さあ、あの“兵器”が登場だ!
アイズは先程のウダイオスの攻撃を回避した時、自身の身体がまるで操り人形のように動かされ、アイズは戸惑いの表情をつくる。
自分の意思と関係なく動く自身の身体に、アイズは抵抗しようと体を動かすが思うように身体が動かずにアイズの身体はそのまま敵に目掛けて疾走した。
振り下ろされるウダイオスの拳を直撃寸前の所で回避し、振り下ろされた腕を氷の上を滑るように駆け上がる。
あっという間にウダイオスの肩にまで駆け上がったアイズはゴライアスの関節目掛けて《バーストサーベル》と《デスペレート》を捻じり入れこんだ。
『ゴッッ!?』
ウダイオスは叫びながらも首を蠢かせ、朱色の怪火を怒りで燃えたぎらせる。
だがそんなウダイオスに対し、アイズは自身の意思とは関係なく動く身体を取り戻そうと必死になる。
「なんで・・・!なんで勝手に動くのっ!!」
アイズは首をふるふると首を横に振りながら叫ぶ。
こんなの、こんなのは”自分が欲しい力じゃない”。
自分が欲しかったのは、自分の意思で強くなる力だ。こんな“訳のわからない“力じゃない。
人間離れした動きをするアイズにウダイオスは迎撃をしているが、そのスピードに追いつかずドンドンとその巨体に傷を増やしていく。
『オオオオオオオオォォォォォォ!?』
アイズの放たれた蹴りにより、ウダイオスは身体のバランスを崩す。そして何度も攻撃を続けていた腰部の奥に見える核関節に向けて、攻撃を叩きこんだ。
バーストサーベルを突き刺し切り離した後、アイズは離脱する。そしてバーストサーベルが核に突き刺さったまま起爆した。
『オオオオオオオオオオォォォォォォ!!?』
腰部を破壊され、バランスを失った上半身が前のめりになり、地面へと倒れ込む。
『グウゥゥゥゥゥゥゥッ!?』
ウダイオスは上半身を激しく動かし近付けさせまいとする。更に倒れ込んだ体の側からでたらめに逆杭の射出を行い、視認できない敵を退けようとした。
だが──────。
アイズはそれら全てをやり過ごし、迎撃が手薄のモンスターの右肩に着地する。そして《デスペレート》の切っ先を下に向け、隙間から覗く核関節へと、直下させた。
剣先から伝わる硬質な感触。凄まじい硬度を誇り、刃がそれ以上進まない事が分かる。
だが──────。
アイズの今や操り人形のように制御の聞かない身体はそんな硬質な核に向けて《デスペレート》の柄を全力で蹴り飛ばした。
刃に埋まった核関節は瞬く間にヒビ割れ──────撃砕した。
『──────────────────ッッ!?』
ウダイオスの顎骨から絶叫が迸る。
砕け散った右肩がゆっくりと離れ、肩から先の上腕が轟音を立てて脱落する。
右腕一本、丸ごとウダイオスは失うこととなった。
「・・・ぁ」
ただ見ることしか出来ないアイズは、声を出す。
地面に着地したアイズは手の《バーストサーベル》の刃を付け替える。
苦痛と怒りで燃え狂うウダイオスの瞳が、そんなアイズを睥睨する。
階層主は逆杭を連続で打ち出すと、自分の体を覆わせた。
関節を守るように無数の剣山が節々の上に入り組む。
アイズの狙いを悟って防御を固めてきた。
おそらくは身体の回復に時間を費やそうとしているのだろう。
だが、“アイズを操っているアインは”そんな時間を与えなかった。
アイズの手から《バーストサーベル》が消え、“巨大な槍“と盾が顕現した。
そして槍の穴に装填された“巨大な杭“がウダイオスに狙いを定める。
そして、身を固めるウダイオス目掛けて“魔剣の名を持つ矢“が無慈悲に発射された。
轟音が響き渡る。
アイズの腕に凄まじい衝撃が走り、ビリビリと腕が痺れ始める。
射出された“ダインスレイヴ“はウダイオスの杭をへし折り、硬質な骨を砕き、魔石を一撃で貫いた。
だが“ダインスレイヴ“の勢いは止まる無く、ウダイオスを貫いた後ダンジョンの壁に勢いよく突き刺さった。
その衝撃が『ルーム』全体に響き渡る。
一撃でウダイオスを屠った”ダインスレイヴ“を見て、リヴェリアは驚愕し、三日月達は顔を顰めさせた。
そしてウダイオスを屠り、キマリスが消え去った後、アイズは──────
「・・・・・・・・・・」
深く頭を項垂れさせたままその場に座り込んだ。
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