天「••••••今日何月何日?」
仕事から帰ってきた俺は、カバンを置いてリビングの机に突っ伏す。らしくなく疲れた身体が悲鳴を上げていたおかげで、体重任せに勢いで倒れ込んでしまった。
月「3月12日だよ。何かあるの?」
天「•••ホワイトデーのお返ししねぇといけねぇじゃねぇかよ!!」
俺は頭を抱えて悲痛の叫びを上げる。妹が耳を塞いだのが横目に見えた。後で殺す。
月「こんなんでもモテモテだからなぁ•••それに今年は例年より沢山もらったから出費も激しいねぇ。お兄ちゃんの事だし、どうせ手作りとかしないんでしょ?」
天「•••流石に手作りは無理だわ。お菓子作りとかしたこともねぇし」
月「予算とか大丈夫?」
天「これでも稼いでんだ。全然イケる」
通帳から金おろさないといけないと言うのがとてつもなく面倒ではあるが。
明日は仕事終わりにショッピングモール直行コースだな間違いない。
月「あ、そういえば私お兄ちゃんにバレンタインチョコ渡してなかった」
天「そういえばそうだったな。お前の分出さなくていいから少しだけ楽になったわ」
月「私の分もちょうだい?」
天「自分で買えボケ」
月「いつになく辛辣!」
ノーコンマでドストレートな言葉を浴びせてやる。月の顔は驚きに満ち、大きな声が木霊した。
月「なんだよーいいじゃんかー妹の頼みくらい•••」
天「今まで散々ワガママ聞いてきただろ••••••」
これまでのワガママに比べたら何倍もマシではあるが、あまり釈然としなかった。なんというか、このタダで貰おうとしている感覚が好ましくないのだ。
月「それで?どうせ咲姫さんにはとびきりいいお返しをするんでしょ?」
天「別に高いやつ買おうとは思ってねぇよ。ただ、咲姫らしいものを返そうかな、とは考えてる」
月「咲姫さんらしいもの•••?はて?」
顎に手を当てて考え始めたが、結局理解まで追いつく事はなかった。
俺もこう言っているが、正直それらしいものを買っておこうという軽い考えだ。ちょっと情けないな。
天「返す人も多いし、それも含めて色々選ばないといけないんだ。明日は帰りがかなり遅くなるとだけ言っておく」
月「まぁ時間かかるよねぇ•••。何人くらい?」
天「••••••百は超えてる気がする」
月「果てしなっ」
口にしただけで気が遠くなるような数だ。恐らくお返しの合計の金額もかなりエゲつないことになりそうな気がしてきた。ちょっとケチろうかな()
月「節約はダメだよ?」
天「•••はい、わかってます••••••」
ものの見事に言い返されて、俺は素直に頷くことしかできなかった。はーカッコわる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3月13日。学園に到着した俺は空気の重さにドン引きしてしまう。主に男子たちからだ。
見てないフリをしながら俺は席に座り、ボーッと窓から外の景色を眺める。
それでも後ろからひしひしと伝わってくる男子たちの視線によって、冷や汗が流れた。
焼野原「なぁ神山。もうお返しのチョコとか買ったのか?」
が、そんな中でもいつも通りに絡んでくれる焼野原くんには頭が上がらない。おかげで精神的に少し楽になった。
天「いや、今日買いに行く予定だ」
焼野原「メチャクチャ貰ってただろ?お前。大変だよな」
天「だからあんまり貰いたくなかったんだよ•••お返しが大変なのが目に見えてたし」
はぁ、とため息を吐いて壁に寄りかかる。無表情の焼野原くんは同情とも何とも言えない表情を見せた。
焼野原「付き合ってやりたいところだが、そもそも俺は一つも貰ってないからな。無駄足はごめんだ」
天「そもそもついてきてくれなんて頼んでねぇよ」
焼野原「それもそうだな、ははっ」
ストレートにカウンターをかましてやると、彼は軽快に笑った。そんな姿を微笑みながら眺める。
話を続けようとした所で教室のドアが開き、担任が入ってきた。気怠い動作で前を向く。
担任「あー、特に言う事はないから終わるな。真面目に授業を受けるように。もうすぐ進級だし、その後すぐにテストもある。ちゃんと勉強もしておくようにな」
男子生徒達「はーい•••」
テンション駄々下がりの男子達の気の抜けた声が教室中に流れ込んでいく。
担任は頭を掻きながら呆れたような顔になった。
担任「全くちゃんとして欲しいんだけどなぁ••••••とにかく、赤点だけは絶対に許さないからな」
それだけ言って、担任はさっさと教室を出て行ってしまった。俺は目にも留めずに、居なくなったところを見計らってスマホを取り出した。
慣れた操作でホワイトデーのお返しの候補を探していく。
それぞれ誰かに合わせたものを返そうと考えているので、その人「らしい」ものを探さねばならない。
天「•••迷うな」
咲姫「迷う••••••?」
独り言を聞かれてしまったようだ。振り返ると咲姫が俺の携帯を覗き込んでいた。
俺はムッと顔を顰めて、彼女の頬を引っ張る。
咲姫「ひゅ、ひゅうにふぁひ••••••?」
天「人のスマホの画面を勝手に見るな」
