綿ぼこりたち   作:凍り灯

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最終話です。前の話を見てない人はご注意を。
後少しだけ、この世界にお付き合いください。







Drew meets Claire

 

 

 

 

 

「高度約53kmに到達しました。速度秒速4km」

『了解、仰角を減少させる。そう、そのままだ嬢ちゃん。…角度20…15…』

「………目標速度への低下を確認。上部ハッチ、展開します………前部回転翼異常なし。後部回転翼、異常なし。ローター展開」

『了解、展開開始。…前部、後部ローターブレード共に正常に稼働』

「起動スタンバイ。いつでもどうぞ」

『まだまだ………3、2、1…今』

「起動します」

 

───地球と火星を行き来する定期便である大型輸送船に積まれ、火星の静止軌道上にある共同宇宙港「方舟」に俺たちは何事もなく到着した。

 

そこからは自前だ。

懸架(けんか)したモビルスーツが熱でやられないようにヒートシールドを装備して大気圏へ突入した輸送ヘリはたった今、減速を完了し、装甲を展開、普段の姿を取り戻していく。

 

ようやく露出した8枚もの長大なブレードを持つ回転翼が2基、けたたましい音と振動を伴って回り始める。

宇宙空間でも完全な密閉を実現可能なMS輸送用大型ヘリ"クランウェル"だ。音は大部分が遮断されているものの…その振動が凄まじい。

 

幸いなことに、モビルスーツのコクピットの中であれば、それらも大して気になることはない。今、気になってるのは、そこじゃない。

 

「なぁ、やっぱり向こうに乗るべきだったろ」

「いいえ、これでいいのです」

 

これだ。

 

俺は…いや俺たちは、ヴェーチェル(フレック・グレイズ)のコクピットに相乗りしている。

以前ガランとやり合った時にもやったが、こいつは二人乗りを想定していないので、言うまでもなく狭い。

俺の前に、リーリカが堂々と座り込んでいる形だ。ぎゅうぎゅうである。あらゆるものが。

 

平然とした顔でタブレット操作を使い、輸送ヘリの大気圏突入から通常飛行までの補佐をやっているのは実に大したものだと舌を巻くが、やっぱりこうする必要はなかったと思う。

 

その文句を呑み込んだ俺に、リーリカは深刻そうな声色で呟いた。

 

「…考えたのです。サプライズ」

「ああ」

「全然思いつきませんでした…」

「そうだろうな…」

「だから空から降りてくることで驚かせようかと」

「何でそうなるんだよ…いや、わかったぞ。どうせフレッくんで見たからとか言い出すんだろう?今朝の放送か?」

「…」

「嘘だろ」

 

マジだったらしい。

 

いや、サプライズ?が思いつかなかったことに多少の同情はある。

そういうことを今の今まで生きている中でやったこともなかったし、そもそも発想自体なかったのだろう。

今まで見せたこともない相手に初めてのチャメっ気だ。応援したい気持ちもある。

 

「でも急に空から降って来たら撃たれるだろ」

「そこなんですよね…」

「しっかりしてくれ、緊張してるのは俺も理解してるが、何もわざわざ無茶苦茶する必要はないんだ」

「…すいません」

「はぁ…いいさ。我儘くらいは、言ってくれた方が俺も気が楽だ」

「ありがとう、ございます」

「おう」

 

───本当は、別れる時まで一緒にいたかっただけとは言えず。リーリカは黙する。

 

『おうい。いい雰囲気の中悪いが、厄介ごとだ』

「こんなところ(空中)でか…何だ?」

『嬢ちゃんのタブレットに映像を飛ばす───ギャラルホルンだ』

 

リーリカの肩越しにぐいと彼女の手元を覗き込む。彼女がくすぐったそうにするが、気にしてる暇はない。

 

確かに、望遠カメラによって捉えられた機影はグレイズ系統…複数いるが、一体どこから?…まさか、大気圏外からの降下か?あれは耐熱シールドか…。軍のグレイズかどうかもわからないが、じいさんがギャラルホルンと断定しているならばそうなのだろう。

しかしこちらが目標というわけではないらしい。軌道は真っ直ぐに、どこかを目指している。

遠すぎて判断できないが、指揮官と思われる特殊カラーの機体も見えた。であればただの下っ端の集まりってわけでもない。

 

「どこへ向かっているか突き止められるか?」

「少々お待ちを、計算します…───これは…、クリュセ地方…進路上にハーフメタルプラント…鉄華団の管理区画があります」

「進路上に他には?」

「大規模な太陽光発電設備はありますが…」

「わざわざグレイズで行く理由もないわな。こりゃぁ、サプライズどころじゃなさそうだ…。じいさん、追跡してくれ」

『おいおい、いいのか?そんな慌てて首突っ込むこともないだろ。こんなとこで連中といざこざ起こせば、地球に戻れなくなるぜ、お前さん』

「そうなんだがな。それでも、なんかあった時」

 

目の前でシートに共に収まるリーリカを意識する。

 

「…多分、後悔しそうだからな」

『お熱いねぇ…嫌いじゃないぜ、そういうの。よし、じじいに任せときな』

「悪いな」

「おじい様、お願いします」

『はっはっは!降下地点を確認次第切り離すぜ、準備しときな!』

 

この状態で戦闘をまたするのは勘弁したいが…いざという時は腹を(くく)るしかない。

 

「リーリカ…わかってるな?」

「命はとうに預けています」

『ヒュー』

「かっこいいねぇ…」

 

