私は夜叉猫と申します。
【夜鶴シリーズ】という転生モノを書かせて頂いています。
もし良ければ、前作も読んでいただけると幸いです。
そして、前作から読んで頂いている皆さん。
ありがとうございます。
今回は【夜鶴シリーズ】第二弾。
皆さんがお楽しみいただけますよう頑張りますのでどうぞ宜しくお願い致します。
それでは、本編をどうぞ♪
瞳を開けばそこには見覚えのある空間が広がっていた。
―――前後左右真っ白な空間。
そう、俺が初めてオーミに出会い、そして転生した空間―――【神の間】である。
「―――久しぶりだねこの空間は」
俺はいつの間にか隣に佇む少女に声をかけた。
「えぇ……ざっと一万年ぶり位でしょうか?」
「それはいきすぎじゃないかな?
―――オーミ」
俺はその名を呼びながら少女―――オーミの頭をそっと撫でた。
オーミは気持ち良さそうに目を細めながら俺の手を受け入れている。
「やはり……暖かいですね……夜鶴の手は……」
しばらくしてから、オーミは俺の手を自分の手で包み込みそういった。
「そうかな?俺にはわからないよ」
「ふふふっ。暖かいんですよ」
そういったオーミの瞳には穏やかな光が宿っている。
俺はオーミの髪に指を通しながら口を開く。
「ちょっと成長した?オーミ」
初めて出会った頃は幼い少女といった風貌だったが今では美しい少女といったところだろうか。
「えぇ。私だって成長するんですよ?
まぁ、姿が変えれますからそれを言ってしまえばそれまでなのですが……」
「でも、その姿がオーミの本当の姿なんでしょう?」
「はい。これが姿を変えていない私なのですが……如何せん神様ですから、成長スピードが極端に遅いんです。
それが唯一の悩みでしょうか?」
苦笑するようにオーミはいった。
「あはは。でも可愛いから良いんじゃないかな?
俺はオーミのその姿、好きだよ?」
何気なく放った一言だったが、オーミは顔を紅くしていた。
「そ、そうですかっ///
それは嬉しいですねっ///」
照れて俯く姿が異常に可愛いと思えてしまうのも惚れた女性だからだろうか。
俺とオーミはしばらく他愛も無い会話を楽しんだ。
「―――ところで今回は……【転生】するの?」
俺がそう切り出すと、オーミはコクリと頷いた。
「そっか……今回は何処か決まってるの?」
「……はい。今回はお祖父様……初代オーディン様が自ら創りあげた世界です」
「……あの人が自らかぁ……」
俺はその話を聞いてふと、いろいろと思い出した。
―――突然グングニルを持って襲って来たり……。
―――トールさんとロキさんを無理矢理連れて来て襲って来たり……。
―――俺と知恵比べで勝負したり……。
―――スレイプニルに跨ってグングニルを振り回しながら襲って来たり……。
「……でも、結局は一緒にお酒呑んで帰って行くんだよなぁ……。
本気で襲われたのって一番最初だけだった気がするし……」
俺がしみじみと思い出して呟くと、俺のあぐらの上に座っているオーミがクスクスと笑い始めた。
「どうかしたの?オーミ」
「い、いえ……。
お祖父様、今ではかなり夜鶴を気に入っているんですよ?」
「え……そうなの……?」
「はい。一度だけ本気で襲われたことがあったでしょう?」
その言葉に初めて初代オーディン様に会った時のことを思い出した。
あの時の殺気はおそらく過去、未来において越える者は現れないだろう。
「あの時はただ、夜鶴を試していたそうですよ?」
「……俺、割りと死にかけたんだけど……?」
まさか【
今では問題無いがあの時は割りと本気で喰われそうだったのを覚えている。
……と、いうかオーディンってフェンリルに喰われて最後を迎えたんじゃなかったかな?
「えぇ……まさか【神喰狼】を連れて行くとは思いませんでしたし……」
オーミはまたも苦笑する。
「でも、その時夜鶴が言った事を覚えていますか?」
俺が……言ったこと?
俺は記憶をたどりながらその言葉を思い出す。
「―――『神々が認めないなら認めさせてやる。
例えこの身が朽ちようとも全ての神々に知らしめてみせよう。
一体誰がオーミを愛しているのかを!!』……だったかな?」
「は、はぃ……///
そうですよ……///」
顔を真っ赤にしながら頷いたオーミ。
「どうしたの?オーミ。
顔が真っ赤だけど……」
「い、いえ!