咲姫「ほふぇんはふぁい••••••」
天「ん、よし」
ちゃんと謝ったのですぐに手を離す。そんなに強く引っ張ってないので、痛くはなかっただろう。
咲姫「何を見てたの?」
天「明日ホワイトデーだろ?そのお返しを色々見てたんだ」
咲姫「あ、そっか•••明日はホワイトデーだった••••••」
天「なんだ?忘れてたのか?」
咲姫「あまり意識してなかった••••••」
確かにこいつはそこら辺なんとなく無頓着そうだ。俺は苦笑を向ける。
天「咲姫のもちゃんと返すから、楽しみにしててくれ」
咲姫「ーーッ!うん••••••」
そのお返しの中に自分も含まれている事を思い出したのか、咲姫の表情は柔らかくなる。
そしてさっきまで近かった距離も更に縮まり、ほとんど密着しているような状態になる。
天「あっ、と•••近いぞ」
咲姫「だって、嬉しいから」
天「まだ渡してもいないのにこんなんじゃ、明日はどうなるのかわかんねぇな•••」
嬉しさのあまり気絶しないといいけど。というかそれ以前にまず咲姫が満足できる代物を用意するのが先決だ。
スマホの画面を真っ暗に落として、今は彼女の対応に専念した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
仕事を終えて、俺は欠伸をしながらショッピングモールに訪れた。
店内は青や白の風船だったり装飾だってりで彩られ、ホワイトデームーブをかましていた。
天「••••••予め決めてはいたが探すのが大変だな」
至る所にチョコやクッキーがドカドカと置かれているもので、どれがどれかさっぱりだ。一応スマホの画面にお目当ての商品を映しながら、一つずつ地道に探っていく。
数十分が経過したくらいだろうか、買い物カゴの中は商品でいっぱいになっていて今にも溢れそうだった。
天「•••そういや咲姫のだけ決まってなかったな」
ようやく全員分を集める事ができた、と安心したのも束の間の出来事となった。一番大事なものが済んでいない。
適当に歩いて彼女が喜びそうなものを探すが、どれもピンとこない。
天「む•••ネットで注文しようにも今すぐ届くわけじゃないからな•••」
通販での配達は本当に早くても注文した翌日くらいだ。当日に、しかもこんな時間から注文してもその日にくるなんて100%ありえない事だ。
天「なんかねぇのか••••••って、これ••••••」
ふと目に入った箱を手に取る。すぐにスッと買い物カゴの中にインした。
大当たりだ。まさに咲姫にうってつけであろうお返しが見つかった。
天「よし、後は渡すだけだな」
なんとかお返しを決める事ができ、俺は意気揚々とレジにそれを持っていく。
店員「合計で9万6570円になります!」
天「•••••••••嘘やん」
現実は非情であった。俺の財布にこれでもかと言うほどのダメージを受け、その代償として大量の砂糖の塊を得た。再来月まではあまりお金使えないな•••。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3月14日。ホワイトデー当日だ。
俺はバカデカい袋を用意して、梱包されたチョコを詰め込んでいく。
月「おはよー•••って、すごいチョコの量•••。これ全部渡すの?」
天「そうだけど」
俺の様子が気になったのか、月が俺の部屋までやってきた。そしてドアの前で突っ立ったまま疑問をぶつけてきた。それに対して俺は軽く応える。
月「なんか去年とは比べ物にならないくらい増えたね••••••そりゃもらいたくないって言うわけだよ」
大量に入れられて膨らんだ袋を見て、月は苦笑する。俺は反応に困って無表情だが。
天「まぁとりあえずパパッと渡してくる。大半はそこまで絡みない人ばかりだし」
月「おー冷たいねー」
天「なんか言葉かける方が無理だってんだ。俺は相手の事ほとんど知らねぇんだぞ」
月「わーかってるよ。それにしても変だよねぇ。もう恋人がいるお兄ちゃんにチョコを渡すなんて。まだ狙ってるのかな?」
ニヤニヤとしながら俺を眺める月。俺はため息を吐いて首を横に振った。
天「それはそれで困るな••••••。まぁいいわ。飯食おうぜ飯」
月「はいはい」
さっさと話を切り上げて、俺は月と一緒に一階に降りて朝食をいただいた。
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••••••まぁ、わかってはいたことだが、こんなデカい袋抱えてたらそりゃ注目されるわな。
道行く人々から様々な感情が入り混じった視線が飛び交って、それが周りにも影響されて注目の的となってしまっていた。
天「(••••••うっわー•••ウチの男子生徒しっかりいるし。というか目怖っ)」
遠目に見えた陽葉学園の生徒が、こちらを恨めしそうに睨みつけていた。キレんなキレんな。こっちも困ってんだよ。
そっと目を逸らして、俺は急ぎめに歩く。少しでも早くこの地獄から抜け出したくて必死だった。
