天「それじゃ、行ってくる」
咲姫「行ってきます、月ちゃん」
月「行ってらっしゃーい!気をつけてね!」
元気にブンブン手を振って見送ってくれる月に対して、俺たちも小さくだが手を振り返した。
家の外に出ると、暖かい日差しが容赦なく俺たちに襲い掛かる。多少厚着だがまぁ大丈夫だろう。
咲姫「まず最初は何処に行く?」
天「そうだなぁ••••••ショッピングモールとかに行くか•••。その後ド◯•キホーテにでも行こう。ド◯キは売ってるもの大概安いから買い溜めしておきたい」
咲姫「うん、わかった」
咲姫が俺の手を握る。俺も握り返して歩幅を完全に咲姫に合わせる。
天「朝はビックリしたな•••月があんなこと訊いてくるから」
咲姫「うん••••••あそこまで直球だとは思わなかった」
月は良くも悪くも素直だ。言いつけはしっかり守るいい子だが、気に入らない事とか気になる事はズバズバ言う。
天「今後俺の家でするのはやめといた方がいいな•••」
主に家族の問題で。月は必ずからかってくるだろうし、母さんは問い詰めてくる。父さんに関しては何されるか一番わからないから怖すぎる。ロクでもない結末になる事だけは確定しているのが余計にタチが悪い。
ショッピングモールに到着する。日曜日というのもあって、周りは人で溢れかえっていた。お互いにはぐれないように手をしっかり握る。
咲姫「もう少しくっついてもいい?」
天「あぁ」
ただ手を繋いでいるだけだと、人混みに流されるかもしれないのを危惧したのだろう。腕に抱きついて咲姫の身体がくっつく。それと同時に腕に咲姫の胸の感触が伝わってきて、少しドキドキしてしまった。
天「しかし人多いな•••この時間に来るのは失敗だったか?」
咲姫「日曜日だから仕方ないよ。どの時間でも人はたくさんいると思う」
確かに咲姫の言う通りかもしれない。時間帯なぞ関係なく休日は人が多い。それは重々承知してここに来たのだから、何が何でも人混みを抜けたいところ。
天「お、ス◯バ。何か飲んで行くか?」
咲姫「うん」
大量の人間の塊から逃げるように俺たちはス◯ーバックスに駆け込んだ。幸いここは空いていたので、フラッペを注文して席に着いた。俺は牛乳の塊フラッペにした。一番大きいサイズにしたので600円もした。財布が痛い。咲姫はいかにも彼女が選びそうなフルーツフラッペだ。
天「あー•••甘ぇ•••」
ミルクと砂糖の美味しさが口いっぱいに広がる。そして氷のガリガリした食感もまたいい。
咲姫「美味しい••••••」
咲姫もフラッペを飲んでご満悦のようだ。少し蕩けた表情で飲んでいる。少し空気が柔らかくなった気がした。
天「さて、何処に行くかだな」
咲姫「私は特に目的もなく来たから•••」
天「じゃあパソコンのコーナー行ってもいいか?パソコンを新調したくて」
今使ってるパソコンはマネージャーを始めた頃、要は三年前から使っているものだ。最近ガタが来始め、調子が悪くなってきている。だからさっさと新しいのに変えて、仕事に支障をきたさないようにしたい。
咲姫「うん、飲み終わったら行こう」
天「ん。もう少し小さいの頼めば良かったかも•••」
今更になって後悔する。調子に乗って1番デカいサイズを頼んだのが仇となった。すぐに飲み切るのは難しいかもしれない。
咲姫「んっ」
天「あ、ちょっ」
有無を言わせず咲姫が俺のフラッペのストローを咥えた。そのまま中身を吸って氷を噛んだ。
咲姫「これも美味しいね」
天「ホント遠慮しなくなったよな咲姫」
前までなら必ず確認を取ってきていたのに、今回は何も言わずに突然飲んだ。
咲姫「これくらいなら今更と思う」
天「確かにそうだな•••。あんなこともしたんだし」
途端に咲姫の顔が赤くなった。まだその話をされるのは慣れないようで、俯いた。
咲姫「天くんの•••えっち」
天「悪かった」
詫びとも何とも言えないが頭を撫でてやる。少しだけ機嫌が良くなった。チョロいなぁ•••()
何とか飲み物を飲み終えて、パソコンがズラッと並んでいる所へとやってきた。どのパソコンもホーム画面が開かれて陳列されている。ちなみに俺が買うのはノートパソコンだ。持ち運びとかが楽なのを選びたいが1番はスペック重視だ。
咲姫「買うメーカーとかは決めてる?」
天「マ◯クは元から使う気ないからWin◯ows10の日本メーカーにするつもりだ」
まぁ富◯通なのはほぼ確定なんですけどね。スペックなどを確認しながらパソコンを見ていく。うーん、いかんせんいいのが見つからない。スペックは申し分ないのはいくらでもある。だが値段がまぁまぁ張る。
咲姫「これとかどう?スペックも価格もいいと思う」
咲姫が一つのパソコンを指さした。富◯通のパソコンだった。これ、去年のやつだな•••。値段もお得でスペックもかなり高い。少なくとも事務に使う分にはオーバーとも言えるようなスペックだった。
天「いいなこれ。これにしよう」
咲姫「そんなに簡単に決めて大丈夫?」
天「いいんだよ。どうせ仕事にしか使わないんだし、使うにしても出番は少ないだろうしな」
基本的にパソコンを使う時は事務所内にスケジュールを流す事と、ライブなどの報告書を作る時にプリンターに接続して印刷するくらいだ。最早近年稀にミラー☆とも言える。
ぶっちゃけ家には最新のデスクトップのパソコンがあるからいいし()
天「あ、すみません。これの新品を一つお願いできますか?」
近くにいた店員を捕まえて、俺は会計を済ませた。パソコンは2kgと軽いので簡単に持ち運ぶ事ができた。後ついでに今のより性能の高いヘッドホンを買っておいた。これでさらに音楽を細かく聴くことができる。やったぜ。
ショッピングモールでのあれこれは終わったので、次はド◯キにやってきた。入ってすぐにクレーンゲームなどのコインゲームが立ち並ぶ。今はそんな事をする気はないので、買い物カゴを持って商品を物色する。
流石ド◯キと言うべきだろうか、かなりお安い。それに大抵何でもあるので、これがないあれがないと言ったトラブルも少ない。
俺はポイポイと買い物カゴにおにぎりやらパンやらを詰めていく。ここのおにぎり、普通に美味い癖に60円なんだぜ?
