「何で鬼が日輪刀を持ってやがんだヨォ!!!」
鬼の断末魔を聞きながら俺は血を払い、納刀した。今日はこれで十体目だ。夜明けまではまだ時間がある。・・・少し足を伸ばすか。
俺は以前から鬼の寝ぐらとなっていると六三郎に聞いていた山に向かう。六三郎からということは御館様の情報だ。当然、他の隊士も任務に就いている。だが、依然として鬼は出没し続けているらしい。
何人もの隊士がその山で行方不明になっている。鬼が血鬼術を使うのは間違いない。そして、その鬼が十二鬼月であることは鬼殺隊の被害を見ても分かる事だ。
「ようやく貴様に近づけそうだ・・・鬼舞辻無惨。」
十二鬼月は奴の血が濃い鬼だ。その強さは上弦であれば柱1人では苦戦するほどのもの。並の隊士では手も足も出ないだろう。その十二鬼月の頸を落とし、それを餌に鬼舞辻を俺の目の前に引っ張り出す。
普通ならば奴の支配下にある鬼が日輪刀を使い鬼狩りをするのだ。支配から外れている俺の存在を確実に認識するだろう。仮に奴自身が現れなかったとしても、俺を狙い上弦を送り込んで来る筈だ。
俺は頰を緩めながら上空を飛ぶ六三郎に声をかける。
「六三郎!山には何体鬼がいる!任務に当たっている隊士の数と階級を教えろ!」
「血鬼術ヲ使ウ鬼ハ5体!蜘蛛ノ糸デ攻撃シテクル血鬼術ダ!鬼殺隊の人数ハ、ア〜・・・イッパイダ!タクサン!階級ハ庚以下!!」
六三郎が10以上の数を数えられないのは相変わらずか・・・。
御館様の指示で大勢の隊士を投入しているが今の所、柱を始め階級が上位の隊士はまだ山には行っていない。近いうちに派遣されるだろうが、その前に俺が終わらせる。
「六三郎!御館様の屋敷へ飛べ!那田蜘蛛山の件は俺が出る!柱は動かすなと伝えろ!」
俺は走る速度を上げた。
柱が来れば確かに何者にも勝る強力な味方だが、今回の件に関しては出来れば遭遇したくはない。十二鬼月を狙って動いたは良いものの、柱と遭遇すれば俺自身が即斬首の討伐対象になり得るのだ。そうなれば御館様の声もそう早くには届かないだろう。俺は逃げに徹し、奴等は鬼の俺を追う。そんな最中に十二鬼月に逃げられでもしたら本末転倒だ。それは何としてでも避けたい。
既に何人かの柱は俺という存在がいるという事を薄々感付いているかもしれないが、まだ確証には至っていない筈だ。今の俺がすべき事は鬼殺隊の誰にも気づかれる事なく十二鬼月の頸を狩り、鬼舞辻に俺の存在を知らしめる事だ。
走る事数刻、俺は山の中に居た。鬼の気配がバラバラに散っている。迷う事なく一番近い鬼を目指して足を進めていく。
だが一歩踏み出した瞬間、音も無く無数の刃の斬撃が俺を襲った。
「『ヒノカミ神楽、烈日紅鏡』」
ほぼ反射的に刀を抜いた。
「鬼が鬼狩りをしていると耳にした・・・。貴様の事か。」
久しく感じていない昂りが全身を襲う。目の前にいるのは待ち焦がれた十二鬼月・・・しかも上弦だ。
「そうか・・・覚えているぞ・・・この私に傷をつけ、私の血を浴びた鬼狩りだ。だが何故貴様が鬼となって生きている。」
六つ目で左右に上弦と壱の文字。俺を鬼の身体にさせた元凶が目の前に居る。
「『ヒノカミ神楽、陽華突』」
両手で刀を持ち、鬼の頸を目掛けて突いた。
「『月の呼吸、壱ノ型 闇月 宵の宮』」
防がれるのは分かっていた。だが俺は突きから刀を持ち変え、足捌きを変える。
