死神と不死鳥と時々天才   作:しろねぎ

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お待たせしました。

アニメのシグルドリーヴァ本編は結構伏線残っているので……独自解釈、独自設定マシマシで行きます。


長い一日

富士プライマリーピラーからの撤退。それに辛うじて成功した俺達は予備の基地に集まっていた。

 

「志摩、この後どうする?」

「またアバウトな質問ですねぇ……アズズ、どうしよう?」

「投げられた質問をウチに投げるな……って言いたいところだが、かなり厳しい状況だからな。館山までピラーの勢力圏に入るんだ。残った戦力で救出作戦と後方への撤退、更には各基地の奪還。問題は山積みだな」

 

予備の基地の司令室里見さんと俺とアズズで話し合っている状況。俺場違いじゃないか?

 

「とにもかくにもだ、残った戦力は?」

「確か、天塚とそのシールド隊は殆んど損害無し。クラウディアと宮古は機体の補給が終われば問題は無いな。一応園香も行けるな」

「三バカは?」

「あいつらも問題は無い」

「志摩、お前さんの機体は?」

「大丈夫です。おやっさんとロジャーのお墨付き」

 

英霊機よりも整備面倒ってロジャーが愚痴言ってたな。流石アズズお手製。

 

「民間人の避難に大多数の人数は割くとして……救出作戦はどうする?ウチとしては……」

「その役目、あたしが引き受けようじゃないか」

 

天塚が話に割って入ってきた。どっから入ってきたお前。

 

「里見さん、あたしが救出作戦に行く。丁度良い人材だろ?プライマリーに取り残されたのはネームド二人。戦力的に手放せないだろ?」

「しかしだな……」

「行かせりゃ良いと思いますよ里見さん」

 

渋る里見さんに俺は言葉をかける。今回は天塚の意見に分があるからな。

 

「それに俺も行きますし」

「何!?」

「はぁ!?バカ言うな!!」

「あんた本気かい!?」

 

えっ、何か全員予想外だったのか?おかしいな。ベストな選択だと思うんだけど。

 

「俺の機体ならネームドと同じか少し速いくらいの速度出ますし、殲滅じゃなくて人命救助ならうってつけだと思いますけど」

「……英霊機を牽引出来るか?」

「アズズにめっちゃ強いワイヤー着けて貰いましたし、馬力が違いますよ馬力が」

「変なワイヤー着けさせると思ったら……まさかこれを見越してたのか!?」

「グフカスタムみたいにするためだった」

「期待したウチが間違ってた」

 

実際ワイヤーでピラー引っ張ったり出来たら良かったんだけどね。そもそもワイヤーの先端がピラーに刺さらん。大雪山おろしは無理だったよ。

 

「……本気で行くのか?……ウチとしては反対だ。そもそも民間人の避難ですら人手不足なんだ、救出作戦には出せて四人……立候補した天塚と天塚のシールド隊くらいだ。この基地ですら民間人の避難が終われば放棄しないとすぐにピラーの勢力圏に飲まれて終わる」

「分かってるからすぐ行って、すぐ帰ってくるわ。はじめてのお使いくらいの早さで」

「子供が泣いて逆に手間取るヤツだろそれ!!」

「アズズ、寄り道せずにポニー買ってくるのよ?」

「ウチの親を真似る時にポニーを引き合いに出すな!!ってか誤魔化すな」

 

アズズに鋭く睨まれる。まぁ死にに行く様な物だしなぁ……

 

「死なないから安心しろ。お前がくれた機体だから自信を持って行けるんだ。以前の俺なら行かなかったね」

「……本気なんだな?」

「マジです」

「死ぬなよ」

「不死鳥にかかれば余裕っすよ。なんなら沢山映像撮って帰ってくるわ」

 

アズズの許可も出たし、機体の最終チェック行きますか。

 

「志摩、俺が許可出して無いけど?駒込の方が権限上だっけか?」

「……美少女の方が上です!!」

「言い切ったな……まぁお前さんはそれで良いや」

「里見さんも相変わらずだねぇ。ついでにあたしも許可してくれないかい?」

「天塚、それには条件がある」

 

里見さんは天塚に条件を出した。それは……

 

☆☆☆☆

 

救出作戦開始数分前。機体の前で休んでいると、クラウディアがやってきた。

 

