敏腕(感)男、マネージャーするってよ   作:如水くん

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どーも皆さん、一週間ぶりですね。今は週一投稿を目指してますが今週は真面目に忙しいので無理そうですねぇ。いやー辛い。最善は尽くしますのでお願いします。


夕飯は静かに

咲姫「天くん、天くん••••••」

 

天「う、うぅん••••••」

 

真っ暗な視界の中で、咲姫が身体を揺らしてくれているのがわかった。頭に右側に感じる感触は畳の硬さではなく、とても柔らかい心地だった。

恐る恐る目を開くと、目の前のテレビは先程見ていたバラエティのままだった。

そして側頭部に感じていた柔らかい感触は、咲姫の太ももだった。

 

天「••••••飯か?」

 

咲姫「うん。もう運ばれたよ」

 

身体を起こして振り向けば、テーブルの上に色とりどりの料理が並んでいた。香りだけで食欲が注がれるのがわかる。

 

ぐうぅ〜〜〜。

 

天「•••••••••」

 

乙和「お腹鳴ってるぞー?」

 

天「••••••うっさいですよ」

 

乙和さんを睨みつけながら、俺はテーブルの前にあぐらをかいて座る。まだ眠気が少し残る目を擦りながら、箸を視界に入れた。

 

全員「いただきます!」

 

声が部屋中に響き渡ってから、賑やかな夕食が幕を開けた。

和食がほとんどで、どちらかというと洋食派の俺からしたら少し物足りなさを感じる。

それでもお構いなしに箸を動かして飯をかっくらう。

 

天「あむっ、もぐもぐもぐ••••••」

 

咲姫「美味しい?」

 

天「あぁ。刺身とかかなりな。ほれ」

 

醤油を軽く浸したマグロの赤身を摘み上げて、咲姫の口元に運ぶ。

 

咲姫「あーん•••うん、美味しい」

 

天「だろ?これとかも美味いぞ」

 

お次はとサーモンを取り上げて、咲姫の口内に入れる。

 

咲姫「甘くて美味しい」

 

天「そうか。よかったよかった」

 

衣舞紀「•••••••••」

 

ノア「何か言いた気だね、衣舞紀」

 

衣舞紀「私たちの事、見えてないのかなって••••••」

 

天「ちゃんと見えてますよ」

 

衣舞紀さんの方向に首を向けて、口を開く。眠気が残っているのもあって、声が少しガラついている。

 

天「別に咲姫にだけ意識を向けているわけではありませんから。今日のライブの件でも色々話しておきたかったので」

 

姿勢を正しながら喋ると、途端に全員が正座をして固まり始めた。その姿が面白くて、俺はつい噴き出してしまう。

 

天「ぶふっ•••!そんなに肩を張らなくていいですよ。説教をしようってわけじゃないんですから」

 

笑いながら言葉を漏らすと、少し安心したようにホッと息を吐いたのが聞こえた。

 

天「•••とりあえずはお疲れ様でした。変なミスもなく、それぞれの課題をしっかりやってのけていた、というのが個人的な見解です。まぁ次はいくらでもあるので現状を維持するなんてダサい真似だけはしないようにお願いします」

 

乙和「••••••なーんかいつもみたいに褒めてくれない」

 

ノア「うん•••少し淡白というか、冷めてる気がする」

 

天「今日のライブは及第点程度って事ですよ。ただ課題を達成して、その次がなかったのですから。後咲姫」

 

咲姫「何••••••?」

 

少し睨みを効かせながら咲姫に目を向けると、怒られるのかと不安になった彼女が顔を曇らせた。

 

天「余裕があるのは結構だが、俺を見るな。客を見ろ。お客さんはお前やPhoton Maidenのみんなを見に来てるんだ。失礼だろ」

 

咲姫「いたっ•••ごめんなさい••••••」

 

軽く額にデコピンをくらわせてやる。咲姫は打たれたデコを手で押さえながら俺に向かって謝罪をした。

 

衣舞紀「それで、今後の私たちはどうすればいいの?」

 

真剣な目つきを俺に向ける衣舞紀さん。俺は薄らと微笑みながら、口を開いた。

 

天「自分で考えてください」

 

衣舞紀•乙和•ノア「•••えっ••••••?」

 

アドバイスを期待していたのか三人は拍子抜け、と言った表情をそれぞれ見せる。唯一咲姫だけは顔色一つ変えずにいた。

 

天「もう一年以上経つんですよ•••?流石に何もかも俺に頼ってたらこの先やっていけません。自分なりに課題を見つけて、取り組んでください。その為のリーダーですよ」

 

衣舞紀「••••••わかったわ。次のライブまでには完璧に仕上げてみせるから、楽しみに待っててちょうだい」

 

天「期待してます。••••••いつまでそんな白けた顔をしてるんですか?せっかくの遠征なんですから楽しまないと」

 

乙和「誰の所為だと思ってるんだー!」

 

天「うおぉ!?」

 

急に飛び込んできた乙和さんに、俺は為す術なく押し倒されてしまう。傍から見たらただのエロシーンだよ。

 