全く惚れ惚れする。どういう形に転ぶにせよ、期待に応えなくっちゃぁな。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『高度は高いが、いけるな?』

じいさんたち(じじどもの悪ノリ改造)のおかげでな。直したばっかでこれとはねぇ…」

『今度は軽傷で帰ってこい、心配してるやつらばっかだ』

「俺だってそうしたいさ」

「行ってきます、おじい様」

()()()()()()()()!推定範囲は教えた通りだ、厳守しろ!』

「あいよ」

 

ロッキングアームが解放。

破裂するような金属音と共に浮遊感。いつかの海賊退治のように、エイハブウェーブの検知を潜り抜けるためにリアクターはまだ静まっている。

予備電源である水素エンジンのパワーだけを使い、シールドや全身を使ってエアブレーキの代わりとなる姿勢をゆったりと取らせた。

 

スカイダイビングの中、機体の姿勢制御のみで予定の降下地点へと落下していく。

 

「ヘリのカメラで確認したあれ、本当に"モビルアーマー"だと思うか?」

「…おじい様があそこまで真剣ならば、間違いないと思いますが」

「見間違いだと思いたいがな…」

 

───300年前の厄祭戦勃発の元凶とされた無人の殺戮兵器、モビルアーマー。

地球の人口の1/4を殺害したと伝わる正真正銘超級の危険物だ。モビルスーツがそれに対する対抗策として作られたのは有名な話である。

木端傭兵の俺ですら、そのヤバさはわかる。団長にそういった歴史を叩き込まれたというのもあるだろうが、じいさんの鬼気迫る表情を見れば余計に。

 

「俺たちは完璧に場違いか」

「気にしても仕方がありません。しかしギャラルホルンがモビルアーマーの回収に来たとすれば、モビルスーツを使うことはしないはずですが…念押しの戦力でしょうか」

「にしては少ないな…」

 

中途半端なのが気になるところである。

モビルアーマーは、モビルスーツが近づくと過剰に反応するらしいとはじいさんの言だ。実際にはエイハブリアクターにか?

完全に破損しているならばともかく、もし"停止しているだけ"であれば近づくのはパンドラの箱を開けることに等しいらしい。

 

正直、そうであるなら俺が行くべきではないと思ったがが、じいさんが気になったのはやはり中途半端なグレイズの一団。

まさかギャラルホルンの兵士が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、もしものこともある。安全の確認だけでもしておけとのことだ。

角笛が信頼できないのはわかるが、杞憂だと思いたい。だが、じいさんの嫌な予感はよく当たる。長く太い人生経験から導き出された"勘"というのは、いっそ予知に等しいのだ。

 

 

だからこれを「緊急の依頼」という形で俺たちは受けた。

 

 

「依頼内容を再確認します。依頼主は"Stork's Cocktailss & Dreams"のオーナーであるアドウェナ・アウィス。目標は未確認モビルアーマーの起動阻止です。ギャラルホルン及び鉄華団のモビルスーツの接近があればこれを警告、或いは武力介入による阻止を強行してください。起動の阻止に失敗した時点で依頼も失敗とみなし、即時撤退を推奨されています。報酬は今回の輸送に関わる諸経費全額の負担です。…すいません、これは本来私が払わなければいけないものですね…」

「そんなこと気にするなよ、今更な」

「…ありがとうございます。内容によっては追加の報酬もあるそうですが、何事も起きないのが一番でしょう」

「違いない。そもそも背を向けて逃げ切れる相手かもわからん」

 

はっきりとしたモビルアーマーの戦力が不明な以上、最悪を想定しなければならない。であれば起動されてしまった時点で"詰み"と考えた方がいいだろう。…そうだな、一緒に死ぬのも悪くないかもな。

 

「フィーシャ…?」

「何でもない」

 

空を落ちる中、俺は目視ではっきりとグレイズの一団を確認したと同時に、リアクターに火を入れた。

 

供給ラインが入れ替わり、血液を回されたヴェーチェルが背部ブースターや各所のスラスターによって急激に減速。俺はともかく、リーリカはややくぐもった声を出してGに耐える。

ゆっくりと降下しながら、状況を確認するために眼下に収音マイクを向けた。

幸いなことに、俺の存在はまだ気が付かれていないようだ。

 

『───ジャ─公、私──の用だ?』

『貴──に謀反(むほん)の気あ──情報を受け、──まで追ってき──だ』

『謀反?』

『恍けても無駄だ!貴公がモビルアーマーを倒して七星勲章を手にし、セブンスターズ主席の座を狙っていることはわかっている…!』

『七星勲章…?成程、そんな誤解をしていたのか』

『誤解ではない!モビルアーマーの存在を隠蔽(いんぺい)し、ファリド家単独で行動を起こしたことが何よりの証!』

 

「…?なんだ、どういう状況だ」

「画像データの解析からですが、どうやら地球外縁統制統合艦隊の司令である…マクギリス・ファリドが鉄華団と共にいるようですね」

 

苦虫を嚙みつぶしたようなリーリカの声に、しかし事態が事態のために気が付かない振りをして言葉を返す。

 

「余計にわからんな、そこ辺りは後回しだ。謀反…内ゲバか?にしても両者の話が噛み合ってない気がするが…というかこいつら(降下した角笛)は、モビルアーマー自体をどうこうするという目的で来たわけじゃないのか?」

「恐らくは…?」

 

