敏腕(感)男、マネージャーするってよ   作:如水くん

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いやー着々と四月が近づいてますな。まぁ私、四月から大移動するんですけどね。九州から関西っすよ?関西。動きスギィ!あーもう病むわ(大嘘)。


12月5日(金)前編

教師「神山、ちょっといいか?」

 

天「•••?はい」

 

唐突な呼び出しに、俺は困惑しながら返事をして席を立った。そのまま教師に職員室に連れ出される。

 

教師「悪いな、あんな脅すような形でライブをさせてしまって••••••」

 

天「構いません。こちらからすれば、クリスマスライブのいい練習になりますから」

 

本人たちも校内ライブを使って練習としてライブをする、という考えになっている。

遠回しにお前の学校にはその程度の価値しかない、と言ってしまっているようなものだが、オブラートに包んで物を言えっていうのが無理な話だ。

 

教師「それで、もうどういう風にやるかは決まっているのか?」

 

天「はい、大体は。最終的な面は全て彼女たちに任せますが、ある程度は自分が組みます」

 

教師「ホント•••なんでお前程のヤツが出来たばかりのユニットをずっと担当し続けているのか、疑問だな」

 

天「••••••そりゃまぁ、俺自身が好きですから。Photon Maidenが」

 

薄らと微笑みながら、教師に顔を向ける。少々納得いかない、という顔だった。

 

天「それに俺はもうネビュラプロダクションの所属です。嫌でも離れられませんよ」

 

教師「えっ!?お前事務所入ったの!?ずっとフリーだったじゃん!」

 

天「驚くところそこですか!?」

 

Photon Maidenの担当を続けている事じゃなくて、事務所に所属したことに驚かれた。いやなんでや。

 

教師「なんで事務所入ったの!?仕事減るぞ!?」

 

天「別にいいですよ。今の仕事が続けられるなら」

 

教師「えぇ•••そんなに好きなの?」

 

天「はい」

 

俺は躊躇いなく頷いた。教師は頭をポリポリと掻いて、少し唸る。

 

教師「ま、まぁ•••お前が決めたことだしな•••あまり強くは言えないか•••」

 

天「そもそも言われる筋合いないんですけどね」

 

教師「はい•••全くもってその通りです••••••」

 

正論をぶつけたら、教師は少し凹んでしまったようで肩を落とした。少し申し訳ないと感じたが、どうでもいい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

教室に戻ると、真っ先に咲姫が俺の元へ駆け寄ってきた。

 

咲姫「何を話してたの•••?」

 

天「そんな大したことじゃない。ライブの事で少し話をしただけ」

 

咲姫「そうなんだ•••」

 

天「••••••いつまで目の前に立ってるつもりなんだ」

 

話は片付いたはずなのだが、咲姫は立ち尽くしたまま動かない。じーっと俺の顔を見上げていた。

 

天「え、マジで何?」

 

咲姫「好き」

 

天「ぶふっ」

 

唐突に愛を囁かれて、俺は驚いて噴き出す。周りがクスクス笑っていて恥ずかしい。

 

女子生徒A「神山くんテンパりすぎだよーwww」

 

天「う、うっさい!」

 

咲姫の横を走り抜けて、俺は自分の席に座る。そのまま突っ伏して顔を見られなくした。これでいいだろう。

 

咲姫「今日も泊まっていい?」

 

天「•••大丈夫。というか、そんなに泊まりにくるならいっそのことウチに引っ越したらどうだ?」

 

咲姫「•••••••••恥ずかしい」

 

さっきと打って変わって、今度は咲姫が顔を赤くした。突っ伏した際に腕の隙間から覗いて見ているが、赤くなっているのがよくわかる。

 

天「まぁ•••どうせいずれは一緒に暮らすことになるだろうし、慣れていけばいいだろ」

 

咲姫「う、うん•••」

 

女子生徒B「神山くん、それほぼプロポーズだよ?」

 

天「マジか!?」

 

驚きのあまり、顔を上げて声を掛けてきたクラスメイトに勢いよく振り向く。クラス中からどっと笑いが起き(一部の男子は血眼だったが)、代わりに俺の顔が熱くなる。

 

天「•••クソ、恥かいた•••」

 

女子生徒A「神山くんだいたーん!出雲さんも幸せだね〜こんなに愛してもらってて」

 

咲姫「はい。とっても嬉しいです」

 

天「やめろ•••マジで恥ずいから•••」

 

男子生徒A「神山ぁ•••!ぜってぇ殺す••••••!!」

 

焼野原「そういう事言ってるから彼女できないんだよ••••••」

 

焼野原くん、ナイスド正論。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

放課後になり、俺はすぐに事務所には向かわず学園内に残っていた。ライブの準備だったりもそうだが、まず何よりもライトなどの設定だったりが主だ。ライブ自体は五日後だが、早く準備するに越したことはない。

 

天「じゃあここら辺で切り替えて•••」

 

事務所のスタッフを何人か呼んで、俺はライトの確認をしながら調整をしていた。

 

スタッフA「オッケーでーす。すみません、忙しいのに」

 

天「いえいえ。これも俺の仕事ですから」

 

スタッフB「こっちもオッケーでーす!」

 

天「じゃあ残りは当日準備で大丈夫そうですね。お疲れ様でした」

 

