【凍結】デート・ア・ライブ〜チートな転生神〜   作:夜叉猫

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皆さんお久しぶりですっ!!
投稿遅くなってすみません……

そして、【問題児編】の投稿が全然出来なくてすみません……(。-_-。)
アイデアは出ているのですが……文章にする時間が無いのです……

出来れば2、3日中に投稿したいと思っていますっ!



それでは一先ず、本編をどうぞっ!



〜優しい救い〜

Side 琴里

 

「司令……ッ!!」

 

「わかってるわよ。騒がないでちょうだい。発情期の猿じゃあるまいし」

 

私は口の中で飴を転がしながら、狼狽した様子の部下に言葉を返した。

〈フラクシナス〉艦橋。正面モニタには身体をごっそりと削り取られて倒れ伏した夜鶴と、精霊・十香の戦闘映像が表示されている。

確かに部下の同様もわからなくはなかった。

状況は、圧倒的に、絶対的に、破滅的に、絶望的だった。

キーマンである夜鶴は死に、それに怒った十香が暴れている。

……精霊が暴れるなんてもう世界の終わりの訪れみたいね……。

 

人の住んでいない開発地での戦闘というのが唯一の救いだけれど―――

 

―――その考えは甘かった。

 

今までの十香が可愛く見える、超越的な破壊力。

たったの一撃で広大な開発地は二分され、中心に深淵を作ってしまった。

予想外の力ね……まぁ、でも、

 

「ま、ちょっと優雅さが足りないけど、騎士(ナイト)としては及第点かしらね。今のでお姫様がやられてたら目も当てられなかったわ」

 

さほど深刻な状況でもないわ。

私はそう言って飴の棒を動かした。

そんな私を見るクルーたちの視線は戦慄したようなモノだった。

まぁ、確かにその反応は正しいわね。

傍からみたら兄が目の前で死亡したのに気楽に座っているようにしか見えていないのだから。

だがそんな中にあって、令音と神無月だけは違う反応を見せていた。

令音は、平然とした様子で十香の戦闘をモニタリングし、データの採取をしている。

神無月は頬に朱が差し、口から唾液が漏れていた。……気持ち悪いわね……。

多分、『あぁ……身体にあんな大きなアナが開けられるなんて……ビクンビクン。

凄いんだろうなぁ……。

さぞ、さぞ凄いんだろうなぁ……。

でも死んだら元も子もないしなぁ……』と考えているのだろう。

……存外外れてなさそうなのが更に気持ち悪いわね……。

 

「とぅ!」

 

「はぅッ!?」

 

私はそんな神無月の脛を蹴り飛ばし、コークスクリューブローを決めるとその場に立ち上がった。

 

「いいから自分の作業を続けなさい、夜鶴が、これで終わりなわけないでしょう?」

 

ここからが、夜鶴の本当の仕事なのだから――――。

 

「し―――ッ、司令!あ、あれは……」

 

 

と、艦橋下段の部下が、画面左側―――公園が映っているものを見ながら、驚愕に満ちた声を発してきた。

やっと来た。そう思った私は画面に視線を移した。

 

「―――えっ……?」

 

しかし、そこに映っていたのは私の想像とは違う映像だった。

地に広がる赤い血液はまるで時間を巻き戻す(・・・・・・・)かのように夜鶴の身体に戻って行き、そしてその身体に空いた穴は綺麗に無くなった。

 

「な、なんで……?

あんなの知らない……なんであんな風に……」

 

私は呟くようにそう言葉を発した。

傷が治るのはわかっていた。

しかし、傷が治るまでの過程が予想外だ。

本当ならあの炎が出て傷を治す筈なのに。

 

『―――良し。終了だね』

 

画面に映る夜鶴は一言そう呟いていた。

そんな夜鶴を見たクルー達が、騒然となる。

 

「な……し、司令、これは―――」

 

「……私にも分からないわ……。

勿論傷が癒えるのは予想していたのだけどね……」

 

私はそう返して画面に視線を戻した。

しかし、そこには夜鶴の姿は無く―――

 

 

 

「―――ふぅ、殺されるのも楽じゃ無いね」

 