「飛鳥、リズとリリーを頼んだぞ」

「あぁ、二人とも引き受けるさ。長い付き合いだしな」

「それと、アズズと宮古からの伝言だ。アズズは“作戦はお前が持って帰った映像を見て決める。だから絶対映像を持ち帰れ”だそうだ」

「責任重大だな。了解。宮古は?」

「“愛してるぞ大馬鹿野郎”だな」

「いつものだな。気合いが入る」

 

クラウディアは頷いた。オーディンの加護は要らないけど、こいつらの加護は何倍も嬉しいな。

 

「あと、私からも一つ」

「ん?何だ?」

「子供が出来た。名前を考えておいてくれ」

「……マジか」

 

☆☆☆☆

 

《あんたは酒、飲まなくて良かったのかい?》

「飲酒運転はしないんだよ。それに、お前たちはもう飲んだんだから、残りは全て俺の物だ。帰ってきたら一気に飲む」

《せっこ!!》

《流石館山汚い!!》

《不死鳥だっさ!!》

 

天塚のシールド隊から非難が飛んでくる。おい最後何か違うぞ。

 

「それはそうと天塚、里見さんからの条件クリアしたんだな。どうだった?」

《泣かれたね。今度は泣かせない様に生きて帰るよ》

「死ぬ気の奴が言うセリフか?」

《言うじゃないかい。あんたはどうなんだい?こんな役目に志願して》

「死ぬ気なんて無いぞ。子供出来たし」

《……ん?何て?》

 

天塚が聞き返して来る。

 

「子供出来た」

《……相手は!?》

「クラウディア」

《はぁ!?アズズは!?》

「何でアズズ?そもそもアズズとはしてないし」

《し、して……クラウディアとはしてるのかい!?》

「何を狼狽えてるんだ。そりゃしてないと出来ないだろ」

《そ、そうだけど!!》

 

めっちゃ何か騒いでる。何なんだ。

 

《と、とにかく!!アズズには説明したのかい!?》

「だから何でアズズ?説明とか要るか?」

《あんた最低だね!!》

「何でだよ!?それより天塚、子供の名前は何が良いと思う?オスとメスでやっぱり変えないといけないけどさ」

《オス!?メス!?あんた人としての倫理観すら捨てたのかい!!》

「そりゃドラゴンの子供なんだからオスかメスだろ?」

《クラウディアってドラゴンなのかい!?》

「俺もドラゴンだぞ。じゃないと子供作れないだろ」

《あんたドラゴン!?嘘でしょう!?》

 

人間種族よりも夢があるからドラゴンにしたんだけど……人間種族がやっぱりベターだよなぁ……ドラゴンは経験値稼ぎ大変だし、結婚出来るレベルまで上げるの大変だったわ。クラウディアとも随分したな。

 

《……神様居るしドラゴン……居るか》

「クラウディア以外はこのゲームやってないからなぁ。クラウディアもゲーム素人だから、子供出来るまで大変だったわ」

《……ゲーム?》

「……ゲームだぞ?えっ、何の話してた?」

《………………名前ポチで》

「却下」

 

さて、ピラーにぶつかるまで名前考えよう。それにしてもポチは無いわー。天塚センス無いわー。

 

☆☆☆☆

 

「天塚……何か言葉はあるか?」

「死にたい」

「でしょうねぇ……取り敢えずリズベットとレイリーは帰還出来たみたいだしOKだな。映像も無事だし。後は俺達が帰る方法なんだよな」

「死にたい」

「人間をナメるなぁ!!」

「やめろぉ!!」

 

天塚が俺に掴み掛かってくる。突撃して勝手に墜ちて俺まで巻き込まれたんだから、多少弄っても良いと思う。アズズお手製の機体が……

 

「つーかあの二人本当に強いわ。リズベットとレイリー。隙が少しでも出来たらそこから突破したし。一人なら多分無理だけど、あの二人息がピッタリだからな」

 

外に居たピラー結構倒して行ったよな。天塚のシールド隊も何とか帰還出来たみたいだし。あれ長時間取り残された人間の動きってマジ?