というかまぁまぁチョコが重い。流石にこの量となるとバカにできないな。鍛えておいてよかった•••。
学園に到着し、俺は教室に入って席に座った。机の横にチョコの入った箱が潰れないように、慎重に袋を置く。
焼野原「おぉ、もしかしてこれ全部お返しのヤツか?」
天「あぁ、運ぶの大変だったんだぞ。周りの人からも何事かと眺められたし」
少しくたびれ気味に笑ってみせると、焼野原くんも爽やかな笑顔を浮かべた。
焼野原「そりゃそんなデッカい袋持ってたら気になるよな。多分俺もつい見てしまうだろうし」
が何か普通の人と違う行動をしていたらつい見てしまうのと同じ現象だろうな。そう思うと俺は色んな意味で目立ってたのだろう。
焼野原「それで?これ全部今日のうちに返すつもりなのか?大変だなおい」
天「•••••••••ぶっちゃけ今すぐにでも放り出したい」
焼野原「うん、まぁ•••気持ちはわかる••••••。俺チョコもらったことねぇけど」
天「悲しいこと言うなよ••••••」
チョコのくだりになった瞬間、焼野原くんの顔が暗く沈んだ。何故わざわざ自爆したんだ••••••。
天「まぁでも貰ったもんは返さないといけないしな。最低限の礼儀なわけだし」
焼野原「まぁそうだよなぁ•••てか今のうちにクラスのやつには渡しておけば?」
天「ん、そうだな」
焼野原くんからの指示通りに、俺は立ち上がって袋の中を漁る。一応わかりやすいように、それぞれの渡す人の名前を書いた付箋を貼り付けてある。
名前自体は覚えているので、変に迷うことなくクラスの女子生徒達にお返しを渡す事ができた。
•••渡す度にキャーキャー騒がれたのはウザかったが。
咲姫「あ、あの••••••」
天「ん?」
制服の裾をくいくいっ、と引っ張られて、振り返ると不安そうな顔をした咲姫の姿があった。
天「どうしたんだ?」
咲姫「私の分は••••••?」
天「•••安心しろ。ちゃんと買ってあるから。今日ウチに来てくれないか?その時に渡すから」
咲姫「•••ッ!うんっ!」
とびきりの可愛い笑顔で咲姫が頷いた。それだけで心が洗われるような、なんとも言えない幸せな気分になる。
ノアさんが可愛い可愛いって叫ぶのもそういった感情なのか、としみじみと感じる。
焼野原「なんだー?彼女はお預けなのか?」
天「バカ言え」
小っ恥ずかしくて、俺は焼野原くんから顔を逸らす。感情のブレを紛らわすように、俺は袋を持って立ち上がる。
焼野原「どこ行くんだ?」
天「チャイム鳴るギリギリまで渡してくる」
焼野原「おぉ、そうか。頑張れー」
気怠げにひらひらと手を振る焼野原くんを横目に、俺は教室を飛び出した。
特にそう言った関係もない人たちの分を配り終えて、俺は少し疲れた様子で教室に戻る。その瞬間にチャイムが鳴った。ギリギリセーフと言ったところだろう。
廊下を走ってしまったのは少しいただけないが、今日だけは許して欲しい。
あれだけパンパンに貯まっていた袋も、かなり萎んでしまっていた。それを見て、心なしかホッとする。
焼野原「お疲れ様」
天「まだ全然だ。いつものメンツに渡さないといけないから」
焼野原「あの美少女連中か•••死ねばいいのに(ボソッ)」
天「聞こえてんぞ」
小さい声で呟いてもほぼ目の前の距離だ。嫌でも聞こえてしまう。
うんまぁ•••確かに美少女揃いだな。普通の男ならあんな環境には入り浸れないだろう。マネージャーしてなかったら俺も入ることはなかっただろうが。
天「ホームルーム終わった後に配り行くかな••••••」
ポケーッと黒板の方を無心で見つめる。しばらくすれば担任が入ってきて堅苦しい話を始めた。
担任「あー、今日はホワイトデーだったな。バレンタインでチョコを貰った人はちゃんとお返しをする様に。貰ったら返す。これはできて当たり前の事であり、最低限の礼儀だーー」
男子生徒A「長いですしチョコ貰ってませんが!!!??」
担任「•••••••••すまん」
聞くに耐えられなかった非リア男子が悲痛の叫び声を教室中に響かせた。俺は白けた目でそいつを見たが、その男子生徒は俺の方を睨んできやがった。
男子生徒A「大体神山!お前は貰い過ぎなんだよ!お前ばっかりいい思いしやがって!!」
天「••••••ははっ」
俺にも飛び火して、乾いた笑いしか出てこなかった。やっぱりこの時期の男は怖くて敵わん。
担任「•••ま、神山は毎年のことだからいいが、変に騒ぎは起こすなよ?職員室でもお前の話題はよくあるからな」
天「えぇ••••••(困惑)」
俺何かした?メチャクチャ平和に過ごしてきたはずなんだけどなぁ••••••。
担任「そういうわけだから、今日も真面目に過ごす事」
それだけ言って、担任はさっさと教室を出て行ってしまった。何か急ぎの用事でもあるのか?まさか生理?いやあいつ男だったわ。
天「んじゃ、行くかね•••」
俺は袋を抱えて欠伸を一つ。重たい足取りで教室を出て、先に隣の教室に凸る。
天「りんく、いるか?」
顔をだして目的の人物の名前を呼ぶと、本人はすぐにこちらに気づいて走ってきた。犬かな?
