Sword Art Online   作:刃狗

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09.決闘と疑問

Gleam Eyes撃破、74層攻略の翌日―――――

 

「軍を壊滅させた青い悪魔とそれを単独撃破した二刀流の50連撃…コレはまた大きく出たな」

 

「単独撃破じゃないうえに尾ひれが付きすぎだ…おかげで朝から剣士やら情報屋やらに

押しかけられて寝床にも居られなくなったんだからな」

 

「そりゃ、アンタが悪いわよ…秘密をそんな人の目が多い場所で使っちゃったんだから」

 

朝からげんなりしているキリトにリズベットはざまぁみろと言わんばかりの顔を向ける。

 

「それで?もう1人はどうしたんだ?」

 

「あー…Xiaoならユウキと一緒に」

 

バンッ

 

「はぁ…はぁ…キ、キリト君!」

 

「どうしたんだ?アスナ、そんなに慌てて」

 

「どうしよう…大変な事になっちゃった!」

 

アスナが駆け込んで来て、慌ててる理由を告げられた後―――――

 

「…ここがKoBのギルドか」

 

「あれ?キリト…それにアスナさんもどうしたの?」

 

「Xiao!?それにユウキまで…お前らなんでここに!」

 

「なんでって…ヒースクリフに呼ばれて…だけど」

 

「うん。用事があるのはXiaoだけって話だけど1人はアレだしねー」

 

「と、とりあえず、団長が待ってるから急ごうよ」

 

そうして4人はグランザムにある血盟騎士団のギルド本部へ入り―――――

 

「やぁ、キリト君。それとXiao君とユウキ君もよく来てくれた」

 

「ヒースクリフ…わざわざ部下を使って呼び出した理由は?」

 

「キミはまだギルドに入っていないそうだね?」

 

「それが?」

 

「キミ程のプレイヤーを欲しがるギルドは多い…そこでだ、キミは私の実力が知りたいと聞いてね、私と決闘し、キミが負ければ血盟騎士団に所属する…どうだろう?」

 

「別に構わないけど…ユウキは関係ないからね?」

 

「無論だ。それで…キリト君、キミは我がギルドの貴重な主力プレイヤーを引き抜こうとしている。最強ギルドなどと言われても我がギルドはギリギリでね…欲しければ剣で…二刀流で語りたまえ。キミが勝てばアスナ君は連れていくがいい…その代りキミが負ければXiao君と同じく血盟騎士団に入ってもらおう」

 

「…いいでしょう。剣で語れというなら望むところです」

 

「…馬鹿が」

 

そうして、ヒースクリフとキリト、Xiaoが決闘することは瞬く間に広がり―――――

 

「キリト…勝機があると思う?」

 

「…正直、厳しいな。ヒースクリフのユニークスキル【神聖剣】は攻防自在なうえに

防御が異常だ…HPバーが黄色に落ちた処を見たことがないし、見た奴なんていないって話だ」

 

「絶対防御ではないか…でも、流石にイエローに落ちないっていうのは不思議だねぇ…」

 

「間近で何度か見たことがあるが…あの防御力は一種のチートと思うよ」

 

「そっか…本気で行かないと厳しいかな?」

 

「だろうな…でもよかったのか?ユウキを放って」

 

「元々ヒースクリフの実力は知りたかったしね…それに顔を合わせれないって訳じゃないしさ。まぁ…勝っても負けてもちゃんと話すよ」

 

「そうか…」

 

「それよりキリトだよ…ギルド、嫌なんでしょ?」

 

「それは…」

 

「深くは聞かない。けど…アスナさんぐらいには話してあげなよ?」

 

「あ、おい」

 

Xiaoはそういい残し、その場を後にした。

そして試合開始前―――――

 

「…ふぅ」

 

「Xiao君」

 

「Fateさん…どうしてここに?」

 

「貴方達の試合を見に来たんですよ。ユウキさんから連絡をもらって」

 

「そっか」

 

「よかったんですか?ユウキさんの事も、ギルドの事も」

 

「んー…本当はダメ、なんだろうけど…さ。けど、ヒースクリフの噂はずっと聞いてきた…

そのうえで戦ってみたい…って思ってたから」

 

「そうですか…そういう辺りはやっぱり男の子ですね」

 

「ボクは生まれから男だよ…知ってるくせに」

 