咲姫「たくさん入れてるけど、全部天くんが食べるの?」
天「まさか。大量に買って置いておくと、不定期で帰ってくる父さんが食べてくれるんだよ」
咲姫「お父さんの為だったんだ。優しいね、天くん」
天「まぁ•••世話になってるからな」
俺は顔を逸らす。咲姫はニコニコとして俺の腕を抱き寄せた。更に咲姫の胸の感触が伝わってきて頭の中がぐちゃぐちゃになる。
咲姫「買い物が終わったら、どこかお昼ご飯食べに行こう?」
天「わかった。何かリクエストとかあるか?」
咲姫「••••••うどん」
天「俺に合わせたな?」
うどん食べたいなーと少し思った瞬間に咲姫が言葉を漏らした。これは確信犯だろう。要は俺が食べたいものを咲姫が食べたいということだろう。
咲姫「今日は私が天くんに付き合わせたから、お昼ご飯くらいは天くんが決めて」
天「わかった•••じゃあうどんでいいか?」
咲姫「うん」
コクリと頷いた。俺はまたおにぎりを買い物カゴに入れて、気を紛らわした。
ビニール袋の中には大量のおにぎりとパンが入っているだろう。重量もかなりのものとなり、ずっしりとした重さが片腕に伝わってくる。
咲姫「重くない?持つよ?」
天「女の子に荷物持たせるとか情けない真似できるかよ。それにこれ全部俺の荷物だから余計に任せられん」
ここでやはりと言うべきか、男の見栄というものが出てくる。ぶっちゃけ片手でも全然いける重量なので咲姫に持たせる程の事ではない。
丸◯製麺に到着し、うどんを注文して少しばかり天ぷらとかを取って席に着いた。
天「ここのうどん美味ぇな」
咲姫「麺がモチモチしてる•••」
咲姫はうどんを飲み込める程細かくできていないのか、何度も咀嚼を繰り返している。それに対して俺はズルズルとうどんを吸って噛んで飲み込んでいる。麺もそうだが、出汁もかなり美味い。
天ぷらも口に含む。ちなみに天ぷらは塩派だ。カリッとした小気味いい音と共に噛み切られる。
天「もぐもぐ•••んっ。まだ麺食べてたのか?」
咲姫「中々飲み込めない•••」
まだ口の中でもごもごとしていた。可愛いなこの生き物。
天「待ってるからゆっくり食えよ?」
咲姫「う、うん」
逆効果だったかもな。かえって急いで食べ始めてしまった。それで喉に詰まらないか心配だが、今は止められそうにもなかった。
昼食を食べたところで、本格的にやる事がなくなったので家に帰ってきた。俺はパソコンのセッティングをするが、いかんせん手持ち無沙汰な咲姫はベッドに座って外を眺めていた。
天「よし、終わった」
何とかパソコンの初期設定を終わらせる事ができ、俺もベッドに座った。
咲姫「何かする事ない•••?」
天「ないな•••俺はこういう時は昼寝してるけど、咲姫はどうする?」
咲姫「私も、寝たいかも。少し疲れた」
どうやらお互い眠たいようで、ベッドに寝転がった。すぐに咲姫は俺にくっついて来たので抱きしめる。
咲姫「やっぱり安心する•••」
天「あぁ」
しかし、寝転がった所為で本格的に眠気が襲って来た。重たくなった瞼の力を抜いて目を閉じる。咲姫からはもう既に寝息が聞こえていたので、俺も安心して眠りについた。
感想評価お待ちしてます、と言いたいが今回は来る気がしねぇ•••というかお気に入り外されそうだし低評価受けそう•••。