 

「本当に問題は俺達だな。お前は加護はあるから枯渇現象は問題ないけど、俺は死ぬぞ」

「本当に悪かったよ……取り敢えず基地に向かって歩かないかい?避難完了後の新しい基地の位置はアズズ聞いてるしさ」

「それしか無いか。幸い活動は沈静化してるみたいだし、今の内に離れよう」

 

俺と天塚の逃避行が始まった。

 

歩き出して数時間、無人になったコンビニに俺達は居た。

 

「この辺りは早目に避難が出来たみたいだね」

「だな。おっ、このコンビニスイーツ気になってたんだよな。取り敢えず代金置いて食うわ」

「マイペースだねぇ……」

「枯渇現象今の所影響無いしな。食える時に食わないと」

 

無人のコンビニでプリンを食べていると、物音が聞こえた。

 

「天塚」

「ああ、向こうの部屋からだね」

「逃げ遅れなら保護……火事場泥棒なら捕らえて保護だな」

「ピラーだったら?」

「逃げる」

 

まぁピラーじゃないだろうけどな。真っ先に天塚を攻撃する筈だろうし。

 

念のため、銃を手にする俺と天塚。鬼が出るか、蛇が出るか……

 

「誰か居ますかー?自衛隊の者でーす」

「……返事は無いね?なら火事場泥棒?」

「扉開けまーす」

「グイグイ行くね!?」

 

天塚の言葉を無視して音のする部屋に入る。多分人間でもピラーでも無いわこれ。ほらやっぱr

 

「ぐぉっはぁっ!!」

「鹿!?体当たりして逃げたぁ!?」

「げっふぅ……に、逃がすかぁ!」

「何でそんなに必死なんだい!?」

「アレに乗った方が歩くより速い!!動物は本能的にピラーには近付かないし、乗り物にはうってつけだ!!」

 

全速力で鹿を追う。だが予想に反して鹿は何故か走らない。まさか……

 

「お前……脚をケガしてるのか!?何てこった!!可哀想に!!」

「あたしは何を見せられてるんだろう」

「しかもそっちの茂みには母親鹿と小鹿が!!家族を守ってたんだなお前は!!」

「もう良いよ」

 

だが冷静に考えてもこの鹿達はここに居ては危ない。枯渇現象で鹿達は死んでしまう。何とかしなければ……このまま着いてこないかな?

 

「俺達と来るか?館山の連中ならば悪くはしないさ……」

「本当に何やってるんだいあんたは……鹿が言うこと聞くわけ無いさね」

「着いてきてくれるわ」

「あんたと居ると疲れるね」

「良く言われるな」

 

鹿を後ろに従えて歩き出す俺達。賢い鹿だな。

 

「それにしても俺達死んだ扱いとかになってないか?」

「……あり得る話だね。園香……」

「妹離れしたらどうだ?園香も姉離れしようと、お前に冷たくしたんだし」

「あれは意地張ってただけさね。甘えたがりなのは変わって無かったよ」

 

意地張らせた天塚も悪いけどなぁ……

 

「それにしても良く園香を説得出来たな?救出作戦着いていくって言わなかったか?」

「言われたよ。でもアズズが必死で引き止めてね……あんたも居るから絶対帰ってくるって……」

 

天塚が苦笑いしながら言った。つまりそれは。

 

「今回死んだ扱いだとマジでヤバイな。メンタルボロボロになるぞ」

「園香があたしの御守りの中を見てくれれば心配ないさ」

「何入れたんだ?」

「秘密のメモだね」

 

どうやら答える気は無いらしい。

 

しかし大分日も傾いてきた。今日は野営だな。

 

「野営なんて久しぶりだねぇ。変なことしたら分かってるね?」

「誰がするか。鹿の方がまだ可愛いわ。小鹿マジ可愛い」

 

本当に可愛いな。何より、父親鹿の脚も思ったよりは悪くは無いみたいだ。それに母親鹿には問題無いみたいだし、ピラーの勢力圏からもそれなりに離れたし良かった。

 

「あんた、女に興味無いのかい?」

「藪から棒だな」

「欧州でもワルキューレに囲まれてたんだろ?だったら浮いた話とか無いのかい?」

「特に無いな」

 

ワルキューレを恋愛対象にするなんてアズズに言われるまで考えて無かったし、何より激戦区過ぎて余裕無かったしな。

 

「アズズはどうなんだい?」

「……推して来るなぁ。まぁ意識はしてる。色々あったからな」

「おや、意外だね。じゃあクラウディアはどうだい?」

「クラウディア……?うーん……妹って感じが勝つかな?最近は楽しそうだし嬉しいな」

 

放って置けない妹って思ってる。感性少しずれてるし、心配になる。

 

「宮古は?」

「アズズと幸せになって欲しい気がする」

「あんた居たら無理じゃないかい?」

「自害するしかねぇな!!」

 

俺は邪魔者だったッ!?何てこった!!

