死神と不死鳥と時々天才   作:しろねぎ

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アニメ四話で腹筋が死んだ。EDで癒された。そしてどんどんクラウディアが壊れてゆく。


報告、交戦。

輸送機に揺られて日本に向かう俺とクラウディア。出荷よー。

 

「貴方はまた変な事を考えて無いか?」

「変な事とは?」

「何か分からないけど変な事だ」

「何かとは曖昧だな。凄くふわふわしてるな。上手に出来たオムライスみたいだ」

「貴方の例えはイマイチ分からない」

 

分かりにくい?もしかしてクラウディアはふわふわオムライスを食べた事が無いのでは?基地に着いたら宮古に作って貰おう。

 

「それにしても外の景色は海ばっかりで暇だな。俺も機体が無事ならメンテナンスとかして時間潰せるんだけどな」

「私の英霊機でも見るか?」

「グラディエーターMK.Ⅱだっけ。MK.Ⅱって何か良いよな。前のより強いって響きがあって」

「前任の機体が有ってこその名だ」

 

クラウディアはうんうんと頷く仕草を見せる。

 

「ガンダムMK.Ⅱのワクワク感は異常だったわ」

「確か司令に見せていた日本のアニメだったか?休日丸々潰して観てしまったと、司令が言っていたな」

「ルサルカをサブカルの沼に沈めたのは俺だからな」

「今となっては司令にそんな態度を取れるのは貴方くらいだろう」

 

半分呆れた様に言うクラウディア。あいつ自体はそんなに変わって無いんだけどな。誤解されやすいのも変わって無いか。

 

「まぁルサルカとは付き合い長いからな」

「私が“ヤドリギ”と戦った以前からの付き合いか……」

 

そう考えると長いよな本当に。日本もピラーには多少の危機感感じてますよアピールの為に派遣された割には結構働いたな。途中で何回かは日本に戻って、また欧州に行っての繰り返しだったし。

 

「よく生きてるな俺。死ぬつもりは無いけどさ」

「不死鳥か……」

「その渾名って恥ずかしいんだよな、俺としては。もっと気安い渾名が良い」

「例えば何かあるのか?」

 

館山基地だと何か色々渾名付けられたな。一番印象的なのは……

 

「焼き鳥だな」

「焼き鳥?何故だ?」

「不死鳥って大体のイメージは火の鳥だろ?で、火の鳥は焼けてる鳥だから、焼き鳥。そんな感じ」

「……神聖な感じがしないな」

 

俺からすれば神聖な感じなんか要らんけど、クラウディアはそんな感じのを求めているのだろう。戦乙女のネームドワルキューレだからか。

 

「やはり不死鳥で良いのではないか?」

「なら“ふっしー”で良いや」

「マスコットみたいだ」

「やっぱりふっしーは駄目だな」

 

ちょっと語感が駄目だ。梨の妖精みたいになるわ。

 

他愛無い会話をクラウディアとしていると、遠巻きに視線を感じた。輸送機の乗組員がクラウディアを見ているのだ。

 

「ここでも私は腫れ物扱いか……」

「どっちかって言うと高嶺の花扱いじゃないか?ネームドワルキューレだし」

 

クラウディアが落ち込んでる。これは良くない。乗組員に注意しようと席を立った瞬間、クラウディアが叫んだ。

 

「敵が来る!!」

 

クラウディアの声と共に機体が大きく揺れた。そのせいで俺はバランスを崩して顔面から転んだ。

 

「へぶっ!?」

「大丈夫か!?」

 

クラウディアが慌てて駆け寄って来てくれる。申し訳ないが、敵に集中して貰わなければ。

 

「クラウディア……敵は?」

「……クラゲの形のターシャリだ。しかし鼻血が凄いが本当に大丈夫か?」

「鼻にティッシュ詰めるし大丈夫……あと多分クラゲも大丈夫だ。ここ館山基地に結構近いからもう来るだろ」

「来るとは?」

「館山基地のワルキューレだよ」

 

鼻にティッシュを詰めながら話す。それと同時に爆発音が響いた。勇者砲と名付けられた攻撃だ。

 

「……いきなりアレ撃ったのか、帰ったら説教だな」

「あれが館山のワルキューレ……三人居るのか」

 

クラゲ型のターシャリの周りを飛び回る三機の英霊機。赤いキ44-Ⅱ乙、他にはHe100D-1、ピンクのM.C.72Rだ。それにしても動きに統制が取れていない。

 

「動きに纏まりがないな。このままでは一つのミスで大惨事になる」

「あー……悪いけどクラウディア、頼めるか?」

「任せてくれ」

 