厄介な。

だがそうであれば中途半端な部隊構成にも説明はつくが…───そして俺にも、嫌な予感が(よぎ)った。頭に血が上っているかのような指揮官機の様子が、どうにも…

 

『マクギリス・ファリド…覚悟!』

「まさか…ないよな?」

「…」

 

冷や汗と共に俺は自分の言葉を否定して欲しくてリーリカに呼びかけるも、彼女もまた同じように嫌な予感がしたのだろう。

そんな愚かなことをするか…と疑問を浮かべる二人に対して、事態は動き続ける。

 

 

指揮官機が、明らかに踏み越えてはならないラインを越えようとした。

 

 

『よせイオク!それ以上───』

「馬鹿が」

 

スラスターをカット。降下速度を速め、モビルアーマーを刺激する恐れがあるため左手のサブマシンガンを2発、宙へ撃ち放つ。

 

必然。

第三者の介入である乾いた銃声によって場は凍り付く。グレイズ…いや、よく見れば見た目は所々違う。実物を見るのは初めてだが、あれは"レギンレイズ"か。とにかくそいつの足も止まった。

それを確認してから再びスラスター起動、ゆっくりと機体を降ろしていく。まずはもっと目を引き付けなければ。

 

「さて、どうするか」

「生身の人間がいる以上、外部スピーカーを使うしかないでしょう。私が引き受けます」

「悪い、頼んだ」

 

しかし…なんだ?

様子がおかしい。

 

得体のしれない介入者に対する視線にしては…どうも…?

 

いやまさかな。

そんなはずは。

 

──そんな風に感じたのは、向こうの幾人かも同じだったようだ。

 

『各機警戒を───…イオク様…?』

『あ、あれは!?』

『また違うのが来た───…オルガ?』

『間違いない…!』

 

さっきとは違う冷や汗が、俺の頬を伝った。

 

『『グレイフレッくん!!』』

『イオク様!?』

『え?オルガ??』

 

イオクの部下たちは困惑していた。存在自体は知っていたが、そっくりさんが出て来るわ、イオク様が推しアイドルに会ったかのような黄色い声を上げたから。

三日月は割と困惑していた。

よくわからんモビルスーツがいきなりやってきて、オルガが感激の声を上げたから。

フィーシャは天を仰いだ。そうせずにはいられなかったからだ。

…しかしリーリカことフミタンはここに勝機を見出した!

 

咄嗟(とっさ)に、そうつい手癖でリーリカがコクピットにブラさげられた人形の頭頂部を押したのだ。そうするとどうだろう?

 

『《見ていられないぞフレッくん》』

 

スピーカーから、ふざけたセリフが飛び出しハーフメタルプラント中に響き渡ったのである。

 

『グレイフレッくん!生きていたのか!!もしや私を助けにきてくれたのか!?』

 

は?

イオクの世迷言に、フィーシャは一週回ってキレそうになる。

 

───実はつい先日、グレイフレッくんがモビルアーマーに踏み潰されたことでお茶の間の子供たちをギャン泣きさせたことをリーリカは当然知っていた。

 

ギャラルホルンを束ねるセブンスターズの一角たるクジャン家の若き当主ことイオク・クジャン。フィーシャは覚えてないことだが、フレッくん最初期のヒーローショー時代。脚本を担当していた男である。思い入れは人一倍で、アニメ化した後も結構大好きだった…

時に笑い、時に泣き崩れ、そうして彼は無駄に感情移入していることなぞ知ってたまるか。

 

この混沌(カオス)の中、リーリカはチェックメイトへの道筋を幻視する。だからもう一度。

 

『《敵でも味方でもない…》』

『しかし聞いてくれ!そこにいるマクギリスファリドはギャラルホルンのセブンスターという立場にありながら、宇宙ネズミの率いる鉄華団と共謀して悪事を働こうとしている!そんなことが許されるはずがない!ギャラルホルンがこの男に掌握されれば無用な改革が世を乱すだろう!このイオク・クジャン、断じてそんな卑劣は許せない!』

 

聞かせんな。軍の内情をべらべら喋んな馬鹿なのか?

俺は本音を堪えて必死に頭を回した。リーリカが俺の腕を抑えてくれなければ口にしていただろう。

 

『モビルアーマーは危険だ!君もわかっているだろう!その身で受けたのだから!マクギリス・ファリドが個人の独断で破壊を実行し、もし失敗したら多くの民が苦しむことに!』

『相変わらずとんだ勘違いだな…』

 

受けてねぇよ。

微妙に正しいことは言ってるがそもそもの話が嚙み合ってない。なんで危険なのを知っていて、近づいたらヤバイのは知らないんだよ。全部アニメ知識か?いかんな…そんな気がしてきた。

 

ようやく地上に降り立ったヴェーチェルの中で、俺は痛むはずのない頭を指でつついて溜息を吐く。

流石に周りの兵士共は冷静だ。あの馬鹿を守ろうと陣形を固めている。いっそみんな馬鹿でいて欲しかった。

 

「ではフィーシャ、後はお願いします」

「嘘だろ」

「…いいですか、グレイフレッくんは貴方の声に似せるように合成音声によって出力されています」

「………知ってるよ。あんまりだと思わないか?」

「…正気の沙汰ではないと思われるかもしれませんが、今ならば説得できます」

「じいさんは自爆スイッチとか付けなかったのか?一度押してみたかったんだ」

「それは後にしてください」

 

Ладно(ラードナ(OK))、優先順位はわかっている。

なんとしてもモビルアーマーの起動を阻止すること。ふざけた状況だが、あり得ないぐらい危険な場面ということは変わらない。

少しでも、モビルアーマーから離さなくては。

 

『《…イオク・クジャンと言ったな》』

『は、はい!』

 

"はい"?

