死神と不死鳥と時々天才   作:しろねぎ

15 / 16
もうすぐアークナイツのイベント。リィン引くぞ……!!


最期の姿

目が覚めたら、目の前にオーディンが居た。何だこの状況。それにここ何処だ?木の檻の中?

 

「目が覚めたか」

「オーちゃん、何か用か?でかここ何処?植物の中身みたいな感じ……あっ」

 

ヤドリギの中にそっくりじゃん!つまりオーディンに捕まったのか。医務室で寝てただけなのに!?

 

「ああ、貴様の予想通り、プライマリーの内部だ」

「枯渇現象の感じは無いけど、何かしてるのか?」

「今はお前から生命力を吸収していない。そんな事をすれば、すぐに貴様は死ぬだろう」

「…………」

 

俺に対する呼び方が定まっていない。これは完全に焦っているな?しかし外がどうなっているか分からない。作戦はどうなった?アイツ等は?

 

「心配するな。今、外の様子を見せてやる」

 

オーディンが外の様子を映像に出した。黒い英霊機と交戦するシールド隊や、ワルキューレの様子が写し出されていた。

 

「おー、これどうなってるんだ?」

「プリズスキャリヴの応用だ。しかし、焦る素振りも無いとは些か拍子抜けだな」

「アイツ等が勝つって信じてるからな」

「神相手に勝てるとでも?」

 

オーディンの鋭い視線が俺に向けられた。威圧感が半端じゃないな。

 

「勝算無いまま戦う程、うちの頭脳担当は馬鹿じゃないんで」

「頭脳……駒込・アズズか」

「正解。アイツが作戦決行した以上、俺は信じて待つだけだよ。それにしても暇だな。オーちゃん、何か面白い話し無い?」

「ならばクラウディアについて話をしよう。我が愛しの娘の話しをな」

「そう、それだよ。何でクラウディアに矢鱈と拘るんだ?ネームドなら、リズベットとかレイリーとか居るだろ。クラウディアだけ扱い違うよな」

 

あからさまな特別扱いだ。ワルキューレは全て自分の娘だと言ってはいるが、クラウディアだけは違う。

 

「クラウディアは私の娘だからな」

「ワルキューレは全員だろ?」

「いや、クラウディアは私の血を引いている」

「はぁ?」

 

じゃあ何か?クラウディアは神の一族って事か?

 

「エイミー、シーリーン、クラウディア。皆、私の血を引いている」

「つまりブラフォード家とオストレイ家は親戚って事か。だからアレハンドロ司令もエインへリアルとやらに?……いや、俺も誘われたよな。まさか俺も!?」

「貴様は私が作り出した人工生命体だ」

「何かやべぇ話しされてる!?」

 

嘘だろ!?なら俺は今まで家族だと思っていた人達は?幼少期の記憶は?

 

「おかしいとは思わないか?今まで前線に居て、あれだけ墜落や敗北を経験し、生きているのが。何故死なないのか。ギリギリの所で助かるのか。貴様は私によって生かされていたのだ。娘の盾になる人員を増やすには、同じ人間の成功談が有効だったからな。奇跡の不死鳥……中々良い筋書きだろう?」

「確かに俺だけ不自然に生き残っている……だが俺は確かにお袋や親父との記憶が……」

「私が植え付けた偽りの記憶だよ」

 

そんな……

 

「幼稚園の時に結婚の約束をした幼馴染みの遥ちゃんは!?中学まで一緒だった!!」

「その記憶も偽りだ」

「何……だと!?そんな……俺の青春の記憶が偽り……?」

「実に憐れだな。だがそれも終わる。ここで数多の魂をヴァルハラへと導き、ラグナロクを乗り越えるのだ!!」

「いや俺遥ちゃんとか知らんし。そんなリア充イベント無かったし。人工生命体とか嘘やんけ。何だよ結婚の約束をした幼馴染みって。羨ましいわ」

「……貴様」

 

どんだけ追い詰められてるんだオーディンは。バレる嘘を吐いて……何らかの洗脳でもしようとしたのか?

 

「まぁどうでも良いけどさぁ……よっぽど余裕無いのなお前。今のお前、かなり悲惨だぞ。狂った目をしてる。狂った奴の相手って大変なんだよなぁ」

「何処までも神を愚弄するつもりか?」

「お前個人をバカにしてるんだよ。お分かり?」

「今すぐ殺しても構わないんだぞ?」

「わざわざ俺を此処に連れて来ておいて、簡単に殺すのか?」

「貴様を連れて来たのは戯れに過ぎない。先ほどの人工生命体、確かに虚言だ。貴様はちゃんと人間だ」

「知ってるって」

 

何か意味深な言い方だな?

