敏腕(感)男、マネージャーするってよ   作:如水くん

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文化祭楽しかったー!ステージ発表めちゃくちゃ笑わせてもらった!明日は遠足かぁ•••はぁ•••(絶望)。


厚着したはずなのに寒いってよくあるよね

忙しくなるとは言ったが、だからと言って休みを入れないわけではない。たまには休みを入れないとモチベーションが下がる上に体調を崩しかねない。

せっかくの休みという事なので、前々から咲姫と計画してた北海道日帰り旅行に来ていた。飛行機に乗って新千歳空港で降りる。

 

天「さっむ」

 

思った以上の寒波に俺の身体は震えた。多少厚着はしてきたはずだが、それを貫通する程とは恐ろしい。

 

咲姫「もっと着て来てもよかったと思う」

天「咲姫の言う通りもうちょっと厚着にすれば良かった」

 

今更ながらに後悔した。そんでもって周りは雪だらけだ。雪は降っていないが、それでも雪の積もりはかなりのものだった。

 

咲姫「えいっ」

天「ぶふっ!?」

 

突然顔に冷たいものが飛んできた。これ•••雪か?咲姫の方を見ると、丸めた雪玉を持っていた。やりやがったなこいつ。

 

咲姫「油断大敵•••」

天「上等じゃこの野郎」

 

俺は咲姫の元へ歩み寄る。彼女が投げる雪玉を躱して躱して躱しまくる。持ち玉がなくなった咲姫は次の雪玉を作成しようと地面の雪を集めるがーー、

 

天「そらっ!」

咲姫「わぷっ」

 

飛びついて雪の中へ倒れ込んだ。雪がクッションとなって、全く痛くなかった。

 

天「ほら捕まえたぞ」

咲姫「避けるのはズルい•••」

 

文句を言う咲姫だったが、俺の背中に腕を回して離れる様子はなかった。かくいう俺も咲姫を抱きしめているわけだが。

 

天「さてどうするか。ここで雪合戦なんてしてないで、そろそろ移動するか」

咲姫「うん。色々なところをまわりたい」

 

立ち上がって雪を払う。普段雪で遊ぶ事がないものだから新鮮で楽しかった。

 

駅まで歩いて行き、電車に乗って札幌まで移動した。まぁ当たり前だが外は雪で溢れかえっていた。ザクっザクっと雪を踏む音がなんだか気持ちいい。

 

咲姫「ーーあっ」

 

咲姫の足が雪の中へ深く埋まり、その所為で咲姫は体勢を崩す。

 

天「おっと」

 

咲姫の手をしっかり握りながら、こちらに身体を抱き寄せる。

 

天「大丈夫か?」

咲姫「うん、ありがとう」

 

無理矢理足を出して雪の拘束から逃れる。また歩き出すが、なんだかさっきより寒く感じる。

 

まず最初に札幌市時計台に訪れた。ここは昔札幌農学校(現北海道大学)の演舞場として設立されたらしい。今はその歴史を紹介する展示施設となっている。何気に高校生は無料というのがありがたい。

 

スタッフ「観光の方ですか?」

天「はい、東京から来ました」

 

スタッフの方に話しかけられ、俺は丁寧に答える。東京、と聞いてスタッフさんは少し驚いた表情を見せた。

 

スタッフ「遠くからようこそお越しくださいました。ごゆっくり見学して行ってください」

天「はい、ありがとうございます」

 

俺が頭を下げると、それに続くように咲姫も頭を下げた。

 

スタッフ「可愛い彼女さんですね」

天「そうですね、可愛いです」

咲姫「ッ!?」

 

咲姫の顔が赤くなる。元々肌が白いのもあって、とてもわかりやすかった。というかそういう反応するから可愛いって言われるんだぞ。

 

 

天「はぇーすっごい」

 

どれも興味をそそられるような印象的なもので溢れかえっていた。写真もパシャパシャ撮ってフォルダに残していく。

 

咲姫「そ、天くん•••」

天「んー、なんだ?」

咲姫「さっきの、可愛いって言うのは•••」

天「本音だが?」

咲姫「う、うん••••••」

 

俺の手を握っている咲姫の手がモゾモゾと動いたのを俺は感じた。でも今は展示品に夢中になっていて、そっちには気がまわらなかった。

 

咲姫「わ、私も天くんの事•••カッコいいと思う•••」

天「ん、ありがとう」

 

感謝の意を込めて頭を撫でてやる。

 