「『ヒノカミ神楽、日暈の龍 頭舞い』」
「忌々しいものだ・・・鬼がその呼吸と型を使うか。」
「『ヒノカミ神楽、飛輪陽炎』」
俺は無心でヒノカミ神楽を舞う。相手は上弦の壱。奴に傷をつけるのは容易では無いが必ず刃は奴の頸に届く筈だ。
「『ヒノカミ神楽、斜陽転身』」
「『ヒノカミ神楽、輝輝恩光』」
「『ヒノカミ神楽、円舞』」
「『ヒノカミ神楽、碧羅ノ天』」
「『ヒノカミ神楽、炎舞』」
「『ヒノカミ神楽、烈日紅鏡』」
「『ヒノカミ神楽、火車』」
「『ヒノカミ神楽、幻日虹』」
「『ヒノカミ神楽、灼骨炎陽』」
日輪刀を持つ手が熱い。ふと見ると刀身が赤く色変わりし、柄を握る俺自身の手が消滅しかけては再生を繰り返していた。俺の鬼としての身体が悲鳴を上げる。
だが止まる事など出来ない。鬼を目の前にして無様に命を投げ出すなどあり得ない。
「痣に赫刀まで・・・厄介な・・・『月の呼吸、陸ノ型 常世孤月・無間』」
再び避け切れないほどの斬撃が飛んでくる。俺はさらに速度を上げてヒノカミ神楽を舞った。奴の頸はすぐそこだ。俺の身体が動く限り必ず斬る。襲いかかってくる奴の斬撃を避ける事なく目の前の上弦に向けて刀を振るう。
「『ヒノカミ神楽、円舞』」
漸く奴の間合いに入った。刀を薙ぐ。刀身を奴の頸にめり込ませながら肉と骨を断とうと振り抜く。
しかし、目に映ったのは奴の笑みと俺の腹を貫く異形の刀だった。
俺の日輪刀は奴の頸に当たってはいるが、ヒノカミ神楽の舞に耐え切ることが出来ず根本から折れていた。
「死ね上弦。・・・お前を殺すまで俺は舞い続ける。『ヒノカミ神楽、碧羅ノ天』」
風穴が空いた腹から血が溢れ出すが気にしない。俺は柄の部分だけが残った日輪刀で再び奴の頸を狙う。
「一つ問おう・・・貴様は何故鬼となった今も鬼を狩る・・・」
そんなもの、答えは一つに決まっている。
「ヒノカミ様との約束を果たすためだ。彼が成し遂げられなかった事を俺達が次に繋ぐ為に俺は鬼を狩る。これ以上失う命が無いようにお前達鬼共を必ず滅殺してやる。」
「・・・ヒノカミ様だと?」
奴の纏う雰囲気が変わった。異形の刀が形を変え、刀身から横へ数本刀が飛び出た形状となる。
「継国縁壱・・・俺達は彼との約束のために神楽を舞い続ける。」
「私の前でその名を口にするなァ!!!」
その名を口にした瞬間、暴風のような殺意が俺に向けられる。瞬間、俺は柄を持ち替えて息を整えた。
「『ヒノカミ神楽、炎舞』」
刀身の無い日輪刀では奴の頸を落とす事はできない。だが、日の出まで俺が死ななければ奴を日の光に晒すことが出来る。それまでは奴が逃げる隙など与えない。
「『月の呼吸、拾肆ノ型 兇変・天満繊月』」
俺は奴に接近しようとするが、斬撃が俺の行手を拒む。神楽の呼吸で速度を上げ、刃を捌きながら折れた刀身を奴の腕に突き立てた。しかし次の瞬間、俺の片腕が宙を舞っていた。気にせず残った片腕で柄を握り締め、体を回転させる。
「『ヒノカミ神楽、碧羅ノ天』」
今度は奴の腕が飛ぶ。その刹那、体全体に衝撃が走り、周りの木々を薙ぎ倒しながら俺は後方へ吹き飛ばされた。体の一部が千切れて飛んでいく感覚があったが中々止まらない。
