敏腕(感)男、マネージャーするってよ   作:如水くん

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正真正銘本当に最後の部活に行ってきました!ラストはもちろん今の主将と試合!相面で取られて相面で取り返して引き分けに持ち込んでやりましたわ!あー楽しかった。向こうに移っても続けるつもりだからそっちでも楽しくやりたいなー!


12月6日(土)後編

仕事が終わり、俺は眠気の覚めた目で周りを見渡した。仕事部屋の中は俺以外誰一人とおらず、寂しさすら感じる程の静けさだった。

防音が完璧なのもあって、それは更に際立つ。しかも部屋の内装自体が簡素なのもあって、雰囲気は最早『それ』だ。

 

天「さて•••帰るか」

 

咲姫はこの後衣舞紀さん達と行動するらしいし、俺はこのまま直帰させて貰おう。鞄を担いで、俺は事務所を後にした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

事務所から神山家への距離はそう大してない。気軽に行き来できる程だ。仕事先が遠いというだけでやる気に関わってくるので、立地条件は最高であった。

 

天「まだ冷えるな•••」

 

まだ十二月の始めだ。それでも容赦なく襲い掛かる冷たい風に、軽く身震いをする。この調子で一月と二月を凌がなければならないのだから大変だ。

 

天「おぉ•••寒っ」

 

流石に俺の身体は咲姫みたいに耐性はついていなかったようだ。自分自身の身体を抱きながら、俺は我が家に向かって走り始めた。

 

ま、近いからすぐ着くんだけど。早く暖房に当たりたくて、俺は急いで玄関の鍵を開けて中に入る。

 

天「••••••?」

 

靴を脱ごうとしたところでふと気づく。知らない靴が四足、丁寧に揃えて置かれていた。

•••誰か来てんのか。少し警戒しながら靴を脱いでリビングの方へ向かう。

そしていつもの調子でドアを開くと、月と四人の女の子が楽しそうに会話をしていた。

 

月「あ、おかえりお兄ちゃん。早かったね」

 

?「お邪魔しています」

 

天「••••••どちら様?」

 

マジで初対面の人間だった。え、誰?一人も知らない顔で困惑してしまう。

 

月「こちら!有栖川学院のDJユニット、Lilycal Lilyの皆さんです!」

 

ババン!と豪快なSEでも流れそうな勢いで、月が彼女たちを紹介する。というか有栖川学院ってここじゃ有名なお嬢様学校じゃねぇか。どうやって知り合ったのお前。

 

?「桜田美夢です。よろしくお願いします」

 

?「春日春奈ですわ。以後お見知り置きを」

 

?「白鳥胡桃だよー。よろしくねーお兄さん!」

 

?「竹下みいこなの!よろしくなの!」

 

おおこれはまた可愛らしいメンツが揃っていることだ。というか俺の周り顔のいい女多いな。前世にどんな徳を積んだのか気になる。

 

天「んで、なんでこんなお嬢様方がここに?」

 

月「実は進学先を有栖川にしようと思っててさー。それなら現役の人に色々訊きたいから学院に凸ったわけ」

 

天「なんでそんな軽く言ってんの?アポ取れよバカか」

 

真顔で相当な事を言うものだから拍子抜けしてしまう。周りのお嬢様連中は笑ってるし恥ずかしいったらありゃしない。

 

天「それで偶然桜田さん達と知り合ったと」

 

月「そゆことそゆこと〜。美夢さんも春奈さんも優しいし、胡桃さんとみいこさんはとっても楽しい人だからねー。こんなお姉ちゃんとか欲しかったかなーなんて?」

 

天「俺を見るなよ」

 

チラリと俺を横目に見る妹。すぐに返答するが、月はニヤニヤと笑っているだけだった。

 

天「というかなんでウチにまで来るハメになってんだ」

 

月「•••••••••何でだろ?」

 

天「は?」

 

春奈「月さんが家でゆっくり話したいと言われましたので、みんなでついてきたのです」

 

そこに春日さんが代わりに説明してくれた。ものすごく丁寧な言葉遣いに感心する。

 

天「うちの妹も春日さんみたいにお淑やかだったら良かったのになぁ•••」

 

月「お兄ちゃんはその暴力的な性格どうにかしようよ」

 

天「お前と父さんくらいにしかならねぇよ」

 

美夢「二人はとても仲良しなんだね」

 

月「十年以上の付き合いですからねー!お兄ちゃんの考えている事もお見通しなんですよ!」

 

