まぁ、昨日はあんなこと思ったけどさ、それでも学校でまで絡まれるのは嫌よ(前言撤回)。同じ学年が咲姫だけなのが多少の救いだが、今までクラスの人間に誰がいるとか意識したことなかったから、咲姫が同じクラスかそうでないかが一切わからん。対策のしようがない。最悪植木鉢演出で乗り切ろう(思考放棄)。
男子生徒A「神山?おーい、聞いてるか?」
天「えっ、あ、何?」
男子生徒A「だからパーティの件だよ。神山来てくれよー•••人いねぇんだよ」
天「悪いな、俺仕事で忙しいんだ」
俺は苦笑を浮かべながらやんわりと流していく。今は陽葉学園の教室で男子生徒と話をしているが•••頼むから咲姫がこのクラスの人間とかやめてくれよマジで•••(懇願)
男子生徒A「さっきからドアばっかり見てるけどなんかあんの?」
天「えっ!?いやー何もー•••」
男子生徒A「なんか怪しいな•••誰か好きな人でもいんの?」
天「それはない」
キッパリと答える。恋愛はなぁ•••今はいっかな•••仕事に集中していたいし。
天「というかパーティって何のパーティだよ」
男子生徒A「裸踊りパーティ」
天「誰が行くんだよんなもん(戦慄)」
男子生徒A「今のところ俺含めて四人集まってる」
天「そのパーティ行く前にまず病院行け、精神科の方に」
男子生徒A「酷くない!?」
いや、そんな頭おかしいパーティに行く方が酷いだろ•••この学園の男子って露出狂多いのかな•••やめたくなりますよーもうー学園。
男子生徒に呆れた目を向けていたら、教室のドアが開いた。チラリと目をやってまた男子生徒に戻したが、二度見、どころかそっちに釘づけになった。
天「(咲姫ぃ•••!)」
まさかの同クラだよ。幸いにも俺と席はかなり離れているので、バレないように大人しくしよう。
男子生徒A「神山、出雲さん見つけた瞬間すごい顔したな」
天「••••••ちょっと、壁になってくれ。咲姫に見つかりたくない」
男子生徒A「名前呼びってどういうことだよ!?そこら辺詳しく言えよあくしろよ」
天「いいから壁になってくれ頼む」
制服の裾を引っ張って無理矢理壁になるように立たせて、俺は大きくため息を吐く。今日は心休まらない一日になりそうだなぁ••••••。
昼休みになり、俺は弁当を持ってそそくさと教室を出る。目的地は屋上。あそこなら多分誰も来ない筈だ(特大フラグ)。屋上に出るたてつけの悪いドアをこじ開けて、吹いてくる涼しい風につい頬が緩む。
さーて、一人で楽しく昼食をーー
咲姫「天くん、いた」
天「うおおぉぉぉああぁぁぁぁ!!!???」
いるはずがないと、そう思っていた人物が後ろからついてきていたようだ。俺は大声を上げてめっちゃ咲姫から離れる。
天「ななななななんで!!?」
咲姫「天くんとお弁当を食べたいと思ってたから、誘おうと思ったら一人で教室を出て行ったから、ついてきた」
天「え、いつから俺がいたの知ってた•••?」
咲姫「朝」
俺は膝から崩れ落ちる。そうか、朝の時点で既にバレていたのか•••。えぇ、どうしよ•••ここは飛び降りて人生やり直すか?
