敏腕(感)男、マネージャーするってよ   作:如水くん

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皆様お久しぶりです。如水です。長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした•••。リアルの方が忙しかった•••というより色々な事をやっていて小説にまで手が回っていませんでした。本当にすみません。


密着取材前編

天「••••••俺をホームページに掲載する?」

 

紗乃「あぁ」

 

仕事中、突然とやってきた姫神プロデューサーにそんな発言を投げつけられる。

 

天「どういう風の吹き回しですか?」

 

紗乃「いや、最近神山の話題がチラホラと流れてきてな。いっそのこと事務所のホームページにマネージャーとして堂々と載せようと思ったんだ。ちなみに彼女たちは喜んでいたぞ」

 

天「なんでこういう時は守ってくれねぇんだよ••••••」

 

紗乃「そもそもお前が彼女たちを守る立場なのだが」

 

ごもっともです本当にすみませんでした。ぐうの音も出ないほどの正論を前に、俺はあまりにも無力だった。

流石この事務所全体をまとめ上げるバケモノなだけある。弱点がない。

 

天「••••••具体的にどうするんですか」

 

紗乃「簡単な話だ。キミの私生活を写真に収めてもらう」

 

天「•••••••••」

 

前言撤回。やっぱバカだこの人。いやバカ以前にもう頭がおかしいよ。

 

天「嫌ですけど!?なんでわざわざ自分のプライベート晒さないといけないんですか!?」

 

紗乃「出雲が言うには至って普通らしいがダメなのか?」

 

天「•••••••••確かに見られて恥ずかしいような生活はしてませんけど」

 

それでもなんというか、人として大切なものを失ってしまいそうなのだ。そういった危機感が俺の心を蝕んでいく。

 

•••••そういうわけで今日一日を俺は写真に撮られまくることになった。泣いていいですか?人権なくなる。

 

乙和「というわけで!今日は一日密着させてもらうよー!」

 

そして撮影係はPhoton Maidenの四人だった。俺の事をよく知ってるから確かに適任か。

 

天「変な姿は取らないでくださいよ?あくまで宣伝というか紹介なんですから」

 

乙和「わかってるよー。まだお仕事残ってるんだっけ?」

 

乙和さんからの問いかけに、俺は小さく頷く。

すぐに四人から目を離して、万年筆を握った。

 

乙和「いいね〜キマッてるね〜」

 

ノア「ちょっと乙和!私にも天くんを撮らせてよ!」

 

衣舞紀「誰でも変わらないと思うけど••••••」

 

衣舞紀さんが宥めようとしている中で、乙和さんとノアさんは相変わらず言葉の投げつけ合いを行っていた。よく飽きないよな本当に。

 

乙和「さて天くん!今日のご予定は!?」

 

天「••••••仕事片付けたら買い物をしてさっさと家に帰りますけど」

 

乙和「とりあえず一日密着だから家までついていくね!」

 

天「•••••••••えぇ(困惑)」

 

目の前のライトグリーンの髪をした少女は、さも当たり前と言いたげに我が家に転がり込むという発言をしたのだ。

そもそも私生活を取るところがおかしいんだよ。仕事となんも関係ねぇじゃん。

 

乙和「咲姫ちゃんも天くんの事をたくさんの人に知って欲しいよねー?」

 

咲姫「はい。天くんはとても素敵な人だから、きっと色んな人に好きになってもらえると思う」

 

天「咲姫まで乗らないでくれよ••••••」

 

唯一の味方と思っていた咲姫ですらあっちサイドだ。完全に王手を掛けられてしまって逃げ場がどんどんなくなっていってる。

 

天「衣舞紀さん助けてください」

 

衣舞紀「うーん••••••助けたいけど、事務所が決めた事でしょ?私一人じゃどうにも••••••」

 

天「クソがよ!」

 

万年筆を走らせながら、俺は悲痛の叫びを上げる。防音が効いてるだけあって、低音が木霊した。

 

乙和「いつ終わるのー?」

 

天「後少しですけど早く帰ってくれません?」

 

さっきからシャッターの音がクソ五月蠅くて作業に集中できない。乙和さんからしたらそんなことは関係ないのか、どんどん人差し指を動かして俺の姿を収めていた。

 

ノア「結構撮ったんじゃない?そろそろ出ていかないと天くん怒りそうだよ」

 

乙和「•••流石に怒られるのは勘弁したいかな」

 

空気を読んだノアさんがカメラ女を嗜めて仕事部屋を出て行った。

俺は安堵からか、大きなため息を吐いて椅子の背に体重を預けた。

 