クラウディアに援護を頼んだ矢先に通信が聞こえる。He100D-1に乗る“駒込・アズズ”からの通信だ。

 

《そこの輸送機!!ここはウチらが引き受ける、行け!!》

 

コイツ統制取れてない状況で良く言えたな。なら実戦でアドリブが出来るか少し見てやろう。

 

「こちら輸送機。援護に感謝する。貴女が指揮官か?」

 

声色を変えて気付かれない様に応答する。

 

《ああ、申し訳ないけど話してる余裕はあんまり無い。早く離脱しろ》

 

アズズと通信しながらクラウディアにはジェスチャーで出撃して貰う様に頼む。クラウディアは意図を察してくれて、出撃準備に取り掛かった。

 

「余裕が無いですか……ワルキューレが三人居てターシャリ一体相手に余裕が無いのは、貴女の指揮が駄目なのでは?」

《はぁ!?アンタ喧嘩売ってるのか!?》

 

煽ったら簡単に乗った。心理戦相変わらず弱いな。これ以上煽ると戦闘でミスしそうだしネタばらしするか。いやメンタル本当に弱いな。

 

「アズズ、随分見事な指揮じゃあないか?宮古の初動の暴走を止められず、園香の先行も見逃す。基地に着いたら覚えてろよ」

《げっ!!輸送機に乗ってるの飛鳥かよ!?》

「援護として輸送機に居たワルキューレに出撃して貰った。上手く連携して乗り切れよ」

 

声色を戻してアズズに正体をばらす。クラウディアが援護に入るから負ける事は無いだろう。

 

☆☆☆☆

 

結果としては勝った。かなりクラウディア頼りだったが。

 

「……あんなに弱くなかった筈なんだけどな。あの三人」

「いや、意外と連携は出来ていたぞ。そんなに悲観する事は無い」

「お前が参戦してから動きが変わっただけだ。ワルキューレ同士で感じる物でもあるのか?」

「うん?別に無いな」

「さいですか……」

 

まぁこの人は才能の塊だからな。初戦でセカンダリを倒したくらいだし。さて、そろそろ館山基地が見えてくる頃だ。

 

「そろそろ基地に着くから降りる準備するか」

「鼻血は大丈夫か?」

「何とか止まった。実戦でも、こんなに出血とかしないんだけど」

 

鉄分補給しないと。

 

「私は誤解されやすいから第一印象は大切とリズベットとレイリーに言われたんだが……何か良い方法は無いか?」

「ありのままで良いんじゃね?噂とか気にする連中が居る訳じゃ無いし。それよりお前が基地の奴等に毒されないか心配だ」

「毒されるとは?」

「行けば分かる」

 

バカの筆頭扱いされてる俺が言うのもなんだけど、クラウディアには純粋でいて欲しい。

 

基地に到着し、輸送機から降りると赤いキ44-Ⅱ乙のパイロット“六車・宮古”が居た。目が合うとすぐに此方に来た。

 

「やぁやぁS級さん!!さっきぶり!!飛鳥もお帰りー!!久し振り!!」

「おう宮古、久し振りだな。相変わらず元気そうで良かった」

「元気も元気だよ!!」

「そうかそうか……さて」

 

元気に跳ね回る宮古の頭を掴む。

 

「あれー?何か嫌な予感」

「いや、今は説教しないから安心しろ。里見さんに報告に行くのが先だからな。今はこれで勘弁してやる」

「痛たた!!痛いよ頭グリグリしないでぇ!?」

「今日はあの三人は居なかったんだろ?シールド隊が居ない時に無茶はするな。分かったな?」

「はーい……」

 

しゅんとする宮古を解放して、クラウディアに声を掛ける。

 

「悪い、待たせたな。今からこの基地の司令に挨拶に行くから着いて来てくれ」

「わ、分かった……彼女は大丈夫なのか?」

「私は大丈夫!!本気でやられてないから!本気だったら頭グリグリとかせずに、ひたすら笑顔でお説教される……怖いんだよ飛鳥って」

「そうなのか?私は見たことが無いな」

「余計な事言うなよ。ほらクラウディア、行くぞ」

 

余計な事を吹き込まれる前にクラウディアを連れて行こう。

 

☆☆☆☆

 

「クラウディア・ブラフォード、着任しました」

「あー、堅苦しいのは良いから。飛鳥もお疲れさん。どうだった?欧州」

「そうですね……相変わらず激戦区ですよ。出てくるピラーも日本より強力だし」

 

クラウディアの着任の挨拶もそこそこに“里見・一郎”司令に話をする。

 

