さて、発表の方なのですが••••••五月まで伸びました。頼むからはよ終わらせてくれ。しかも咲姫の誕生日と被ってるしどないすりゃええねん••••••。
そういうわけなのですが、ゴールデンウィークを使って少しでも進めますので許してください、マジで。ではまた五月の終わり頃に•••あ、ライブでいねぇわ俺。
天「ひ、酷い目に遭った••••••」
ボロボロの、これでもかと言うくらいみっともない状態で、俺は命からがら部屋に戻る。
入ってすぐに焼野原くんの五月蝿い笑い声が響いてきた。寝起きの耳に響く。
焼野原「こってり絞られてきたな!あ〜面白かった」
天「笑い事じゃないんだが••••••。あーもう、朝からキッツいわ」
自分のベッドに勢いよく寝転がって、クソデカため息を吐く。
焼野原「おーい?この後自由行動だぞ。寝るなよ?」
天「わかってる。一応昨日はちゃんと寝たから寝落ちすることはない」
焼野原「信用なんねぇなぁ•••。昨日は朝からあんなに寝てた癖に」
天「うるっさいなぁ•••疲れてたんだよ。勘弁してくれ」
頭をボリボリと掻きながら、心底不機嫌そうに俺は言葉を漏らす。
焼野原「出雲さんどころか大量の女の子とイチャついといてそれだから本当にメンタルすげぇよな」
天「いんや、メンタルはかなりやられた。精神的に少し辛かったぞ。昨日は」
焼野原「•••マジで言ってる?」
天「経験者は語る、ってやつだ」
ありえない、と言いたげな顔をする焼野原くんに対して、俺は無表情で答える。
焼野原「と、とりあえず•••外に出るぞ。いい加減出ないと先生に何言われるかわからん」
天「はいはい、わかったよ」
鞄を手に取って、親父のようによっこいしょと声を漏らしながら立ち上がる。
天「自由行動っつったけど、別に俺が単独で動いてもいいって事だよな?」
焼野原「あ?まぁそうだが•••。お前一人で行くのか?」
天「あぁ。少しやりたいことがあるんだよ」
焼野原「デート?」
天「ちげぇよ!!」
ニヤリといやらしい笑みを向けられながらの問いに、俺は大きい声で返す。
天「大阪来たんだから、一日くらいは自由に探索してみたいんだよ。ライブ会場とか色々」
焼野原「結局仕事しに来てるもんじゃねーか!!」
天「別にちゃんと遊ぶからいいだろ••••••」
彼からの怒声に俺は耳を塞ぎながら目を逸らす。
何も下見だけが全てじゃないんだ。ちゃんと大阪ならではのものを色々食べたり見たりして周るつもりだ。
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ちゃんと宣言通りに俺はボッチになった。よくわからない地で一人なんて心底寂しくて辛いものかもしれないが、今のこの時代には『スマートフォン』というものがある。これで地図アプリ使っとけば基本大丈夫だろう。まぁ、地図すら読めない人間にはキツいかもしれないがな、ガハハ。
衣舞紀「へくしっ!!」
乙和「急にどうしたの?寒い?」
衣舞紀「最近どんどん寒くなってる所為かな•••急にくしゃみが」
ノア「ちゃんと防寒対策しないとね。これから更に寒くなっちゃうし」
乙和「そうだね〜。早く二人とも帰ってこないかな〜!」
衣舞紀「昨日行ったばかりなのにすぐ帰ってくるはずがないでしょう?」
ノア「早く帰ってこないと私が咲姫ちゃんと天くんを愛でる事ができない••••••」
天「ハックション!!なんだ•••誰か噂でもしてるのか••••••?」
唐突に背筋に寒さを感じて、くしゃみが飛び出てきた。
しっかり防寒しているのに出ると言うことは『そういうこと』だろう。誰だよ。
天「さて•••と、仕事っつって単独にあえてなったけど何処行こうかな」
特別行きたいところがあるわけでもなく、ボケーっと突っ立っていると、突然携帯が振動を開始する。
天「え、誰だよ•••って月か」
こんな朝っぱらから何の用だと心の中で愚痴りながら、俺は携帯を手に取って通話ボタンをタップした。
天「もしもし?」
月『もしもしお兄ちゃん?修学旅行は楽しんでるかな?』