天「冗談じゃねぇのが笑えねぇな••••••」

 

実際に何か考えていたら外すことなくことごとく当ててくるのがこいつだ。そもそも兄妹だとか付き合いの長さだとかでそんな神業ができるわけがない。一種の才能だろう。

 

天「•••流石に暖房効いてる中でスーツは熱いな••••••」

 

汗が出てきそうな気さえしてきたので、俺はスーツの上着を脱いで、椅子に掛けた。

 

胡桃「わぁ!すっごく細い!」

 

天「•••そうですか?」

 

美夢「何かスポーツとかなさっていたのですか?」

 

天「特にはやってないんですけど•••トレーニングはやってます」

 

月「流れに乗っかって汚いネタを出すな」

 

チッ、バレたか。ここまで自然にできたら流石に気づかれないと思ったが考えが甘かった。

 

美夢「どういうことですか•••?」

 

天「こっちの事だから気にしなくて大丈夫です••••••えっと、桜田さん」

 

苗字が珍しいからなんだか言いづらい。というか単純に舌が回らん。

 

美夢「美夢でいいですよ。そういえば、お名前を聞いていませんでした」

 

天「おっと、失礼しました。神山天です。マネージャーの仕事をさせていただいています」

 

春奈「•••?月さん、お兄さんは高校生で間違いないですわね?」

 

月「高校一年生ですよー」

 

みいこ「えっ!?お兄さんと私たち同い年なの!?」

 

天「全員高一か•••」

 

そんな気はしていたが実際にそうだったとは。というか何に驚かれてるんだ俺は。

 

美夢「その歳でお仕事をされてるんですか?尊敬します!」

 

天「いや、そんな大した事じゃないので•••」

 

ぶっちゃけ大変だが、やりがいはあるし好きでやってる事だから苦とは思っていない。

確かに大抵の人は学業と仕事を両立していてすごい、と思うだろうが、俺からすれば当たり前の事なので本当に大した事ではないのだ。

 

月「今日はお仕事どうだった?」

 

天「いつも通りだ。普通に仕事終わらせた」

 

月「ライブの準備は?」

 

天「少しずつ進めてる。ライブするの25日だしまだ焦らなくていいしな」

 

美夢「ライブ•••音楽関係の方のマネージャーをなさっているのですか?」

 

天「はい」

 

桜田•••美夢さんからの質問に、俺は淡白に答えた。何故か知らんが月がもどかしそうな表情で俺たちを見ているのがわかる。何の用だ一体。

 

月「言わなくていいの?」

 

天「別に言うつもりはない」

 

胡桃「有名なアーティストのマネージャーやってるの!?誰誰!?」

 

白鳥さんから詰め寄られるが、俺は表情一つ変えずに押し戻した。

 

みいこ「教えてほしいの!とっても気になるの!」

 

天「ちっけぇな!?」

 

二人ともこちらに容赦なく突っ込んで顔を近づけてくる。咲姫で慣れてるから動じないが、もし以前の俺だったらどんな反応を示していたのか少し気になった。

 

春奈「二人とも離れなさい。天さんが困っているでしょう」

 

胡桃「えぇ〜いいじゃんいいんちょ〜」

 

春奈「誰がいいんちょですか!」

 

天「•••仲がよろしいようで」

 

あまり俺がいる必要もないように感じて、俺は立ち上がる。全員の視線が一斉に集まったのがわかった。

 

月「部屋に行くの?」

 

天「あぁ。俺がいても意味なさそうだしな。それにあんまり仕事の事を詮索されるのも好まん」

 

鞄とスーツの上着を持って、俺はリビングを後にする。そのまま階段を上がって自室に入る。

着替える気力もなく、俺はそのままベッドに倒れ込んでしまう。

 

天「はぁ•••初対面の人間の相手は疲れるな•••あー眠」

 

ふわああぁ、と大きな欠伸を漏らして、俺は目を閉じる。真っ暗になった目の前を、無心で見つめる。そこに明かりなんてものはなく、永遠の闇を物語っていた。

 

天「(明日は日曜か•••今日と変わらない一日になりそうだ)」

 

変わり映えしない休日に憂鬱さを感じながら、俺はそのまま眠りについた。それはあまりにも一瞬で、俺自身でさえいつ眠りについたのかわからなかった。




それでは、自分はまたもう一寝入りします。なんか、眠いっすw
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