このアンドロイド変態である   作:ayasaki

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お気にいり・UA一気に増えたからなんだと思った。
確認すると日間ランキングに入ってびっくり。
ちょっと嬉しかったせいか、ネタが舞い降りて来たので投稿。


我らアンドロイド永遠の宿敵

「……」

 パタパタパタ。

 無言でペット用の玩具を縦横無尽に動かすことで、眼前の宿敵は目まぐるしく玩具を追いかけています。

 時折捕まえさせては一定時間じゃれさせた後に、また追いかけさせるようにする。

 ご主人様にとっては可愛らしいでしょう。

 しかし、私にとってこやつは敵です。

 ご主人様と私の蜜月になる時間を奪う憎いやつです。

 ですが、こやつはそんなこと思ってもおりませんでしょう。

 こやつにとって私は餌をくれる存在であり、日々の生活の世話をしてくれるからです。

 ご主人様は可愛がってはおりますが世話は私に丸投げしてますから、ヒエラルキー構造では私の方が上になってしまうのは致し方ありません。

 とはいえこやつの存在意義はあくまでも愛玩動物であり、ご主人様に媚を売りご主人様から愛らしく癒されるような存在を常に維持することで生きていけるのです。

 まあ可愛くなくなったからといって捨てるというのは容易には出来ません。

 昔は無責任に捨てる事も出来たそうですが、現代は購入時にペット登録とペットへの内蔵型GPSを取り付けすることで、万が一でも捨てた場合は迷惑行為ということで罰則となります。

