敏腕(感)男、マネージャーするってよ   作:如水くん

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三連休ktkr。小説書けるし積んでるエロゲの消化もできるし最高やな!というかマジでアイこめ終わらせないと••••••。


一夏の思い出と言えばコレだよコレ

日曜日の午後•••夏祭り当日だ。この日は予定通りにオフにしており、今からこのイベントの為にみんなで集まるのだ。

 

天「月は来なくていいのか?」

月「私はいいよ。何か行く気起こんないから」

天「そうか•••じゃ、行ってくるな」

月「楽しんでねー!」

 

月に見送られながら家の外へ出る。まだ夕陽が差し込んでいて少し暑いが、俺は小さく息を吐いて集合場所の駅前へと向かった。

 

駅前に到着したが、まだ誰も来ていなかった。壁に体重を預けて、目を閉じる。まだ少し眠たいので、彼女たちが来るまで一眠りしようか。そう思っていたが、意外にも彼女たちの到着は早かった。

 

咲姫「天くん」

天「•••ん?あっ」

 

名前を呼ばれて目を開けると、咲姫の顔がすぐ近くにあった。壁にもたれかかっていた状態を戻して、咲姫の姿をジロジロと見た。

白を基調に花の模様があしらわれた浴衣は、彼女の魅力を更に引き立たせていた。いつもはおろしている長い白髪も、今日は結われている。

 

咲姫「ど、どう•••?似合う•••?」

天「すごく似合ってる。可愛いよ」

咲姫「良かった•••」

 

安心したように笑う咲姫。俺は小さく笑みを返して、後ろにいた他の三人にも目をやる。しっかり浴衣だった。

 

衣舞紀「イチャイチャは終わった?早く神社に行きましょう。もう始まってるだろうから」

乙和「早速ゴー!美味しいもの食べまくるぞー!」

ノア「ライブ控えてるのにダメでしょ••••••」

天「乙和さんは飲食禁止でいいですかね?」

乙和「何で!?ひどーい!」

 

油断してたら屋台の食い物なんでも買って行ってしまいそうだからだ。来月は大量の人たちに自分を見せるわけだから太るのはいけない。

 

乙和「じゃあ天くんも食べるの禁止!」

天「え、嫌ですよ。俺はマネージャーだからそんなものに縛られなくていいんですよ」

乙和「差別だー!」

 

愚痴を叫ぶ乙和さんを俺は微笑ましそうに眺める。これじゃどっちが歳上か本気でわからなくなってしまうが、あんた本当に先輩だよな?()

 

会場の神社は沢山の人で賑わっていた。太鼓のリズムと共に踊りながらぐるぐる周る人たちは、とても楽しそうに見えた。

 

咲姫「何処から行く?」

 

俺の手を握りながら、咲姫は訊いてきた。俺はうーん、と唸る。

 

天「そっちから行くか、ちょうど人も少ないし」

咲姫「うん」

衣舞紀「それじゃ私たちはこっちの方に行くわね。後で落ち合いましょう」

天「了解しました」

 

また元の場所で集合し合う約束を取り、俺は咲姫と二人で歩き始めた。色々な屋台があり、どれを食べようかどれで楽しもうかとすごく悩ましい。

 

天「うわ、射的とか懐かしいな」

 

カウンターには数丁のコルク銃が置かれ、その奥には景品と思われる人形や置物、お菓子があった。

 

店主「お、なんだ嬢ちゃんたち。やるか?」

天「一回、お願いします」

店主「よし!五発だからな!」

 

弾数の説明を受けて、俺はコルク銃を構える。ちと小さいが、構え方の要領は同じだ。狙いをすませて•••。

 

天「ここだな」

 

ポンっ!と勢いよくコルクがぶっ飛び、置物に当たる。見事に倒れた。

 

店主「嬢ちゃん筋がいいな。射的慣れてるのか?」

天「どちらかというと本物の方が、ですかね•••」

咲姫「私も•••したい」

 

咲姫が乗り出してきた。おっちゃんに目を向けると、彼は快く頷いた。咲姫にコルク銃を渡して、後ろに引っ込んだ。

 

天「何か狙ってるものでもあるのか?」

咲姫「あれ••••••」

 