―――いつの間にか私の後ろに居た。

 

(本当に貴方は何者なの?おにーちゃん……。)

 

私は兄に対してそんな不安定な気持ちを抱いてしまった。

 

 

Side Out

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

突然現れた俺に驚いたのかクルーの皆は目を剥いている。

……やっぱり回収されるのを待った方がよかっただろうか……。

 

「……夜鶴……貴方は本当に何なの……?」

 

そんな中、琴里は俺の方を向きながら小さな声でそう問いた。

 

「……俺は『俺』だよ琴里。

今は精霊を救けたいと思うただの【規格外】で琴里の兄だよ」

 

俺は至極真剣な声音で琴里にそういった。

すると、琴里は少し俯くとクスリと笑い、いつものようにただ高慢に自惚れのない瞳で俺を見詰めた。

 

「……なら夜鶴が話してくれるまで気長に待つわ」

 

「うん。ありがとう琴里」

 

そういった俺は琴里の頭を優しく撫でた。

 

「こ、子供扱いしないでくれるかしらっ?!

と、ともかく!今は現状の確認よ」

 

琴里は俺の手から逃げるようにするとコホンと咳払いをし、腕を組みながら大スクリーンの方に視線を向けた。

そこには巨大な剣を振るって山を切り刻む十香と、それに応戦するASTの姿があった。

否―――応戦、なんて呼べたモノではない。

ASTは猛烈な勢いで攻撃を幾度となく仕掛けているものの、十香には微塵も届いていない。

逆に十香の斬撃は、直撃などしなくてもその余波のみで随意領域(テリトリー)などまるで存在していないかのようにウィザードたちの飛行を乱し、容易く吹き飛ばしていた。

ただただ一方的な蹂躙とでもいうのだろうか。

 

「完全にキレてるわ。よっぽど夜鶴を殺されたのが許せないのね」

 

そう言って、琴里が肩をすくめる。

 

「あらら……迂闊に死なない方が良かったかな?」

 

「……まぁ、その話はあとにしましょ。今はもっと他にすることがあるんだから」

 

琴里が画面に映る十香の姿を見ながらそう言う。

 

「他に―――することねぇ……?」

 

「えぇ。ウチとしても、精霊関係で人的被害が出るのは勘弁願いたいのよ」

 

「それは俺も勘弁願いたいね」

 

「オーケイ、上出来よ騎士(ナイト)様。

―――じゃあ行くわよ。お姫様を止めにね」

 

琴里はそう言って俺から視線を外すと、声を高らかに張り上げた。

 

「〈フラクシナス〉旋回!!戦闘ポイントに移動!!誤差は一メートル以内に納めなさい!!」

 

『了解!』

 

操舵手と思しき数名のクルーが、一斉に声を上げる。

次いで、重苦しい音と共に、微かに〈フラクシナス〉が震動した。

 

「……それで琴里、どうやって十香を止めるんだい?」

 

まぁ、分からない訳では無いのだが、出来れば俺の予想が外れてくれることを願いながら琴里に尋ねた。

琴里は口からチュッパチャップスを引き抜き、怪しい笑みを浮かべながら、

 

「知らない?呪いのかかったお姫様を助ける方法なんて、一つしかないじゃない」

 

言って、すぼめた唇でキャンディにチュッ、と口づけた。

 

「……口づけ……ね……」

 

やはり予想―――最早予知だが―――は外れてくれないらしい。

俺はふぅ、とひとつ息を吐くと腹を括り十香を救ける事だけを考えた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「お嬢様は滞空中か……なら夜鶴をここから突き落としましょ。

……勿論パラシュートなんて無いわ」

 

「うん、ちょっと待とうか」

 

突然びっくりな案を出した琴里に俺は声を掛けた。

 

「何よ夜鶴。

これ以上に良い案なんて無いわよ?」

 

さも当然だというように琴里は言うが考えてもみて欲しい。

パラシュート無しのスカイダイビングなんて『箱庭』で一生分は体験した。

そのせいなのか、恐怖心というものが無くなってしまった。これも慣れというモノなのだろうか……。というより慣れたくは無かった。

 

「……それに成功率が同じなら面白い方が良いじゃない」

 

