ロクでなし魔術講師、アルベルト=フレイザー   作:つりーはうす

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今回は短めです


幕間3 『遠征学修』前日

「ふざけるなっ!それでは事実上の入会拒否宣言ではないか!!!」

とある場所にて。

帝国白金魔導研究所所長、バークス=ブラウモンは激高のあまり備え付けの机を己の拳で殴りつけていた。

 

 

 

「貴方も知っているであろう!私が一体どれほど組織のために貢献してきたかを。それでも入会を認めぬというのか!いつまでこの私を参入志願者(プロベイショナー)のままにしておくつもりだ!答えよ、エレノア殿!!!」

机の向こう側にてすまし顔で佇むエレノアに吠え掛かるように問いかける。

だが当のエレノアは気にせず、にこやかに微笑みながらバークスの怒声を受け流す。

 

 

 

「落ち着いてくださいませ、バークス様。大導師様も第三団(ヘブンス)天位(オーダー)>の方々も貴方様の入会を認めないというわけではありませんわ。ただ、貴方様の組織に対する忠誠心が本物かどうか確かめるために、大導師様は『Project:Revive Life』を完成させるという試練をお与えになったのです」

「だからそれが事実上の入会拒否だというのだッ!!!」

エレノアの態度に怒りで身が震え、バークスはさらに叫ぶ。

 

 

 

「『Project:Revive Life』・・・。あれだけは無理だ!あの儀式魔術は稀代の天才錬金術師シオンだから為せた究極の禁呪法だ!そもそもアレはシオンの魔術特性(パーソナリティ)を利用した、奴の固有魔術(オリジナル)そのものと言っていい!つまりシオン以外にあの禁呪を成功させることは不可能なのだよッ!」

「ふふ、確かにバークス様の仰るとおりこの禁呪をシオン亡き後完遂することなど不可能・・・。ええそうでした」

そう意味深に語るエレノア。

その様子にバークスは訝しむような視線を向ける。

 

 

 

「・・・どういうことだ?」

「目途が立ったのですわ。このプロジェクトを完成させる目途が」

「ふんッ、何を言うかと思えば。何だ?シオンでも蘇らせたというのか?」

嘲るようなバークスの言葉を意に介さずエレノアは続ける。

 

 

 

「『感応増幅者』・・・。近々アルザーノ帝国魔術学院の『遠征学修』でこの研究所に来る生徒たちの中に一人、『感応増幅者』が紛れています。その力を使えば・・・」

エレノアの話を遮るようにバークスは言葉を吐き捨てる。

 

 

 

「このド素人が!その発想はすでに行った!闇市で『感応増幅者』を買い漁って散々実験した私が断言してやる!不可能だ!」

「あらあら、バークス様ったら・・・。ですがその点については問題ありません。これを」

エレノアは懐から巻物状の書状を取り出し、バークスに差し出す。

バークスは渋々手に取り、書状を広げてその文章を読み進めると、瞼が千切れんばかりに目を見開く。

 

 

 

「そ、そんな・・・。ば、馬鹿な・・・こんなことがっ!!!だが、これは本当に事実なのか?」

「その文書の下に箔押しされた紋章をご覧くださいませ」

そう言われ書状の下を捲ると双生児(タウム)の印章が押されていた。

 

 

 

「これはまさか、大導師様直々の・・・。ではここに書かれていることは」

バークスの問に、エレノアは首を縦に振り肯定する。

その後、研究会の全面的なバックアップと『Project:Revive Life』の共同研究者を得たバークスは嘗てないほどの上機嫌で研究所へと戻るのであった。

 

 

 

「やれやれ・・・殿方の相手をするのも疲れますわね」

研究所に戻るバークスを冷めた目で見るエレノア。

そしてバークスのことを頭の片隅に追いやり、エレノアはこれから相対するであろう人物に思いを馳せる。

 

 

 

「一人は彼が受け持つとはいえ私はあのアルベルト様と・・・。さてと、どうしましょうか?あの方は激しいお人ですから・・・ふふ」

そう薄ら寒い、妖しい笑みを浮かべ、闇夜に消えるのであった。




私用(卒論)で忙しく、前回から少し間が空いてしまいました。
投稿しているから終わったのかって?ノンノン。
チョット現実逃避(来週提出、だが未完成)をしたくて短文ですが書きました。
これ以降投稿されなかったら・・・まあ、うん。察してください。
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