ソード・オラトリア・オルフェンズ   作:鉄血

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第十四話

「いやに硬いな。コイツ」

 

三日月はそう言って、巨大メイスをガンダムグレモリーに叩きつける。

だがその攻撃ですら、フード状の黒い装甲に弾かれてしまった。

お返しとばかりにグレモリーはバトルアンカーを振り下ろすが、三日月はすぐに後ろへ下がり、両腕に装備された射撃武器で牽制する。だが、それも意味なく弾かれてしまう。

 

「メンドイ」

 

三日月はそう呟きながら、グレモリーを見つめる。

あの黒い装甲を突破し、アイツを倒そうとするのなら装甲の隙間を狙うか、メイス尖端のパイルバンカーで仕留めるしか方法がない。

 

「まあ、やる事は変わんないからいいか」

 

三日月はそう言って巨大メイスを構える。

ガンダムグレモリーはそんな三日月に手にしたバトルアンカーを振り回すが、三日月はバルバトスのテイルブレードを射出し、グレモリーの機動力を奪おうとする。

 

キュルルルルルル!

 

不規則な動きで、テイルブレードはグレモリーの背中についたスラスターを執拗に狙い続ける。

が、グレモリーもスラスターを取らせまいと回転しながら、テイルブレードに向けて腕部に装備された砲撃ユニットで攻撃を続ける。

だが、それが三日月の狙いだった。

 

「ゼロ距離なら!」

 

三日月は巨大メイスの尖端をグレモリーの黒い装甲に付け、パイルバンカーを射出した。

 

バゴォン!!

 

強烈な衝撃が三日月の腕に響き渡る。

ゼロ距離で発射されたバンカーがグレモリーの装甲を貫通する事は出来たが、本体にまでその攻撃が届いていなかった。

軽く刺さっただけの杭をグレモリーは引き抜くと、その杭を三日月目掛けて投擲するが三日月はソレを難なく避ける。

 

「ブルワーズの時のグシオンよりも硬いなあれ」

 

三日月はそう呟きながら、太刀に持ち替えて装甲の隙間を狙おうとしたその時。

グレモリーに数発の砲撃が直撃した。

 

「なんだ?」

 

突然の横槍に三日月は視線をそちらに向けると、そこには見慣れた影があった。

 

「もしかして・・・“昭弘“?」

 

三日月は“グシオン”を見ながら、この人物が自分が知っている人物か聞いてみる。

その三日月の声にグシオンを使っている人物は言った。

 

「俺じゃなかったら誰がコイツを使うんだ?“三日月”」

 

三日月の耳に入ってきた声は聞き慣れた声。

自身が唯一、背中を任せられる仲間の声だった。

 

「やっぱり昭弘か。こっちに来てたんだ」

 

「ああ。このオラリオとか言う場所で、お前の噂を聞いたんだよ。“悪魔がこのオラリオに出た”ってな」

 

「・・・へぇ、そうなんだ」

 

昭弘の言葉に三日月は興味なさそうに返事をして、前のグレモリーを見る。

 

「昭弘、アイツ“あの武器”で倒せる?」

 

「はっ!やってやるよ!」

 

三日月の言葉に昭弘はそう言ってライフルを構える。

 

「じゃあ二人がかりでやろうか。サポートするから昭弘、後よろしく」

 

「ああ、任せろ!!」

 

三日月と昭弘は同時にグレモリーに突撃する。

 

「オラァ!!」

 

昭弘は四本の腕を使い、ライフルでグレモリーを正確に狙っていく。

ガンガン!!と弾は弾かれていくが、鬱陶しそうにするグレモリーに三日月は突撃する。

 

「ふっ!!」

 

三日月はテイルブレードを射出しながら、ガンダムグレモリーの背後に回る。グレモリーはそれに対応する為に振り向こうとするが、テイルブレードが音をたてながら足元からグレモリーの装甲の隙間目掛けて貫こうと迫ってくる。

グレモリーはテイルブレードを無視し、三日月目掛けてバトルアンカーを振り回す。だが、三日月はそのバトルアンカー目掛けて巨大メイスを叩きつけた。

 

ガギィィィン!!

 

金属音と火花を散らしながら二つの武器が重なり、鍔迫り合いになる。

ギチギチと武器が音を立てる中、有利なのは三日月のバルバトスだった。

拮抗していた鍔迫り合いが徐々に、だが確実にグレモリーを追い詰めていく。

 

「昭弘、今」

 

「分かってるよ!!」

 

三日月の掛け声に、昭弘は叫びながら後腰に装備された盾を展開する。そして盾の両端についたグリップを握りながら、盾を展開させた。

盾の中心部分が真ん中からパッカリ割れ、ハサミのような形状に変化していく。

そして完全に変化仕切った後は、もはや盾の面影はなく、完全にハサミと言うよりはペンチに近い形状に変形していた。

 

「ぬおおおおおおおおおぉぉぉ!!」

 

グシオンの顔が変形し、二つのライトグリーンの目が現れる。

スラスターを全開にし、昭弘はペンチを三日月が抑え込んでいるガンダムグレモリー目掛けて突撃した。

 

ガゴォォン!!

 

高い金属音を上げながら、グレモリーをそのペンチで挟み込む。

三日月もそんなグレモリーに対して、逃げないよう前に抑え込んだままだ。

 

「これで終いだ!!」

 

昭弘はそう言ってペンチのグリップを握りながら、押しつぶし始めた。

ガコン!!カコン!!と、グレモリーの装甲下にあるフレームが音を立てて、押しつぶされる。

手を伸ばすガンダムグレモリーに対し、昭弘はそんなこと関係ないと言わんばかりに、押し潰す。

そして────。

 

ガコンッ!!

 

一際大きな音と共に、グレモリーのフレームを昭弘は潰しきった。

潰されたグレモリーは機能を停止し、動きを止める。そして“昭弘のグシオンに吸い込まれてしまった“。

 

「は?なんだこりゃ?」

 

昭弘はそう呟きながら、“グシオンに吸収されたグレモリー”を見て呟くが、三日月はそんな昭弘に言った。

 

「昭弘、ありがとう。やっぱり昭弘だと安心して戦える」

 

「おう。三日月もサンキューな。しっかし、さっきグシオンにコイツが吸い込まれたんだが、なんか意味があんのか?」

 

「・・・さぁ?」

 

昭弘の質問に対し、三日月はそう答えながら、三日月は今後どうするか昭弘に聞いた。

 

「昭弘はこの後、どうすんの?」

 

「とりあえずは三日月と行動する。後のことは地上に出てからだ。三日月は?」

 

「俺はこの後、街に戻るかな。フィンやアイズ達に何も言わないで来ちゃったし」

 

「お前な・・・」

 

三日月の言葉に昭弘は若干呆れながら言うが、彼等にとってはいつもの会話だった。

 

────────と。

 

ドォォン!!

 

「!!」

 

「!!」

 

突然の爆音に三日月と昭弘は顔を音が聞こえた方へ向けた。

 

「・・・聞こえたか三日月」

 

「うん、街の方角から聞こえた」

 

「なら、さっさと行くぞ。街で戦闘があったら洒落にならねえ」

 

「分かった」

 

昭弘の言葉に三日月はそう答え、すぐさま二人は森の中を走り出した。




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