「本心はそれかいっ!!?」

 

ぼそりと呟いた琴里の声に俺はつい大きな声でつっこんでしまった。

 

「うるさいわねぇ……。

……連れて行きなさい」

 

『はッ!』

 

琴里が耳を塞ぎながらそう言うと何処からともなく屈強な男性が二人現れ、俺の腕を拘束しながら持ち上げる。

 

「……ハァ……。

分かったよ。自分で行くから離してくれないかな?」

 

俺は諦めが肝心だと自分に言い聞かせると俺を持ち上げている男性二人に言った。

すると、ゆっくりと壊れ物を扱うかのように下ろしてくれる。

そしてそのまま艦体下部に位置するハッチまで案内してもらうと、

 

『幸運を』

 

そこから一歩踏み出して、一体何度目なのか分からないスカイダイビングを体験することになった。

 

風が俺の服や肉をばさばさぶるぶるとはためかせる。毎回毎回これが面倒に感じるのは俺だけ……というよりそんなことを思うまでスカイダイビングをしている人間なんていないだろうね……。

と、そんなことを考えていると俺の視界の中にひとりの少女が映る。

 

「十ぉぉぉ香ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――ッ!!」

 

俺は力の限りその名を叫んだ。

それから一拍もおかずに、今まで俺の体に掛かっていたGと浮遊感が和らぐ。

どうやら〈ラタトスク〉からのサポートがしっかりと機能しているようだ。

 

「―――――」

 

十香が俺の声に気づいてか、長大な剣を振りかぶったまま、顔を上に向けた。

頬と鼻の頭は真っ赤で目はぐしゃぐしゃ。

なんともまぁ……みっともない表情だった。

しかし―――俺はその顔が美しいモノにも見えた。

 

―――俺の死に怒ってくれた。

 

その事実が、その真実が俺の心に染みてくる。

そして、十香と目が合った。

 

「ヨ―――ヅル……?」

 

 

まだ状況を理解できていない様子で、十香が小さく呟く。

だんだんと緩やかになっていく落下速度の中、俺はそんな十香の両肩に手をかけた。

そしてほとんど抱き合うような姿勢で向き合う。

 

「ただいま……十香」

 

「ヨヅル……ほ、本物、か……?」

 

「うん。そうだよ」

 

俺がそう言うと十香はふるふると唇を震わせた。

十香の美しい瞳は再び涙で濡れる。

 

「ヨヅル、ヨヅル、ヨヅル…………っ!!」

 

「……うん。なん―――」

 

俺の名前を連呼する十香に返事をしかけたところで、俺の視界の端に凄まじい光が満ちた。

十香が振りかぶったまま空中に静止させていた剣が、辺りを夜闇に変えんばかりに真っ黒な輝きを放っている。

 

「これは―――十香?」

 

「ッ……!しまった……!力を―――」

 

十香が眉をひそめると同時、刃から光が雷のように漏れ出、下に広がる地面を穿っていった。

 

「まさか十香これって……」

 

「うむ……【最後の剣(ハルヴァンヘレヴ)】の制御を誤ってしまった……!

何処かに放出するしかない……!!」

 

「何処かにって一体何処だい?」

 

「―――――」

 

十香は無言で、下―――地面の方を見た。

つられて目を向けると、そこには今にも死にそうな、鳶一が横たわっていた。

やっぱり、十香を撃とうとしていたのは鳶一さんだったか……。

 

「―――駄目だよ?十香。

あそこに撃つなんて俺が許可しない」

 

剣を握る十香の手を包むようにして俺は手を添えた。

 

「で、ではどうしろと言うのだ!もう臨界状態なのだぞっ!!」

 

言っている間にも、十香の握る剣は辺りに黒い雷を撒き散らしていた。

まるで機銃掃射のように、連続して地を抉る。

 

(どうしろ……か……)

 

俺は琴里に言われた方法を思い浮かべた。

正直抵抗しか感じない。

しかし―――――

 

「―――方法なら、あるよ?」

 

―――――この方法を取ることがこの世界の正解だ。

精霊を救い出すための確実な方法だから。

 

「な、なんだと!?一体どうするのだ!?」

 

