ソード・オラトリア・オルフェンズ   作:鉄血

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短いですが、投稿!!


第六話

「あの馬鹿は何処に行きましたあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

【ロキ・ファミリア】黄昏の館にレフィーヤの怒号が館内に響き渡る。

その声を聞いて他の団員達は視線を声の発生源の場所へ向けた。

そこに居たのは左手に羊皮紙を握りしめ、怒りを浮かべたレフィーヤだった。

 

「どうしたの?レフィーヤ?そんなに怒ってさ?」

 

ティオナがレフィーヤに聞くと、レフィーヤは怒りながら口を開く。

 

「馬鹿が魔法の勉強をサボってガレスさんと模擬戦ばっかりやっていたって話を耳にしましてね!!折角、折角魔法を教えてくれと頼まれたから、頑張って文字を教えて!魔法書の勉強の仕方も教えて、復習もしてくださいってあれだけ言ったのに!!あの馬鹿はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

頭をガリガリとかくレフィーヤにティオナはおそるおそる聞いてみる。

 

「あのさ、レフィーヤ。その馬鹿って・・・・」

 

「“ハッシュさん“です!」

 

と、レフィーヤがそう言った瞬間、バァン!!と門の扉が開かれる。

その場にいた団員が今度はそちらへと視線を向けると、黒々としたオーラを纏ったアイズがそこにいた。

 

「ア、アイズ?」

 

「・・・・・・」

 

ティオナがそんなアイズに声をかけるが、アイズはそれに答える事なく、カツカツと靴音を立てながら部屋へと戻っていく。

そんなアイズを横にいつの間にかレフィーヤもいなくなっていた。

動きが固まる団員達を他所に、その数分後、二人が戻ってきた。

アイズは愛剣を腰に、レフィーヤは杖を手に持っており、明らかにダンジョンへと向かう格好だ。

そんな二人にティオナは冷や汗をかきながら、分かりきっている質問を彼女達に聞いた。

 

「えっと・・・二人共、一応聞くけど何処に行くの?」

 

この場にいる団員の疑問をティオナが聞く。

そんなティオナに彼女達は答えた。

 

「「ダンジョン」」

 

アイズは三日月にあの男の子とどう言った関係なのか、問いただす為。

レフィーヤはあの馬鹿(ハッシュ)を連れ戻し説教をする為、二人はダンジョンへと向かった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「!?」

 

「どうしましたか?ハッシュさん?」

 

突如、顔を上げるハッシュにベルが首を傾げている。

そんなベルにハッシュは「何でもない」と答えて足を先に進める。

今強烈な寒気を覚えたハッシュだったが、気のせいだと思いベルに言葉を投げかける。

 

「ベルは凄いっすね。あんな魔法を使えるなんて」

 

ハッシュの言葉にベルは首を横へ振る。

 

「ハッシュさんだって凄いですよ!!モンスターの攻撃を盾で受け止めてから反撃出来るなんて!僕には出来ない事です!」

 

「お、おう・・・」

 

ベルの言葉の勢いに若干気圧されつつも、ハッシュは頷く。

そんな二人を少し離れた場所で、三日月と昭弘は二人の先程の戦闘を見て、互いの意見を交換しあう。

 

「ベルはどっちかというと、シノやライドみたいにスピードタイプだね。不意打ちするのも結構慣れてるみたいだし」

 

「ああ。だが、本人からしてみればそれが一番戦うのに楽なんだろう。俺達とは違う戦い方だ。ハッシュとも、相性は良さそうだしな」

 

昭弘の言葉に三日月は軽く返事をしながら答える。

 

「そうだね」

 

ベルとハッシュはお互いがお互いの苦手な部分をカバーしあっている。

そんな二人を見て三日月は言う。

 

「まぁ、でも。まだまだ成長するよ。あの二人は」

 

「ああ。そうだな」

 

三日月と昭弘はお互いにそう言いながら、二人の後を後ろから追っていった。




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