 

「アズズと宮古の両方面倒みてやんなよ」

「宮古にどう接して良いか分からなくなる提案やめろ」

「あの子は良い子だから、大丈夫さね」

「だから困るんだろうが……」

 

宮古は本物の善人だ。下心も無く見返りも無く……人としての善性を詰め込んだ人間だ。

 

「……どうやったらあんな良い子が生まれるんだろうな」

「周りの人間が不甲斐ないからかねぇ?」

「お前と話してるとブラックな話に落ち着くの何とかならんか?」

「楽天家じゃないのさ、あたしは」

「さいですか……」

「で、恋バナに戻らないのかい?」

「そっちの方が明るいのが辛い」

 

一方的に俺の状況話してるだけじゃないか。天塚の話も聞こう。

 

「天塚は何か浮いた話は無いのか?」

「あたしの晃はもう……」

「あー……」

「って訳であんたが話しなよ」

「何か乗せられた気がするなぁ?」

 

まぁ重い話は嫌だって言ったの俺だけど……

 

「結局本命は誰なんだい?」

「園香については聞かないんだな?」

「園香に手を出したら流石に犯罪だよ。それにあたしが殺す」

「本当に過保護だな!!手は出さないけどさ!!」

「園香に魅力が無いって言いたいのかい!?」

「こいつめんどくさっ!!」

 

一通り騒いで満足したのか、天塚は横になった。しかしこれだけ騒いで鹿が無反応なの凄いな。

 

「俺もそろそろ寝るか……おやすみ天塚」

「……ああ」

 

明日には基地に着けば良いが……

 

☆☆☆☆

 

「で、鹿を連れて帰ってきたと?お前さん色々おかしいよね本当に」

 

何とか基地に辿り着いた俺達と鹿家族。途中に熊と遭遇したりしたが、何とかなった。思ったより野生動物元気そうで驚いた。

 

「人的被害は最小限なのでセーフで」

「まぁ良い。時間が切迫しててな。状況を説明する。駒込達が敷地内に現れたヴァルハラへの入り口に入ってそれなりに時間が経った。そして同時に六車が館山基地の奪還作戦に行ったんだが……」

「ターシャリがセカンダリになった……そうだね?里見さん」

「天塚の言う通りだ。渡来が今援護に向かった。入れ違いだったな天塚」

 

里見さんの発言に笑う天塚。かなり嬉しそうだな。

 

「あの子が飛べたならあたしは本来お役御免さね。英霊機も失った今、あたしに出来る事なんて何も無いよ……それにしても、また園香が飛べて良かったよ」

「お前さんのメモを見たのと……ある人のお陰だな」

「その口振りだと宮古じゃあ無さそうだね?誰なんだい?」

「すぐに来るよ」

 

里見さんが言うと同時に、司令室の扉がノックされた。

 

「どうぞ」

「失礼致します」

 

里見さんが入室の許可を出すと、丁寧な所作で入ってくる女性が一人。

 

「成る程……久しぶりだな、“ナタリー”」

「ええ、お久し振りです飛鳥さん」

「……誰だい?」

「お初にお目に掛かります、ヘルムヴィーゲ……いえ、天塚・弥生さん。わたくしはナタリー。ナタリー・チェイスと申します。以後お見知り置きを」

 

ナタリーは気品を感じさせる動きで天塚に挨拶をする。貴族の出なだけあって相変わらず惚れ惚れする丁寧さだ。

 

「えっと……天塚・弥生……です、こちらこそ宜しく?」

 

対照的に天塚の動きはぎこちない。真逆のタイプだなこの二人。

 

「もしかしてお前、園香に何か言ったか?ルサルカの時みたいに」

「少し助言をさせて頂いただけです。わたくしは特別な事はしておりません。それに……天塚さんのメモが決め手でしょうし、わたくしは出過ぎた真似でしたわね」

「何て書いてあったんだ?」

「……“甘えんなバカ”だよ」

「散々甘やかしてたお前が言うのか!?」

「ぶふっ……あっ、悪い悪い……」

 

里見さんが吹き出した。そりゃそう思うだろ。あれだけ甘やかして過保護して……園香もそれで立ち直れるのはどうかと思うが……良く分からん。

 

「飛鳥さんには中々分からない感覚かも知れませんわね。女同士の特別な友情や感情は複雑なんですのよ?」

「円滑に進んでるなら良いんだけどな……」

「ところで飛鳥さん」

「何だ?」

 

何かナタリーとの距離が近い気がする。

 

「久々の再会に、少々感想が薄いのではなくて?」

「……綺麗になったな。とか言えと?」

「最後の一言が余分ですわよ」

「前からお前は綺麗だよ」

「うわ寒い」

「天塚うるさい」

 