もう何にでも過剰反応し過ぎてキレそうだったが、逆に冷静になっている自分がいた。

なんでガランとやり合った時よりこんなに許せない気持ちになるんだ?

 

『《ならお前がやるべきことは糾弾(きゅうだん)ではなく、今すぐにそのモビルアーマーから離れることだろう》』

『な、何故…!?』

 

事実だけ述べればいい。それだけでいい。それだけでいいんだ。変な煩悩(プライド)は捨てろ。彼の部下は冷静だ、上手く使え。

 

『《モビルアーマーはモビルスーツを明確に"敵"と判断している…今は機能は停止しているようだが、何の拍子で目が覚めるかわからない。今、お前が近くにいる事それ自体がトリガーになり得るんだ》』

『イオク様…あの者は怪しいですが、言っていることは本当です』

『やはりか!?』

 

こいつ"やはり"って言った?部下も最初から止めろ。

 

(しゃく)ではありますが、まずは言う通りにするべきかと』

『あぁ!わかった…そうだな!』

 

そしてこっちに歩み寄って来る黒いレギンレイズ。『イオク様!?』『危険です!』『心配するな!私に任せておけ!』

勇ましいこと言ったくせにおっかなびっくりでこっちに来るな。

レギンレイズはグレイズよりデカいから、こっちとサイズ差が結構あるな。なんて歯を噛み締める自分の横で別の自分が思考する。まずい、精神がおかしくなってきてる。

 

『まさか…あのイオクを動かすとはな…』

『どうにか…なりそうなのか?』

 

金髪と銀髪がなんか言ってるが外野は無視だ。

イオク・クジャンに合わせてじりじりと距離を詰めて来る部下のモビルスーツたち。…流石に、ここで戦闘になれば死ぬな。

 

 

───そしてグレイフレッくんはその戦いに敗れ命を落とした…かに思われました。そうではなかったのです。実は彼は半死半生の状態で生きながらえていました───

 

 

瞬間、リーリカに刷り込まれたフレッくんの忌まわしき記憶(あらすじ)が脳裏に蘇り、死ぬほど口にしたくなかったがなんとか震えそうになる脳を抑えながら言葉を繋ぐ。

 

『《俺は最早亡霊だ…》』

『グレイフレッくん…?』

『《お前の前に現れたのも、最後の頼みを聞いてほしかったからだ》』

『こ、この私に…!?』

『イオク様!?お辞めください!話を聞いては…』

『黙れお前たち!!彼の最後の頼みだぞッ!!』

 

死にてぇ。

耐えろッ!!考えるなッ!!!!

 

『《一度死んだ者を起こしてはならない。それは悲劇を生む…俺と同じように、静かに眠らせてやってくれ》』

『あんなことがあってまだ、モビルアーマーに慈悲を!?』

 

ねぇよ。

 

『《彼ら(鉄華団とマッキー)には俺から言っておこう。大丈夫だ、きっと分かり合える。そうやって俺たちは、最後には互いを許せたのだから》』

『あぁ…!……ああ!!』

 

なんで泣いてんだよこいつ。もう怖ぇよ。

 

『《忘れるなイオク・クジャン。戦いは何も生まない。俺たちを反面教師によく学び、銃のない対話を考えてくれ》』

『…!…っわかった、ありがとうグレイフレッくん!!確かに!聞き届けたぞ!───お前たち、行くぞ!』

『イオク様!?ラスタル様から与えられた任務をお忘れですか!?』

『我らはマクギリス・ファリドの追跡を命じられているのですよ!』

 

もしかして拘束しようとしたのはこいつの独断なのか??

 

『お前たち…私は今回のことで己の未熟さを思い知った…』

『イ、イオク様…?』

『功を焦り、もう少しで取り返しのつかないことをするところだったのだ…!』

 

まともなこと言ってるはずなのになんだろうな、全く感動出来ないのは。リーリカでさえも、呆れを通り越して白けた空気を晒しだしている。

 

『責任は私が取る!今一度戻り、教えを乞わなければならないのだ!我らの"師"に…!』

 

その"師"は"フレッくん"じゃないよな?流石に違うか。流石に…な。ははは…

 

『マクギリス・ファリド!この場は貴公に預けよう…だが、決してモビルアーマーを起こすような真似をするんじゃないぞ!死者への冒涜(ぼうとく)は、許さん…!』

『最初からそう言っているというのに…全く』

 

酷く呆れた顔でマクギリスが目を閉じる。頭が痛いのは、向こうも同じのようだ。

 

『最後に…教えてくれ、グレイフレッくん』

 

早く行け。

 

『どうしてわざわざ私の元にこの言葉を届けてくれたんだ…?』

『《………ファンの一人だからだよ》』

 

んなわけあるか。

 

 

───そうしてイオク・クジャンは空へと去っていった。

 

 

ドッと、疲れが押し寄せ、リーリカに寄り掛かる───そしてタブレットを奪い取り、録音データを消し飛ばした。「そんな…」「本当に怒るぞ」

 

『流石はフレッくんの"中の人"だ。こんな状況の中に物怖じせず踏み込むとは…いや、飛び込むとはな』

「その言い方をやめろ」

 

金髪碧眼のイケメン(マクギリス・ファリド)が、ふっ…としたり顔で言いやがる。

というか何でどいつもこいつもフレッくんを知ってるんだよ、おかしいだろ。それとも俺がおかしいのか…?

