行為が終わった後、俺たちは疲れ果ててベッドで眠ってしまった。そして目覚めた時は俺一人が寝っ転がっていた。
身体を起こして一階に降りると、リビングのソファに座ってテレビを見ているノアさんとキッチンで夕飯を作っている月がいた。
月「あーやっと起きたー。いつまでも寝てるのはダメだよ?」
天「いいだろ休日くらい。ノアさん、隣失礼します」
ノア「どうぞー」
ノアさんの許可をいただいて、俺は軽く音を立てて座った。そして即座に腕にノアさんが抱きついて、肩に彼女の頭が乗った。
天「ち◯ま◯こちゃん•••もうそんな時間か••••••」
寝たのは確か昼くらいだから大体5、6時間くらいだ。これ絶対に夜眠れないだろ。
ノア「これって主人公が昔実際にいた人だよね?こんなにイベントたくさん経験してるのかな?」
天「大体が創作なんじゃないですか?知りませんけど」
実際おじいちゃんに関しては現実と性格全く違うらしいし。
月「物語を続ける為だから仕方ないねー。最終回なんて一生来ないんじゃない?」
ノア「それはありそう。数十年もやってるし、終わる気配も全くないもんね」
月の言葉に、ノアさんが賛同した。が、俺はどちらかと言うと否定的な側だった。いずれこれも終わるだろうしサ◯エさんもいつか終わりが来ると思っている。サ◯エさんに関しては中の人が亡くなったりもしているし、潮時かもと思い始めている。
月「あ、さっきね、お母さんが帰ってくるって電話があったよ」
天「あぁ、そーー」
ノア「天くんと月ちゃんのお母さん!?」
ノアさんが勢いよく立ち上がった。俺と月はビックリして飛び上がる。
天「い、いきなりどうしたんですか?」
ノア「そ、天くんと付き合ってるってご挨拶しなければ••••••!」
天「律儀!」
何事かと思えば、そんなことかと安心する。まぁでも俺もいずれは福島家に挨拶しにいかなければならないだろう。お母様はともかくお父様の説得は無理難題なんだが。
月「ただのお付き合いから許嫁にまで進展しそうな勢いですな〜?」
ノア「••••••••••••」
ノアさんの顔が赤くなる。俺は聞き流してテレビに集中していた。
天「相変わらず丸◯くんは真面目だねぇ••••••」
ズバリ、でしょうを多用するキャラに俺は感心を示していた。月とノアさんの会話など耳に一切入らなかった。
月が夕飯を作り終えてみんなで食べ始めたが、まだ母さんが帰ってくる様子はなかった。
月「遅いねーお母さん」
天「仕事のつっかえでもあるんだろ。気長に待つしかない」
そう言ったのも束の間、玄関から音がした。恐らく母さんのご帰宅だらう。
月「あっ、帰ってきた」
ノア「•••••••••」
天「•••どうしたんですか?肩張ってますよ」
ノア「き、緊張してます•••」
月「ぷふっwww」
俺は苦笑い、月は思い切り噴き出した。ノアさんの顔がみるみるうちに赤くなっていったのがよーくわかる。
ノア「〜〜〜!」
天「まぁまぁ落ち着いてください」
月「まぁまぁセックスしたからってそんな大人ぶるなよお兄」
天「超MK5☆(マジでキレる5秒前)」
月「お兄ちゃんの世代の言葉じゃないよね!?古っ!」
まぁこのネタ恐らく1990年代後半の言葉だろう。当時の10代20代が使ってた印象だ。
ノア「あっ、私もその言葉知ってる。後チョベリバ、とかチョベリグ、とかあったよね」
天「まさかの便乗してきたよこの人••••••」
多分本読んでてそういう情報が流れてきたんだろうなぁ••••••。
少し呆然とした目線を向けていたら、リビングに入る扉が開いた。
柚木「ただいま•••」
月「おかえりー」
天「ん」
ノア「こ、こんばんは!お邪魔しています!」
月は元気よく、俺は短く、ノアさんはガチガチに緊張した様子で、立ってお辞儀をした。
柚木「あら•••?あなた、天の担当してるユニットの子よね?いらっしゃい。ゆっくりしていきなさい」
ノア「あ、ありがとうございます!」
天「そうそう母さん。俺、ノアさんと付き合う事になったから」