咲姫「•••えへへ」

 

頬を赤く染めながら小さく笑う姿は、大変可愛らしかった。

 

札幌市時計台を出た後は何をしようかと悩んでいた。ただ、東京から北海道まで行くというのはかなり時間がかかるので、あまり遅くまで遊ぶ事ができない。泊まり込みなら良かったが、生憎明日はレッスンがある。往復で計六時間は流石にヤバい。

 

地下鉄に乗り、訪れたのは二条市場だ。単純にここに来たのはお土産にカニとかホタテでも買おうかと思ったからだ。それに色々な飲食店があるらしいので、昼食もここで済ませようと思ったのだ。

 

天「色んな店があるな•••」

咲姫「あっ、青果店•••」

 

真っ先に咲姫は果物に興味を示した。せっかくなので寄ってみる事に。

確か北海道の有名な果物はメロンとリンゴだったはずだ。どちらかと言うとメロンの方が有名だったのを覚えている。

 

青果店主「へいらっしゃい!何をお探しかな!?」

咲姫「メロンが食べたいです」

青果店主「メロン?色々あるからなぁ•••一番有名なのはこのアサヒメロンってやつだが、どうだい?」

 

アサヒメロンねぇ•••一つ五千円って中々にいいお値段するな。

 

天「じゃあそれ買います。他にもリンゴとか貰えますか?」

青果店主「は?姉ちゃんかなり金持ってんだなぁ。顔はいいけど声低いなぁ」

天「自分男です」

青果店主「••••••冗談キツいぜ姉ちゃん!そんな顔して男なんてありえねぇぜ!」

天「男です」

青果店主「••••••そうなのか」

 

疑り深い店主だな、と心の中で毒を吐く。とりあえず例のアサヒメロンを買って、リンゴや他の果物も買った。

 

咲姫「大丈夫なの•••?そんなにお金使って」

天「これくらいなら全然平気だ。咲姫、メロン食べたかったんだろ?」

咲姫「そうだけど•••だからって買ってもらうのは•••」

天「気にするな。好きな人の前ではカッコつけたいんだよ」

咲姫「そう•••ありがとう」

天「そりゃどうも」

 

最近はお金をバンバン使うこともなかったのでかなり余裕がある。これくらいならまだ大丈夫だ。

この後ついでにカニとホタテも買って、昼食を食べにラーメン屋に入った。バター味噌ラーメンなるものが気になり、それを注文する。咲姫も同じものを頼んだ。

ラーメンを啜る。バターと味噌ってかなり合うな。マ◯クのフ◯レオフィ◯シュバーガーより1000倍こっちの方が美味い。お前の店もう行けねぇ。

 

咲姫「味は濃いけど、さっぱりしてる•••」

天「だからか。なんだか食べやすかったんだよな」

 

味は濃い癖に何故か飽きないと思っていたらそういうことか。卵にも味が染みててかなり美味い。

 

天「北海道のラーメンってこんなに美味かったんだな•••」

咲姫「味噌バターのラーメンなんて初めて食べた」

 

都会で薄汚れた語彙力では、このラーメンの素晴らしさを語ることは無理な話だった。その後もうめぇうめぇ言いながら完食した。

 

時間も時間なので、俺と咲姫は空港へと戻っていた。飛行機に乗り込み、出発するまで色々話し合う。

 

天「ちょっとしかまわれなかったが、楽しかったな」

咲姫「うん、すごく楽しかった」

 

咲姫も満足したようで、安心した。というか今度は味噌バターラーメン目的で訪れたいまである。それくらいあそこのラーメンは美味かった。

 

咲姫「でも、ちょっと疲れた••••••」

天「眠いなら寝ていいぞ?」

咲姫「•••まだ、天くんとお話ししたい•••」

天「帰ってきてからでもできるだろ?今は寝ておけ」

咲姫「うん••••••」

 

俺の方に頭を乗せて、彼女は眠ってしまった。かくいう俺もかなり眠気が襲いかかっていた。

 

天「•••俺も寝ておこうかな••••••」

 

そこまで歩き回ったわけではないが、慣れない環境というのもあって疲れていた。

眠る咲姫の頭を撫でると、彼女は声を漏らした。

 

咲姫「•••好き••••••」

天「•••俺も好きだよ」

 

俺は何処か安心して、席の背に体重を預けて、目を閉じた。どうせ、空港に着いたら起こされるんだし、景色は行きで見たし、今は眠っていたかった。




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