インフィニット・ストラトス~織斑一夏からヒロインを奪おうとする転生オリ主の話~ 作:カイナ
これは二話連続投稿の後編です。
もしも前編を読んでいないまま間違えてここに飛んできた方は前編への移動をよろしくお願いいたします。
「織斑一夏!! オレと勝負だぁ!!!」
IS学園一年一組教室内、突如そんな声が響く。だがいつもの事であり、俺──織斑一夏は慣れたように声のした方である隣の席に目を向ける。そこには誰もいない。いや、視線の先にある机の上に何者かが立っており、やはり慣れたように視線を少し上に向ける。
そこには烏の濡れ羽色と評されるような、綺麗な光沢を放つサラサラとした黒髪を背中に届くくらいに長く伸ばし、背丈こそ小学生と見間違うくらいに小さい代わりに身長分の栄養を吸い取ったのかと思われるような大きな胸をした
いくら小学生並みの小ささとはいえ机と足せばそれなりの高さになるし、加えて本人が意識しているのかは知らないが胸の下で胸を持ち上げるように腕組みをしているのもあって、俺の視線からでは胸が顔を隠していて相手の表情は窺い知れない。が、どうせいつものようにフフンと言いたげな自信満々な表情でもしていることだろう。小学校二年生からの長い付き合いだしそれぐらいの想像をつけながら、俺は思わず苦笑を漏らしていた。
「とりあえずさ、
「うるせー! こうでもしなきゃお前を見下ろせないんだからしょうがねーだろ!!」
女子相手に失礼だとは思うが、前に同じような事があった時はたまたま開いていた窓から悪戯な風が入ってきたせいで真琴のスカートがめくれた前科があるから言っておかねばならない。机の上からジャンプしてきた真琴から全体重かけたような重い飛び蹴りを顔面にくらわされるのはもうごめんだ。
ちなみにそれを見ていたファースト幼馴染──篠ノ之箒と、クラスメイトでイギリスの代表候補生──セシリア・オルコット、そして二組だが休み時間に遊びに来て二人から事情を聞いたセカンド幼馴染──凰鈴音が俺をまるで変態のように罵ってきたのだが、自分の名誉のために言っておく。俺は水色と白の縞パンしか見ていない。
だが弁解として正直にこれを言った瞬間、真琴が顔を真っ赤にして彼女の身軽さと体捌きを活かして小柄さをカバーする必殺技──
そんな今言ったら真琴に「おー良い思い出だよなー」とかしれっと言い逃げされそうな思い出に浸っていると、真琴は「よいしょよいしょ」と声に出しながら、俺の席の一つ隣の席にあたる机を降りてハンカチを取り出し、さっき乗っていた机と乗る時の踏み台に使った椅子を綺麗に拭いていた。
虎のアニキ達、年の離れた体育会系の兄に囲まれて育ったせいか口は悪いがこういうところは素直だし律儀だ。と思っていると、使ったハンカチを制服のポケットにしまった真琴がこちらを睨んでくる。
流石に俺の座高と比べれば立っている真琴の身長の方が高いが、俺も立てばすぐにその差はひっくり返る。だがそれをやったら真琴はすぐ不機嫌になって拗ね始めるから座ったままで対応する事にする。
「というわけで勝負だ一夏!」
「おう、分かった」
ビシッと指差してきての言葉に二つ返事。元々今日は真琴が学園所有の訓練機──
毎回真琴が打鉄の使用予約を入れられる日を学園側に確認、予約できる候補の日をいくつか挙げて俺に確認して予定をすり合わせている。土壇場で言ってくる事は滅多にないし、候補の日が箒やセシリア、鈴と遊びに行くとか訓練とかの先約が入っている場合は真琴の方から「約束は大事だ」と引き下がっている(後で聞いたが、その時も打鉄は借りており、俺と約束がない奴らと一緒か全員予定が入っている時は一人で訓練しているそうだ)から、逆に箒達からも「先約の相手が真琴なら譲る」と優先されていた。
そんな事を考えていると、真琴は箒の席に駆け寄って「箒! 今日は一夏と訓練するんだ! 今日こそ一夏に勝ってみせるから見に来てくれ!」と誘っている。訓練の時はいつもこう、箒やセシリア達を観戦に誘っている。ちなみに予定が入っていると言われれば無理強いはせず素直に引き下がっている。
しかし傍目から見ても分かるくらいに目をキラキラさせて箒を誘ってる姿はまるでこれから散歩に行こうとしている子犬のようで、心なしかピコピコと動くイヌミミやブンブンと振れる犬尻尾を幻視しそうだ。
すると箒がふふっと優しく微笑み、慈愛に満ちた目で真琴を見る。