ようやく岩にぶつかって俺の身体は止まった。随分と遠くまで飛ばされたが、すぐに立ち上がる。吹き飛ばされた衝撃で目と脚が潰れたが、失った腕は再生した。日の出まではまだ時間がある。奴が俺を追ってくるかと思っていたが、既に奴の気配は山から消えている。更に注意深く気配を探るがやはり逃げられたようだ。
「大丈夫か?!権八郎・・・じゃねぇな?!誰だお前!」
声がした方を向くと木に吊るされている猪が喋っていた。鬼か?いや、顔は獣だが体は人間だ。鬼の気配では無い。下を見ると折れた日輪刀が落ちている。この山に派遣された隊士か・・・。
「お前、鬼殺隊だな?この山にいた鬼は全て片付いたようだが、柱は動いたか?」
「あ?半々羽織の事か!アイツには俺が勝つ!お前にはやらせねェぞ!!!アアアァァ!!!見てねェでこれ解け!鬼!」
そうか、間に合わなかったか・・・
「六三郎!!!」
「ゼェ・・・ゼェ・・・コキ使エトハ言ッタガ儂ノ体力ヲ考エロテルキチ!」
「あっ!ジジイガラス!」
フラフラと俺の肩に降り立つ六三郎。確かに酷使し過ぎたかもしれない。
「やはり鬼は十二鬼月だったんだな。」
「下弦ノ伍ダッタ。頸ヲ落トシタノハ水柱ダ。」
そうか、冨岡が来ているのか・・・それならこの山はもう安心だ。
俺は疲れ切った六三郎に懐から取り出した好物の蜜柑を与える。
「あと一度だけ御館様の所まで飛んでくれるか?報告すべき事がある。」
俺は上弦の壱の事を事細かに伝える。六三郎は俺の目を見て返答の声を上げずゆっくり頷く仕草をした。俺も同じように頷く。
「テルキチ、御館様カラ柱合会議ニ呼バレタ。明朝、参上スルヨウニトノコトダ。」
「御館様が・・・分かった。」
六三郎の頭を撫でた。そう心配するな六三郎、御館様が御呼びなのだ。きっと良い報告だろう。
飛び立つ六三郎を見送ったあと、俺は落ちていた日輪刀を持ち、吊るされている隊士の縄を切る。
何だこの刀は。刃こぼれが酷すぎるせいで何度も切り付けなければならない。この男はよくこんな物で鬼殺が出来るな。
「階級と名前を教えろ。」
「よく降ろしてくれたな!礼として名乗ってやる!俺様の名前は嘴平伊之助だ!!!お前からはヤベェ気配がビンビンしやがるぜ!それに紋一郎に似ているのが気に入らねえ!あと俺は今、最ッ高にムカついてんだ!!!だから俺に倒されろ!鬼!」
大声で俺にそう宣言するが、身体の傷が深く動きもぎこちない。力が入らないようだ。
「それだけ元気があれば大丈夫だ。動けないようだから俺が隠の元まで運んでやる。」
「テメー!鬼だろーが!鬼殺隊の真似事なんかしてんじゃねェよ!」
喚く伊之助を肩に担いで歩いていると見知った隊士を見つけた。
「村田、お前も来ていたのか。怪我は・・・無いようだが隊服はどうした?」
「貴方はあの時の!それが、鬼の血鬼術で服だけ溶かされてしまって・・・あ!そうだ!お礼が言いたかったんです!あの後、貴方に言われた通り庚に昇格しました!有り難うございました!」
気にするなと村田を労い、隠が事後処理で動く中、俺は伊之助を下ろして隠の1人に彼を託す。幸い俺が鬼だと気づく者は居なかった。伊之助も俺が鬼である事を誰にも言わなかった。ただ一人、俺をじっと見て目を離さない女性隊士が居た。俺はそれから逃げるようにこの場を後にする。
上弦の気配は消えたが、周辺にはまだ鬼が蔓延っている。隊士達は事後処理で大変だろうと思い、俺は柄に手をかけようとして思い出す。
