【凍結】デート・ア・ライブ〜チートな転生神〜   作:夜叉猫

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やっと書き上がりました……。
お待たせしてすみません皆さん……。

最近、ちょっとスランプ気味で筆が進まないんですよ……。

ともかく!
これからは更新ペースが上がるように頑張りたいとおもいます!!


それでは、本編をどうぞ♪


~精霊の少女との出会い~

「これは……凄いね……」

 

俺が学校から出て目にしたのはなんとも奇妙な光景だった。

車の通らない道路、人影のない街並み。

街路にも、公園にも、コンビニにも、誰一人としての残っていない。

つい先ほどまで、誰かがそこにいたことを思わせる生活感を残したまま、人間の姿だけが街から消えている。

 

(箱庭にもあったけど……こっちは人間だけが消えているね……)

 

箱庭で見た【ノーネーム】の本拠地。

そこは、土地が死んでいたのだが人間は住んでいた。

 

「……あれは……」

 

俺がなんとなく空を見上げてみるとそこには四つの人影が浮いていた。

何かスーツのようなモノを身に纏った女性だ。

 

―――ゴォォォォォォオンッッ!!!

 

と、突然前方にある街並みが眩い光に包まれた。

次いで、耳をつんざく爆音と、凄まじい衝撃波が俺を襲った。

衝撃波と言っても大型台風よりも強い程度の風圧だ。この程度なら苦もなく立っていられる。

 

爆発により発生した砂埃、土煙という俺の視界を遮るモノが無くなると、そこに広がっていたのは―――

 

―――跡形も無くなっていた街並みだった。

 

「……へぇ……この世界にもこんなことが出来る奴がいるんだね……」

 

比喩でも冗談でもない。

まるで隕石が落ちたかのように。

まるで魔王が襲撃してきたかのように。

街の風景が、浅いすり鉢状に削り取られていた。

そして、クレーターのようになった街の一角の、『中心』。

 

そこには金属の塊のようなものが聳えている。

 

遠目から見るにその形は【玉座】。

しかし、俺が注目しているのはそこでは無い。

その王座の肘掛けに足をかけるようにして、奇妙なそれでいて美しいドレスを纏った少女が一人立っていたのだ。

 

「……あの娘……【精霊】か……」

 

俺は目を細めるようにして少女を見詰めた。

長い黒髪に不思議な光を放つドレス。あのドレスが【霊装】なのだろうか……。

などと俺が見詰めながら考えていると、少女が気怠そうに首を回し、ふとこちらに顔を向けた。

何の興味も無さそうな表情を浮かべている少女はゆらりと力を抜いたような動作で、玉座の背もたれから生えた柄のようなモノを握るとそれをゆっくりと引き抜く。

 

それは―――幅広の刃を持った巨大な剣だった。

虹のような、星のような、幻想的で奇跡的な輝きを放つ、不思議な刃。

 

それを振りかぶった少女は―――

 

―――俺に向かって剣を横薙ぎにブン、と振り抜いてきた。

飛来してくる剣圧。

俺は【ギフトカード】から 【蓐収(じょくしゅう)白霊虎(はくれいこ)】を取り出し、剣圧を切り払う。

 

「……いきなり危ないな……」

 

俺はポツリとそう呟き、 【蓐収(じょくしゅう)白霊虎(はくれいこ)】を鞘に戻し制服のベルトへと固定する。

 

「―――お前も……か……」

 

ふと、顔を上げると酷く疲れたような声が俺の目の前から聞こえた。どうやら移動してきたらしい。

俺はそんな少女を良く観察してみる。

 

歳は……おそらく今の俺と同じくらいか少し下といったところだろうか。

膝まであろうかというほどの漆黒の髪。

それに包まれる貌は年相応な少女の愛らしさと歴戦の騎士のような凛々しさを兼ね備えていた。

そんな中でも俺が惹かれたのはその双眸。

水晶のような透明さに様々な色の光を多方向から当てているかのような輝き。

不思議な輝きが俺を惹かせたのかもしれない。

そして―――【霊装】。

布なのかそれとも金属なのか。

咄嗟には思いつかないような素材がお姫様のドレスのようなフォルムを形作っている。

更にその継ぎ目やインナー部分、スカートなどに至っては、物質ですらなかった。

おそらくあれは【霊力】で構成されているのではないかと俺は思う。感じられる力が【霊力】だからだ。

 