「ははははは。真琴は相変わらず可愛いなぁ、小学生の時から何も変わらなくて安心するぞ」
「にゃぎゃあ!? 撫でるな箒! 大体可愛いってなんだよオレはかっこいい系を目指してるんだ!」
「真琴さん、無理なものは無理と諦める事も時には大事ですわ、貴女はキュート系。その事実を受け入れては?」
「んな事実認めねーからなセシリア! そんなフリフリキュートな服のカタログを持って近寄ってくるな!! 着せるのか!? 注文してオレに着せる気なのか!?」
「真琴ぉ! 今日こそあんたの秘密を教えてもらうわよ! あたしの身長とそんなに変わんないかなんならあんたの方が小さいくせになんなのよその胸!? チートか! チートなのか!?」
「うっせーぞ鈴! オレだってこんな邪魔くさい脂肪の塊持ちたくて持ったんじゃねえ!」
黒髪ポニテ巨乳女子高生──篠ノ之箒が穏やかに笑いながら、立っていればもちろん座ったままでも撫でられる高さにある真琴の頭を撫でまわし、金髪縦ロールお嬢様──セシリアがフリル満載のキューティなワンピースをメインとした可愛い系服のカタログを手に彼女ににじり寄り、二組から乗り込んできた茶髪ツインテール貧乳娘──鈴が怒りに燃えつつやや涙目で訴える。
それらに文句を言いまくる黒髪ロング吊り目オレッ娘ロリ巨乳な俺のライバル──浅山真琴を見て、俺はまるで真琴に皆を奪われたような疎外感を感じる。だがその光景をどこか微笑ましく思い、俺は気づいたら腕組みをしながら訳知り顔でうんうんと頷いてしまっていた。
これは前世は男、今世は女として転生した転生者――浅山真琴と、
叙述トリックものを書きたくなったので書いてみました。(またも思いつき)
あと最近一夏を見下してヒロインを奪おうとしたらざまぁ展開になる系転生者(須藤成志)ばっか書いてたから、このタイミングでまた紛らわしいタイトルで転生オリ主もの書いたら読者さん騙されるかなーって思って♪(悪笑み)
大丈夫です。タイトル通りちゃんと(ヒロインの友人やマスコットポジションとして)織斑一夏からヒロインを奪ってますからタイトル詐欺じゃありません。(棒読み)
そして現在「ハチャメチャオールスター編」になんか上手い具合にコイツ突っ込む手段ないか考えています……まあ要望があればやろうかな程度ですけど。(笑)
いっそのことハチャオル編でも一夏×箒で固定して、鈴、セシリア、ラウラは真琴とGLさせて成志の標的から外させようかなって。(無茶振り)
正直叙述トリックというのは書いたことがないのでこんな感じで上手くやれたか不安です。なのでこの前ちょっとやってみて味を占めたアンケート機能でも使ってみたいと思います。(笑)
なおもしも前編の時点で気づいたという方は差し支えなければどこら辺で気づいたのかを教えていただければと思います。
多分鋭い人は地の文の二行目辺りの「下が見えない程に胸が大きい」と取れる記述で勘付くと思うんですが。
そこ以外ではいじめっ子を一夏が殴った辺りで「男女が好きなのかよ、女のくせに」(要約)っていじめっ子が言おうとしたのを一夏がその気がなかったにしろ殴ってキャンセルした辺りと、
真琴が中学はわざわざ別のところに行くってくだりで、中学はISの事前学習をする学校って気づくことが出来ればそんな学校に行く真琴は女子だと勘付けると思います。
多分勘付くだろうなってヒントとして書いたのはこの三つくらいだったと思います。次点で箒がバレンタインのチョコを真琴に渡したところ。箒が「真琴がチョコを貰えるわけない」とまるで確信してるように真琴に義理チョコを渡してる理由に勘付けば気づけそうですけど、ここは「真琴は女にモテないと箒は思ってる」って考えるのが自然ですし。
例によってというか元々叙述トリック書いてみたいの一念で書いてみた話なので続きは想定しておりません。やるとしたらこういう時便利な「彼から主人公補正が消えた話」にこの先真琴ちゃんが出てくる可能性があるかもしれないなくらいなのでご了承ください。
では今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。
前編の時点で真琴が女子だと気づきましたか?
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気づいた
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