りんく「天くんだー!どうしたの?後その袋何?」
天「ほれ」
りんくの質問に答えずに、俺はりんくに箱を渡す。ちなみにマス◯ーソードの形をしたチョコレートだ。
りんく「••••••?何これ?」
天「家に帰ったらゼ◯ダの伝説で調べてみな」
りんく「なんか良くわかんないけどわかった!ありがとう!」
天「そりゃどうも」
袋を抱え直して、俺は次の場所へ赴く。また別の教室に入って、
天「真秀」
相手の名前を生意気に呼んだ。真秀は拍子抜けした顔で目をぱちくりさせた。
真秀「そ、天?急にどうしたの?」
天「どうしたも何も今日ホワイトデーだろ。ほら」
真秀「•••エナジードリンク入りチョコ?」
天「お前、リミックスとかで徹夜なんてしょっちゅうだろ?これ食って少しは紛らわせ」
時々目にクマくっつけた状態で学園に来る日があるから心配だったのだ。だがそんな事を真正面から言うのも恥ずかしいので、チョコを渡すついでに言った。
真秀「なるほどね。ありがとう、天」
天「ん」
お礼の言葉を受け取れて満足したので、俺は教室を出る。
天「さて•••あいついるか•••?」
問題はむにだった。あいつが教室にいるかわからないので、少々賭けに出ることになりそうだ。
そーっと教室を覗くが、あいつのチャームポイントであるウサ耳は見えない。どこか行ったな•••。
天「仕方ない、探すか••••••」
むに「探すって誰を?」
天「うおおぉぉ!!?」
突然後ろからむにに声をかけられて、俺は飛び上がってしまう。荒く息を吐きながら、教室のドアに背中を預ける。
天「び、ビックリした••••••!」
むに「驚き過ぎよ•••。それで、誰を探してたのよ?」
天「お前」
むに「私っ!?」
他人事だと思っていたむには自分を指差しながら素っ頓狂な声をあげた。俺は小さく笑いながら、袋を漁って箱を手渡す。
天「ん」
むに「何よこれ•••?綺麗な絵が描かれてるわね」
天「有名なイラストレーターさんが描いたやつなんだ。せっかくだしお前にと思ってな。ちなみに中身はクッキー」
むに「そう•••ありがとっ」
素直にしていればこんなに可愛いのになぁ•••本当にツンツンしてるのがもったいないと感じてしまう。
逆に一部の人間はツンツンしているからこそ今の可愛さに価値があると見出すらしいが、俺にはよくわからん。
天「じゃ、まだ渡さないといけない人がいるから、失礼するわ」
むに「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
天「ん?なんだ?」
突然呼び止められて、俺は振り向く。むには顔を赤くしたままモジモジとしている。
天「ちゃんと言ってくれないとわからんぞ?」
むに「ま、また、アンタの家に行っても•••いいかしら」
天「あぁ、いつでも。その時は月と遊んでやってくれ。あいつ、結構暇してるからな」
むに「わかったわ!それじゃあ近いうちに行くわね!」
天「ん。楽しみにしてる」
静かに笑って、俺はむにからどんどん遠ざかっていった。
まだ朝だ。流石の麗もこんな時間から音楽室にいるとは到底思えない。だから即座に凸ってやる。
天「麗!」
麗「はっ、はいっ!?」
いるかいないかの確認もせずに、俺は少し大きい声で麗を呼んでしまう。
その所為で彼女は驚き、読んでいた本を落としてしまう。
天「あ、悪い•••」
すぐに駆け寄って本を拾う。麗に顔を向けると、彼女はまだ目をまんまるにして動揺していた。
麗「き、急にどうしたんですか••••••?」
天「みんな同じ事言うな•••。いやまぁ俺から絡みに行く事がまずねぇから仕方ないんだけどさ••••••。はいこれ」
麗に箱を手渡すと、彼女は困惑しながらそれを受け取る。
麗「そういえば•••今日はホワイトデーでしたね。ありがとうございます」
天「ん、どうも。麗が知らなそうな面白いものを探してみたが•••どうなんだろうな•••」
麗「あ、あの•••?どう言ったものを買ったのですか••••••?」
天「硬貨チョコ」
一円玉、十円玉、五十円玉•••それぞれの硬貨をイメージしたチョコの詰め合わせをくれてやった。お嬢様育ちのこいつはあまり知らない代物だろう。
麗「そんなものがあるんですか?」