月「ムードもへったくれもない!」
ついで感覚で報告をしたら月からツッコミが飛んできた。母さんは驚いた表情をしたが、すぐにその顔は微笑みへと早変わりした。
柚木「そう•••天がね•••福島ノアさん、だったかしら。こんな息子だけど、よろしくお願いします」
ノア「い、いえ!こちらこそよろしくお願いします!」
月「お母さん、ご飯できてるよ」
柚木「あら。じゃあいただこうかしら」
母さんも食卓に混ざって、更に賑やかさが増した気がする。俺はあまり喋らずに食べているが。
柚木「仕事の方は順調?」
天「ボチボチ。ライブの予定は立てられても、あまり大きいところまでは押さえられん」
柚木「新人は必ず通る道よ。それに、結成してまだ一年も経ってないのに、ここまでライブができるのはすごいと思うわ」
ノア「ありがとうございます!これも全部天くんのおかげです!」
やけに大袈裟にノアさんは頭を下げる。母さんは少し困惑気味で唇を歪ませていた。
柚木「すごく礼儀正しい子ね••••••」
天「表向きにはな」
月「うん、表向きにはね•••あむっ」
ノア「ご飯頬張る月ちゃんカワイイ••••••!」
天「こういうところがあるから」
柚木「なるほどね••••••」
カワイイムーブをキメたら最後、ノアさんはヤベー奴認定される。こんなんだが、好きになったものは仕方がない。慣れだ慣れ。
天「ごちそうさま」
いつも通りだが、俺が一番早く飯を食べ終える。食器を抱えて流し台に置いて、ソファに座った。
天「••••••昼寝たから全然眠くねぇな。あ、そうだ。ノアさん、いつ頃帰る予定ですか?」
ノア「えっ?今日は泊まっていくよ?家にも連絡してるし、月ちゃんにも予め言ってあるから」
天「なんで俺には言ってないんですかねぇ••••••」
そこら辺がいささか謎だ。えぇ?俺なんかした?
柚木「天をビックリさせたかったのでしょう」
ノア「はい、そうなんです。いつも澄ました顔をしているので」
柚木「うちの息子は可愛げがなくてねぇ••••••」
ノア「学校や事務所だと、とても愛らしいですよ」
愛らしいって何!?俺いつも通りに過ごしてるだけなんだけど!?それ言ったらまだ咲姫の方がよっぽどいいだろ!
月「お兄ちゃーん。暇なら早くお風呂入りなよー」
天「あー•••わかった」
俺は立ち上がって、脱衣所へ向かおうと歩を進める。
ノア「私もいい?」
天「えっ?••••••あ、はい」
何のことだかあまりわからなかったが、とりあえず頷いておいた。月はニヤニヤした目線を向けていて、余計に疑問が強くなった。
湯船に浸かると、身体の疲れが、というより寝まくったダルさが抜けていく感覚に陥った。かなり気持ちがいい。知らないうちに大きく息を吐いていた。
天「さーて•••明日からまた忙しくなるな•••」
いい加減デカイ会場を押さえなければならない。もうすぐ夏休みだ。この期間を利用して客寄せをしたいところである。
突然ガラリと風呂場の引き戸が開いて、無意識にそちらに目を向けた。そして言葉を失う。
一糸纏わぬ姿のノアさんが経っていて、俺は呆然としてしまった。
天「えっ•••なんで入ってきたんですか」
ノア「さ、さっき確認取ったでしょ!?」
天「あっ•••(察し)」
さっきのアレ、そういう確認だったのね•••。ノアさんは何も言わずに湯船に浸かって、俺にくっついた。
天「昼にセックスして、その次は一緒にお風呂ですか••••••飛ばしまくりですね」
ノア「でも、こういうのも悪くないよ?」
天「ですね•••」
俺はノアさんを抱き寄せる。そっと、俺の腕にノアさんの小さな手が乗った。
天「昼と同じですね」
ノア「そうだね。こうされてると、すごく安心する•••」
ノアさんが目を細めた。そしてこちらに目を向けて、小さく笑う。俺も笑みを返して、他愛のない話を持ち込み続けた。
感想評価オナシャス!明日から冬休みなんで、バンバン書きますよー!更新は一日一話ですけどね。