「―――君の、名前は?」

 

俺のそんな言葉に対して少女は剣の鋒をこちらに向けながら口を開く。

 

「……名、か」

 

心地のいい調べの如き声音が空気を震わせた。

……しかし。

 

「―――そんなものは、ない」

 

何処か悲しげに、寂しげに少女は言った。

少女は酷く憂鬱そうな―――まるで、今にも泣き出してしまいそうな表情を浮かべながら、カチャリという音を鳴らして剣をしっかりと握り直した。

 

「何を……するつもりかな?」

 

「それは勿論―――早めに殺しておこうと思ってな」

 

さも当然の如くそういった少女。

しかし、少女は言葉を紡ぐ度に悲しそうな表情をした。

 

「殺す……ね。何でかな?」

 

「何故……?そんなもの決まっているではないか」

 

少女は物憂げな顔を作りながら、言葉を続けた。

 

「―――だってお前も、私を殺しに来たのだろう?」

 

本当に泣いてしまうのではないかと思うくらいに少女の顔は崩れていた。

 

「……皆そうだ。私を見つければ刃を向け、銃口を向ける……。

……貴様もそうなのだろう?だから……殺す」

 

俺を視線で殺すかのように睨みつけ、剣を更に握り締める少女。

俺はそんな少女を見詰めながら優しく笑った。

 

「俺は―――君を殺したりしないよ?」

 

「―――――何?」

 

俺の言葉に驚きと猜疑と困惑の入り交じったような目を向ける少女。

だが、少女は直ぐに眉をひそめると、俺から視線を外し空へと顔を向けた。

俺もそれにつられるように空に顔を向けると、ついつい溜息を漏らしてしまった。

 

何しろ、空には奇妙なそして機械のような格好をした少女たちが数人飛んでおり、その手に持っている武器から、俺と少女に向けてミサイルらしきモノを幾数も発射して来たのだから。

 

「まったく……一般人がいるのが見えていないのかな……?」

 

俺はそう呟くと即座に行動を始めた。

まぁ、少なくとも俺は一般人って枠には入らないんだろうけどね。

 

「【不届(とどかず)……我が前に不可侵の壁を】……【不当(当たらず)……我らに届くは音のみか】」

 

発する言葉には言霊を宿らせる。

これが俺の能力の一つ【実現せし言霊(リアラート)】。

しかし、少女は俺が能力を使ったことなど知るよしもないので気怠げに息を吐いて対処しようとする。

 

「……こんなモノは無駄だと、何故学習しない」

 

言って少女は、剣を握っていない方の手を上にやり、グッと握ろうとする。

しかし、それよりも早く俺の能力が効果を現した。

 

俺の前方に何かがあるかの如く、ソレにぶつかり爆発した。

俺と少女の方には爆発の音は聞こえたが、それ以外の爆風や破片などは少しも襲って来なかった。

 

「な、なんだと?!私はまだ何もしていないぞ!?」

 

少女はその光景を目にすると驚愕の表情を浮かべた。

そしてハッ、と何かを思いついたかのようにするとゆっくりとこちらに視線を戻した。

 

「……貴様が……やったのか?」

 

「まぁ、そうだよ?」

 

俺が、軽くそう返すと少女はこちらに再び剣の鋒を向けて警戒しながら口を開いた。

 

「貴様は一体何者だ」

 

「俺が何者か……か……そうだね……」

 

俺はなんと答えるか少し迷うととりあえずこの場では神様だということを隠しながら自己紹介をすることにした。

上空にはアレがあるしね。

 

「―――俺は【不知火 夜鶴】。

今は【五河 夜鶴】と名乗っている。

昔の仲間からは【規格外】だと言われていたよ」

 

「……むむむ……良く分からん。簡単に言ってくれ」

 

そこそこ分かりやすく自己紹介したつもりなのだが……。

 

(【規格外】が分からなかったのかな?)