「ふふ…勝算は?」

 

「解らない…けど、やれるだけはやるし、"本気"で行くから」

 

「…それは」

 

「驚いた?元々二本でも使えるんだけどね…キリトと同じで二刀流は隠しておきたかったから」

 

「…そうですか。頑張ってくださいね」

 

「うん。まぁ先にキリトが戦うんだけどね」

 

オォォォォッ

 

Fateと話していると闘技場の方が騒がしくなり、キリトとヒースクリフの試合が近い事を

感じ、2人は移動する。

 

「あ、Xiao君…それにFateさんも」

 

「こんにちは…大変なことになりましたね」

 

「はい…」

 

入場口でアスナ達はキリトとヒースクリフの試合を見ることに。

 

3…2…1…スタート

 

「っ」

 

開始の合図とともにキリトはヒースクリフへと踏み込み二刀流による剣撃を繰り出すも

ヒースクリフの盾に阻まれ有効打は通せないでいた。

 

しかし、ヒースクリフもやられるばかりでなく、反撃を開始、盾と剣の攻防自在のスタイルで

キリトと互角に戦う。

 

「ふむ…見事な反応速度だ」

 

「そっちこそ…硬すぎるだろ。アンタ程堅い奴見たこともないな…」

 

少しのやり取りの後、再び剣撃の応酬になり、キリトがユニークスキル【二刀流】で

スターバーストストリームを放ち、ヒースクリフを大きくのけぞらす事が出来、

キリトやXiao、アスナ、Fateは攻撃が通ると思っていた。しかし―――――

 

キィィィィンッ

 

「……ぐっ」

 

「(今のは…なんだ?)」

 

「(最後の一瞬…ヒースクリフさんの動きが…気のせいでしょうか?)」

 

1分半と短いながらもかなりの戦いに観客たちは歓声を上げる。

 

「キリトで1分半…コレはすごいね」

 

「ええ…彼程の剣士の剣撃をあそこまで慌てる事なく防ぎきる技術…生ける伝説と呼ばれるだけの事はある…ということでしょうか?」

 

「解らない…けど、普通ならさっきのはガードできないと思ったけど。ま、次はボクだし

キリトの戦いも見たからある程度は戦いやすくはなったかな」

 

そういってXiaoは槍を手に、闘技場へと足を踏み入れた。

 

「キリト」

 

「Xiaoか…ダサい処みせちゃったな」

 

「そんなことないよ…ま、お疲れ様。ただ今の決闘、疑問ができたから…キリトも見ててね」

 

「Xiao君…それがキミの本気か?」

 

「さぁ…?さて…連戦だけど始めようよ」

 

「ではキリト君と同じく初撃決着モードで構わないかね?」

 

「なんでもいい。生ける伝説…退屈させないでよ?」

 

「ふむ…期待に応えれる様努力しよう」

 

3…2…1…スタート

 

「ッ」

 

ガガガガンッ

 

「んー…堅い。盾を突くのは初めてじゃないけど堅いなぁ…ソレ」

 

「驚いたな…ここまで攻撃速度が速いとは。攻撃速度ならキリト君より上ではないか?」

 

「防ぎきってる奴がよく言う…武器チェンジはオッケー?」

 

「ああ、構わない。無論、そんな余裕があれば…だがね」

 

ガン!ガキィン!ガガガガガ!

 

キリトの時以上の速度での攻防に観衆は沸きたつ。

しかし―――――

 

「(この人…堅すぎでしょ…それに反応速度もキリトより少し下ぐらいなだけだし…)」

 

「(ふむ…中々に厄介なモノだ。それに"彼"がここまでのやり手とは…面白い)」

 

本人たちは互いに相手の実力を見誤っていたことを改め、本気で戦うことに。

 

「こっからは…殺すつもりでいく」

 

「ふむ…ではこちらは死なない様に気を付けなければいけないね」

 

Xiaoは【魔槍】スキルを発動させ、ゲイボルグを構える。

 

「それが噂に聞く、青い悪魔を倒した紅い槍か」

 

「ふぅ…ッ」

 

「ッ!?」

 

「ちっ…浅いか。だが…」

 

ゲイボルグを持ち、速度を出せる限界に切り替えたことでXiaoの攻撃速度も上がり、

ヒースクリフから余裕が消えた。

 

そして―――――

 