そのぅ……本人から聞くと破壊力が凄くて……///」
頬に手を当てながらそう呟いたオーミ。
しばらくそうしていたオーミだったが、すぐに真面目な顔をしながら話を続けた。
「その言葉でお祖父様も心を打たれて……更にお祖父様を夜鶴が倒したことでその言葉が実現可能だと知ったみたいなんです。
それからお祖父様は他の神々たちに夜鶴の自慢をするようになったんですよ?
『儂の孫の婿は最高の奴じゃ!』ってね」
嬉しそうに語るオーミ。
まさか、オーディン様がそこまで思ってくれているとは……。
俺は心が温かくなるのを感じた。
「……そっか……。
ちなみに今回の転生についてオーディン様は何か言ってた?」
「『修行して来い馬鹿婿め』だそうです」
その言葉に俺とオーミは二人で笑った。
なんだツンデレなのかオーディン様は。
「あはははは!それはそれは……
それなら俺も修行しないとね。
お祖父様のいうことは絶対だ」
「既に夜鶴はお祖父様より強いですけどね」
そう言いながら立ち上がる俺とオーミ。
俺はオーミの頭を優しく撫でながら口を開く。
「神様としては足元にも及ばないさ。
俺はまだ【神力】を扱いきれてないからね……」
今の俺が出来るのは初歩の初歩。八枚四対の翼にすることだけだ。
オーミのように武器にしたり、オーディン様のように強化させることはまだ出来ない。
「ゆっくりでいいですからね?
そもそも【神力】は長い年月をかけて扱うモノ。
一万年程度で翼にした夜鶴は凄いんですよ?」
そういいながらオーミは俺を抱きしめた。
オーミの暖かい体を包むように俺も抱きしめる。
「……ありがとう……オーミ」
抱きしめたオーミの体は俺の心を落ち着かせてくれた。
閑話休題
「ところで今回の世界は何処なのか知ってる?オーミ」
「はい。確か【デート・ア・ライブ】という世界でしたね……。
どんな世界かは知りませんが……」
オーミは難しそうな顔でそういった。
オーディン様……もう少し情報を与えてあげましょうよ……オーミが不安がっていますから……。
「【デート・ア・ライブ】の世界か……。
確か【精霊】が現れるんだったよね……」
流石に内容はあやふやだが、覚えている。
「……ともかく、今回の転生先はそこなんだね?」
「はい、お祖父様が言うにはそうですよ」
オーミはグッとガッツポーズをしながら言った。
俺はそんなオーミの頬を撫でると、軽いキスを落とした。
「また、しばらく会えないだろうからひとまず一回。
……オーミからもしてくれる?」
顔を紅くしているオーミに優しい声色で呟いた。
すると、オーミはニコリと笑いながら唇についばむようなキスをした。
「これ以上は我慢できなくなるので……」
顔が紅いオーミ。
恥ずかしそうにそう言うと、転生するための場所に連れて行ってくれた。
「では、転生させますね?」
そう言ったオーミは初めて転生したときのように優しい光を俺の体に纏わせた。
「今回はお祖父様の創造した世界ですので私は干渉出来ませんが……。
頑張って下さいねっ!夜鶴!」
「勿論。絶対に強くなって戻ってくるよ」
光は強くなり俺の体を覆った。
「それでは……最後に……」
オーミは満面の笑みを浮かべて言ってくれた―――
「愛しています夜鶴」
―――俺に対するその気持ちを言葉に乗せて。
激しい光は俺と同化し―――
―――俺は再び【神の間】から姿を消した。
Side 初代オーディン
「……うむ?行ったようじゃな」
儂は私室でくつろいでいると夜鶴が転生したのを感じた。
「ほほほ。それではサプライズでもしてやるかの……」
そう言いながら儂は封筒を取り出し夜鶴の元へ転送した。
「まったく……初めはただの糞餓鬼じゃと思っておったのにの……」
髭を弄りながら呟いた。
「今では可愛い儂の孫と同じじゃ……」
酒を酌み交わす度にあやつは良い笑顔を浮かべながらオーミの事を語ってくれる。
どれだけオーミが好きなのかがわかるわい。
「それにしてもあやつは神になった割には嫁を増やさんの……」
ひとつ前の世界ではいくらか増やしたようじゃが【神界】では増やさんようじゃな……。
……儂が直々に何人か送ってやろうか?
「【
儂はブツブツと呟きながら、いつか女神を送り込むことを心に決めた。
お楽しみ頂けたでしょうか?
今回はまだ、プロローグですので面白く無かったでしょうか?
これから二作品ともに投稿していきますので、どうぞ宜しくお願い致します。
感想や評価もお待ちしています。