紗乃「どうやら、ちゃんと課題はこなせたようだな」
天「えぇ。誰かさんがわかりにくいようにするから大変でしたよ」
紗乃「以前と比べてかなり言うようになったな」
天「まぁ、慣れですよ」
もう半年以上世話になっているんだ。嫌でも慣れてしまう。それに目の前にいるプロデューサーの顔も、なんだか見慣れてしまった。
天「というか、何でわかるんですかね?」
紗乃「わかる、とは?」
天「課題が終わったってことですよ」
紗乃「顔を見ればわかる。昨日と違って迷いがないからな」
天「そういうもんなのか••••••」
紗乃「キミはわかりやすいからな」
あっはー嬉しくねぇ()俺は乾いた笑いを漏らす。
紗乃「これからもよろしく頼む、マネージャー」
天「了解しました。プロデューサー」
俺は大きく頭を下げて、部屋を後にした。
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今日も今日とてPhoton Maidenのレッスンを眺めている。俺の仕事は家で事前に終わらせてきたので、彼女たちのダメ出し役として回ってきている。
天「乙和さん、少しテンポが早いです。落ち着いて合わせてください」
乙和「は、はーい!」
天「ノアさん、ちょっと動きが弱いです。乙和さんに合わせてください」
ノア「うん!わかった!」
なんというか、粗探しというのも意外と大変だ。そこまで悪いというわけじゃないから、何処かしら見落としそうで怖い。
咲姫と衣舞紀さんはそれと言った悪いところは見つからない。
咲姫は天才肌だし、衣舞紀さんは身体能力の高さが上手くカバーできているのだろう。そこは乙和さんやノアさんの持っていない強みだ。
天「乙和さん、いいですよ。そのままで行きましょう」
乙和「やったー!褒められちゃった!」
天「喋らないで集中してください」
乙和「落とすのが早い!」
誰も私語をしていいとは言ってないのですぐに注意をする。他の三人がクスクスと笑っていたので、俺も笑っておいた。
休憩に入り、全員を集めて軽く話し合いを始める。
天「昨日よりは幾分か良くなってきてます。まだまだ改善する点が多いですが、この調子でいけばライブ本番まで十分間に合いそうです」
乙和「本当に!?いやーやっぱり私たちが本気を出せば余裕だねー」
ノア「とは言っても後半注意されてたの乙和だけだけどね」
天「個性は強くていいんですけど••••••やっぱり技術面がどうしても劣ってしまうんですよね••••••」
恐らくこの差を埋めることはできないだろう。なんせ周りも同じレベルで頑張っているのだから、離れるか近づくかのギリギリのラインをずっと行き来している状態だからだ。
天「やっぱり乙和さんの強みは愛嬌ですからね••••••表情豊かなところはお客さんのウケもいいですし、技術が足りなくてもまるっとカバーできてますからね」
乙和「それってつまり私が可愛いって事!?もー天くんったらー」
天「そういう意味じゃねぇよ殴るぞ」
乙和「ひいぃ!?」
天「あ、すみませんつい」
あまりにもさっきの発言が月らしくて家での口調が出てしまった。
ノア「天くん、この際殴っちゃってもいいと思う。さっきから乙和、調子に乗ってばかり」
天「いくらなんでも先輩を殴るような真似はできませんよ••••••。とりあえず、各々の課題をキッチリこなして本番まで間に合わせるようにしてください。以上です」
そろそろ自分の仕事の確認をしたかったので、これを機に俺は仕事部屋へと戻っていった。
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今日のレッスンが終わり、俺は腹を空かせた状態で家へ向かって歩いていた。
軽く外食でもしてやろうかと思ったが、流石に月が飯作って待ってるのにそんな事はできない。
天「腹減ったなぁ•••腹減りすぎて倒れそうマジで」
仕事したら人のダンス見て意見出したりと、かなり疲れた。
いや、一番疲れてるのは彼女たちだろうけどさ。それでもキツいもんはキツい。
天「さて•••なんとか間に合わせないとな」
付け焼き刃でライブに出すわけにはいかない。すぐにでもできる状態を作りたいが、焦ったところでかえって悪くなってしまうのがオチだ。
焦らず冷静に、少しずつ積み重ねていこう。
気がつけば我が家は目の前だった。玄関に手をかけて、力を抜いて開ける。
天「ただいま」
声は返ってこない。あれ?あいつ出かけてんのか?
