あ、匿名外しました。特に意味は無いですが()
空を飛ぶ細長く、うねうね動く四体のピラー。それを館山上空で迎え撃つ俺達だったが、倒しても倒しても無限にピラーが復活する。新しい機体だからノリノリで出撃したら、初戦の敵が無限に再生するタイプとか心がしんどい。
《倒しても倒しても終わらない~!!》
ノイズ混じりに宮古の通信が聞こえる。いつにも増して通信のノイズが酷い。周波数は事前に合わせた筈なのだが。
「もう倒したのは六回目か?流石に生き返りすぎだろ」
今回のピラーはターシャリだ。ならとっくに消えててもおかしくない。なのに何故か生き返っている。休止状態にもならないのは何かからくりがある筈だ、このままだと堂々巡りになる。ここは解析をしっかりして貰おう。
「アズズ、一旦退け。結構長時間戦ったし、データは揃ったろう。コイツの秘密を暴いてやれ」
《そうだな。基地で情報を整理する。一旦離れて……ヤバッ!!被弾した!?》
「何やってんだ!?」
今の攻撃は余裕で避けれる攻撃だった。まさかあいつ、昨日徹夜したな!?
「何で体力クソザコなのに徹夜するんですかねぇ!?」
《うっさい!!とにかく不時着する!》
アズズが不時着の為に移動する。仕方無いとは言え、あっちの方は枯渇現象が起きてる方だったよな。あいつ徹夜の状態で大丈夫か?
ピラーの攻撃自体は大した事は無いので、回避しながらアズズを観察していると、アズズが倒れたのが見えた。やっぱりダメだったよ。
「アズズが倒れた。拾ってくる」
《え?またアズ倒れたの!?急いで拾って!!》
《枯渇現象で倒れたのか?なら相当体調が悪かったのか?》
《アズちゃん徹夜したんだね……》
クラウディア以外は“いつもの”ってリアクションだな。扱いが酷い。
「この位置だとキャンプの方が近いからアズズはそっちに運ぶ。あと、アズズの機体は基地の方で修理に回す。整備班が基地に持っていくから、ついでにお前らも機体の弾薬とか補給して貰え」
《了解》
《ラジャった!!》
《はーい》
ピラーの攻撃範囲内には基地は入ってないから解析と補給が終われば、我々の勝利は確実である。
☆☆☆☆
「って思ってたら完全にフラグだったね。館山城の隣にチンアナゴピラー生えてくるとか、草生えるを越えてチンアナゴ生える」
「お前のせいか!!反省しろよ!!」
「アズもたまにやるよね。フラグ建てるの」
キャンプに着いてから、アズズを叩き起こして今後の方針を話し合う。何か微妙に話は脱線するが。
確かにアズズも“やったか?”を結構言うよな。何であれ言うとやってないのが確実になるんだろうな。
「とにかくだ、敵のからくりが子供達のお陰でモスキート音だと分かったんだ。後は基地に行くのが問題なんだが……俺はモスキート音聴こえなかったけど!!」
ショックだった。映像見ても、えっ?何か鳴ってる?えっ?だった。
「飛鳥、落ち込まないでくれ。人は老いには逆らえない。仕方無いんだ」
「老いって言うなクラウディア。悪気が無いのは分かるけど、逃れられない現実でダメージ与えるのやめろ」
やめてくれ、その術は俺に効く。
「オッサン、さっさと作戦建てるぞ」
「アズズお前!!表に出ろぉ!!」
「飛鳥さん落ち着いて!?アズちゃんも、事実でもそんな事言ったらダメだよ」
おい園香、フォローになってないんだが?