 

「脚本家が途中から変わって、政治的なものからよりエモーショナルな内容に路線変更したのが功を成しているのです。驚くことに、社会現象になりつつありますね」

「…答えてくれてありがとよ」

『───さて、茶番はもういいだろう。最悪の事態(モビルアーマーの起動)を避けられたことに礼を言いたいが、それよりも君は何者かな?何故ここに来たのか』

「…」

 

マクギリス・ファリドは俺の正体など知っているだろう。仮にも地球では話題の存在だ。彼ほどの立場なら、調べないはずがない。というか"中の人"言うてたし。

だが、マクギリスたちは今、戦う術を持たないというのにあんな茶番の最中に逃げなかった。モビルアーマーの起動の阻止が共通の目的だったからもあるだろうが…俺が傭兵(金で人を殺す犬)と知って、何故リスクを(おか)したのか。

 

「俺の目的がマクギリス・ファリド、或いはオルガ・イツカ個人の殺害の可能性を考えての行動か?」

『今撃っていないことが何よりの証拠だろう?』

 

豪胆(ごうたん)すぎるな。ということは他に確信があったのか…俺の知ったことじゃなかったな。

ともかく、正体がバレているならば、本題は俺たちがここにいる理由。

 

既に、鉄華団の面々はとっくのとうにグレイフレッくんショックから抜け出して警戒態勢に入っている。あのイオクとかいう奴がおかしいのだ。危機感とかないのか?あればこんなことになってなかったな…

 

「そいつを語るには、俺よりも適任がいる」

 

モビルアーマーより大きく距離を取る位置に移動した俺たちは、ヴェーチェルの両膝を地面に接地させ…ようやくコクピットのハッチを解放した。

 

地球とは違う風を感じる。

湿度か、空気の濃度か、何かはわからなくとも、肌は故郷との違いを訴えていた。

火星に来るのは、シャノンの姉貴の遺品を届けに来た時以来だ。言うほど、久々でもないが、その時と感じる空気はまるで違う。

 

きっと、リーリカ(福音)がすぐ横にいるからなんだろう。

 

「ほら」

「お願いします」

 

俺はリーリカを抱き寄せ、昇降用のワイヤーベルトを二人まとめてぐるりと巻き付けてから飛び降りる。ワイヤーは自動的に減速し、軽くブーツが小石を踏み締める音だけを立てて地上へ降り立った。

…俺たちは、互いに、名残惜しそうに身体を離す。

 

そこからの反応は、実に様々だった。

 

「あ」

「あんた…まさか…!?」

「ほう…?」

「…」

「え………フ、フミっ…フ…ッ!?」

「お久しぶりです。約束通り、戻って参りました。…遅刻が過ぎたでしょうか?」

 

実に二年ぶりに、フミタン・アドモスは火星に帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△△△△△△△△△

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がフィーシャと共に質問攻めにされながらも辿り着いたのは火星都市クリュセ。

 

二年である。

何かを変えるには、あまりに短い時間だったはずだ。

 

けれどもこの二年、倒れ、忘れ、新たな生を受け…今までの自分の歩みからは想像できない生き方を知った。

この街もきっと同じだったのだろう、あの時と、街の"風"が明らかに違う気がする。

 

地球の植民地支配の吸い上げ、火星資源の枯渇による貧富の差。濁るスラム、蔓延(はびこ)る孤児。泣き終わらない街路路のデモ。何も知らない理想に夢見る少女…赤い、少女。

 

そんな掃き溜めは、変わろうとしていた。

まだまだ変わらないことは多いのだろうけれど、ここは、あの頃の鬱蒼(うっそう)とした絶望が敷き詰められた場所ではない。

 

路肩に積もった花びらが舞い上がる。私の目の前を横切り、高く、高く空へと昇っていく。

 

見上げた視線を戻せば、目の前には規則的に立ち並ぶオフィスビルとなんら変わりのない建物。

そのエントランス、何列にも並ぶサイン(看板)の中に、一つ。目に止まる名前。

 

 

"アドモス商会"

 

 

そう。当然、私たちがここに来た理由など一つしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───お嬢様、お久しぶりです」

「フミ…タン、なの…?本当に…?夢、じゃないのよね…?」

「はい、必ずまた会うと、約束しましたので」

「ぇ、ええ…!ええっ!まさか、貴方が戻って来るなんて…!」

 

思わず、といった風にお嬢様が私を抱き締める。

その暖かさに、もう流れないともいっていた涙が、ほんの少しだけ溢れた。心も溶かされてしまったのか、どうにも、涙腺が脆くなったのかもしれない。

 

一心に抱きしめ返せば、お嬢様の腕の力も強くなる。

今、心の底から戻るべき場所に戻れたのだと、全身の力が抜けるような安堵に私は小さくため息を吐いた。

 

「うぅ、良かった…良かったよぉ」

「こんな奇跡があるなんてな…一体、どうして…?」

 

鉄華団の子たちやお嬢様に実感が湧いてきた頃には、疑問がどうしても出てくるもの。

そうなれば視線が、後ろに立つ(フィーシャ)の元へと集まっていく。

 