 

俺は心の中でそう呟き苦笑いしながら口を開いた。

 

「まぁ、君と敵対するつもりは無いってことが分かってくれれば良いよ」

 

「ふむ……そうか……。

……まぁ、そういうことにしておいてやろう

 

少女はそういうと少しほんの少しだが、嬉しそうな表情を浮かべた。

 

「……それにしても五月蝿いね……」

 

先程から通りもしないミサイルを撃ち込んで来ているが……税金の無駄使いとはこのことを指すんではないだろうか。

そんな中レーザーが横から飛んできた。

 

「やっと横から攻撃が通るのに気が付いたみたいだね……」

 

俺の言ったのは【我が前に不可侵の壁を】。これはそのままの意味で俺の前方にしか不可侵の壁はない。

故に、前方以外であれば全ての攻撃が通るのだ。

 

俺はそう呟くと少女とレーザー、間に割り込むために脚に力を入れた。

 

「……気にするな。問題ない」

 

少女は俺に向かってそう言ってきた。

その言葉を聞いた俺は割り込むための行動を止め、レーザーの行方を観察することにする。

レーザーは少女に当たる寸前で見えない壁にでも当たったかのように掻き消され、あたかも夜空に打ち上げられた花火の如く、四方八方に煌めきを散らしながら美しく弾け飛んだ。

 

―――そして、そのレーザーに続くようにして俺の前方に何者かが舞い降りた。

 

「―――鳶一折紙……か」

 

俺が小さくそう呟くと、鳶一がちらりと俺を一瞥した。

 

「五河夜鶴……?」

 

そして、返事をするかのように俺の名前を呼んだ。

ピクリとも表情を変えずに、しかしほんの少しだけ、怪訝そうな色を声に乗せて。

 

だが、鳶一は直ぐに俺から視線を外すとドレスの少女に向き直った。

それはそうだろう、何しろ、

 

「―――ふん」

 

少女が先程俺にしたように手にした剣を横薙に振り抜いたのだから。

鳶一は即座に地面を蹴ると、剣の太刀筋の延長線上から身をかわし、そのまま中々良い速度を出しながら少女に肉薄した。

しかし、考えてもみて欲しい。

俺の前方に居た鳶一に対しての攻撃は躱されたら俺への攻撃になることを。

 

「ハァ……またか……」

 

俺はベルトに固定しておいた 【蓐収(じょくしゅう)白霊虎(はくれいこ)】の柄を握ると抜刀術の構えを取る。

 

「不知火式……抜刀居合……【壱陣(いちじん)】」

 

右足を固定し、左の腰にある鞘から抜刀する。

回転による遠心力すらも斬撃の力に変え一撃。

少女の放った剣圧はその一撃によって打ち消された。

 

(それにしても俺に放ったモノより威力があったね……)

 

俺は心の中でそう呟くと、 【蓐収(じょくしゅう)白霊虎(はくれいこ)】を左右に切り払い、鞘に納めた。

そんなところに衝撃波が襲ってきた。

俺は顔を手で覆いながらそれをやり過ごすと衝撃波の発生点を見詰めた。

そこには

 

「………………」

 

「………………」

 

武器を構えながら鋭い視線を交わす鳶一とドレスの少女。

まさに一触即発の雰囲気。

何か小さなきっかけの一つでもあれば、直ぐに戦闘が再開されてしまいそうな状況だった。

 

俺がそんな二人を止めるべきかと悩んでいると、急にポケットから俺のスマートフォンの着信音が鳴り響いた。

 

「―――――!」

 

「―――――!」

 

それが合図となり二人が行動を始めた。

鳶一と少女がコンマ数秒のズレも許さない程同時に地を蹴るとなんの嫌がらせか俺の目の前で激突した。

 

「くっ……!」

 

俺は吹き荒れた風圧に流されるようにして後方に跳んだ。

 

「……全く……俺の前で剣を交えるなんて……新種のイジメか何かかな?」

 

そんなことを呟いていると俺の体が浮遊感に包まれた。

どうやらお迎えらしい。

やっとアレの―――

 

「―――《フラクナシス》。

【ラタトスク】のお出ましかな?」

 

そう呟いて俺の視界はブラックアウトした。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は中々に短めでしたね……。
でも、精霊を登場させれたので良かったです!
十香を見ていると、というよりデート・ア・ライブを見ているとISが頭に浮かんでしまいます……。
何故でしょうか……?

感想、評価などお待ちしています♪


では、また次回お会いしましょう♪
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