敏腕(感)男、マネージャーするってよ   作:如水くん

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まず一つ謝罪をさせてください。この度は紛らわしい発言で一定数の方に嘘をつく形になってしまったことをここにお詫び申し上げます。先日の結婚するという話は、数日前にTwitterでとある方とおふざけの領域で話を進めたに過ぎないのです。ですので、結婚するなんていうのは真っ赤な嘘であり、ただの自分のクソみたいなノリで生まれた話に過ぎません。誠に申し訳ありませんでした。


12月8日(月)後編

学園、仕事共に終了し、俺と咲姫は家に向かって歩いていた。

12月の夜は冷たく、冷たい空気が辺りを包んでいた。雪こそ降っていないが、油断しているとすぐに空から舞ってきそうだ。

 

天「さて•••どうしてるかあいつは」

 

咲姫「もうご飯を作って待っていると思う••••••」

 

天「いやそれはそうなんだが••••••」

 

違う、そうじゃない、という言葉が頭に流れ込んできた。

あの妹が彼氏できた説が浮上している今、あいつがどんな行動を起こすか心配でならない。

唐突に家に連れてくるとかやめろよ•••?その時は部屋にこもらないといけないからだ。

 

ドキドキしながら家に入る。

いつもなら月が元気に声をかけてくれるのだが、今回は静かだった。

 

天「•••あいつ生きてる?」

 

咲姫「死んでは無いと思う••••••」

 

まぁそんな簡単にくたばるタマでもないだろう。リビングに顔を出すと、先にテーブルの前に座って待っている月の姿があった。

 

月「あ、おかえりお兄ちゃん、咲姫さん」

 

天「ただいま••••••」

 

咲姫「お、お邪魔します••••••」

 

あまりにも静かで冷静な態度に、俺と咲姫は困惑を隠しきれなかった。

鞄を置いて、恐る恐る椅子に座る。どことなく月の雰囲気に違和感が生じた。

 

月「今日もお疲れ様。お風呂も沸いてるから、ご飯食べたら入っちゃって」

 

天「あ、あぁ•••わかった」

 

これも違和感。いつもならもっと気怠げに言うはずなのだが、今の言葉遣いはやたらとしっかりしていた。

 

天「なぁ、月」

 

月「ん?何?」

 

このままだと埒があかないと考えた俺は、ストレートに訊く事にする。目の前に小柄な少女を、真剣な顔で窺う。

 

天「お前、何かあった•••?」

 

月「何かって••••••?特に何もないよ?」

 

天「いやだってお前•••なんか朝からいつもと違うというか••••••」

 

月「あぁ、その事?」

 

月は思い出したかのように笑った。は?どういう事だ?

 

月「いやねー有栖川学院に進学するわけだからさ、もうちょっとこう、お嬢様?というかデキる女?てして振る舞いたかったというか••••••」

 

天「は、はぁ•••?」

 

月「流石にお嬢様相手にいつもみたいに騒ぐのははしたないかなーと思ってね。だから今日は大人しく過ごしたつもりだったんだけど••••••どうだった?」

 

俺がカオナシみたいに短く声を何度も漏らす中、月は出れるように笑った。

 

天「な、なんだよそれ••••••!お前に彼氏できたーとか騒いでた俺がバカみてぇじゃねぇか••••••!!」

 

月「えっ!?彼氏!?もうお兄ちゃん何言ってるの••••••私に釣り合う男なんて超有名俳優くらいにならないとダメだよ?」

 

天「いつも通りに戻ったけどウゼぇ!!」

 

いつもの妹に戻って嬉しいはずなのに嬉しくないこのもどかしさよ。普段が普段な所為だ完全に。

 

咲姫「月ちゃん、有栖川学院に行くんだね••••••」

 

月「そうなんですよー!これで私もお嬢様の仲間入りって言うか?もう超周りの連中見下せますよー!」

 

天「思考が最低過ぎる••••••」

 

優越感に浸る為だけにお嬢様学校に進学するのかお前は••••••。そんなつまんねぇ理由で行くのだけはやめとけマジで。

 

月「それに現役お嬢様と友達になりましたので!」

 

咲姫「そうなんだ。すごい••••••」

 

天「あの四人か••••••」

 

そういやウチに来てたなー•••確か土曜日だっけ?覚えてねぇや。

 

月「ただ、その人達DJユニットを組んでるらしいので、いずれは咲姫さんとも知り合う日が来るんじゃないですか?」

 

咲姫「そうなの••••••?天くんはもうその人達と会った?」

 

天「あぁ。多分顔も覚えられてると思う。咲姫たちの事は話してないが、一応音楽関係のマネージャーとして通ってる」

 