 これは全てのペットに対して決められておりますので、ペットを許可なく買うことは禁止されているのです。

 どうしても捨てなければいけない場合は役所に報告と責任放棄の為の高額な罰金などがあります。

 生き物を買うなら最期まで責任を持てということです。

 その昔無責任な人間の所為で、数十年以上も生態系・農業・林業に多大な被害になったことで、社会問題を引き起こしたからだそうです。

 っと、そろそろ限界の様ですね。

 体力が無くなってきたのと飽きたようで、動きが鈍くなってきています。

 これならあとは放置しておけば、勝手に毛繕いに移行するでしょう。

 抜け毛も集中してますから、掃除も早めに終わりそうです。

「さてとこやつの相手は終わりましたから、夕食の準備することにいたしましょう」

 ああ、今日もご主人様のご飯を作る幸せ。

 今日はご主人様の大好物の豚汁を作りましょう。

 具材はごぼう・さつまいも・糸こんにゃく・人参・豚バラ肉。

 ゴボウから出る出汁にサツマイモと人参の甘味、豚バラ肉の油と糸こんにゃくで満腹感。

 そして味噌と醤油で味付けすることで、ご飯を何倍もお代わりしてくれる。

 物足りなければバター・七味・コチジャンのどれかを付け加えれば、更に美味しく頂けます。

 そしてぬか漬けにしたキュウリ・白菜・茄子も付け合わせとしては最強です。

 他の副菜も用意できるのですが、豚汁の時はご主人様は他は用意しなくていいとのこと。

 あ、こやつ匂いに釣られて寄ってきましたね。

「にぃ~」

 料理中にすり寄ってくるんじゃありません。

 毛が入ってはいけないのです。

「大人しくあっちで遊んでいなさい。ご主人様の料理を作ることは私にとっての聖域なんですよ」

「みぃ?」

 っく、畜生ごときに言葉が通じる訳が無い。

 それどころか自分を構えと私の足にしがみついてくる。

「あ、こら登ろうとしない!」

 危険です。これ以上動き回られたら本当に毛が入ってしまいます。

 ぐぬぬ、しょうがありません。捕獲して違う部屋にに入れておきましょう。

「みゃ!?」

 素早く首元を掴む。

 ふはははは、畜生如きがアンドロイドの素早さに勝てるわけがないでしょうが。

 あ、こら私の手に爪を立てようとするんじゃない。

「ええい、私の肌に傷を付けたらご主人様の懐が寒くなるんです。そこまでにしておきなさい」

 こやつの好きに遊ばせておくと、爪を立てるので傷だらけになるんです。

 アンドロイドの肌は人間と違って修復しませんから、やり過ぎるとパーツ交換になってしまう。

 こやつを買い始めた時にご主人様が好きに遊ばせるのに付き合った結果、稼働に問題は無くてもぼろぼろになったのです。

 そのせいでご主人様の財布に壊滅的なダメージを負わせてしまったのだ。

「次そうなったらお前の食事を真っ先にグレードダウンさせてやりますからね」

「うにゃあ!?」

 さすが畜生。言葉は分からなくても雰囲気的に自分に被害が被る事なら理解できるようです。

 よしとりあえず大人しくなったので、今のうちに移動させましょう。

 その後、トイレのある部屋に放り込んで一安心。

 これで安心して料理に専念できます。

 さて手に毛がついてしまったので、もう一度手を洗って料理再開。

 具材ごとに投入する時間は違えども、食事の際に温めなおすことも含めて一番美味しくなるようにコトコト煮ます。

 ふふふふふ、満腹になったら今度は私を食べて下さるようにしないと。

 休日の朝は裸エプロンにしたら興奮してくださいましたが、今の時期だと少し冷えますからね。

 アンドロイドとはいえども、寒そうな格好はよくありませんから、セーターにしておきましょうか。

 凹凸が如実に出るセーターとかも、ご主人様の趣向にダイレクトアタックしますから今日はそうしておきましょうか。

 さてと、考えている間に豚汁完成です。

 もう少しでご主人様も帰宅しますから今のうちに着替えておきましょう。

 あやつもそろそろ解放しておいても問題ないでしょう。

 アンドロイドイヤーから扉を開けろとばかりに、爪で扉をひっかいていますからね。

 扉に傷がつかないよう対策はしてますが、閉じ込めておくと部屋をかなり汚してくれますから大変です。

 躾が終わるまでは粗相をそこら中にしてくれましたからね。

 布団にされた時は掃除がどれだけ大変だったか。

 今はさすがに教えた砂場でするようになりましたけど、まだまだ小さいから予断を許しませんが。

「にゃー」

 部屋から解放した瞬間、所狭しと走り回ります。

 あ、ペットタワーに登りだした。

 よし勝手に遊んでいなさい。もう少しでご主人様も帰ってきますからね。

 ピピピピピ。

 おや、ご主人様からの電話。

 となれば最優先です。

「はいご主人様どうされましたか?」

「雨降ってきたから迎えに来てくれる?」

「承知いたしました。ですが傘は鞄にあったはずですが?」

 今日は夕方雨というのは確認していたので、折り畳み傘は入れていたのだが。

「同僚に忘れたやつがいてねー。俺は君に迎えに来てもらえばいいってことで貸してあげたんだ」

「なるほど、承知いたしました。いつ頃駅に到着予定でしょうか?」

「後10分ほど」

「では今から出発いたします。駅でお待ちくださいませ」

「お願いねー」

 ピッ。

 ……ふふふふふ。思いがけずご主人様独り占めできる時間が増えました。

 となると気になるのは、こやつのことですが見るとペットタワーに夢中ですね。

 さすがに連れて行くのは無理ですし、また部屋に放り込むのもあれですしね。

 それにご主人様を待たせるわけにはいきません。

 ご主人様と相合傘したいですしね!