自分でも恥ずかしいわ。

 

「ふふっ、今日はそれくらいで許して差し上げましょう。では司令、頼まれた物品の書類は置いておきますので、わたくしは失礼致しますね。妊婦さんの様子も見て参りますので」

「ああ、色々とすまないね」

 

ナタリーは書類を里見さんに提出すると、足早に去っていった。

 

「随分と仲が良さそうじゃないかい?誰なんだい?」

「ナタリーは初代……いや、正式な初代シグルドリーヴァ隊の副隊長だった」

「それって相当な腕じゃないか。今は後方勤務かい?」

「英霊機無くしたからな。今のお前と似た状況だ」

 

そう言うと天塚は考え込む素振りを見せる。

 

「分かったか?英霊機失ったから、出来る事なんて何も無いとか思ってるんじゃ無いぞ。やる事なんていくらでもある」

「そう、だね。あたしも何か手伝わないとね」

「さて、じゃあ天塚は基地の物品の移動を手伝って貰うとして……志摩、お前さんは」

「ヴァルハラ、ですね」

 

里見さんは無言で頷く。

 

「何か武器あります?」

「お前さんの大好きなアレ……あるぞ」

「よっしゃ行きましょう!!」

 

格納庫でアレ受け取ってヴァルハラに突撃じゃあ!!

 

☆☆☆☆

 

「って入ったらいきなり正面からクライマックスってヤバくないか!?何に追われてるんだお前ら!!」

 

正面からクラウディア達が走って来る。デカイ木の巨人みたいなのに追われている。

 

「飛鳥!?やっぱり生きてたのか!!私は信じていたぞ!!」

「心配させやがってこのバカ!!」

 

走りながら再会を喜ぶ。でも巨人は待ってはくれない。

 

「それより何だアレ!!」

「分からん!!分からんけど情報は得たから絶対生きて帰るぞ!!」

「おうよアズズ!!……ってクラウディア、刀光ってないか!?」

「何故か光った。これで戦えている現状だ!!」

 

オーディンの加護か。しかし加護が無ければ勝てない相手?それじゃまるで……いや、逆に言えば行ける訳だ。

 

「クラウディア、多分あいつらに銃は効かなかったんじゃないか?」

「ああ!何で分かった?」

「……ピラーと同じだ。ウチの仮説が正しければな」

「だよなぁ……」

 

アズズの仮説……やっぱりそうか。でも今は目の前の敵を倒す。

 

「クラウディア、一体頼めるか?」

「任された!!」

「近接攻撃なら多分効く!そこの二人はアズズを守れ!!」

「「おうよ!!」」

 

背中に背負った“トマホーク”を持つ。重いな。でもこれなら……

 

「トマホォォォク!!ってな!!一回言ってみたかったんだよなぁ!!」

「飛鳥、行くぞ!!」

 

クラウディアと共に巨人の足元へと駆け、下へ回り込む。狭い場所なのが功を奏した。

 

「食らえ!!うおりゃ!」

「はっ!」

 

巨人の脚に深々とトマホークが刺さる。そのお陰か巨人はバランスを崩して倒れた。だが駄目だ。

 

「……効いてはいるけどトマホーク抜けないわ」

「何やってんだお前は!!」

 

アズズが怒る。仕方無いだろ!!

 

「いやもうジャストフィットよ!!」

「今の内に退くぞ飛鳥!!」

 

クラウディアが撤退を呼び掛けてきた。敵の腕切り落としてるやん。加護すげぇ!!

 

「とにかく走れ!!」

 

クラウディアの声で一気にみんなが走る。間に合え!!

 

「間に合っ……たぁ!!」

「全員無事か!?」

「ウチは無事だ!」

「「俺達も!!」」

 

クラウディアが安堵したその時、クラウディアの脚を巨人の手が掴んでいた。

 

「閉じろヴァルハラ!!」

「えっ、そんな感じで閉じるのか?」

 

脚を掴んで放さない巨人だったが、クラウディアに蹴られて遂に手を放した。その時、巨人が声の様な物を発したような気がした。

 

「……終わった……よな?」

 

アズズの一言を皮切りに全員の肩の力が抜ける。それと同時に俺は強烈な睡魔に襲われた。流石に無理をし過ぎたか。

 

「……悪い、寝るわ」

「お、おい!?」

 

アズズの声を聞いて、俺は眠りについた。




年末特番見てて思った事。絶対に笑ってはいけない館山基地24時とか見てみたい。
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