そう思って靴を確認しようとしたらーー、
天「••••••見たことあるぞこの靴ども」
先週辺りに一度見たような気がする靴が四足、綺麗に並べられていた。
•••またあのお嬢様方来たのか。
天「ただいーー」
月「突撃ーー!」
胡桃•みいこ「おおぉーー(なの)!」
天「よっと」
三人のおチビが突っ込んできた。天井ギリギリのところまでジャンプをして、前宙をして軽く躱してみせる。
天「いきなりどうした」
月「おかしいなー•••いつもなら引っかかるのに」
いやいつもはお前一人だからいいけど流石に三人は相手できねぇよ••••••。
美夢「流石です!」
天「へいへいどーも。今日は何用で?」
春奈「胡桃さんとみいこさんが月さんの家で遊びたいと言うので••••••」
天「実際は俺にイタズラしたかっただけか?」
春奈「恐らく••••••」
少し申し訳なさそうに春奈は頭を垂れる。俺は何故かわからないが笑みが込み上げた。
天「いやまさか•••俺がイタズラなんてされるとはな•••ハハ」
胡桃「あっ、お兄さんが笑ってるー!」
天「なんか近くね?」
何故かわざわざ隣にまでくる胡桃に少し違和感を覚える。なんかイタズラ仕掛けてきそうだな••••••。
月「そういえばお兄ちゃんお昼まだでしょ?食べる?」
天「え?いやいや、客が来てるのに飯食えねぇよ」
美夢「私たちは気にしませんよ」
みいこ「むしろお兄さんがご飯を食べてるところを見てみたいの!」
天「みいこに関しては謎すぎてわからん」
俺の飯食う姿の何処がいいんだよマジで。月はニコニコしたまま、すでに準備してある昼食を俺の目の前に置いた。
月「はいどうぞ」
天「量やたら多いな•••」
大食い番組程とは言わないが、それでもかなりの量の飯が積まれていた。
いくら腹減ってるとはいえそんなに食えるかはわからないんですけど()
天「••••••いただきます」
それでも食うんだけどさ。腹減ってるんだし。
天「•••いや食いづれぇな」
みんながジーッと俺の方を見ている所為で、なんだか食事に集中できない。
春奈「いえ、思ったより丁寧に食べるのだと思いまして••••••」
天「あー•••でも外食とかいった時はかなりバクバク食うからな••••••。今はそんな思い切り食おうとも思わないし」
胡桃「たくさん食べるお兄さんの姿って想像しやすいなー」
美夢「確かにそうだね。たくさん食べてそうなイメージだもん」
月「実際よく食べますからねー。筋肉維持する為なんでしょうけど」
天「全くもってその通りだ」
全ては身体の維持の為。筋トレもしっかり続けているし、食事も肉やタンパク質の多いものを積極的に摂取している。
月「そういえばライブの方は大丈夫そう?なんか昨日唸ってたけど」
天「んー•••やる事は多いが、少しずつ片付けていけばなんとか間に合いそうだ」
美夢「DJユニットのマネージャーのお仕事は大変そうだね」
天「そんなんだよなー。ライブ近いから仕事が多くてたい•••へん••••••?」
ちょっと待て、今なんかおかしな単語が聞こえたぞ。DJユニットっつったよな?
春奈「今人気のPhoton Maidenのマネージャーをなさっているのでしょう?」
天「••••••なんでバレてんだ」
胡桃「インターネットでお兄さんの名前を検索したらすぐだったよ?」
天「そういや俺ウ◯キ登録されてんだった忘れてた。道理で出るわけだ」
ネット恐ろしや。こんな簡単に調べついてしまうんだから怖い。
胡桃「お兄さんお兄さん。私たちのお手伝いさんとして雇われない?お給料は弾ませて貰うよー?」
天「•••せっかくのところ悪いが、俺は今の担当が一番好きだからそれは受けれない。そうだな•••Photon Maidenが解散したら、お前らの担当になってもいい」
春奈「つまりは絶対にないってことですわね••••••。それでも、こんな身近に有名人がいたとは思いませんでしたわ」
天「いや、現役お嬢様がそれ言っちゃう?」
俺なんかよりも貴方がたの方がよっぽどすごいんですけど???
美夢「私たちは何もしていないから••••••」
天「それ言ったら俺も母さん効果が強いんだよな••••••」
月「いつまでしみったれた話してるの?早く食べちゃってよ」
天「あ、あぁ、わかった」
月に催促されて、俺は急いで飯をかき込んで行った。その後は適当に遊んだりをして、リフレッシュする事ができた。明日も頑張ろう。
それでは私はモンハンの方に•••スマブラとするcar•••