 

「貴様のクローンは造ったがな」

「はぁ!?」

 

オーディンの発言に驚いていると、オーディンの隣に“俺”が現れた。本当にクローンを……

 

「俺もっとイケメンやろ。造り直せ」

「全くもって精巧だ。中身も貴様そっくりに造り上げた。不愉快だったが」

《うへへ……》

「待て、お前の俺のイメージ、第一声が“うへへ……”なのか?酷くないか?」

 

声もそっくりだから確かに精巧なんだが、中身は全然違うだろこれ。

 

《うへへ……オリジナルのお前を殺せば俺がオリジナルだぁ!……武器とか無いから殺せないや……狡いぞ、そんな安全な場所に居るとか!!》

「俺だわ。お前は完全に俺だわ。しかしクローンかぁ……なぁ、もう一人の俺」

《何だAIBO☆》

「思考回路を完全に再現したのは間違いだった。ここまで奴が不愉快だとは……」

「《ざまぁないぜ!!》」

 

いや、凄いわオーディン。自爆してるし。

 

「しかし、もう一人の俺が居るとなると、やることは……分かるな?」

《当たり前だろう!フュージョンするぞ!!クローンなら、完璧な動きでポーズ出来る筈だ!》

「よっしゃ!行くぜ!!」

「……勝手にやっていろ。俺はグングニルを起動する」

「《なぁにそれぇ》」

「…………」

 

あ、オーディン完全に無視してきた。お前が始めた物語だろうが……!!

 

「精々指を咥えて見ているが良い。クラウディアに会いに行く」

《俺は人差し指咥えるわ》

「じゃあ俺小指」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、クラウディアに負けた感想は?」

《あれだけサイズ差あって負けるとか恥ずかしくないの?サイズ差補正無視装備なんて渡すからだぞ?悔しいのう!悔しいのう!!?》

「黙れ!!」

「……ウチ、どうすれば良いんだ?」

 

クラウディアに負けて戻ってきた、オーディンを煽ってたら、アズズが英霊機で突入してきた。

 

「それは」

《自分で》

「《考えろ》」

「お前の存在が一番意味不明なんだよ!!何なんだお前!?」

「俺がオリジナル」

《クローンです。オリジナルになりたい》

「……オーディン?お前か?こんなの造ったの」

「後悔しているがな。何かしらに使えるかと思ったが、使い物にならん」

「《酷い!!》」

「飛べないコイツはただのバカだぞ」

 

アズズの追い討ちで、俺もクローンも黙った。みんな酷い……!!

 

「とにかくオーディン、ウチらの勝ちだ。潔く負けを認めろ。神なら神らしくな」

「何故貴様等は神に潔さを求める!?何故だ!!」

「喧しいな。みっともなく生きたいなら、神の立場とか捨てろよ。あーだこーだと駄々をこねるならさ、とことん生き汚くなれ」

「それが出来たら苦労しない!そもそも貴様は気に入らなかった!死を恐れて、失う事を恐れる貴様が何故こうも強く居られる!?」

 

泣き喚きながら、オーディンは俺に問う。

 

「そりゃ……信じてるからな。なぁ、アズズもそうだろ?」

「……ああ!!ウチも信じてる。ウチのヒーロー達を!」

 

その言葉と同時に、宮古の英霊機が壁を壊して現れた。ヴァンドランデの直上だ。

 

「でりゃあああああぁぁぁぁ!!」

 

宮古の刀がヴァンドランデを真っ二つに斬り裂いた。

 

「まさか、これを狙って!?」

「信頼の力だ。お前に足りない物だな」

「……何故だ、何故僕は……」

「一人で抱え込まず……相談してくれれば良かったんだよ!!」

 

宮古がオーディンに語り掛ける。オーディンは涙を流していた。

 

「愚かな娘だ。優しいお前が……僕は苦手だったよ」

 

オーディンは両手を広げて、アズズの英霊機の前に立った。最期の姿は、とても神らしかった。

 

アズズはオーディンを撃ち抜いた。その影響でピラーの崩壊が始まっている。俺を閉じ込めていた木の檻も消えた。

 

《さぁ、逃げるぞ!!》

「「何でお前がいの一番なんだよ!!」」

 

クローンが先陣を切っていた。オーディン死んでも消えないのかよ。

 

「あれ!?飛鳥が二人!?」

「後で説明してやる!宮古はその増えたバカを乗せろ!こっちの本物のバカはウチが乗せる!!」

「えっ!?アズズ、あれ連れてくのか!?」

「仕方無いだろ!?見殺しは流石に出来ない!何でお前の見た目なんだ!!」

「オーディンが悪い」

 

とにもかくにも、戦いは勝利で幕を閉じた。




次でアニメ本編完結。後日談を2回くらいやって、終わります。多分。きっと。恐らく。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。