天「あぁ。特に五円チョコは駄菓子屋で昔よく買ってたな。安い割に美味いんだよ。まぁそれは詰め合わせだから普通にまぁまぁな値段したけどな」
それでも数千円だからまだいい方だ。むにに渡したやつなんて、イラストレーター価格が付いててエグかったよ。あんな買い物もうしない•••。
麗「かなりお金を使ってしまったみたいですね••••••」
天「しばらく贅沢できそうにないわ••••••」
泣きそうな顔で呟く。それを麗は苦笑しながらも優しく眺めていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昼休みになったので、俺はすぐに席を立って教室を出ようと飛び出した。
乙和「あっ、天くんみーっけた!」
••••••だがPhoton Maidenのおバカこと乙和さんが既にこちらにまで来ていた。早過ぎない•••?瞬間移動でもしたのかなこの人•••。
乙和「天くんがいるなら丁度よかったよー。咲姫ちゃんも呼んできて?」
天「••••••わかりました」
はぁ、とため息を吐いて、咲姫を呼ぶ。すぐに彼女は反応を示してこちらにやってきた。
天「それで、何処に?」
乙和「学食だよ!」
天「あ、じゃあ目的地同じですね。久しぶりに学食で食べたい気分だったので」
乙和「え?咲姫ちゃんのお弁当は?」
乙和さんが首を傾げながら俺と咲姫を流し見る。俺も咲姫はお互いに見つめ合って、微笑んだ。
天「今日はホワイトデーなので、昼飯は俺が出そうかなと思ってたんですよ」
乙和「えーいいなー。私にも奢ってー!」
咲姫「乙和さんはダメ••••••」
きゅっ、と俺の腕を抱き寄せた咲姫が乙和さんにムスッとした目線を送る。乙和さんもそれに対抗してか、頬を膨らませて咲姫を睨んでいた。
天「•••••••••なんだこれ」
よくわからない状況になって、俺は少し困惑する。でも咲姫がここまで乙和さんに反抗する姿も珍しいので、もう少し見ていようかという悪戯心が湧いてきた。
天「早く行きますよ。どうせ衣舞紀さんとノアさんの事だ。先に待ってるんでしょう?」
乙和「せいかーい!じゃあ早速レッツゴー!」
乙和さんが先頭に立って歩み始めた。俺と咲姫はその後ろを静かについていく。
学食に到着する。まだ人が少ないのでゆっくりと食べたいものを選べそうだ。
天「俺はもう決めたけど、咲姫は何が食べたい?」
咲姫「うーん••••••じゃあこれ、ホワイトデー限定メニュー」
天「ただのシチューとクリームコロッケの定食じゃねぇか」
味噌汁の代わりがシチューになってるだけだった。中々に薄っぺらい限定メニューだこと•••。
乙和「じゃあ私もそれにするーっ!天くんは?」
天「焼肉定食です」
至って普通の、俺が好きなメニューをあげた。しかし乙和さんはお気に召さないようで、ムッとした顔を向けてくる。
乙和「そんな普通のじゃ味気ないよ?今しかない限定メニューを食べないと!」
天「そんな大して好きでもないものなので俺は遠慮します」
乙和「むーっ!この薄情者ー!」
騒ぎ立てる乙和さんをガン無視して、俺は自分と咲姫の分の会計を済ませる。
定食が乗ったお盆を受け取って、衣舞紀さんとノアさんを探す。
ノア「天くーん。こっちこっちー」
大きく手を振る金髪の姿が目に映る。ノアさんだ。咲姫と乙和さんに目で伝えて、先に座っている二人の方へ向かった。
天「お待たせしました」
衣舞紀「今日は学食のご飯なの?珍しいわね?」
天「えぇ、まぁ。咲姫の分の学食の金を出そうと思って、ついでに俺も久しぶりに学食で飯を食べたいな、と思いましたので」
ノア「咲姫ちゃんだけ?私たちの分はないの?」
天「ホワイトデーのお返しで今余裕ないんですよ••••••」
ノア「あはは•••なるほど••••••それは無理そうだね」
俺の一言で完全に察したノアさんは、居心地の悪そうな笑顔を浮かべた。
約十万も消費したのだ。いくら働いてる俺でもこの額は見過ごす事ができない。
天「まぁでも次のライブが成功したら、ご飯くらい奢りますよ」
ノア「本当に!?じゃあ天くんを一口••••••」
天「俺を食べるんですか!?やめてくださいよ本当に!」
衣舞紀「•••ノアはブレないわね••••••」
乙和「ノア〜またやってるの?」