察しはしたのだろう。先ほどの移動中に知った面々はともかく、彼のことはヴェーチェル(フレック・グレイズ)を見たとしても得体が知れない存在。

 

「…自己紹介からしましょうか。エフィーム・アダモフ、傭兵として地球圏で活動しています。リーリカ…じゃなくてフミタンか。彼女は二年近く前に路頭で迷っている所を拾いました」

 

お嬢様の立場を考慮してなのだろう。

フランクでありつつも畏まった言葉遣いで、フィーシャは簡単に名を告げる。

 

「拾ったって…じゃぁ今までどうして?それに、あなたはドルトの病院に運ばれて…そこで、亡くなったって…」

「詳しいことはまた後ほどお話ししますが…記憶を失くし、彷徨(さまよ)っているところを助けられました。つい最近、取り戻すまでずっと。…彼には、助けられてばかりです」

「きお…!?今は!?大丈夫なの…?私のこと覚えてる!?」

「ふふ…おかしなことを言うのですね。そうでなければ、ここには来ませんよ?」

「フミタン…あなた…」

 

自然と、表情を崩すような笑いを、お嬢様は驚いていた。

それがフィーシャのおかげだと気がついたのだろう。別れる前よりもずっと、引き締められ、大人びたお嬢様がそこにはいた。

 

「エフィームさん。何とお礼を言ったらいいか。アドモス商会の代表としてではなく、いち個人として感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました」

「なら畏まったのはあんまり得意じゃないから言葉遣いは勘弁してくれ。───いいさ。俺個人として言うならば、リーリカとの出会いはまさに福音だった」

「リー…リカ?」

「思い出す前に彼に貰った名前です」

福音(エヴァンジェリーナ)だなんて…素敵ね」

「博識だな」

「当然です。お嬢様ですから」

「前にメイドじみているなんて揶揄(やゆ)したが、はは。間違いではなかったみたいだな?」

「記憶はなくとも、染み込んだ習慣というのは抜けなかった、ということでしょう」

「えっと…」

 

───クーデリアは思った。距離感が思った以上に近い。こんな軽快な会話をするフミタンなんて今まで見たこともなかったし、想像もできなかった。

この人、もしや…フミタンと…!?

ピンと来たのはまだ泣き腫らし目のままのアトラも同じだった。乙女センサーは、どんな時でも逃さない。

 

「あの、エフィームさん…!」

「お嬢様」

「え?」

「実は(国籍)入れて(新たに作って)しまいまして」

「…え?」

「言い方」

「フミタン・アドモス改め、エヴァンジェリーナ・アダモフです。以後、お見知り置きを」

「………………???」

「…」

「…」

 

………私は後ろに立つフィーシャに振り向いた。

 

「フィーシャ、やり過ぎたかもしれません」

「処理落ちしてるな…サプライズが過ぎる、もう少し遠慮してやれよ」

「いえ、ここまでショックを受けるとは思わず…お嬢様。すいません、つい誤解を招く言い方をしました…お嬢様…お嬢様…?」

「ええええええ!?こここここここ、こ、こ婚約!?」

「うわ。アトラ、うるさい」

「───フミタンさんって…あんな人だっけ…?」

「…どっかで頭打ったのか?」

「やめなよ、アストン…」

「乗ってた船が墜落したから間違ってないのがまたな…」

「つ、つ、つい…!?───フミタンッ!!来なさいッ!!聞かなければいけないことが山ほどあるようですね…!」

「お嬢様…!?」

「すまん、失言だったな…じゃぁ俺は外で待ってるからゆっくり」

「あなたもですっ!!」

「そうですよね」

 

こうして、周りはまだ困惑している中、私とフィーシャは連行されたのです。

 

浮かれていたのだろう。私は急にさっきの自分を(かえり)みると恥ずかしくなって死にたくなった。流石に再会の場で、あれはないだろうと。

 

…それでもお嬢様と共にあった自分、フィーシャと共にあった自分。どちらも嘘偽りなく私自身で、それは間違いないと断言できる。

 

今の私を、知って欲しかったのだ。

 

変わってしまったと嘆かれるだろうか?失望されただろうか?

今になって、そんな怯えが顔を出す。今更に、本当に今更に。

 

「大丈夫さ」

 

隣を歩くフィーシャを見上げれば、安心させるように微笑んでいた。

そうだ。そんな狭量なわけがないと、何より私が知っているではないか。ずっと、クーデリアという少女を見てきたのだから。

 

今やもう、少女というには大人びた彼女。立派な背中。

大人になって、記憶を失くして、ようやく少女の心を知った私。

 

 

ああ。

 

 

───やはり、私は彼女を支えていたい。

 

 

「───私、行きます」

「…そうか、それは寂しくなるなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

closing theme

『November, world, and a fool 』

 

Music by

perfect piano lesson_

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《 Sad to know it's Novem(また11月が来た)ber again 》

《 I thought that wint(冬が終わったのは、)er's gone just a while ago(ついこの間だと思っていたけど )

 

 

 

───世界は緩慢に動くのみだ。

 

大きな変革も、大きな事件も…少なくとも今はまだ、火星では起こることはなかった。

 

愚か者の心に、僅かながらに"正義のヒーロー"が住み着いたからなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。

ネズミたちの心に、道徳を口説く言葉が片隅に残ったからなのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。

復讐者の心に、人を動かすための一風変わった手段というのが何かしら影響を与えたのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。

 