「飛鳥おじさんは置いといて、どうやって基地に行くの?」
「宮古酷い!おじさん泣いちゃう!」
「うざっ」
「今日みんな酷くない?えっ、おじさんって嫌われるん?嘘やん」
泣いたフリをしていると、外から声が。否、既に内部に侵入していたシールド隊三人が移動経路を提案してきた。その経路とは……
「「「そう俺達を運んでくれるのは海!!!!」」」
褌姿でそう言った。ケツを叩くな。
☆☆☆☆
実際提案された内容は理に叶っていた。範囲外の海を渡り、洞窟を抜けて基地に向かう。洞窟ならピラーに感知される危険性は少ないからな。
「で、俺も褌にされたんだが?」
「そりゃ海だからな!!」
金髪が言った。
「理由になってないんだが?」
「海だからな!!」
ロン毛が言った。
「で、クラウディア達も水着なのか」
「海だからな!!」
「そこは同意しとくわ」
グラサンが言った。
「「「やはり俺達の海!!」」」
後ろに波が見える。暑苦しい絵面だな。そしてケツを叩くな。
「お前もやれ!!」
「これ以上暑苦しくしてたまるか!!絶対やるなよ!!」
「おっ、フリか?流石に嫌ならやらんけど」
「マジでやめろ……」
アズズが“男臭い”って嘆いている。パッと見、完全にセクハラだよな。
「それにしても、お前達、水着似合ってるな」
「そうか?私は水着という物を殆んど着た事がないからな。新鮮だ」
「わーい褒められた!」
「学校指定の水着なんて久しぶりだなぁ……」
園香は本当なら中学生だもんな……いや、中学生には園香は刺激が強すぎないか?何あれ一番でか……
「見るな変態!!」
「ああ!?今度は通信機で殴りやがった!?」
「その辺りに落ちてる石でも良かったんだぞ?」
「それは普通に死ぬ!!」
海岸で殺人事件とか洒落にならない。アズズが人殺せる大きさの石を持てるか疑問だけど。重くて無理そうだな。
「今何か失礼な事考えたろ」
「水着似合ってるなって思いました」
「……ありがと」
えっ、チョロ過ぎん?いや、可愛いけどさ。大丈夫か?騙されたりしない?
「何やら話している所悪いのだが時間が無い。急ごう」
「そうだな、行こう」
「……今行く」
船に乗り込み、洞窟へ到着したが、中はかなり荒れていた。整備するのにかなり手を掛けたんだが、所々崩落していた。
「ピラーの影響かもね。枯渇現象がげ」
言い切る前にイケメソが濁流に落ちた。南無三。
「しかし枯渇現象の影響があるなら俺達も気合いを入れないと倒れるぞ」
「聞いたか!!ここからは全力でクラウちゃん達をエスコートするぞ!!」
「「「「「おお!!」」」」」
グラサンが叫ぶ。それに反応して男達が気合いを入れて叫ぶ。そしてイケメソが濁流に落ちた。そしてケツを叩くな。クラウディアと宮古もやるな。
☆☆☆☆
「さぁ、ここは僕に任せて先に行くんだ!」
「イケメソ!!そんな美味しい真似するな!!」
「邪魔なだけだろ」
アズズが突っ込む。いや、確かにどう見ても邪魔だろ。普通に跨げる距離だよ。あ、イケメソが滝壺に落ちた。
☆☆☆☆
今度は橋が崩落して跨げる距離じゃない。ならばと俺達は己の身体で橋を作る。えっ、俺が一番手前なの?めちゃくちゃしんどいんだけど?しかもイケメソが先に岸に居るし。
「こっちだよ皆!!」
「何で先に渡ってるんだ!!」
男達はイケメソに野次を飛ばす。つーかもうお前が不死鳥で良くないか?何回甦った?
「ミコちゃんに踏まれる……ミコちゃんに踏まれる……」
「後ろでヤバい声聞こえるんだけど。四人全員渡ったらお前ら全員蹴落として良いか?」
「先頭のお前がそんな事したら全滅するだろうが!?」
ロン毛に怒られた。だってグラサンが怨念の如く呟いてるんだもん。怖いじゃん?
「ゴール!!」
気が付いたら宮古が渡りきっていた。
「あれ?案外グラサンが大人しかったな?」
後ろを見てみるとグラサンが泣いていた。踏まれなかったらしい。
「ミコちゃんに踏まれたかった!!」
「悪いけどやっぱり蹴落とすわ。お前らは最高の仲間だった。嫌いな所もあったが、やっぱり良い奴らだった」
「やめろ焼き鳥!!グラサンも落ち着け!!焼き鳥は本気で俺達をここで終わらせるつもりだ!!」
「何やってんだお前らは……」
渡りきったアズズに呆れられた。呆れたいのはこっちなんだよなぁ!!
「冗談抜きにそろそろ手がキツイんだよな。後は園香とクラウディアか?園香はそろそろ渡りきりそうだな?」
クラウディアは中央辺りか。ギリギリ行けそうだ。
「渡れたぁ……後はクーちゃんだけだね」
「クラウディアは運動神経良いから大丈夫だろ。何も無ければ問題ない」
「バカ!今日のお前がフラグ建てるな!!」
アズズが焦った声を出す。いやいや、そうそう何か起きる訳が……
「きゃん!?」
「ダニィ!?」
背中にめちゃくちゃ柔らかい感触が!?と言うか若干の重みが!?