「突き穿つ…死翔の槍…!」

 

槍が軍を為し、ヒースクリフへと殺到した。

そして土煙が上がりヒースクリフの姿が消え―――――

 

「…コイツで決める…刺し穿つ…」

 

「驚いたな…槍が軍を為すとは…ッ」

 

「…死棘の槍!」

 

ヒースクリフは盾で煙を吹き飛ばした。

その直後に死角からXiaoが槍を放ち、それはヒースクリフの心臓を穿ち―――――

 

ガンッ

 

「ッ!?」

 

切れず、盾で上へと逸らされてしまった。

そしてガラ空きになったXiaoへヒースクリフの一撃が直撃し、キリトに続き、Xiaoも敗北した。

 

「……見事だったXiao君…しかし、キミが心臓を狙ったのが分かった…だから逸らすことができた」

 

「…負け、か」

 

「……。」

 

決着のコールが鳴り響き、歓声が響き渡る中、ヒースクリフがその場を後にしようとした瞬間

 

「ヒースクリフ団長」

 

「キミは…Fate君、だったね」

 

「はい。覚えていただいてる事は感謝します…見事な決闘でした」

 

「キミ程のプレイヤーに褒められるとは…」

 

「そこで、私とも決闘していただきたいのです。もちろん、条件は同じで構いません」

 

「…何故かね?」

 

「私も貴方と手合わせしてみたいと思っていましたから…おそらくこの機会を逃すと

二度と機会はないでしょうから…どうでしょう?」

 

「…いいだろう。ではキミが勝てば何もなく、負ければ血盟騎士団に所属。それで構わないね?」

 

「ええ」

 

「Fateさん…」

 

「お疲れ様、Xiao君。恐らく、貴方とキリトさんが抱いた疑問を私も抱いています…

ここは私に任せてもらっても?」

 

「…解った」

 

Xiaoは装備を仕舞、キリト達の元へ―――――

 

「…お疲れ、Xiao」

 

「ユウキ…あはは、負けちゃった」

 

「Xiao、頑張ってたじゃん。すごくかっこよかったよ」

 

「そっか…ごめんね、キリト」

 

「いや…あそこまでヒースクリフが戦えるとは俺も予想外だよ…最後の攻撃は通ったと

思ったんだけどな…」

 

「負けは負けだよ…ユウキとPT解散して血盟騎士団入りかぁ…今更ながらだけど」

 

「そこまで拘束されるの?」

 

「んー…入って少しの間は、かな?」

 

「そっかー…」

 

「けど、私は時間取れるし…できるだけユウキと一緒に居てあげれるから」

 

「うん。ありがとー、アスナ」

 

「それにしても…Fateもアイツと戦うなんてな…」

 

「そうだね…」

 

そうしてキリトとXiaoはこれから始まるFateとヒースクリフの試合に集中することに。

 

「噂通りのスキルですね…神聖剣は」

 

「噂がどういうモノかは知らないが…噂は所詮噂に過ぎない」

 

「なら…今日ここで…貴方の生ける伝説という噂を砕きましょう」

 

「ほう…面白い。できるものならやってみたまえ」

 

そんな話をしながらも初撃決着モードで武器を構える両者。

そして開始の合図が鳴り響き―――――

 

「せぁぁああっ!」

 

ガキンッ

 

「ぐっ…」

 

「まだまだ、この程度ではないですよ?ヒースクリフ団長!」

 

2本の身の丈より大きい鎌を振り回しながら攻撃寄りではあるがヒースクリフの反撃をキチンと

ガードするFate。

 

攻防一体の戦闘スタイルと2本の鎌から放たれる一撃一撃はかなり重く、ヒースクリフでも

受け止めきる事は出来ないでいた。

 

「…すげぇな」

 

「うん…Fateさんの戦ってるところって見たことがないけど…あんな鎌を2本も振り回して

攻防を両立してるのはすごいよ…」

 

「お前…できそうか?」

 

「"二刀流"はできるけどあそこまでは無理だなぁ…」

 

「そっか…アイツ、どんだけなんだよ…」

 

「Fateさん、全プレイヤーの中でTOPレベルプレイヤーだよ?」

 

「「は?」」

 

「だから、ランキング出てるけど、1位がFateさんで2位と30ぐらい差があるよレベル」

 

「…マジかよ…」

 