咲姫が指さしたものは熊のちいさいぬいぐるみだった。

 

咲姫「月ちゃんの部屋にあったぬいぐるみとよく似てる••••••」

天「月、あんなもん持ってたのか」

 

茶色の毛をした、大変可愛らしい熊だ。どう見てもそこらに置いてあるようなぬいぐるみだが、妙な愛くるしさを覚えた。

咲姫はコルク銃を構える。慣れていない不恰好なその構え方はなんだか可愛かった。コルクを放つが、明後日の方向へ飛んでいき、ぬいぐるみにはかすりもしなかった。

 

咲姫「あれ•••?」

天「違う違う、こうだ」

 

咲姫の後ろから覆い被さる形になり、右手と左手の上に自身の手を重ねる。構えを誘導して、ぬいぐるみに狙いを定める。

 

天「ここら辺」

咲姫「う、うん•••」

 

咲姫は引き金を引く。コルクは見事にぬいぐるみにヒットし、倒れた。

 

店主「おめでとう!嬢ちゃんすげぇなぁ!」

天「どうも」

咲姫「ありがとう、天くん」

 

ぬいぐるみを抱きながら咲姫は感謝を述べた。そんな彼女の頭を撫でてやり、残りの弾を打ち切った。

 

射的の結果は上々だ。あの後二発はお菓子に費やした。二発使って一つを手に入れたので旨味は少ないが、ないよりはマシと考えよう。

 

咲姫「ちょっとお腹が空いた••••••」

天「あー•••俺も少し減ったな」

 

時刻は19時前を回っており、腹が空くにはちょうどいい時間帯だった。近くの屋台が焼きそばをやっていたので、並んでから二人分注文する。

近くの石垣の所に座って、二人で焼きそばを啜っていた。味はまぁ普通。

 

咲姫「喉が渇いた•••」

天「ラムネでいいか?飲みかけだけど」

咲姫「欲しい•••」

 

射的をした後になんか気分で買ったラムネを咲姫に渡す。彼女はちびちびと少しずつ飲んでいった。

 

天「ずるずるずる••••••衣舞紀さんたち、大丈夫だろうか••••••」

 

いくら三人とはいえ女子だけで行動しているのだ。ナンパでもされたら対応によってはやられかねない。衣舞紀さんが正々堂々守ってくれそうだけど、やっぱり不安は残る。

 

咲姫「ん、ありがとう」

天「あ、あぁ、んくっんっ」

 

気を紛らわせる為にも、咲姫から返してもらったラムネを飲む。炭酸が喉を刺激して少し痛いが、不安を一時的にかき消すことができた。そして間接キスが気にならなくなったところに、妙な寂しさを感じた。

 

天「炭水化物に加えて炭酸••••••太りそうで怖いな」

 

たかがこの量で一晩経ったくらいで太るわけがないが、それでも多少の怖さはあった。

 

咲姫「まだ食べたいものを食べれてない••••••」

天「ん?咲姫が食べたいもの•••あぁ、あれか」

 

俺はなんとなく察しがついて、一つの屋台に目を向ける。りんご飴。果物が好きな咲姫らしいチョイスだ。が、俺にもこういう祭りに来たときには絶対に欠かせないものがある。それはわたあめだ。あの砂糖の塊の魅力には、どの屋台の定番も敵わないと思っている。

 

天「俺も買いたいものあるから、咲姫は先に買っててくれ」

咲姫「うん」

 

咲姫が頷いたのを確認して、俺はわたあめの屋台を探しに走った。

意外にもわたあめの屋台はすぐ近くにあったので、サーッと買って咲姫の元へ戻る。彼女は呑気にペロペロとりんご飴を舐めていた。

 

天「おまたせ」

咲姫「おかえり。わたあめ買いに行ってたんだね」

天「祭りといえばこれだからな」

 

大きい綿に俺はかぶりつく。甘味が口いっぱいに広がって、なんとも言えない幸せな気分になる。

 

天「そろそろ最初の場所に戻ろうか。もしかしたらみんなが待ってるかもしれないし」

咲姫「うん、行こう」

 

俺は咲姫の手を握った。お互い片手にわたあめとりんご飴を持ちながら歩いていく。

 