《 White plume of breath(吐き出した白い息は) will rise, and first snow falls on this tiny (高く高く上って、小さな街に初雪を降らせた)town 》

 

何も何も。

俺は何も知らず。ただ一人を待つだけ。

 

《 It's only me just stand (一人立っているのは僕だけ)alone 》

I don't listen to World,(僕は世界の言うことを聞かなかった) so World just left me again(そうしたら世界は僕を置き去りにした)

 

 

しかし地球ではアーブラウとギャラルホルンが水面下できな臭いことを繰り広げ、必然的に俺もそれに巻き込まれていくことになる。

リーリカがいなくなり、じいさんと二人男くさいメンツで戦場を駆け抜け、鉄華団の地球支部が巻き込まれそうになって地球から撤退したり、下らないバイトをまた受けたり。

 

ただ二人で並んで撮った締まらない写真だけが、ずっとヴェーチェルのコクピットに張り付けられている。

 

…去年一度だけ、リーリカは忙しい身でありながらこの星に足を運んでくれた。片道三週間の旅だ、むしろ、よく来れたものだと思う。

そうすれば俺たちはあの時と何も変わらないままに一緒に過ごした。そして今日もまた、彼女がここに帰って来る日がやってきた。

 

《 you said you'll(戻ってきて、) come and you'll laughing(僕のこと笑い飛ばすって言ったろ?) at me ? 》

 

 

───問題があるとすれば、ガキが引っ付いてきたということだろう。

 

 

「で?このクソ寒い時期になんでこんなところに?」

「駆け落ちです!」

 

モコモコのジャケットに埋もれた小麦のような髪色をしたガキが言う。それを無視して、俺は何食わぬ顔で隣に立つリーリカに視線を投げた。

 

「で、本当は?」

 

リーリカは優しく微笑み。自らの腹部を撫でる。

 

「あなたの子です」

「もう!フミタンさんったら!」

「なぁ、あいつらは寒さでおかしくなったのか?」

「いつも通りじゃない?」

 

黒髪のガキはぶらぶらと()()を揺らしながら、ヴェーチェルの足に乗っかって見上げるばかり。この茶番に興味はないらしい。元々こういう性格のようだ。

他のガキどもも思い思い勝手にガレージ内で過ごしていた。年少のガキすら変に物を触らないのは、感心するところだが、ヴェーチェル(フレッくん)の写真を撮ってくんじゃないよ。

 

しかしフミタンことリーリカはやはりずっとあんな調子らしい。お嬢様にはもう何度も謝ってる。何で俺が…?でも、そのお嬢様も楽しそうにしているもんだから、これでいいのかもしれない。

で、今ので満足したのか、今度は真面目に(声のトーンは一切変わっていない)状況を話し始めた。

 

「地球外縁統制統合艦隊の司令であるマクギリス・ファリドを覚えていますか」

「お前の嫌いな(モンターク)男か」

「今はもう気にしておりません。彼がギャラルホルン改革を志しているのは周知の事実だと思われます。彼の一派は、今の今まで水面下で準備を進めており、常に一触即発の雰囲気が蔓延しておりましたが、それでも致命的な破綻は起こっていませんでした」

「表面上の平和は、崩れなきゃ俺も平和と言うぜ」

「…その彼らが、動きを見せようとしています」

 

ピリと、空気がひりつく。

事は思ったより深刻なのだろう。リーリカは少し間をあけた後、白い息と共に重い口を開く。

 

「昨日から"頑張れバエル君!"が始まりました」

「よし、ガキども。今日は(おご)りだ好きなもん食え。俺からの謝罪の気持ちだ。全部俺が悪い」

「え?フミタンさんはいい人だよ?こんな面白い人だって最初からわかってればなぁ」

「そうだな、俺も思うよ。だが甘やかしすぎたかもしれないとちょっと後悔し始めてる」

「人聞きの悪いことを言いますね…そんなわけで鉄華団の方々の休暇も兼ねて、ここへお連れしたのです。まとめて人を泊めるにはここは最適でしょう?」

「俺に事前連絡は?」

「………サプライズ」

「それは怠惰(たいだ)だエヴァンジェリーナ」

「入れ違う形で第二班も予定しています」

「少しはやり過ぎだとか思わなかったか?」

「───ねぇ三日月、あの二人っていつ見ても飽きないね!」

「え?」

 

急に降られた話に、三日月は、アトラの楽しそうに笑う顔を見て…その視線の先のフミタンの穏やかな顔を見てから少しだけ言葉を探す。そしていつも通りに、彼は素っ気なく答えるのだ。

 

「まぁ、楽しいんなら、いいんじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

so long. so long(また会おう。また会おうね。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

fin.









まずは長い期間完結させれなかったことをお詫びします。
そして完結まで見届けていただきありがとうございます。ニッチな作品ですが、感想いただけた皆さんには感謝の念が絶えません…!
些細なものでもよいので(最終話に関してじゃなくてもOK!)感想いただけると嬉しいです!

蛇足ですが、最後のイオク様のオチだけは決めていたので、そこに向かうために想定よりやたらフレッくん推しになってしまいましたが、まぁ、どうせそんな見てる人いないしええか。(しかしフレッくんってなんなんだ?)