「それに、前に階層丸々敵が居なくなったって噂あったでしょ?」

 

「あったな…バグって話だったけど」

 

「アレもFateさんの仕業なんだって。すごいよねー」

 

「…化けもんだな、アイツ」

 

「女の人に化け物はないでしょうに…でも、強いのは解る」

 

キリトとXiaoがFateの実力などに驚いてる中、試合はどんどん激しくなっていく。

 

「はぁぁぁああっ!」

 

ガンッ

 

「その細い腕からどうやってこれほどの威力を出しているのか…」

 

「あら、女性に対してそういう言い方はよくないですよ?」

 

「すまない…だが、桜鎌の2つ名は伊達じゃない、ということか」

 

「誰が付け、呼んだかは知りませんが…結構気に入ってますからね…(やはり、所々反応が

可笑しいぐらいに速くなる…少しカマをかけてみますか)まだまだ行きます!」

 

ガン!ガキィン!ガガガガガ!

 

「ぐぅぅっ」

 

「お、おいおい…あのヒースクリフが押されてるぞ…」

 

「勝っちゃうのかな?」

 

「Fateさん…」

 

ガンッ

 

「これほどとは…見事だ。Fate君」

 

「それはどうも…生ける伝説に褒められるとは素直に嬉しいですよ…"茅場さん"」

 

「ッ!?」

 

キィンッ

 

「…なるほど、その顔と反応で十分です。私が知りたいことは判りましたからッ」

 

わずかな鍔競り合いの瞬間にFateはヒースクリフを茅場と呼び、それを聞いたヒースクリフに

完全な同様が浮かんだ。

 

しかし、Fateにはそれだkで十分な答えだった。

 

「まさか…ね」

 

「度重なるオーバーアシスト…私だけでなくキリトさんやXiao君も疑問に感じてますよ?

貴方は…あまりにも速すぎた。まぁ安心してください。バラすつもりはありませんので」

 

「…なるほど、確かにキミならたどり着くのも道理か…彼にはまだバレていないというのに」

 

「あの子も疑問には感じていますが、答えにはたどり着いていないだけ…いずれバレます」

 

「…なら私はここで負けるわけにはいかないな」

 

「そうですね…ですが、私、これでも結構苛立ってるんですよ…デスゲームに閉じ込められて、

これまで様々な鬱憤も溜まりましたからね…そこにオーバーアシスト…もう完全に怒りましたよ。

ですから…貴方はここで倒します。そして伝説は今日ここで死ぬ」

 

「……。」

 

Fate…悠姫に正体が見抜かれたヒースクリフ(茅場)は何も言わず警戒した。

悠姫の事を知っているが故に警戒をしてしまった。

 

しかし、それが致命的な隙を生むこととなった。

 

「これで…終わりですっ!」

 

「ッ!?」

 

サッ

 

ソードスキルが発動する状態の鎌が視界に入った事でヒースクリフは一瞬遅れながらオーバーアシスト

を使い盾を構えた。

 

その結果―――――

 

「ソウル…パニッシャァァァァアアッ!」

 

放たれた一撃は吸い込まれるようにヒースクリフへと向かい―――――

 

カランカランッ

 

「私の…勝ちです。ヒースクリフ団長」

 

ヒースクリフの盾を完全に砕き、一撃を入れ、Fateが決闘に勝利した。

 

「……見事だった。Fate君」

 

「勝ったのでギルド入りはなしということで」

 

「ああ。約束は守ろう」

 

「では…私はこれで」

 

一礼し、FateはXiao達の所へと戻る。

 

「おめでとー!Fateさん!」

 

「っとと…ありがとうございます。ユウキさん」

 

「まさか団長に勝っちゃうなんて…」

 

「まぁ、私と戦う前にキリトさんとXiao君の2人と戦った事と…Xiao君の最後の一撃を

盾で逸らした事で盾が破損しかけてたのも大きいですね」

 

「流石TOPプレイヤーってところか」

 

「そんなことはないと思いますよ…キリトさんもXiao君もいい処まで行ってたじゃないですか」

 

「それでも勝たないと意味ないしな…」

 

「だねー」

 

こうしてキリトとXiaoは血盟騎士団入りすることが決定し、同時にヒースクリフの伝説は

敗れ去り、桜鎌の2つ名はプレイヤー達の間で新たな伝説として語られる事になるのは別の話。

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