「す、済まない、バランスを崩して……」
「あのバランスの良いクラウディア選手が!?いや、落ちないのは流石だ……うん」
クラウディアが俺の背中にしがみついて覆い被さってる状態だ。その……凄いです。
「……立てそうか?岸は目の前なんだが」
「大丈夫……だ。よし、行けた」
全員渡ったな。よし、じゃあ……どう戻れば良いんだ?安全に戻る方法を考えていると、後ろから怒号が飛び交った。
「クラウちゃんに抱き付かれやがって!!」
「ズルいぞ!!」
「柔らかかったかぁ!?」
そうだ。戻る方法を思い付いた。やっぱり蹴落とそう。俺一人なら余裕で登れるわ。
「墓は建ててやるからな?」
「焼き鳥やめろ!!マジでやめろ!!」
「さよならだ。あと、柔らかかったし、良い匂いもした」
「「「「「畜生!!覚えてろ!!」」」」」
戦士達は眠った。良い奴らだった。本当に。あと何故か岸に居たイケメソの足場が崩れて落ちた。
「何だ。私の匂いが好きなら嗅がせてやるぞ?」
「天然でそう言う発言やめてね!?自分を大切にして!!それに他の三人からの視線がヤバいから!!特にアズズ!?ゴミを見る様な目をやめてね!!」
「様な目じゃなくて、ウチは今ゴミを見てるんだ。腐った生ゴミを」
めちゃくちゃ怒ってる!!確かに失言が過ぎたけど!!
《最低》
《最低だと思う》
《最低です》
通信機越しにオペレーターの三人からも罵倒されたんだが?えっ、味方居ないの?里見さんは?
《おじさんでその発言はダメでしょ》
「でもまだ俺二十代!!四捨五入したら三十だけど!!」
「二十五過ぎたらオッサンだろ」
《…………》
あっ、アズズの発言の流れ弾がオペレーターの本庄に……二十五だったなあいつ。そう言えばルサルカはギリギリ持ちこたえたな……ん?何か寒気が。
《今お前の所に緊急のメールが届いたみたいだから開くぞ。相手は欧州のワルキューレの指揮官様だ。どんな急ぎの内容が……》
「えっ、このタイミングで?待って里見さん?開かないで?怖いんだけど!!」
《あー…………伝えるぞ?内容は、至って、シンプルだ。…………………………“今度会ったら殺す”だそうだ》
「ヒエッ」
俺は心底恐怖した。アズズの改造で爆発した時よりも。ピラーとの戦闘で墜ちた時よりも。何より恐怖した。
☆☆☆☆
何とか洞窟と繋がっていたプールまで来た俺達。
「おかしいな?水で濡れたからかな?俺、さっきから身体の震えが止まらないんだ……」
「死の恐怖だろ。お前には良い薬だ。さて、ここからも慎重に物音を立てずに……」
そう言った矢先、宮古がくしゃみをしそうになり、園香がそれを押さえた。だが……
「くしゅん」
クラウディアがくしゃみをしてしまった。今日凄いポンコツクラウディアやね。
「す、済まない……」
「あら可愛いくしゃみ……ってアズズ、不味いよな?」
「……走れ!!」
クラウディアのくしゃみに反応したピラーが攻撃をしてくる。小型のピラーも出てきた、急がなくては。しかし園香が遅れている。それを小型のピラーが狙った。ヤバいヤバいヤバい!!
「間に合うか!?」
園香の方に駆け出すが間に合うかは怪しい。攻撃を撃とうとするピラー。しかしピラーから攻撃が来る前にピラーは撃破された。
「あの機体は……!!っ、園香、急げ!!」
「う、うん!!」
何であの機体が来たかは分からんが、今は目の前の敵に集中しなければ。
格納庫に着いたクラウディア達は機体に乗り込んだ。整備は万全。枯渇現象で辛い中、良くやった物だ。
☆☆☆☆
四人同時にピラーを撃破し勝利を納めたクラウディア達。そしてもう一機の英霊機から降りて来たのは……
「あんた達、何て格好で飛んでんだい」
天塚・弥生だった。服装に関してはブーメランが刺さった奴だった。
匿名外したので改めまして、しろねぎです。多分皆さん初めましてです。本当に評価に色が付くとは思いませんでした。ありがとうございます!有名な人にも評価入れて貰えたしハーメルンで書いてる実感が湧きます!今後とも宜しくお願い致します!
やっぱり本編を越えるギャグは無理や。そしてサブタイトルつけ忘れてたわ。