続けてやってきた乙和さんがノアさんに向けて唇を尖らせていた。
天「もういいですよ•••ノアさんこれがいつも通りですし••••••」
衣舞紀「マズいわね•••天が諦めかけてるわ」
いやだって、一々ツッコんでても埒があかないのは目に見えてるし。
いっそのこと受け入れようかな。その方がなんか楽な気がしてきた。
咲姫「皆さん、早く食べませんか••••••?」
天「•••ん、そうだな。普通に腹減ったし食うか」
今にも腹の虫が鳴りそうな程、今胃の中はスカスカだ。朝っぱらから動き回ったおかげで、エネルギーを消費しまくっていたらしい。
乙和「ん〜!これすっごく美味しいね咲姫ちゃん!」
咲姫「うん、美味しい••••••」
天「•••そんなに美味いのか?」
咲姫に向けて質問を投げかけると、彼女はコクコクと頷いた。
天「ん、美味いならよかった」
咲姫「天くんも食べる••••••?」
天「えっ?あー•••じゃあ、貰おうか」
咲姫「うん。はい、あーん」
俺が要求した瞬間に、咲姫は一口大にクリームコロッケを箸で割って、俺の口の前に持ってきた。
ノア「おー!咲姫ちゃん大胆っ!」
天「あむっ•••ん、結構美味いな」
中々に美味しい。まろやかなクリームが衣とよく合っている。
衣舞紀「あの、咲姫•••?そういうことをするのはいいのだけど•••周りが••••••」
咲姫「え••••••?」
キョロキョロと周りを見渡す咲姫。ちなみに俺は見なくてもなんとなくわかる。視線が俺たちに集まっていることを。
天「••••••おっ」
丁度よく、見知った顔を見かけた。俺はそいつに笑みを向けてから、袋と一緒に立ち上がる。
乙和「何処いくの?」
天「ちょっと野暮用です」
袋を肩に担いで、俺は一つのテーブルへと向かう。
天「よ、ピキピキのみんな」
そこにいたのは、Peaky P-keyの面々だった。それぞれが違うものを食べている。
というか殆どが食べ終えていた。食ってるのはしのぶくらいだ。
響子「天。今さっきはすごかったね」
天「やめろやめろ。咲姫がやってきたんだ、断るわけにもいかないし••••••」
由香「相変わらず優しいよねー。男子たちには結構厳しく当たってるのに」
割って入ってきた由香が俺の方を興味津々に眺めていた。俺はフッ、と鼻を鳴らして、肩をすくめる。
天「男相手はあれくらいが丁度いいんだよ。変に気を遣わずにガンガン言っちまってさ」
しのぶ「ふーん•••」
天「それを考えたら、しのぶとかはガチガチに男友達味が強いんだよな」
しのぶ「ちょっとそれどういうこと•••?」
流れに任せてしのぶをイジると、わかりやすく彼女は反応を示した。
絵空「結局のところ、天さんはどうしてこちらまで?」
天「っと、そうだった。ほれ、ホワイトデーのお返し」
それぞれの分の箱を置き、弾いて彼女たちの前まで送りつける。
響子「へぇ、相変わらず面白いものを買ってくるね。これは•••富士山?」
天「そ、だって響子の苗字、『山』手だろ?だからそれ関係で持ってきた」
響子「結構安直なんだね••••••」
なんとも言えない微笑を残した響子に、俺はしてやったり、といいたげな顔をして見せた。
由香「おぉ〜、私のはプロテイン入りのクッキー!トレーニングの後に食べよ〜」
天「そうなると思って、タンパク質多め、糖質脂質少なめを選んだ」
由香「さっすが〜気が利く!」
絵空「あの〜•••これは?」
天「デケェだろ?バレンタインの仕返しだ」
俺が絵空に用意したのは、ドデカサイズのチョコだ。バレンタインの時にこいつが寄越したものよりは小さいが、十分だろう。
しのぶ「絵空はまだいいだろ•••私のなんて••••••」
響子「ぷふっ、あははっ。これどこで見つけてきたの?」
天「ショッピングセンターだ。というか全部そこで揃えてきた」
響子「なんでも置いてるんだね。あははは!」
由香「ちょっと響子、笑いすぎよ。でも、本当に面白いね」
ちなみに、しのぶに渡したチョコだが••••••。
しのぶ「デコ助チョコって何!?」
一部の界隈の人間しか知らないかなりマイナーなキャラクター、デコ助くんだ。
ちなみに見た目はデコが広いガチショタ()
天「いや、しのぶっつったらやっぱりデコだろ?なぁデコちゃん」