スタッフ「「「「「お疲れ様でした!!」」」」」

 

スタッフ全員から一斉にデカい声が上がって少しビックリしてしまう。その所為ですこしたじろいだ。

 

スタッフA「この後はどうするんですか?俺らはもう帰りますけど」

 

天「まだやる事あるかもしれないので、自分は事務所の方に」

 

スタッフA「わかりました!お疲れ様でーす!」

 

見た目はバチコリおっさんなのに何故か雰囲気は好青年だ。若いなぁ••••••。俺にもこれくらいの若さがあればいいんだが。

 

天「•••7時か。みんなはもう帰ってそうだな」

 

外を覗くと、真っ暗な景色が広がっていた。学園内の灯りによってかろうじて視認することができるが、見えにくいことに変わりはない。

慣れた足取りで学園から出る。灯りが点いているのは職員室くらいで、その他は真っ黒に染まっていた。

冷え込んだ空気が服の隙間から入ってきて、軽い身震いが無意識に起こる。

 

天「寒•••少し走っていくか」

 

寒さを紛らわす為にも、俺は小走りで事務所へと向かった。息を吐くたびに白い霧が口から放出されるのが、小さな灯りによって嫌でもわかる。

雪が降っててもおかしくないような寒さに、俺の身体は悲鳴をあげていた。

 

天「防寒対策•••甘かったな•••」

 

少しだけ後悔しながら、俺は事務所へと急いだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

事務所はドデカイビルなので、すぐにどこにあるかわかるのがありがたい。中に入って俺はようやく小走りから徒歩へと戻った。

階を上がっていき、自身の仕事部屋の前へ立つ。レッスン部屋の明かりは、外から確認した限りは点いていなかったので恐らくみんな帰ってしまっただろう。

安心して俺は扉を開けて中に入り、電気をつけた。

 

咲姫「すぅ•••すぅ••••••」

 

天「••••••うせやろ?」

 

誰もいないと思って安心したのも束の間、椅子に座って机を枕にして眠っている咲姫の姿がそこにあった。

 

天「全く•••冷えるぞ」

 

毛布を取り出して彼女の身体を覆わせる。エアコンも何もない部屋なのだから、下手したら凍死してしまう。

 

天「ええっと、どうしよ•••まぁほっといてたら勝手に起きるか」

 

音を立てないように隣に座って、パソコンを立ち上げる。とりあえず彼女が起きるまでの間だけ仕事をする事にした。

静かに、でも早くキーボードを打っていく。カタカタと小気味良い音が部屋中に響いていた。うるさくはないので、流石に起きることはないだろう。

 

天「そもそも事務所に戻るなんて連絡、してなかったのにな••••••」

 

それなのにこんなところで待っているのだから驚きだ。チラリと咲姫に目線を向けると、まだ瞳を閉じて寝息を立てていた。

•••起きるのか少し怪しくなってきたな。

 

天「••••••帰るか」

 

急ぎでやるような仕事もない上に、明日の分もほとんど終わってしまった。

どうやってこの眠り姫を連れて行こうかと悩む。起こす?どうしよ。

 

天「••••••そういやこいつ泊まるって言ってたな」

 

じゃあこのまま家にお持ち帰りしても文句は言われないだろう。どっちみち家は近いので、着替え等は取りに行けばいいだろうし。

鞄を背負って、咲姫を抱き抱える。壁とかにぶつけないように慎重な足取りで歩いていく。

外の冷たい風は先程よりも強くなっており、咲姫を冷やさせない為に更に抱き寄せる。

 

天「走って帰りたいところだが•••起きそうだな••••••」

 

周りからはそこまで目は向けられていないが、少なからず感じる視線が気になっていた。今すぐここから離れたい。

 

咲姫「んっ•••んぅ•••?」

 

天「あっ、起きちまった」

 

ぼんやりと目を開けた咲姫が、瞬きを繰り返しながら徐々に脳を機能させていってるのが見てわかった。

 

咲姫「あれ•••?天くん•••?外•••事務所で寝てたはずなのに•••」

 

天「起こすのも悪いと思ってな•••持って帰ってたんだ」

 

咲姫「大丈夫?重くない?」

 

天「全然。むしろ軽すぎる」

 

身長体重のデータはマネージャーとして所属する際に渡されているからある程度知っているが、本当に軽い。飯食ってんのかお前。

 

天「歩くか?」

 

咲姫「ううん、このまま家まで行きたい•••」

 

天「お?堂々と楽チン宣言か。いい度胸してんな」

 

咲姫「こうしてる方が、天くんの顔が近いから」

 

天「•••••••••」

 

思わぬカウンターを喰らって、俺の顔は赤くなる。咲姫が小さく笑ったのがわかった。

 

天「と、とにかく!月も待ってるだろうし、急ぐぞ」

 

咲姫「うんっ。お風呂も一緒に入る•••?」

 

天「はいはいいつも通りだな。しっかり捕まってろよ?」

 

咲姫「お尻に手が当たってる••••••」

 

天「この方が抱えやすいんだ、許せ」

 

咲姫「えっち••••••」

 

天「理不尽過ぎる」

 

頬を赤くしながら、ムッとした顔で貶される。少し悲しい。今はその事をあまり考えないようにして、思考を振り払って走り出した。




お腹空いたなー。誰が食べ物恵んで?(ドクズ)
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