「折れていたんだった・・・丸腰ではどうにもならんな。」
鬼狩りは諦め、御館様の屋敷へ向かうことにした。辺りが白み始める。そろそろ夜明けか。
上弦の壱の頸を落とせなかったのはやはり鬼殺隊本隊との連携が皆無だからだ。俺の力が足りないのもあるが、不測の事態に対応がどうしても遅れてしまう。
日輪刀が折れた時点で俺には奴の攻撃を振り切る事で精一杯だった。日の光の下に晒そうとした俺の考えなど数百年間生きる鬼には手に取るように分かっただろう。
せめて俺が人間のままで要られたなら・・・いや、人間のままであれば鬼となったあの時点で上弦の鬼に殺され、今ここに俺は居なかった。
もしもの話は止めよう。考えるべきはこれからの事だ。今日の柱合会議で御館様が俺の存在を公表する意義がある何らかの理由があることは確実だ。
それを柱を始め、鬼殺隊の現役隊士が納得するかは別問題だが・・・会議の内容によって俺はその場で即斬首となる可能性も無くはない。そうなれば、鬼を狩るのは今日が最後かもしれない。・・・そう考えると上弦の壱を逃したのは悔いが残る。俺が居なくなり、後に残る隊士に今以上の重荷を背負わせたくは無い。俺は一度死んだ身だ。もう次は無いが、上弦の壱を相手にして散る命は俺一人で十分だ。
そう考えた所で御館様の屋敷にたどり着いていた。御館様は今回の件もあり、今も執務を取り行っておられるだろう。
俺は急ぎ、御館様の元へ向かう。戸の前に正座をして頭を下げる。
「竈門照吉です。失礼致します。急ぎお伝えしたい事が有り参上致しました。」
「六三郎から聞いている事とは違う件のようだね。」
戸が開く。頭を上げると俺の知らない女性が立っていた。
「さあ、入ってくれ。」
「このお方は・・・御館様の奥方様でしょうか。」
女性は俺を見て軽く頭を下げてきた。
「照吉は知らなかったね。そうだよ、彼女は私の妻だ。君の事は伝えてある。紹介は後にしよう・・・君の緊急の件が先だ。何があった?」
俺は御館様を見て言葉を失う。顔の上半分を覆う程の痣が痛々しかった。俺の声に反応してこちらを向いたが、殆ど見えていないようだ。
「その・・・お身体は大丈夫なのですか。」
「鬼舞辻の呪いだよ。ここ1年で随分進行してね・・・残された時間もあと僅かみたいだ。」
2年前の鬼殺を誓ったあの日、御館様はしっかりと俺の姿が見えていたはずだ。早すぎる・・・。
御館様の身を案じて一旦退出しようかと思ったが御館様は既に話を聞こうと俺の方を向いていた。
「御館様の御病気を知らなかったとは言え申し訳ありません。」
「気にしなくて良い。私は鬼殺隊の最高責任者だからね。隊士の緊急の件には自ら出るようにしているんだ。その方が皆を安心させられるだろう?」
奥方様が退出し、部屋には俺と御館様の二人となる。俺は頭を下げ、要件を伝える。
「一つ確認します。本日の柱合会議で御館様が正式に鬼の俺を鬼殺隊士として公にするつもりで間違いは有りませんか。」
「そうだね・・・そのつもりだ。君の姪である禰豆子と一緒にね。」
・・・という事は御館様は炭治郎にも召集を掛けたのか。
「理由をお聞かせ願いたい。柱合会議に鬼を連れるということはどういう意味か御館様もお分かりのはず。」