しのぶ「だ、れ、が、デコちゃんだ!喧嘩売ってるの!?」
天「なんだよいつも通りおチビって言った方が良かったか?」
しのぶ「そういう問題じゃなーい!」
響子「ホント、仲良いね二人は」
俺としのぶが言い合っている様子を、他の三人は微笑ましく眺めていた。俺はそれを横目に見て、小さく笑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
仕事が終わり、俺は大きく伸びをする。袋も完全に萎み切ってしまって、なんだかみっともなく見えた。
天「後はPhoton Maidenだけだな」
あんなにたくさんあったお返しも、残りはたったの4つだ。
本当に今日は大変だった。学校中を動き回ってお返しを渡して、いつもの何倍も歩いたような気がする。
天「まぁこれも一つの思い出だよな•••」
こんな思い出、そうそうできないだろう。それでもやっぱり大変だからこれっきりにして欲しいものだが。
天「さーてっと、みんなも終わった頃かな」
椅子から立ち上がって、袋を持ち上げる。いや、もう袋はいらないな。
お返しの箱だけを持って、咲姫の分だけを鞄の中に入れる。そうして、仕事部屋を出た。
レッスン部屋に入ると、まだレッスン着のままの彼女たちの姿があった。俺は少し居心地の悪い顔になってしまう。
天「あー•••まだ終わってませんでした?」
衣舞紀「ううん、丁度終わったところよ」
天「•••••••••ッ」
良かった。もしまだ続けていたら邪魔することになるからな。そういった行動は控えたいところだ。
天「それじゃ、お返し、配りますね」
乙和「天くんのお返し!?わーい!何かな何かな〜!?」
真っ先に乙和さんが俺の方へ飛び込んできた。苦笑しながら、彼女には大きい箱を手渡す。
乙和「おっきいね〜!何が入ってるの!?」
天「チョコ、クッキー、キャンディ、マシュマロ•••まぁお菓子関係の詰め合わせですよ。乙和さん甘いの好きですよね?」
乙和「大大だーいすきだよ!!天くんありがとう!」
天「•••どういたしまして」
乙和さんが箱を持ってワイワイとしているのを眺めてから、俺は衣舞紀さんの方へ歩み寄る。
天「衣舞紀さんには•••由香と被っちゃいますけど、これを」
衣舞紀「プロテイン入りのクッキー••••••ふふっ、ありがとう、天」
天「これからも頼りにしてますよ、リーダー」
衣舞紀「もう、天もちゃんと頑張ってよ?」
天「当たり前じゃないですか。これからもビシビシ行きますよ」
衣舞紀さんと軽口を叩き合った後に、俺はノアさんの方へーー、
天「••••••なんでそんなニヤニヤしてるんですか」
ノア「どんなものを持ってくるか楽しみですから!」
いつもの気持ち悪い笑顔を浮かべながら、まだかまだかと待ち侘びているご様子だ。こんなせっかちだったかなこの人••••••。
天「ま、いいや。ノアさんにはこれを」
ノア「こ、これは••••••!等身大ハムスターチョコ!?か、カワイイ••••••!こんなカワイイの、食べられないよ••••••!!」
まぁノアさんだしこうなるよなぁ••••••彼女が気に入りそうなものを、と思って選んだが、もっと食べやすいものにした方が良かったかもと後悔する。
ノア「ありがとう天くん!大事に、だいっじに食べるね!!」
天「•••あ、ハイ••••••」
ひとしきりに愛でまくった後に結局食うか食わないか迷いまくって溶かしそうだなこの魔人••••••。
溶けたハムスターチョコを想像して少しゾッとする。リアリティあるのはやめといた方が良かったな。可愛いけど。
天「咲姫は後でな」
一応と思って彼女に伝えておく。しっかり覚えていたようで、笑顔のまま頷いた。
乙和「えぇー咲姫ちゃんだけ特別扱い〜?」
天「まぁ恋人ですしお寿司の手巻き寿司。そんじゃ俺帰りますんで。ではまた明日」
咲姫「あっ、私も•••。皆さんさようなら」
俺と咲姫は頭を下げて部屋を出て行った。
そして二人で手を繋いだまま、神山家へと向かって歩き始める。
天「すっかりあったかくなったな。というかむしろ暑いような•••」
咲姫「また気温上がるって••••••」
天「おいおい夏を待たずにか•••?最近荒れ過ぎだろ」