天「飛びついてこないでくださいよ!!ちょっ、咲姫助けて!」

 

咲姫「••••••嫌。さっきのお返し」

 

デコピンの件をまだ根に持ってたのかよこいつ。というかそれどころじゃねぇ!咲姫も便乗してきたおかげで、上には乙和さん、横には咲姫とかなりの地獄絵図ができあがっていた。誰か助けろマジで。

 

天「あーもうマジでなんなんだよ••••••」

 

休まる暇がなく、俺は盛大にため息を漏らした。ちなみにしばらく騒いだおかげで飯は冷めてしまった。ふざけやがって。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

飯も終われば後は寝るだけ。明日は海で遊ぶ予定があるのもあって、皆すぐに寝ついた。

だが唯一俺だけは眠ることができなかった。何故かって?

 

天「さっき少し寝たからな••••••」

 

もう目がギンギンに醒めてしまっている。これはしばらく起きていないと眠れる気がしない。

 

天「よっこらしょっと••••••」

 

布団から身体を引っ張り出して、部屋の外へと出る。そこからアテもなく歩き続けると、開けた場所にたどり着いた。座るところもあったので、そこで素直に休ませてもらおう。

 

天「••••••あっつ」

 

冷房なんてものはないので、身体から自然と汗が出ていた。上の部分だけ紐を解いてはだけさせる。

 

天「こんな時間からなにやってんだか」

 

一人でに勝手に笑ってしまう。客観的に見ればただのヤベー奴に他ないだろう。

 

天「しかし暑いな••••••飲み物買おう」

 

一応財布を持ってきていた事が幸いした。それに素で風呂上がりの牛乳というものを忘れていたので買おう。

番号を入力して、その番号内にある牛乳が取り出された。この仕様の自販機はどこにでもあるのだろうか?

紙製の蓋を針みたいなものでぶっ刺してこじ開ける。

 

天「んくっ、んくっ••••••」

 

汗をかいてる状態で飲む牛乳は最高に美味だった。冷えているのもあって尚美味い。

 

咲姫「ここにいた」

 

天「あ?あぁ、咲姫か。起きたのか」

 

声が聞こえて振り向けば、汗を少し流していた咲姫の姿があった。

 

咲姫「目が覚めたらいなかったから」

 

天「さっき寝たツケがまわってきたんだよ。お前も牛乳飲むか?」

 

咲姫「うん」

 

頷いたのを確認して財布を取り出そうとしたが、なんと彼女は俺の手から牛乳瓶を奪いやがった。

 

咲姫「んっ、んっ••••••美味しい」

 

天「•••それ、俺のなんだけどな」

 

咲姫「?くれるんじゃなかったの?」

 

天「あーまぁいいわ。少し話さないか?」

 

咲姫「もちろん」

 

了承を得たところで、先程の場所に座った。お互いに小さく息を吐いてから、俺は言葉を紡ぐ。

 

天「悪かったな、あんな厳しいことを言ってしまって」

 

咲姫「ううん、余裕を持ち過ぎてたのは事実だから」

 

天「そうか。でも、次からはマジでやめろよ?こっちも気が気じゃなくなってしまう」

 

咲姫「わかった。気をつける」

 

本当だろうか••••••なんかまたひょっとやらかしそうな感じがするけど一応信じておいてやるか。

 

咲姫「天くん」

 

天「どうした?」

 

咲姫「ライブのご褒美、欲しい••••••」

 

天「•••はぁ、わかったよ」

 

ちゃっかりしてんなぁ•••もう驚きもしないわ。

褒美をくれ、と言うので、俺は迷いなく咲姫の頬に手を添えて逃げられないようにする。

そしてそのまま顔を近づけていって、唇を重ねた。

 

咲姫「んっ、ちゅ••••••」

 

そこまで長くはしないスマートなキスに済ませておいた。すぐに顔を離して目を向けると、彼女の頬は紅潮していた。

 

咲姫「まだ足りない••••••」

 

天「••••••わかったよ」

 

軽いキス程度じゃ満足していただけないらしい。そのまま抱きつかれて、唇を貪られた。

 

咲姫「んっ、んんっ、ちゅ、んぅ••••••」

 

ただひたすらに身体を引き寄せられて接吻を続けているわけだが、幸せなのに変わりはない。何か違うような気がする。

 

天「(あ、これ•••牛乳の味だ)」

 

お互いに牛乳を飲んだ直後だったので、ものすごくクリーミーな味わいがやってきていたのだ。違和感これかよ。

 

天「••••••満足か?」

 

咲姫「うん、すごく幸せだった」

 

満面の笑みでそんな言葉をブチ込んでくる。逆にこっちが照れてしまって敵わない。

 

天「満足したなら戻るぞ。流石に寝ないと明日に影響する」

 

咲姫「うん。明日もキス、してくれる?」

 

天「••••••帰った時にでもな」

 

短く、それでいて小さく言葉を返して、咲姫の手を握りながら部屋へと歩を進めた。握り返してくれた咲姫の手は、心なしか温かかった。




それではまた何処かで。来週会えるといいな•••
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