天「あーぼちぼちとな。そっちはどうなんだ?ちゃんと大人しくしてるか?」
答えに窮したが、とりあえず何でもない風を装って無気力に言葉を返す。
月『子供扱いし過ぎ。もうすぐ高校生になるこの私が人様に迷惑を掛けるとお思いで?』
天「じゃあ春奈に直接訊く。変われ」
月『••••••いやーそのー、何と言いますか•••』
天「さっさとしろよ」
急に弱々しくなったが、そんな事は関係ない。圧を掛けるように言葉を重ねてどんどん追い詰めていく。
春奈『変わりましたわ。お久しぶりです、天さん』
天「んー、久しぶり。月はちゃんとしてるか?」
春奈『している•••と言いたいですが、やはりと言うべきか胡桃さんやみいこさんと一緒になっていつも騒いでいます』
天「まぁ•••うん•••大方予想はついてたからこれ以上はいいよ••••••」
どうせ二人と結託してギャーギャーしているんだろうなぁ、というのは大方予想はついていたが結局だった。
天「でも元気そうで何よりだ。早く春奈たちにも会いたいもんだ」
春奈『そうですね。またそちらに遊びに行きます』
天「おー、楽しみにしてる」
今後の事に花を咲かせながら話しているが、その傍らこの後どうしようかと考えていた。
結局何をしようかとか全くもって決まっていないので、頭の中が圧倒的宇宙になっていた。頭ワルワル。
春奈『ではそろそろ失礼してーーちょっと胡桃さん!?』
天「•••なんかそっち大変そうだな。切るよ」
また一段と騒がしくなる予感を感じたので、慣れた操作で通話を終わらせる。
一つ大きな欠伸をしながら、マップを見ながら適当に歩く。
天「大阪と言えば飯だよな•••適当になんか飯屋でも探そうかな」
自由行動は夕方の六時まである。今は朝の九時。アホみたいに余裕があるのだ。
咲姫と自由行動をするという予定自体は立てているが、別に今日という訳ではないので特段気にする事なく自分のことに集中していた。
咲姫「行く場所は決めた?」
天「そうだなー。とりあえず美味い飯屋探してその周りをウロウロ•••••••••は?」
後ろから携帯を覗き込む人間を感知して、俺は固まってしまった。
首をギリギリいわせながらゆっくりと振り返ると、何故か咲姫の姿があった。なんでいんの???
天「え、いつから••••••」
咲姫「最初からついて行ってた」
天「えぇ••••••全然気が付かなかった」
基本的に咲姫がいたら気がつくはずなのだが、今回ばかりは全くわからなかった。
何処かに潜伏してイカニンジャでも積んでたんじゃないのこの子?
咲姫「それで、何処に行く?」
天「•••••••••考え直していいすか」
咲姫「いいよ」
ノーコンマで笑顔で返された。大阪ってデートスポットあんの?最終日にU◯J行くからそこでデートすればいいやと思ってたけど、それ以外となると何処があるんだ?
いっそのこと今からもう京都に行く?いやでも一発目からそれはもう後がなくなってしまう。
天「適当に歩く?」
結局答えに窮した俺から出た言葉は彼氏としてあり得ない言葉だった。本当にしょうもない。
咲姫「うん」
特に不満もない様子で咲姫が頷くと、すぐさま俺の手を握った。
天「そういや、りんく達は?」
よくよく見ればりんくや他のメンツの姿がない。事前に行く場所とか決めてたのか?
咲姫「天くんのところに行くって言って別れたよ」
天「そ、そうなのか•••りんくの事だから逃さないかついてくると思ったんだが」
なんというか•••りんくらしくない。いい意味でも悪い意味でも空気が読めないのが彼女なのに。流石に怒られそう。
天「ちょっと歩いたら飯でも行くか。大阪ならではのものを食べたいし」
咲姫「そうだね。たこ焼きとかお好み焼きとか••••••」
天「カニ◯楽も行ってみるか?」
咲姫「そんなにたくさん行ってたらお腹壊しちゃうよ?」
クスクスと笑いながら俺に顔を向ける。それに笑みを一つだけ返して、一応決まった目的地に向かって歩き始めた。
後半にかけて急ピッチで仕上げたので物足りない内容だったと思いますがお許しください。次回はちゃんと書きます•••。