「俺と、キスをするんだ」

 

「―――何!?」

 

十香が眉根を寄せてくる。

まぁ、当たり前の反応だろう。

いきなりキスをしろだなんて普通なら―――――

 

「キスとはなんだ!?」

 

―――――まさかの純粋無垢の汚れを知らない少女だったようだ。キスも知らないなんて……。

 

「き、キスっていうのは互いの唇と唇を重ねて―――――」

 

俺が説明している途中で。

―――――十香がなんの躊躇いも無く、桜色の唇を、俺の唇に押し付けてきた。

柔らかくてしっとりとして甘い香りが漂ってくる。

 

(不意打ちは……ちょっとずるいよ……)

 

などと思いながら十香の唇の感触を楽しんでいる俺がいた。

 

一拍おいて。

 

天に聳えていた十香の剣にヒビが入り、バラバラに霧散して空に溶け消える。

次いで、十香がその身に纏っていたドレスのインナーやスカートを構成する光の膜が、弾けるように消失した。

 

「な―――」

 

十香が、狼狽に満ちた声を発する。

……まぁ、予想はしていたけど……これは酷いね……。まさか服が全て霊力で形作られていたとは……。

と、心の中で弁明してみるが所詮言い訳だ。口には出さない。

 

―――十香の身体から力が抜け、地面に向かって落ちていく。

俺は十香の体を抱き締めた。優しくしかし、しっかりと。

落下していく中で十香の霊装が光の粒子となり、その軌跡を残していた。

それは傍から見ればものすごく幻想的な光景だろう。

きらきらと、一体どんな物質を使えばこの光景が再現できるのだろう。

もしかしたら、現存している物質では再現することはできないかもしれない。

それほどに美しいモノだった。

 

そして、地面に着地した。

そのまま少しの間重なり合ったままでいたあと、

 

「ぷはぁ……っ!」

 

まるで息継ぎでもするように十香が唇を離し、身体を起こした。

 

「ごめんね?」

 

俺は一言謝った。

まぁ、厳密には十香からキスをしてきたのだがそうさせたのは俺だ。

 

「………?」

 

しかし、十香は何故謝られたのか分かっていないらしい。

その場に座ったまま、不思議そうな顔をして、唇に指を触れさせていた。

というか、それよりも―――――

 

「……十香、服……」

 

口を手で覆いながら顔を逸らしてそういった。

纏っていた霊装がボロボロに崩れた十香は、見るもいやらしい半裸状態を晒していたのだ。

 

「―――――ッ!」

 

俺の一言で気がついたのか、慌てて胸元を隠した十香。

しかし、手遅れ感は拭いきれない……。

 

「み、見るな、馬鹿者……ッ!!」

 

「あははは……ごめんね」

 

キスの意味も知らなかった割には、人並みの羞恥心はあるようだ。

俺は苦笑いを浮かべながら頬を染めて睨んでくる十香に謝った。

勿論見ないようにと目を瞑るのも忘れない。

 

「それでは駄目だ!薄目で見ているだろう!」

 

「あはは……見てないんだけどなぁ……」

 

俺が弱めの声で言うと、数瞬の後、身体の全面に再び温かく、柔らかい感触が生まれた。

 

「……これで、見えまい」

 

「うん。……だけどせめてその格好はどうにかしようか……」

 

俺は【職人の逸品(ワン・オフ・メイク)】を使って十香をちょうど覆えるような大きさの毛布を創り、羽織らせる。

これで少しはマシな格好になっただろう。

 

「…………ヨヅル」

 

しばしの後、十香が消え入りそうな声を発してこちらを見詰めてくる。

 

「なんだい?」

 

「また……デェトに連れて行ってくれるか……?」

 

まるで保護欲をかきたてるような十香の姿。

 

「……うん。今度また一緒に行こう。

何度でも、君の望むままに……」

 

俺は微笑みながら十香の頭を優しく撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




デート・ア・ライブ1巻の内容は後1話で終わります!

私としては早く夜鶴を女体化させたかったり……
とまぁ、それよりも早く【問題児編】を書かないといけませんっ!


では、また次回お会いしましょう♪
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