もしかしたら番外編を書くこともあるかもしれませんが、ほぼないと思いますのでそこは期待しないで下さい。映画次第かも…?
各人物の設定は公開するかもですね。

以下、最後だからといつもよりさらに長い補足とか諸々。



■フィーシャ(エフィーム・アダモフ)
フレッくんのアニメを見ていたわけではないが、リーリカが楽しそうに話すもんだから呆れながらもしっかり話は聞いていた。
そのおかげで、彼はグレイフレッくんを演じることができてしまったのだ。
二度とこんなことはしねぇよ。

■リーリカ(フミタン・アドモス and エヴァンジェリーナ・アダモフ)
だいたいは昔のままなのだが、突然シュールな言動を取るようになったため、周囲は振り回されることもあった。今ではもうみんな慣れつつある。
歳の差か、立場か、ともかく段々と周りの反応が悪くなっているせいで、ずっと付き合ってくれるフィーシャの前ではハジける…のかもしれない。
実は裏の伝手で暫定的な国籍を手に入れてはいた。
自分の名前が付けられた施設の諸々の改名は拒否されたので、エヴァンジェリーナの名前を使うことが多い。(死亡扱いでもあるので)

■クーデリア・藍那・バーンスタイン
最も惑わされた人物。
唐突にリーリカジョークをぶちかますもんだから毎回「え?」と聞き返す羽目になっていた。
流石にフミタンも恥ずかしくなったのか、割とすぐいつも通りに戻ったが、たまに手癖で飛び出てきて空気が凍る。
それでも以前よりずっと"らしく"なったと感じているため、そんな風に彼女を変えてくれたフィーシャに感謝してるが、彼には会うたび謝られる。

■ヴェーチェル(フレック・グレイズ改ll・寒冷地仕様)
改修後の見た目は、グレイフレッくんの偽物が登場した時の姿として採用された。
もう解放してくれ。

■オルガ・イツカ
子供達と一緒にフレッくんを見てあげることがままあったので知っていた。
いつの間にか密かにハマっていたが、周りにそれをカミングアウトする勇気は持ち合わせてなかったけど今回のことでバレる。
意外に社交の場でも交友関係を支えるジャンルだと知ったのはその後だ。
ガランが死んだことで間接的に鉄華団が救われたということを知るのはもっと後になる。

■イオク・クジャン
モビルアーマーの危険性はフレッくんで予習している。なので中途半端に知識があり、ラスタルやジュリエッタは困惑していた…なんてこともあったのかもしれない。
たまに妙に白ける道徳を(いつもより)周りに口説くようになったらしい。
それでも多少はマシになってきたなと思われてる。
今でも、口先だけの男のままだ。それできっといい。

■マクギリス・ファリド
決定的なタイミングを掴めないでいる。
フミタンによって"革命の乙女"たるクーデリアとより強く接触させられることになるが、短期的ならばともかく長期化した現状では、段々とペースを奪われつつあった。
それは彼女たちの、一つの復讐だったのかもしれない。

■ハシュマル(モビルアーマー)
この後一悶着あったものの、正式にギャラルホルン監督下の元、解体された。
この時の解析によって新たなモビルスーツが開発されることになるが、それは誰も知らない物語…なんてこともあるのかもしれない。

■鉄華団
騒乱の直後はまだ地球支部はあったが、国防軍と折り合いの悪かった一部のメンバーは火星に合流していた。
支部撤退後も、蒔苗東護ノ介の事務所に引き抜かれた者もいる。
一部の面々は、フィーシャのことを有名人を見るような目で見ている。あと振り回されてる人。勘弁してくれ。

■飛び込め!フレッくん!
あらゆる層を魅了している言わずと知れたアニメ。三期のタイトルは「止まるな!フレッくん!」何故だろう…オルガは急に色々と不安になった。
ちなみにバエル君に対抗するために第三弾の映画の制作が決定した。フルCGらしく、不安と期待が織り交ぜられている。
サブカルは世界を救えるのか。

■頑張れバエル君!
これ説明しなきゃダメか…?

■MS輸送用大型ヘリ"クランウェル"
大気圏突入の能力はあるが、逆はできない。
強襲のために使う前提での仕様だが、実際に使われた例はそもそもの使用者が少数のため極めて少ない。
横倒しに懸架したMSの下面を覆う形でヒートシールドを装備できる。
体験したフレック・グレイズに乗る傭兵曰く「生きた心地がしねぇよ」

■アーブラウ国防軍
ギャラルホルンとの確執が続いている。モビルスーツの供給の件もあるため表面上は穏やかだが、裏では間接的な衝突、所謂代理戦争じみた様相に発展し、フィーシャはそれに駆り出されていた。
フィーシャとしては、リーリカを生きて待つという決意があったので戦いに乗り気ではなかったが、否応なく巻き込まれて行くこととなる。それはまた、別の話。
"アーブラウ防衛軍"が本編での呼称だが、本作で名称を変更しているのは一番変化がある組織として描こうとしたため。

■使いたかった曲
My Father’s Gun:エルトン・ジョンの曲。
「エリザベスタウン」というオーランド・ブルームが主演の映画で使われた。映画の内容は、生きる希望を失った男が、父の急死を機に故郷に帰り、そこで生きる力を取り戻して行く話。
個人的にすごい好きな曲。でも逆にそのせいで使うタイミングを逃し続けた。
サブタイトルの"Drew meets Claire"のドリューがこの映画の主人公、クレアがヒロイン。

■『November, world, and a fool 』
日本のロックバンド、「perfect piano lesson」の2016年にリリースされた曲。
爽やかな寒空の下、天国にも雪は降ると歌う曲。そして空に手を振った。



それではまたいつか!


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