Sword Art Online   作:刃狗

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12.対抗策と新たな出会い、そして…

75層の洞窟にて…

 

「さて…今日の邪神系エネミーは…ここ?」

 

「あぁ、間違いないだろう…さぁ、いこうか」

 

最強の盾と命を砕く鎌は今日も奥へと進み、邪神系エネミーを狩り進む

 

「クリフ、私はこれでクエストを達成しましたが…どうしました?」

 

「やっとたどり着いた…Fate、きたまえ」

 

ヒースクリフの正体がわかったことで互いの事をクリフ、Fateと呼び合える間柄までに発展した2人は、茅場の誘いとクエストに乗じて75層の洞窟内部に居た。

そうやって入っていった場所は…一種の安全地帯のような場所だが…中央に台座が置いてある

 

「ここは…」

 

「ここはGMのアクセス用コントロールブロック…プレイヤーが迷い込まない様に80層クラスの敵を配置してある…75層でも最難関の場所だ」

 

「で、こんなところで何を…?」

 

「以前にも話したが…私と同等の管理権限を持っているものがいる…その者が何をするか私にはわからない…故に君に頼みたい」

 

「?」

 

「まず…君の使っているメディキュボイド2号機…それにSAOの根幹"カーディナル本来のデータ"をバックアップで搭載してある…そして、そこからダイブしている君は一種のエクストラアカウント状態であることを理解してほしい」

 

「どおりで2号機は1号機に比べ筐体が大型だった訳ですね…」

 

「あぁ…そしてこれを機に…君のアカウントを正式にエクストラカウント…緊急時のカーディナル権限の代行者として、登録の変更を行っておきたい」

 

「そう言う事…でしたか…責任重大ですが…やってみましょう」

 

「済まないな…《Pi》よし、これで完了だ…戻るとしよう」

 

洞窟から出たところでクエストを報告、完了させるFate。

 

「今のクエストは…」

 

「女神様からのクエストだそうですよ…邪神系装備のマイナス要素を全部消したような装備ですね…女神装備とでも呼ぶんでしょうね…あら、武器まで…」

 

そういうと1本実体化し、手に取る

 

「…刃がない上に防具もいろいろと丈が短いですね…ローブ、必須じゃないですか…」

 

ヴン…

 

「…剣の世界だというのにビーム…熱量兵装ですか…面白い武器ですね、それに、防具もこれはビームでスカートや袖を…これもクリフの?」

 

「そう言う事にしておいてくれ…にしても自分で作ったゲームとはいえ、聊か疲れたな…」

 

「なら、キリトさん達の所に遊びに行きましょ?」

 

「22層か…確かにあそこなら自然も多い…では、準備をしてくるとしよう」

 

そして22層の転移門で待ち合わせたFate…

 

「何か町がザワついてますね…すいません、何があったんですか?」

 

近くにいたプレイヤーを捕まえ、情報を集める

 

「お化けだよ…小さい少女のお化けが出たんだよ…!」

 

「場所はどこらへんかわかりますか?」

 

「あ、あぁ…MAPやるよ…《Pi、Pi》そこの途切れた場所あるだろ?森林地帯なんだが…そこに出てたわけだ」

 

「えぇ、ありがとう…行って見ますね」

 

ヒースクリフにメールを入れるとそのまま駆け出し、現場に急行する

 

「はぁ…はぁ…この周辺のはずですが…」

 

ユラッ…

 

「!?」

 

フラフラ…バタッ

 

「…質量がある…お化けじゃない!?」

 

そう判断するとそこまで一気に近寄る

 

「少女…?」

 

「ぅ…ぁ…」

 

半目で此方を見上げ、腕を上げ…ようとしてそのまま気絶してしまった

 

「カーソルもない…ちょっと様子を見ないと…」

 

アスナとヒースクリフへメールを入れ、少女を抱えキリトとアスナの家へと急ぐ

 

「待ってたわよ、さ、入って…」

 

「ありがとうございます…とりあえず…女の子は来客用のベッドで寝かせておいたわ」

 

「そう、でしたか…ありがとう、ございま…」

 

「Fateさん?」

 

「すぅ…」

 

ドアにノックの音が聞こえ、開けた先に居たのは…ヒースクリフ

 

「はい…団長!?」

 

「すまないが…Fate君はいるかい?彼女から連絡を受けてきたのだが…」

 

「えぇ、今は寝てしまって…」

 

「そうか…今日も私の邪神系エネミー討伐に付き合ってもらっていてね…互いに目当ての物は確保できたんだが…」

 

「そうでしたか…とりあえず彼女と例の子、一緒に寝かせました…」

 

「わざわざ済まないね…また明日、様子を見に来るとするよ…Xiao君たちには私から連絡を入れておく」

 

そして…翌朝…

 

「ん…ここは…あぁ、そうか…キリトさんとアスナさんの家…ハッ…昨日の子は…!?」

 

ベッドから飛び起き、周囲を確認すると…

 

「………?」

 

意識を取り戻していた少女と目が合った

 

「目が覚めたのね…よかった…こんな小さいのに…どうしてあんなところに居たの?」

 

「ぅ…」

 

「っと、いきなり聞かれても困るわよね…ごめんなさいね…私はFate…貴女のお名前は…?」

 

「へいと…名前…ゆ…い…ゆい、それが、名前…」

 