「それはね、私達が千年以上追い続けている鬼舞辻無惨の尻尾をようやく掴めたからなんだ。そしてその尻尾を掴んで離さないためにも鬼である君と禰豆子、そして炭治郎が鍵になると私は予感している。」
無惨が姿を現した。その言葉を聞き、俺は拳に力が入る。
「そして君は今日、上弦の壱と戦闘し、生きて帰った。上弦の壱の情報はあまりに少ないんだ。殆ど無いと言っても良い。今日の柱合会議ではその報告を皆の前でしてもらうつもりだ。そして出来るなら君を皆に認めてもらいたい。」
「・・・承知しました。」
俺は再び姿勢を正す。
「本日の柱合会議で俺と禰豆子の存在が鬼殺隊として容認出来ないと結論に至るかもしれません。」
御館様は頷き俺の言葉を待ってくれている。俺は深く頭を下げた。
「禰豆子は師匠が柱である冨岡と共に、命をかけて護ると手紙にて約束してくれましたが・・・俺はそうはいきません。自我を持ち、鬼狩りの呼吸と型を使う事が出来る事が最も彼等にとって俺を危険視する理由となるでしょう。」
「それは・・・」
「もしそうなった場合は俺に上弦の壱の討伐を命じて頂きたい。御館様の勅命ならば柱も文句は言えません。俺は直ちに屋敷を発ち、逃した上弦の壱を追います。そして倒した暁にはもう一度柱合会議を開いて頂き、御館様・・・貴方にその場で俺の頸を落として頂きたく思います。」
上弦の壱と対峙して分かった事がある。奴が本能のままに感情を剥き出しにするのは継国縁壱に関する事だ。俺が彼の剣技を使えると奴に知られた事で俺は必ず奴の抹殺対象になっている事だろう。血眼になって探さずともすぐに俺の目の前に現れるはずだ。
御館様は言葉を発さない。ゆっくりと頭を上げると困ったような表情で俺を見ていた。
「隊士は皆私のかわいい子供だ。親が子の頸を斬れと君は言うのかい?」
「俺は本来ならば討伐すべき鬼で御座います。それに、そこまでしてこそ柱以下、鬼殺隊一同は納得するでしょう。彼等にとって鬼は憎むべき対象です。それは何より御館様がご存知のはず。」
見えていないであろう目で御館様は確かに俺の姿を捉えていた。
「すまない・・・照吉。」
「もしもの場合で御座います。それが俺の最後の御願いで御座います。」
勢いよく顔を上げ、俺は御館様に向けて歯を見せて笑った。笑ったのはいつぶりだろうか。
「ですが、俺もまだ死にたく有りません。必ず柱達に俺と禰豆子を認めさせてみせます。味方は少ないですが頼もしい者ばかりです。師匠がいます。何より御館様がおります。禰豆子には炭治郎も居ます。心配は不要です。」
思わず御館様の手を握っていた。御館様もしっかりと俺の手を握り返す。力強い手だ。御館様にはまだまだ生きてもらわねば。
「また君が舞う神楽を見せておくれよ。」
「仕方ないですね、他の皆には秘密ですよ。」
遠い昔、御館様がお世継ぎの頃に俺と交わした会話だ。俺と御館様しか知らない良い思い出だ。
「俺の全身全霊のヒノカミ神楽・・・御館様の目に焼き付けてあげましょう。」
御館様は俺を支えにして立ち上がり、俺を見て頷いた。戸を開けると朝日が差し込んでくる。御館様はいつものように微笑みながら俺に振り向いて言った。
「昔から君の神楽が好きなんだ。必ず見届けるよ・・・さあ、その前に半年ぶりに集まった私のかわいい子供達に会いに行こうじゃないか。」
ゆっくりと歩き出す御館様の後に付いて、俺も歩みを進めた。