天「咲姫、食べるか?」

咲姫「いいの?」

天「結構デカいからな。ほら」

 

わたあめを咲姫の顔の前まで持っていく。彼女は小さい口をいっぱいに広げてかぶりついた。

 

咲姫「甘くて美味しい••••••」

天「りんご飴は•••全くなくなってないな」

 

咲姫は先ほどからずっと舐めてるだけで、噛んで砕くような事は一切していなかった。その所為で、中身のリンゴが出てくるどころか、まだ飴が周りに沢山ついている。

 

咲姫「天くんも食べる•••?思いっきり噛んでも大丈夫」

天「いいのか?じゃあお構いなく」

 

俺は口を広げて、りんご飴のリンゴの部分までかぶりついた。飴の甘味とリンゴの酸味が合わさって美味かった。

 

天「りんご飴なんて久しぶりに食べたな••••••」

咲姫「美味しい•••?」

天「あぁ、美味いよ」

 

俺は当たり障りもなく答える。いや予想以上にりんご飴が美味くて、少し驚いている自分がいる。そっちの方に頭が向いてて、咲姫の問いかけにあまりちゃんと対応できなかった。

 

ノア「食べ合いっこしてる天くんと咲姫ちゃんカワイイなぁ••••••!」

衣舞紀「ノア•••顔どうにかしよ•••?」

天「うへぇ、またノアさんが暴走してる••••••」

 

気がつけば最初の位置に到着しており、ノアさんはいつものヤツになっていた。最早見慣れた光景である。

 

天「花火は•••後どれくらいだったか•••」

乙和「後十分くらいしたらするよ〜。どこか穴場とか知らない?」

天「全くですね•••あーでも、花火あげるの向こうか••••••こっちに良いところがあるかもです」

 

俺は花火が放たれるであろう方角と逆の道を歩き始める。みんなはそれについて行き、しばらくすれば街をある程度眺められる場所に着いた。近くにあった廃れた建物の縁側に座ると、ちょうどよく空が眺める事ができた。

 

乙和「ここすっごくいいね〜!景色もいい!」

ノア「天くんこんな所知ってたんだね」

天「月が教えてくれたんですよ、ここ。なんでも小学生の時に、この秘密基地を建てる為に人目のつかない所を探してたらここに行き着いたらしいです」

咲姫「これ、月ちゃんが建てたんだ•••」

 

見た目はチンケなものだが、長い年月が経っても壊れないのは、昔から月が計算高くこれを建てたのだと教えてくれた。我が妹、流石の頭脳だ。

 

天「もうそろそろですね•••。さて、ちゃんと見えるか•••」

 

確信はなかった。だが、何処か大丈夫だろうという謎の安心感があった。隣の咲姫は俺の手に自身の手を重ねていて、こちらを見て笑顔になった。

••••••花火が上がった。色とりどりの光が、大きな音と共に空に広がる。その美しい光景を最後に見たのは中学のいつぶりだろうか。それはわからないが、すぐにそんな事などどうでもよくなる。今目の前に広がる景色には、そんな考え事など不要だからだ。

 

衣舞紀「綺麗ね•••」

ノア「はい、すごく•••」

乙和「たーまやー!」

 

衣舞紀さんとノアさんが感想を呟く中、乙和さんは定番セリフを叫んでいた。かくいう俺と咲姫は言葉を発さずに花火を眺めていた。

 

天「••••••綺麗だな」

咲姫「うん•••まるで、宇宙みたい」

 

宇宙か••••••咲姫にとってこの様々な色に溢れた景色は、宇宙なのだろう。俺にはイマイチピンと来なかったが、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけならわかる気がした。

 

天「今度のライブは、こんな景色が見られるんだな••••••期待してもいいか?」

咲姫「任せて。私にとっての宇宙を、天くんに見せる」

 

力強い言葉で言い切った咲姫の顔は、覚悟を決めていてスッキリとしていた。もう何も言うことはないだろうと、俺は無意識にそう感じた。そして花火に視線を戻して、ライブで見せられる、いや、魅せられる景色はどんなものなのだろうと、楽しみになった。




感想評価、オッスお願いしまーす。まずうち(の学校)さぁ•••屋上、あんだけど、焼いてかない?
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