「そうか……そうそう、君の歓迎会やるから、宜しく」

「歓迎会、ですか?」

「海上にピラーが現れたから直ぐには出来ないけどね。で、取り敢えず基地の案内しようと思うんだけど、担当は……」

 

司令が言い終える前に司令室の扉が勢い良く開けられる。ノックくらいはしろ。

 

「案内はアタシ!じゃん拳で勝った六車・宮古!!」

「って訳で、行ってらっしゃい」

 

クラウディアは宮古に連れられて出ていった。

 

「元気と言うか忙しないと言うか……」

「戻って来たって気がするでしょ」

「ええ、まぁ……」

 

司令に言われて苦笑する。確かに戻って来たって気がしてくる。

 

「それで……欧州に行って何か収穫は有ったかい?」

「まずは、戦闘映像撮って来ました。セカンダリレベル9。ほぼプライマリーと変わらない相手の映像なので、今後役に立つと思います。あ、最後の方は墜落映像なんで見ないで下さい」

 

懐からUSBメモリーを出して里見さんに渡した。里見さんは受け取るとパソコンに差し込んで映像を確認する。

 

「……今回はウニかい?」

「恐らくは。ですが……」

「ああ、型を形成してるのは“武器”だなぁ。明らかにレベルの低いセカンダリとは質が違う」

「後はもう一つあるんですが……」

「……聞こう」

 

姿勢を正して此方を見る里見さん。

 

「オーディンに接触されました」

「それは君にかい?」

「はい。エインへリアルになるつもりは無いか?と聞かれました」

「エインへリアルねぇ……」

「知ってるんですか?」

「ん~。まぁまぁね。で、引き受けたの?」

「アレハンドロ司令の後釜って言われたんで断りました」

 

俺の話を聞いて今度は里見さんが苦笑した。だって本当に嫌なんだもん仕方無い。

 

「そうか。まぁ取り敢えずご苦労さん。それと君の機体なんだけど」

「もしかして……」

「うん。悪いけどまだ無いんだよね。あるのは英霊機でもない古い飛行艇。しかもエンジンが動かない」

「そんなの飛行機じゃないわ!!羽根の付いたカヌーよ!!いや本当に何でそんなの置いてあるんですか」

「駒込がパーツ欲しかったらしくってな、安くで買い叩いたらしい」

 

またアズズは何か作るつもりらしい。作るとしたら園香用に作るのか?まぁ無駄になる事が無いなら良いや。

 

「じゃあ暫くは留守番ですかね。あー、あの三馬鹿に煽られそう」

「同じシールド隊なんだから特に気安くて良いじゃないか」

「俺も悪乗りし過ぎて怒られる未来しか見えない」

「ハハッ、程々で頼むよ」

 

前に悪乗りし過ぎてオペレーターの美智に怒られた。良い大人なんだからと。心は今でも少年だ!!って反論したらもっと怒られた。

 

「それじゃあ君もそろそろ食事に行くと良い。外で炊き出ししてるから」

「じゃあ行ってきま……」

 

司令室を出ようとした瞬間にピラーの出現を知らせる“ギャラルホルン”の音が鳴る。

 

☆☆☆☆

 

現れたピラーはターシャリだったが、海底にセカンダリが居る事が判明したので、輸送機の中で作戦会議を行っている。

 

「海中のセカンダリかぁ。欧州じゃあ海上で戦闘なんかしないしな……どう引っ張り出す?アズズ何かあるか?」

「出撃出来ないのに何でお前が居るんだよ……」

「暇だからな」

「暇は嫌だよねー」

「ねー」

「バカ二人は黙ってろ」

 

宮古と二人でバカ扱いされる。酷いなぁ。

 

しかしセカンダリが相手となると“ヴァンドランデ”を破壊しないと倒すのは難しい。敵が居るのが海中とは本当に面倒だな。作戦会議もヴァンドランデをどう破壊するかで悩んでいる状態だ。

 

《一本釣りでもしてみるか?》

 

その里見さんの言葉にアズズは何か閃いたみたいだ。流石は天才。

 

☆☆☆☆

 

「で、作戦が“ガチンコ漁作戦”か」

「ガチンコ漁とは何だ?」

 

クラウディアが不思議そうな顔をして訊ねて来る。まんま日本の言葉だしな。仕方無いか。

 

「ガチンコ漁……石打漁って言うんだが、岩と岩を水中でぶつけて、その衝撃で水中の魚を気絶させて魚を獲る方法だな。今回は宮古の勇者砲を使って擬似的なガチンコ漁を行う。まぁピラーだし、気絶はしないだろうが、水中から引きずり出すのは可能だろう」

「それをあの絵から立案出来たのか。アノニュームは頭が良いのだな」

 