「そう、ユイちゃんね…へいと、じゃなくて…ふぇいと、よ」

 

「うぅ…ママ…」

 

「!?」

 

ママ…母親と呼ばれ一瞬驚くFate

 

「ママ…?」

 

「そう…そうよ、ママよ…怖かったでしょう…もう大丈夫だからね…」

 

そのままユイと名乗った少女を抱きしめる

 

「Fateさん、おはようございます…その子、目が覚めたんですね…?」

 

「えぇ…ユイちゃんっていうみたいです…どうもここに来るまでの一切の記憶がないようです…」

 

「ユイちゃん、こんにちは、私はアスナ、こっちはキリトっていうの」

 

「あぅ…な…きぃ…と?」

 

「まだうまく発音できないみたいね…ユイちゃん…この人達はおねーちゃんとおにーちゃん」

 

「おねーちゃん…おにーちゃん…」

 

姉と呼ばれたアスナは感極まってそのままユイに抱き着く

 

「そうよ、ユイちゃん…!」

 

「とりあえず母親と呼ばれてしまったのもありますし…私が面倒見ますね」

 

「良いんですか?」

 

「貴方たちも2人の方が良いでしょう?イロイロ、できますしね?」

 

「そ、そんなことは…あり…ます…けど…///」

 

大き目の声で反論するも次第に尻切れトンボになるアスナ

 

「完全に負けだな…攻略もありますでしょうけど…すいませんがよろしくお願いします」

 

「えぇ…では先に61層に戻りますので団長が着いたらそのようにお願いします」

 

61層・セルムブルグの自宅にて…

 

「Fate…ようやく捕まえた…」

 

「すみません、クリフ…ですが、この子の事を考えると…」

 

「ママ、この人誰…?」

 

「…! Fate、その子は…!」

 

「何かご存知の様ですね…」

 

「ママ…どうしたの?」

 

「大丈夫よ、ユイちゃんこの人は私のお友達なの、すごく強いのよー?…さ、もう夜ですから…今日は寝ましょう?」

 

「うん…お休み、ママ、おじさん」

 

「おじさ…あぁ、おやすみ」

 

「クスクス…さて、知っていること、共有していただけますね?クリスおじさま?」

 

「おじさまはやめてくれ…しかし、そうだな…いいだろう…これはある意味重大な事案だ」

 

ヒースクリフ=茅場から語られた事実…それはユイがNPCであること、その正体はプレイヤーの精神的ケアを司るカウンセリング用人工知能・MHCP001という型番名がある事…

 

「いくらそういう役回りのNPCだとしても…型番なんて呼び方はないでしょう…!?」

 

「落ち付きたまえ…この子は自らユイと名乗ったのだろう?ならばそれは彼女の名前だ」

 

「…っ、そうでしたね…それで、この子が今になって外に出てきた理由は…」

 

「今の君であれば見ることができるはずだ…それだけの権限は付与できているからね…実質3人目の管理権限の行使者となってる、今の君ならば」

 

その声に左手をスライドさせる…おびただしい量の画面が出てくるその中から"NPC精査"の項目を選ぶ

 

「デスゲーム開始直後にシステムからプレイヤーに接触することを禁止されて…

プレイヤーの負の感情をモニタリングしつつその解決のための行動を起こせない矛盾状態から崩壊寸前に陥っていたとみるべきですか…決定者…IDアルベリヒ…?」

 

「やはり私以外の誰か…間違いなく須郷だろうが…介入してきていたわけだな…」

 

「このままにはしておけない…データ復元、修復開始…」

 

ユイの体が薄青く光り…やがて収まり、目を開ける

 

「…Fateさん、ヒースクリフさん…」

 

「…そんな他人行儀じゃなくていいのよ?」

 

「いいえ…データの復元ありがとうございました…ですが…このままではカーディナルから消されてしまう可能性が…」

 

「ふふ…ユイちゃん…気が付いてる?私たちのアカウントの事」

 

「え…?あっ」

 

「管理者クラスが2人いて何ともできない、なんてことはないと思うけれど?…とりあえずユイちゃんを私のメディキュボイドへデータを移送…

カーディナルへの一方的アクセス権を残したまま切り離します…いいですよね?クリフ?」

 

「あぁ、言っても止めないだろうし…このままでは忍びない…サポートしよう」

 

そのままカーディナルとの多少の攻防の末、ユイのデータ切り離しに成功する

 

「ありがとう、"ママ"!」

 

「その言葉を聞いただけで十分…これで大丈夫…ユイちゃん、本来の役目…覚えてるよね?」

 

「はい、覚えてます」

 

「そう…観察は続けなさいな、そこから先はユイちゃんに任せるわ…その代わり、何があっても必ず私の元まで戻ってくること…いいですね?」

 

「ママ…」

 

「"母親"としては"子供"のやること、やったことには責任取らなきゃだし…ね?」

 

「すっかり母親の顔だな、Fate」

 

「褒め言葉として受け取っておきますね…お・じ・さ・ま?」

 

その次の日の朝、起きてきたXiaoとユウキに対し"家族"としてユイを紹介した際にひと騒ぎあったのはまた別の話

 

カーディナルの対人間ケアプログラムを庇護下に置き、自身への管理権限の付与…Fateの切り札としての役割化が進む中、その時は近づいていく…

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