沖縄とか死んでそうだな••••••。やっぱり工業製品とかで二酸化炭素出まくってるからなのかねぇ。地球温暖化が進んでるからこそなのか。この異様な気温の高まりは。
咲姫「でも、手袋を着けて手を繋がなくて良くなった」
天「お、おぉ•••そうか••••••」
真正面からそんなことを言われるとは思ってなかったので、少し照れてしまった。咲姫から目を逸らして、俺は歩く速度を上げた。
家に帰り着き、俺と咲姫は慣れた足取りで中に入っていく。
月「あっ、おかえり〜。ご飯もうすぐできるよー」
天「月、これやるわ」
部屋に行くついでに、妹に箱を軽く投げる。
月「おっととと。こ、これってもしかして•••!」
落としそうになりながらもしっかり手の中に収めた月は、みるみるうちに顔がキラキラと輝いていく。
天「ついでだ。受け取っとけ」
月「わーいやったー!お兄ちゃんありがとう!」
妹の元気な声を聞きながら、俺と咲姫は自室に入った。そして鞄を置いた後に二人でベッドに腰掛ける。
天「一先ずは、今日もお疲れ様」
咲姫「うん、天くんもお疲れ様••••••」
少しそわそわした様子の咲姫が、微笑みながら俺の顔を見つめる。変にじらさずにさっさと渡してしまおうと、俺は鞄の中を漁り、一つの箱を取り出した。
天「ん、いつもありがとな」
咲姫「これ••••••惑星チョコ?」
俺が咲姫に手渡したのは、地球や土星などの惑星をイメージしたチョコだ。宇宙が大好きな咲姫にはうってつけだろう。
咲姫「すごい••••••輝いて見える••••••」
天「最後の最後までお前のを探すのに手間取ってな、丁度これを見つけた瞬間確信した。咲姫にはこれだなって」
咲姫「うん•••ピッタリ。とても嬉しい••••••」
天「気に入ってくれたなら良かった」
咲姫「これ、食べてもいい?」
天「晩飯前だぞ?」
咲姫「一つだけ••••••」
天「しょうがないな」
箱を開けて、一番小さい月のチョコを摘み上げる。
咲姫「あーん••••••」
天「•••だと思ったよ」
どうせ食わせてくれって言うと思っていたので、昼のお返しも込めて、咲姫の口の中にチョコを入れた。
咲姫「ん、もぐもぐ•••美味しい••••••」
天「まぁまぁ値段したからな。美味くないと困る」
何せ5000円もしたんだぜ?5000円。かなり財布にダメージを負ってしまったよ、流石にむにに渡したやつには負けるが。
咲姫「私、今とても幸せ••••••」
天「あぁ、良かったな」
優しく、頭を撫でてやる。サラサラな白い髪の上を動かしていく。
咲姫「キスも••••••」
天「はいはい」
急にワガママになり始めたようだ。俺は微笑みながら、彼女を抱き寄せて唇を重ねる。
咲姫「んっ、ちゅ、ちゅっ•••んぅ、ちゅっ••••••」
少し、チョコの甘味を感じた。長いように感じて、実際には短かったキスを終えると、咲姫はちょっと眠そうだった。
天「レッスン、疲れたか?」
咲姫「うん、大変だった••••••」
天「眠いなら少し寝るか?月が来たら起こすから」
咲姫「うん••••••」
咲姫はそのまま俺の膝の上に頭を乗せて、目を閉じた。
少しでも彼女が落ち着くようにと、頭を撫でる。
咲姫「それ、続けて••••••」
天「ん、わかった」
どうやら好評なようで、彼女が満足いくまで撫で続けた。
月「お兄ちゃーん?ご飯できたよー•••って、あれ?咲姫さん寝てる?」
部屋のドアを開けた月が、咲姫の姿を見て固まる。
天「あぁ。もう少しだけ寝かせてやれないか?今寝たばっかりなんだ」
月「お疲れみたいだしね。わかった。後十分時間をあげよう」
天「あざま」
軽い口調で礼をいう。それだけでも月は満足なようで、一階に降りて行った。
天「ホワイトデーでも、こういうのは変わらずだな」
俺は咲姫を起こさないように静かに笑う。膝の上で眠っている彼女は、実に落ち着いていて、穏やかな寝息を立てていた。
天「••••••これからもよろしくな、咲姫」
眠っていて聞こえないだろうが、こういう時だからこそ普段恥ずかしくて言えない言葉が言える。
彼女の寝顔を眺めながら、一つだけ、咲姫に渡したチョコを口に運んだ。
今日の分の投稿はこれになるので、咲姫√は明日までお待ちくだされ。