ソード・オラトリア・オルフェンズ   作:鉄血

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結構遅れて投稿!!

Fate/GrandOrder 特異点 機動戦士ガンダム00―Awakening of the Trailblazer―最後の対話

新しくガンダム作品も投稿し始めたのでよろしくです!
なお、fateよりではなく、ガンダムよりになってしまいますが・・・


第三話

「あ、そやアイズたん。昨日帰って来てから【ステイタス】の更新やってないやろ?今日やろか?」

 

朝一件からしばらく経ち、ロキがアイズに提案を上げてくる。

 

「・・・お願いします」

 

ロキの提案にアイズは頷いた。

昨日の傷心が癒えきっていないがまあ、三日月と一緒に寝られたから良しとしよう。

アイズは自身の中で、納得するように頷いていると、隣からロキの呟きが聞こえてくる。

 

「フヒヒ、久しぶりにアイズたんの柔肌を蹂躪したるわ・・・!」

 

「変な事をしたら斬ります」

 

「えっ、マジで?」

 

半ば反射的に女好きの主神に釘を刺しながら───その抑揚のない雰囲気にロキが本気で怖気付きながら───アイズは応接間を後にする。去り際、近くにいたリヴェリア達に小さく一礼し、ロキに連れられとある別室へ向かった。

空部屋の一つで、応接間からさほど離れていない。使われていない椅子やテーブル、更には『遠征』であまった予備の武器や道具が押し込まれている。

今は倉庫同然となっている部屋からロキは椅子を引っ張り出した。

それに座らせてもらったアイズは、部屋着の背中のボタンを外し、上半身を露出させる。

 

「んー、昨日といい今日といい、アイズたん、冗談が通用しないで怖いわー。ホンマ何があったん?」

 

「・・・別に・・・なに、も」

 

晒された白い背筋に神血を垂らし、作業に取り掛かるロキ。

微妙に目を泳がせながら、アイズは彼女の質問を躱す。リヴェリアには散々笑われてしまったし、今朝の件もあり、今の心境では打ち明ける気にもなれない。

背中で踊るロキの指をどこか他人事のように感じながら、アイズは憂鬱な思いを引きずってしまう。

 

「・・・・・?」

 

ふと、背を伝う指の動きが止まった。

ピタリと手を止めたロキにアイズは振り向くと、彼女はわなわなと震え始めている。

どうしたのだろうとアイズが思っていると───女神はガバッと顔を上げ、歓声を放った。

 

「アイズたんLv.6キタァアアアアアアアアアア!!」

 

感情の赴くままの、大音声が打ち上がる。

ホームの奥まで響き渡る主神の喝采に、何かがひっくり返るような、慌ただしい騒音が館の至るところで生まれる。

うひょー!と子供のように小躍りする主神を前にしながら。

少年の事で今は頭が一杯になっているアイズは、きょとん、としてしまった。

 

アイズ・ヴァレンシュタイン

 

Lv.5

 

力∶D555→564 耐久∶D547→553 器用∶A825→827 敏捷∶A822→824 魔力∶A899→S900

 

狩人∶G 耐異常∶G 剣士∶I→H

 

「これがLv.5の最後の【ステイタス】なー!」

 

更新した【ステイタス】内容を流れるように共通語へ書き換え、ほいっとロキが羊皮紙を手渡してくる。

 

(・・・あれ?)

 

渡された羊皮紙を見て、アイズは首を傾げた。

軒並み上昇している【ステイタス】は特に気にする所はない。

アビリティの最高評価Sに上り詰める者は全くと言っていいほどおらず、十分に誇っていい戦果だ。

だが、アイズが気になっているのはそれではない。

 

(・・・“三日月の言ってた力の名前がない?“)

 

そう、アイズが気に掛けるのはその事だった。

三日月から聞いた話ではなんでもスキルで“悪魔の鎧“とあるらしいのだが、羊皮紙に書かれた痕跡は一切ない。

疑問を浮かべるアイズに、ロキが言う。

 

「【ランクアップ】の特典、『発展アビリティ』も発現可能や!良かったなぁアイズたんっ、Lv.5ん時はなーんも手に入んなかったし!」 

 

「・・・どんなアビリティですか?」

 

もしかしたらそっちの方なのかも知れない。

若干の不安と期待に身を寄せながらアイズはロキに聞く。

 

「『精癒』や!あのリヴェリアだけが持っとるやつ!選べるの一つだけやし、これを発現させてもええやろ!?」

 

興奮気味に確認してくるロキに、アイズは若干困惑の表情を作りながらも、こくりと頷く。

昇華が可能である事をつげるアイズの背中は、中心から放射状に、そして断続的に波紋が生じていた。

朱色の碑文───【神聖文字】───が一定間隔で、深く、静かに波立ち発光している。

待機状態にしている【ステイタス】へ、ロキはさっそくとばかりに指を走らせた。 うきうきわくわくと眷属の昇格を喜ぶ主神とは逆に、アイズは、いまいちピンと来ない表情を浮かべる。

 

アイズ・ヴァレンシュタイン

 

Lv.6

 

力∶I0 耐久∶I0 器用∶I0 敏捷∶I0 魔力∶I0

 

狩人∶G 耐異常∶G 剣士∶H 精癒∶I

 

滞りなく【ステイタス】の昇華を終えた後、部屋の隅に置いてある姿見を一瞥する。ロキに翻訳してもらうより先に、アイズは自身の背中を鏡越しに見て、左右反転した【神聖文字】を解読する。

 

(・・・ない・・・なんで?)

 

自身で確認したにもかかわらず、確かに“無い“。

ロキが書き忘れた?いや、そんな事はないだろう。

疑問で顔を浮かばせる中、そんなアイズにロキが言う。

 

「どしたん、アイズたん?不思議そうな顔して?」

 

顔を近づけてくるロキにアイズは「なんでもないです」と短く答えると、そそくさと部屋から出ていった。

そんなアイズを見て、ロキが嘆息を吐きながら呟く。

 

「・・・アイズたん。アイズたんは、三日月のようになったらアカンで。アレは“人間を辞める力“や。今やったらまだ引き返せるし、使わんかったら特に問題はないからな。でもな、更にその先にいったらアカンで。最終的には“自分の命“も食い潰すからな。あの悪魔は」

 

ロキがそう呟いた後、ポケットに隠していた羊皮紙を取り出す。

そしてそこに書かれていた文字にロキは息を吐いた。

 

悪魔の鎧(キマリス)

 

展開時、自身のステイタスアップ。

対魔法対物理攻撃の大幅軽減。

 

デメリット

 

リミッターの解除により代償が必要。

使用時、魔法の効果大幅弱体化。

■■■■■使用時、精神の汚染化

 

レベルアップまたは天使討伐時、キマリス自身の変化能力解放。

 

「ったく、とんでもない爆弾やで。これ・・・」

 

出来れば三日月やアイズを“処分“したくはない。

だが、神々にとって悪魔とは猛毒なのだ。

 

「嫌やなぁ・・・そんな事すんのは・・・」

 

ロキはそう呟いた後、部屋から出ていった。




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