装だった。
天井にある魔石灯も光量は抑えめで、どこか洒落た雰囲気がある。
「ここの料理美味しいんだよね~。つい食べ過ぎちゃってさ~」
「てめえはいつも食べまくってるじゃねえか・・・」
入店してきた【ロキ・ファミリア】を見て、例のごとく客の冒険者達が顔色を変え声をひそめ出すが、ティオナ達は気にした素振りも見せず席へついていく。
アイズも自分の顔に向けられる多くの視線を感じたが、何もせずそのままにした。
好奇の目に晒されるのはもう慣れてしまっている。
「・・・・・?」
ふと、周囲のものとは毛色の異なる視線を感じた。
言葉では上手く表すことはできないが・・・真っ直ぐな感じだった。
気にはなったが、ティオナ達にも促されたので、詮索することもなく椅子に座った。
「よっしゃあ、ダンジョンの遠征みんなごくろうさん!ついでに三日月らの歓迎も兼ねて今日は宴や!飲めぇ!!」
立ち上がったロキが音頭を取り、次には一斉にジョッキがぶつけられる。団員達が盛り上がる中、アイズも杯を軽く上げ近くにいたティオナ達と乾杯した。
アイズ達が案内された席は店内の隅だった。すぐ横には窓を挟んでテラスがあり、扉を通じて自由に出入りができる。 運ばれてくる料理と酒はどれも美味なものばかりで、団員達の伸ばす手も自ずと早くなる。
「団長、つぎます。どうぞ」
「ああ、ありがとう、ティオネ。だけどさっきから、僕は尋常じゃないペースでお酒を飲まされているんだけどね。酔い潰した後、僕をどうするつもりだい?」
「ふふ、他意なんてありません。さっ、もう一杯」
「本当にぶれねえな、この女・・・・・」
「うおーっ、ガレスー!?うちと飲み比べで勝負やー!」
「ふんっ、いいじゃろう、返り討ちにしてやるわい」
「ちなみに勝った方はリヴェリアのおっぱいを自由にできる権利付きやァッ!」
「じっ、自分もやるっす!?」
「俺もおおおお!」
「俺もだ!!」
「私もっ!」
「ヒック。あ、じゃあ、僕も」
「団長ーっ!?」
「リ、リヴェリア様・・・・・」
「言わせておけ・・・・・」
騒ぎ合う仲間達の横で、自分の調子を守って食を進めていたアイズだったが、当然のように飛び火はやって来る。酔ってたかが外れているのか、普段は一歩遠慮している後輩の団員達に気持ちよくなりましょうとばかりに───ここぞとばかりに────杯を突きだされ、アイズは思わず困ったように微苦笑してしまった。
そしてふと、アイズは思い出した。
先程から三日月の姿が見えない。周りをキョロキョロと見渡すと・・・いた。
隣のテーブルでハッシュと一緒に料理を食べている。
が、三日月は肉や魚といったものは全てハッシュの皿に移して自分は野菜や果物といったモノを食べている。
私は立ち上がって三日月のもとへと向かう。
「三日月」
「ん?」
私の声かけに気づいたのか三日月は食事の手を止めて顔を向ける。
「なに?」
「えーっと・・・楽しんでる?」
「んー、まあ」
三日月はそう言ってカットされた果物を口に入れる。
「三日月さん、これ食べます?」
すると隣に座っていたハッシュが三日月に他の皿の料理を差し出す。
「んー?そこ置いといて」
「うっす」
ハッシュはそう言って三日月の前に料理を置いて、自分の食事を続ける。
「・・・そこ、座れば?」
三日月は前の椅子に顔を向けて、私に座るように促した。
「いいの?」
「別にいいよ。どうせ空いてるんだし」
そう言って三日月はまた一口、料理を口に入れる。
私はそんな三日月を見て前の椅子へと座った。
「・・・・・」
座ったのはいいが、何も話題が出てこない。
私は沈黙しながら三日月を見ていると・・・・。
「なに?これ食いたいの?」
口を開けていた三日月は私の視線に気づいてか、スプーンにのった料理を皿に置き、私を見る。
「え?・・・・うん」
私はつい反応してしまい、そう答えてしまった。
私の反応に三日月は表情を変えずにスプーンを手に取り、そして─────。
「ん」
私にそのスプーンの先を私に向けた。
「えっ?」
私は三日月のその行動に呆然として固まった。
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