咲姫「ほら、お弁当食べよ」
何の躊躇いもなく咲姫が俺の手を握る。が、いつもの感覚に襲われて身体が震える。
咲姫「あっ、ご、ごめんね•••」
天「だ、大丈夫•••」
何とか立ち上がって、備え付けのベンチに二人で座って弁当を広げる。咲姫の弁当には果物が入っていた。なんかクラスに一人はいるよなー、弁当に果物入れてる人(作者の経験談)。
天•咲姫「いただきます」
丁寧に手を合わせて、食事を始める。俺の弁当は米と肉と野菜と卵焼きしかないが、ボリュームはたっぷりだ。この身体の筋肉を維持する為である。それに比べて、咲姫の弁当の量は少ない。
天「それで足りるのか?放課後はレッスンがあるのに」
咲姫「大丈夫。これでも十分だから」
天「そうか••••••」
俺は卵焼きを口に含む。ちなみに俺は卵焼きに砂糖を入れない派だ。甘い卵焼きは苦手なので、いつも塩辛いものを月に頼んでいる。あ、俺に料理しろって意見は聞かないからな?家が燃える。
咲姫「•••••••••」
何故かジーッと俺の弁当を眺めている咲姫。スーッと弁当を咲姫から見えないように少しずつ移すと、それに合わせて咲姫も動く。なんだか面白い。
天「何か気になるものでもあるか?」
咲姫「卵焼き•••」
天「••••••言っておくけど、辛いぞ?」
咲姫「それでも食べてみたい」
天「じゃあ、はい」
俺は弁当箱を咲姫の前に出す。が、咲姫は弁当箱を見るだけで卵焼きを取ろうともしない。
天「?やっぱりいらないのか?」
咲姫「食べさせてくれないの?」
天「ブフッ!?」
俺は噴き出す。え、何?まだ会って二日目なのにもうこんなカップルがするようなイベントに遭遇すんの!?(驚愕)流石に俺たちそこまで仲良くないと思うんですけどねぇ•••。実はドッキリでしたーとかないよな?もしそうだったら安心なんだけど•••。
咲姫「•••?まだ?」
天「え、いや待って、ちょっと(陰キャムーブ)。それ、所謂『あーん』とかいうやつではなかろうか?」
咲姫「うん、そうだね」
天「え?それだけ?いや逆に咲姫はいいのか?」
咲姫「天くんなら、いいよ」
何故こんなに高感度高いのだろうか•••顔が女っぽいからだろうか•••。あぁでもグズグズしてたらそれはそれで面倒事になりそう。仕方ない•••。
天「•••ほら、口開けろ」
咲姫「あーん•••」
咲姫の口の中に一口大に箸で割った卵焼きを放り込む。まぁ、案の定と言うべきか、咲姫は苦い顔をした。
咲姫「辛い•••」
天「だから言っただろ?」
咲姫「でも、温かい•••」
天「•••?」
咲姫の発言の意図が読みきれず、俺は首を傾げた。でも咲姫がなんでこんなに俺に対して好感的なのかがわからない。昔会った事でもあったか?でも咲姫みたいな女の子を見た覚えはない。咲姫が誰かと勘違いしてる可能性が微レ存だけど、実際のところはわからん。
天「咲姫、果物好きなのか?」
咲姫「うん、好き。特に柑橘系が大好き」
だが弁当に入っている果物は苺だった。柑橘もクソもない。
咲姫「天くんも食べる?」
天「いや、いらない。自分の分の飯があるから、それだけで十分」
言葉が終わった直後に弁当を食べ終えて、俺はベンチの背にもたれかかる。空を見上げれば、ちょうど雲が太陽を隠していて目が痛くならなかった。風こそ涼しいが、太陽による熱も暖かくて、なんだか心地がいい。
天「はぁー、気持ちがいい•••」
こんなに天気がいいと、岡山の県北にいる変態親父も楽しく汚い遊びを浮浪者のおっさんと土方の兄ちゃんとしてるんだろうなぁ。
咲姫「天くんは、空が好きなの•••?」
天「え、何、謎かけ?空は別に好きじゃないさ。ただ気温とかが丁度よかっただけ」
眠気も襲い掛かってきて、意識が朦朧としてきた。午後の授業は寝るかなぁ。教室の席も窓側だから日差しを浴びながら寝られそうだ。
天「••••••咲姫に、一つ訊きたい事がある」
咲姫「何?」
天「ライブをやるなら、いつがいい?」
咲姫「今すぐにでも、やりたい」
意外にも強気な返答が返ってきて、俺は笑みを浮かべた。
天「わかった。姫神プロデューサーと相談して、すぐにライブの手配をする」
咲姫「うん。楽しみにしてる」
嬉しそうに笑う咲姫を見て、心がなんだかほっこりする。仕事だけの関係•••とは思ってたが、こういうのも、悪くないのかもしれない。いややっぱないわ(訂正)。
天「じゃあ、そろそろ教室戻るか」
咲姫「うん•••はい」
咲姫が俺に手を差し出す。あぁ、そういう事。自分から触る場合は何故か気持ち悪くならないので、咲姫の手を握って立ち上がらせた。
天「次の授業なんだっけ?」
咲姫「体育•••」
天「早く戻ろう着替える時間なくなる」
手を繋いでいる事などすっかり忘れて、俺と咲姫は走り出し、屋上を後にした。
アインシュタインより愛を込めて、よろしくお願いします!(謎告知)変にテンション高いのは許してねw