私は次期アドラステア皇帝エ『レオノォォルゥゥ!!』 作:炭酸ソーダ
エガちゃんは、他人のために世界をぶっ壊そうとした。
どちらも他人の為に自分を省みなかった。
よってフランシーヌ=エガちゃん QED
やあ。フェイスレス(偽)だよ。
なかなかピンチもあったけど、なんとかグロンターズを抜けることができた。その後はまあ、メリセウスとかいう要塞を通ったりもしたけど、別に何もなかったね。何もない方が良いんだけれども、何もないというのもあっけないものだよね。
それはそうと、僕も魔術が使えたみたいだ。まあこの世界は魔術が一般化されているみたいだね。そのせいか、科学技術の発展が遅れているのかもしれないけれど。まあ魔術でできることをわざわざ別の方法でやろうとはしないのだろうね。
ただ、これでオートマタの製造はわりと簡単になるかもしれない。ファイアーとかそういうのをオートマタに使わせられればいいわけだ。……ん?これって簡単になったのか?まあ、燃料とかの心配はそれほどいらなくなったかな。
そして、季節は冬になった。この世界でも、暦はあまり差異はないようだ。まあ、月の呼び方が数字ではないようだけど。フォドラ的には、今は星辰の節と呼ぶらしい。わかりやすくいえば12月ってことだね。……なんでこんなわかりにくい呼び方にしたのだろうね。
そして今、僕は帝都アンヴァルへの入城待ちの真っ最中なわけだ。そろそろ僕の番かな。
「次!」
「はいはい」
ほおら、番がやってきた。
「名前は?」
「フェイスレスだよ」
「フェイスレス? それは本名か?」
「いやね、実は記憶が吹き飛んじゃってね。頭の中を探し回ってしっくりきた名前がフェイスレスだったんだよね」
門番が押し黙る。こんなのがやって来たら、僕だって困る。でも事実を言っているわけだから、申し訳ないが訂正はできない。
「……目的は?」
「職探しってとこだね。しばらくは滞在するつもりだよ」
「……通れ」
いや良いのかい。良いなら僕は良いけど、君後で怒られるんじゃないのかね?そんなことはわざわざ言わないけどさ。
「それじゃあ、失礼するよ」
「先輩。あれ通して良かったんですか?」
「問題はないだろう。あんな痩せ細った子どもに、何ができるわけもない。それに、今日は大勢さばかないといけないのに、あそこで流れを止めるわけにもいかないしな」
さあ、ようやくたどり着いた。コーデリアの酒場曰く、ここがフォドラの最大都市らしいけど……
「まあ、こんなもんだよね」
想像していた通り、それほど大きな都市ではない。まあ比較対象がニューヨークとか東京とかだから当然ではあるけど。町並みや規模が、どことなく白金のいたプラハに似ているような気がする。
さて。とにかく、工房をこしらえなくてはいけない。
……ああ、懐かしい。かつてこんな街の一角で、僕は錬金術を学んでいた。そしてある日、彼女に出会った。いや、出会ってしまった。
……いや、これは僕の記憶ではない。別人の、彼らの記録だ。僕にとって、彼らは脳内に住みつく反面教師のようなものだ。彼らのようにはなってはならない。記憶がなくても、それくらいは本能的に理解できるさ。
「おい、今日だろ?エーデルガルト様のお披露目ってのは」
「ああ。今日はどこの宿屋も一杯なんじゃないか?次期皇帝陛下の顔見せなんだからな」
市民が立ち話をしている。ちょうどよかった、不動産の取引について聞いてみようか。
「すまないが、空き家とかってどこで買えるんだい?」
「ん?あんた、お上りさんか?だめだよ、今日は。どの店も臨時休業さ」
「そうそう。次期皇帝のお披露目があるから、みーんなそれを見に行っちまってる。というか、あんたもそれを観に来たんじゃないのか?」
なんとタイミングの悪いことか。ようやくたどり着いたその日に、それほどの一大イベントが開催されるとは!