月「素直に言えばいいのにねー?『俺があのPhoton Maidenのマネージャーだ。敬え!(低音)』とか?」

 

全く似てない俺のモノマネをしてから、どう?どう?と言いたげなドヤ顔を向けてくる。

 

天「なんで自慢してんだよ••••••普通にドン引きされるオチじゃねぇか」

 

月「まぁぶっちゃけ言っても言わなくてもあんまり変わらないけどね。グ◯ッたらお兄ちゃん出てくるし」

 

天「は!?」

 

予想外の展開に、俺は素っ頓狂な声を上げた。隣にいた咲姫も驚いた顔をしている。

 

月「元々お母さんが界隈の有名人だからさ、その息子ってだけでも十分名は広まってたよ?それに加えて成果も上げてたし、男なのに顔女っぽいからなんだかんだファンもいるよ」

 

天「う、嘘だろ••••••?」

 

俺、ネットで検索したら出てくるレベルには有名人だったのか••••••。これには驚きを隠せない。

 

月「それにPhoton Maidenもしっかりありますよー。ウ◯キまでしっかり!」

 

天「ほぉ、もうウ◯キとかできたのか」

 

月「お兄ちゃんに関してはウ◯キどころか非公式ファンサイトのページまで出てきたけどねwww」

 

天「なんで???」

 

ゲラゲラと月が笑いながらスマホを見せてくる。

いやガチぢゃん••••••。というか俺と咲姫が二人っきりで過ごしてる写真出回ってるし••••••。いつの間に撮られた?

 

月「いやーでも平和なファンばかりだね。彼女がいても一切叩いてないし」

 

天「過激派がいたらそれはそれで困るけどな••••••」

 

ていうかもう俺の話やめない?さっきから知らなかった事実がどんどん浮き彫りになって困惑しっぱなしなんだけど。

 

気がついたら飯を食べ終えてた程に、話に夢中になってしまっていたようだ。

洗い物はいつものように月に任せて、俺と咲姫は風呂に入っていた。

 

天「俺、いつの間にあんなに有名になったんだ••••••」

 

咲姫「人気者だった••••••」

 

ちゃぷ、と小さな水面の揺れを発しながら、咲姫は俺の胸に後頭部を預ける。

 

天「できることなら俺じゃなくてPhoton Maidenがどんどん有名になって欲しいものだがな」

 

咲姫「ううん、天くんがよく知られてる人だったからここまで早く上り詰めたと思う••••••」

 

天「•••そういうもんか?」

 

咲姫「うん、きっとそう••••••」

 

断言はしなかったが、ほとんどはそういうことなのだろう。が、咲姫の話はここで終わりではなく、また再度口を開いた。

 

咲姫「それに•••所属事務所がウチの事務所だった••••••」

 

少し嬉しそうな顔で、でもどこか照れた様子で、ちょっと小さな声で呟いた。

 

天「そういえば言ってなかったな。今はここにいるってこと」

 

別に言う必要もないだろうと思って言わなかったが、まさかウ◯キに書かれているとは思わなかった。多分事務所側が先に言ってしまっているから知られたのだろう。

 

天「本当は事務所所属なんてするつもりはなかったんだけどな••••••でも咲姫やPhoton Maidenを引っ張っていくって事を考えたら•••な」

 

ずっと続けていく為に仕方のなかった事だ。だがそれでもちゃんと得るものがあるから、俺は後悔していない。

 

天「それにずっと咲姫といたかったってのもある」

 

咲姫「えっ!?」

 

咲姫が驚いたような声を上げる。

私情は挟まないつもりだったのだが、結果的にこうなった、と言う方が正しいのだろうか。

 

天「咲姫と付き合い始めた事をプロデューサーに報告したんだ。その時に事務所所属の話を持ちかけられてな。その時にOKを出したんだ。なんというか、外堀は完全に埋められてたな」

 

実際メンバーと一定の関係ができてからの提案だったので、断りにくいというのもあった。

更に加えて咲姫と交際を始めたというのが決定打になったのだろう。

 

咲姫「でも、天くんがいたから私たちはここまで来ることができた。天くんじゃないとダメだった」

 

天「••••••だから買い被り過ぎだっての」

 

細い彼女の身体を抱き寄せる。柔らかくて、まるで餅を触っているような気分になった。

 

咲姫「•••大好き」

 

天「ん、俺もだ」

 

そして二人で小さく笑いながら、また談笑を続けるのだった。




明日も投稿します!さぁーて明日も執筆執筆ぅ!•••今後はここでの不用意な発言は控えておこう••••••。
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