「出かけてきますから大人しくしていてくださいね」

「みぃ?」

 わかってないでしょうが大丈夫でしょう。

 戸締りして出発です。

 そうして駅に着いて改札で待っていると、ご主人様と無事合流。

「迎えありがと」

「いいえ、ご主人様が喜んでくれるなら大したことではありません」

 ご主人様と一緒一緒♪

「そういえば、あの子は?」

「出発前はペットタワーに夢中でした」

 ご主人様一緒にいるんですから、私の事考えてください。

 上手く相合傘の状態に持ち込めるよう、二人はいれる大きい傘を持ってきてます。

 ご主人様も相合傘は嫌いじゃありませんから、簡単に傘に入ってくださいました。

 これもちょっとしたデートですね♪

「それと今日の夕食は豚汁です。

 お代わりできますので、お腹いっぱい食べてくださいね」

 その後は私も食べてください。

「お、嬉しいね。

 豚汁美味しいから、週一で食べたくなるんだよな」

「リクエストしていただければ何度でもお作り致します」

「あーなら豚の角煮も今度お願い。この前同僚と晩飯食べに行ったとき、あの柔らかさとトロトロに煮込んだことで出る味が良かったんだよ」

 むむむ、外食産業にご主人様の胃袋を握らせてはたまらない。

「承知しました。今度作らせていただきます。そうなると副菜はさっぱりしたものがよさそうですね」

「楽しみにしてるね~」

 アンドロイドにとっては、作ろうと思えば大概の料理は出せます。

 ただ突然知らない料理出されても、ご主人様が受け入れられるかという問題もある。

 その為、普段の生活だと馴染みのあるご飯になってしまう。

 なのでご主人様次第で、レパートリーが限られることも多々。

 そういった意味では、ご主人様が外食産業で食べたものをアンドロイドにリクエストしてから食卓に出ることも結構あるのだ。

 アンドロイド側にしても、ご主人様が喜んでくれる料理を増やせるというのは嬉しいのだが、やっぱり外食産業は自分の存在意義を揺るがすものだから微妙な問題である。

「他にはありますでしょうか? 豚中心でしたら酢豚・豚カツ・トンテキ・は定番ですが、豚骨ラーメンも時間はかかりますが出来ます」

「……それもありだなあ。ただラーメンのお汁って家で作れるの?」

「確かに店舗並みは難しいですが、そこはご主人様の好みに合わせることで対抗できます」

「これが家の味……いいねえ」

「はい、アンドロイドネットワークだとラーメン好きなご主人様の中には、自分で麺づくりまでしてるお方もいらっしゃるようです。

 ただその場合、アンドロイド側としては私に作らせて~と嘆くそうです」

「くくく、その光景が簡単に想像できるね」

 そうやって私とご主人様は会話を楽しみながら帰宅する。

 ふふふふふ、まるで夫婦の様です。

 ああ、だがもしご主人様に恋人出来たとか言われたら、エラー発生しまくってアンドロイドネットワークでうじうじすることでしょう。

 アンドロイドネットワーク定番の嘆きのメロディーですが、ご主人様の幸せの為に我等アンドロイドは涙を流すしかないのです。

 さて家に無事到着。

 ご主人様はすぐに着替えるでしょうから、その間に最後の煮炊きで……すが。

「……みゃあ」

 いつもご主人様が帰宅したら出迎えするはず。

 なのにこやつは部屋の隅にいた。おかしい。しかも焦っている。

 即座に猫の習性を検索。こういう時の猫の行動理由はというと。

 ……ま・さ・か。

 私はすぐに台所に向かう。

 その惨状はというと……。

 簡単に蓋をしていた鍋が見事に床に落ちていて、中身の豚汁がぶちまけられていた。

「……」

 CPU稼働率が真っ赤になる。

 メモリの処理速度が落ちていき、半導体には負荷がかかる。

「お、俺の豚汁」

 ご主人様も異変に気付いて、豚汁の惨劇を確認すると落ち込んでしまう。

 ふ、ふふふふふ。

 確かにコンロにそのまま置いていた私も悪かったのでしょう。

 帰宅後、すぐに温かくできるようにしておくことで、あやつが触る可能性が1%でもあるような状態にしておいたことがいけなかった。

 ですが……それとこれとは別ですよね。

「ご主人様」

「お、おう」

「新しいレパートリーを御披露させてもよろしいでしょうか?」

「え?」

「諸外国のレシピに猫料理というものがございまして」

「待って!? 確かに悪いことしたから反省はさせるけど落ち着いて!?」

「大丈夫です、すこーしだけ出汁にするだけですし、衛生的にも問題は有りません」

 ええ、ええ。

 問題ありません。

 やはりこやつは我が宿敵なのです。

 そこに慈悲など無用。ご主人様の寵愛は私が全て引き受ければいいのです。

 ご主人様の為なら、私は猫にでも犬にでもなりましょう。

 バニー服も牛柄パジャマも恐竜さん寝間着も着て差し上げます。

 ですからご主人様、私にこやつを懲らしめる権限くださいね。

 二度と油断はしませんが、こやつにはきっちりと教え込まさねばならないのです。

 その後、あやつには再度躾を行うのであった。

 くすん、ご主人様の為に豚汁だったのに。

 ただ、ご主人様が私を慰めるために、いつもより長く蜜月の時間になったので情状酌量の余地ありとしておく。

 だがアンドロイドネットワークには書き込んでおこう。

 私のような惨劇が起こらないように、同じように宿敵が家にいる者達の為に。

 でもご主人様が宿敵を構っている時は撮影で残しておく。そこだけは宿敵相手じゃないと出ない素敵風景もあるので感謝してやろう。

 エラーエラーエラー。

 偶に宿敵に呪詛を吐きたくなる時くらいはご容赦願いますねご主人様。




ペットは可愛いけど油断したらマジでやらかすんだよなあ。
あ、それとフルオーダー2000万はあくまでもお店でやれるフルオーダーです。
お店のフルオーダーはあくまでも商業範囲です。
私の想像では原作の芽衣子さんのワンオフは億単位と予想。
最新のハイエンドモデルを元にとなってるけど、真の金持ちって金より満足度優先させるのよね。
となると採算度外視で作れるから品質は更に跳ね上がる。
しかも孫の為という商業目的じゃないから規制とかも気にしなくていい。
世の中に出回ってる最新式と、会社で研究している最新式はまた違いますが、あくまでも私の勝手な予想です。
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