「あんたもどうだ?旅は道連れ世は情けってな」
「まあ、せっかくだ。どうせ店もやっていないなら、お願いしようか」
「ほら、ここが宮城前だ。もう人だらけだな」
その言葉の通り、宮城前の広場は人で覆い尽くされている。いや、前の方はやけに空いているようだが。
「ああ、あれは貴族席だよ。エーギル公やらアランデル公やら、まあたくさんいるとはいえ平民よりは少ないだろう?」
僕の視線を見てか、一緒に来た男が言う。と、ざわめきが起こった。宮城のテラスに、豪勢な格好をした男が立っている。どうやら、あれが現皇帝らしい。
「……」
何か言っているが、ここまでは聞こえてこない。なるほど、それで貴族席は前方にあるのかね。あ、皇帝が引っ込んだ。
「来るぞ、本命が……」
白髪の、少女だった。少女特有のその高い声は、僕の耳まで届いていた。
「アドラステア次期皇帝となった、エーデルガルト=フォン=フレスベルグよ。親愛なる帝国市民には、名前だけでも覚えて帰ってもらいたいわ」
既視感はあった。プラハのような町並みは、かつての出会いを想起させていた。
「本来、私は今日ここに立つ存在ではなかった。しかし、私の兄弟姉妹には多くの不幸があった。それを噛みしめて、私は今ここに立っている」
白っぽい髪に、気丈そうな声色。そして、この町並み。僕は、演説をする少女にプラハで出会った彼女を見ていた。
「建国から1000年を越え、帝国の歴史は重きを増している。その重みを受け止める時が来た際には、この場にいる皆の力を貸して欲しい!」
しかし、それよりも。彼女は、フランシーヌのようでありながら、そのあり方はむしろ大司教レアのように感じられた。つまりは――
「フェイスレス、か」
なぜそう感じたのか、僕にもわからない。しかし僕は、堂々と演説をする彼女にフェイスレスの面影を見ていた。自分の脳内とはいえ、とてつもなく無礼な思考だろうと思う。可憐な少女に、あの利己的の具現化のような存在を想起するとは。もし狂信的な彼女の臣下がここを覗けたら、その場で絞め殺されるかもしれない。
「エーデルガルト=フォン=フレスベルグ」
脳に刻みつけるように、つぶやいた。
あの演説から早……何年だっけ?
「3年かと、造物主様」
「あ、そんなに経つの? あと、僕のことはフェイスレスか団長と呼びなさい」
帝国歴1179年、いや。もう80年になったか。1180年の4月、大樹の節だね。
3年前の星辰の節から、僕はオートマタの制作に着手した。しかし、問題が出るわ出るわ。想定してはいたが、この世界の技術はかなり遅れている。いや、意図的にセーブさせられている。それに気がついたのがおよそ2年前。そのせいで、そもそも材料集めが大変だった。オグマ山脈に鉱石を堀りに行って山賊と戦ったり、闇うごの実験場に入り込んで死にかけたり、もう大変だった。というか闇うごだけ技術進みすぎてるよね。だから色々かっぱらったりもした。そんなこんなでなんとか四体を作り上げたのが1年前。ここでようやくサーカスが結成できた。……情報収集とサーカス、手段と目的が逆転しているような気もするが、とにかく結成できた。
サーカス発足の遅れを取り戻すべく、恐ろしいほどの強行軍でフォドラを飛び回った。なにせからくりサーカスである、疲れなどしない。疲れるのは僕だけだからね。その甲斐あってか、フォドラの情報はかなり集められた。ついでに僕の体も鍛えられた。ただ、揃えたのはあくまで表側の情報だけではある。ゾナハ蟲をばらまいても良かったかもしれないが、そもそもパーツがない。技術チートは、知識だけあってもだめだということだね。
……技術チートといえば、闇うごだよ。可愛らしく呼んではいるが、はっきり言って彼らは規格外だと思う。以前無線の実験をしていたら、なんか混線みたいな現象が起きた。こんな時代に電波を飛ばすような連中は、闇うごしかいない。その気になれば世界征服もできるんじゃなかろうか。
「ぞ……フェイスレス団長、そろそろ行きましょう」
「うん、ごくろうさまだ、アルレッキーノ。今日の客入りは?」
「上々です。先行して行ったパンタローネの空中浮遊が、どうやら村人の琴線に触れたようです」
「そりゃあよかった。そんじゃ、行こうか。――――ルミール村公演だ」
時間は吹き飛び、結果だけが残る……。
時間も吹き飛んだけれど、なんかエガちゃん蚊帳の外では?タイトル詐欺では?
フェイスレス(偽) LV.10 錬金術師
HP 33 装備 素手 スキル(固有)自己評価
力 15 ファイアー 全獲得経験値×1.3
魔力 13
技 27 戦技 分解 スキル 身体熟知
速さ 16 (効果)全ての敵に有効 毎ターン最大HPの20%回復
幸運 8 命中時、相手の移動が低下
守備 12 理解
魔防 9 騎士団 からくりサーカス からくりサーカスが雇用可能
魅力 14 物5魔5命15必15回20防6耐5魅10
合計 114
この小説のお目当ては?
-
FE風花雪月
-
からくりサーカス
-
どっちも知らない猛者
-
フェイスレス様ラブ勢