説明を聞いたクラウディアがアズズを褒める。普通に考えたら思い付かんよな。

 

「アズズは天才だからな。作戦立案は信頼して良いぞ」

「貴方にそこまで言わせるとは凄いな。なら私も全力で協力しよう」

 

クラウディアの迷いが少し晴れたか?後はあいつらに任せよう。

 

格納に向かうクラウディアを見送って少ししてから輸送機内にアズズの声が無線で響き渡る。

 

《聞いて驚け!!この新顔、欧州では死神なんて呼ばれてたんだと!!》

 

アズズの無線に対して困惑の声が上がる。

 

《死神ってこの襲撃の事か?》

《転属初日に中ピラー。そりゃ不運だろうなぁ》

 

普通ならここで気分が沈むだろう。だけどここでバカを言うのが館山の連中だ。

 

《ウチに来た死神は美人だ!よっぽど俺達は引きが良い!》

()()()()()()()

 

クラウディア、お前が来た場所は……バカな奴等の集まりで、暖かい奴等の集まりだ。

 

☆☆☆☆

 

「ピラー撃破お疲れ……と言いたいが、宮古ぉ!!また無茶したなぁ!ヴァンドランデを刀で斬る奴が居るかぁ!!」

「はいっ!ここに居ます!!」

「反省してねぇなお前!?よし、お仕置き楽しみにしてろ!!」

 

クジラのピラーを撃破し、クラウディアの歓迎会で食堂に集まっていたワルキューレ四人組を捕まえる。特に宮古。

 

「まぁ無事に倒せたんだし許してやれよ飛鳥」

「……クラウディアの歓迎会だし、これで勘弁してやる。寿命縮むから止めてくれよ?頼むから」

「うん。ごめんなさい」

 

今回は許すが今回のレベルの無茶は本当に止めて欲しい。

 

「……ここは良い基地だな」

「何だいきなり」

 

クラウディアが呟いたのが聞こえた。

 

「問題児ばかり集めたと聞いたが、やはり私も問題児らしい。居心地良いと感じる」

「そうか。なら転属した甲斐があるな」

 

冗談混じりにクラウディアに言うと、クラウディアが微笑んだ。

 

「久々に見たな、お前の笑った顔を」

「そうか?いや、そうだな。笑ったのは久々だよ」

「そこ、イチャイチャしてないで準備手伝え!!」

「へいへい分かりましたよお姫様」

 

アズズに言われて、肩で息をしているアズズが持っている荷物を代わりに持つ。滅茶苦茶軽いやん。

 

「えっ、こんな軽いの持てないの?運動神経以前に基礎体力無さすぎない?」

「うっさい。ウチは頭脳担当なんだよ」

「うーんこの」

 

本当にクソザコ体力だなアズズ。可愛そうに。

 

「何の視線だ!!呆れか?哀れみか?やめろ見るな。見るな!!」

「もう常に俺か宮古がアズズをおぶった方が移動が早いのでは?」

「ふざけんな!!そんな恥ずかしい真似されてたまるか!!バカ二人のどちらかとか嫌だ!」

「じゃあ園香か?」

「年下だろうが!」

「昔は園香って持久走一位だったって聞いたぞ」

「マジか……」

 

自衛隊に入った時の、最初の地獄の持久走で一位だったって聞いてる。横の園香は優しく微笑んでいる。

 

「懐かしいなぁ……飛鳥さん、誰から聞いたの?」

「天塚」

「成る程……」

 

昔話に花を咲かせていると、クラウディアが何か気にしている様だ。

 

「どうした?」

「いや、問題児ばかりが集まるなら……貴方はどんな問題児なんだ?飛行の腕も凄い。生還率も凄い。戦歴だって今となっては欧州の司令と互角……パイロットとしては一流だと言える。そんな貴方が問題児扱い?良く分からないんだ」

「そう言えばアタシも知らない。何やらかしたの?」

「……ウチも知らない」

「わたしは知ってるなー」

「おソノ、詳しく」

 

俺の過去の話が気になってるみたいだ。確かに園香は当事者だし知ってるよな。

 

「俺の過去が気になるか?」

「とても」

「アタシも」

「ウチも」

「わたしも思い出話し聞きたいな」

 

四人が興味津々といった感じで居る。園香も少し感傷に浸りたいんだろう。なら仕方無い。

 

「準備も一段落したし……話そうか」

 

思い出話しの始まりだ。




ニコニコ動画でルサルカの事を酒乱おばさんって言った奴!法廷で会おう!!

感想とか良ければ下さい()

姉御の登場でアニメ第五話からシリアスに入るのかどうか。
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