天「はぁー•••なんでこう面倒事が多いんだ」

 

前の職場ではこんな事は全くなかったのに、この事務所に所属してからやる事が途端に増えた気がする。

そもそも周りが俺とほとんど歳の変わらない少女たちだ。そりゃまだ子供らしい行動が出てきてもおかしくないだろうが、だからと言って他者に迷惑を掛けてしまうのでは、という判断くらいはして欲しいものだ。

 

天「まぁ、基本問題は乙和さんしか持ってこないけどな••••••」

 

よくよく考えなくても、大抵の事件は乙和さんが引き金になっている。最早厄神だろあの人。

 

ーーと、あれこれ考えていたらいつの間にかやる事は終わっていた。パソコンを閉じてバッグにしまってから、俺は立ち上がる。

 

天「そういや、買うものどうしよ•••」

 

月からは特にあれを買えこれを買え、とは言われてないし更に言うなら今日作るものも決まっていないので余計に買うものに悩んだ。

いや、何も言われてないと言うことは自分の好きなものを買っていけばいいではないか。

俺の目はキラン、と輝いた。これは今すぐショッピングに出かけなければ損というやつだ。

鞄を背負って即座に部屋を飛び出した俺は、急いで階段を駆け降りた。

 

乙和「あっ!天くんおつかれーー」

 

天「今日は祭りだああぁぁ!!」

 

声を掛けてくれた乙和さんをガン無視して、俺は颯爽と走り抜けていった。

 

乙和「•••••••••えっと?」

 

咲姫「急いでた•••けど、なんだか嬉しそう?」

 

衣舞紀「とりあえず追いかけようか。何かありそうだし」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

近場のスーパーにやってきた俺は。カートを転がしながら精肉コーナーに訪れていた。やはり肉。肉しか勝たん!

これでもかと並ぶ赤身達に俺は目を輝かせて、好きなだけ籠に詰めていく。

 

ノア「なんか大量のお肉買ってるけど今日のご飯はシュラスコにするのかな?」

 

乙和「しゅ、しゅら•••何?」

 

咲姫「シュラスコは串にお肉を刺して焼くブラジルの料理です」

 

首を傾げる乙和さんにすかさず咲姫がフォローを入れる。一応気づいてはいるけど•••その尾行スタイルやめない?周りから変な目で見られてるぞ。

 

天「(通報する人が出ないといいが••••••)」

 

何せやってることが後ろからの盗撮行為だ。周りからはストーカーの類と見られてもおかしくはないだろう。

いやまず最近の世知辛い世の中じゃ通報すらめんどくさがってやらなさそうだけど()

 

一通り買い物を終えた俺はレジで会計を済ませて、袋にそれらを詰め込んだ。

スーパーを後にしたところで、俺はため息を吐いて振り返る。

 

天「いつまで後ろでコソコソしてるんですか。もうすぐ家に着きますし、ご近所さんの目があるのでそろそろ勘弁して欲しいんですけど」

 

曲がり角に隠れてるであろう四人に呆れながら言葉を投げると、静かに四人が姿を現した。

 

天「どうせこの後飯食うんですから、さっさと帰りますよ」

 

咲姫「うんっ」

 

咲姫はすぐに俺の隣に駆け寄ってくる。それに続いて乙和さん達も向かってきた。

 

乙和「ねぇねぇ、お昼って、その•••しゅらすこ?って言うのをするんだよね?」

 

天「まぁ、そうですね••••••え、もしかしてシュラスコ知らないんですか?」

 

乙和「そそそそんなわけないじゃん!?」

 

天「••••••••••••」

 

これ絶対知らないヤツだな、と俺はため息を吐く。どうせノアさんに教えてもらってたんだろうなぁ。まぁその現場聞いてたんだけども。

 

咲姫「少し寒くなってきたね」

 

天「••••••あぁ、そうだな」

 

もう九月も中盤に差し掛かり、少しずつ寒さを感じるようになってきた。それでも日によっては直射日光ビンビンの暑い時もあるが。

 

天「しばらくしたらもっと寒くなるし、防寒着とかの準備をしておかないとな。••••••咲姫はそこまで心配しなくていいな」

 

咲姫「私は慣れてるから」

 

天「へーへー頼もしいことで」

 

適当にあしらいながらようやく見え始めた我が家を見て、俺たちは小さく微笑んだ。




多分投稿頻度は空くと思いますので、気長に待っていただけると幸いです。
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