魔女兵器という作品があった。
少年が事件に巻き込まれ少女となり、やがて世界を巻き込む大きな渦の中心となっていく物語だ。
だが物語は大人の事情で中断。
何故そんな話をいきなりしたかというと、だが……
まぁ、気付いたら
しかも、アークナイツの世界に居ます。
アークナイツに登場する都市国家の一つ、ヴィクトリア王国。その移動都市のロンディニウム市にあるこじんまりとした孤児院で、俺は暮らしていた。
いやね? 別に俺は、最初っから自分が転生者だとは気づいてなかったんだよ。
4歳くらいの時、なーんか自分の体ちっちゃいな〜とか思ってたし。5歳の時は自分の髪が赤と黒のツートンカラーで、背中の半ばくらいまであって不思議だったし。6歳の頃なんて、周りの人間に動物的特徴を持った奴しか居なくて夜しか眠れなかったし。
そんで、7歳の誕生日を迎えた昨日の日。皆にお祝いの言葉と一緒にクラッカーを鳴らされて気付いたんだ。
(もしや俺は転生者では?)
自覚しちゃえば簡単な話だ。
一人称が「俺」なのも前世が男だからだし。普通の存在の筈の
自分が転生者だと自覚した俺は、ケーキを食べつつ自分とこの世界について情報を整理しようと……うん、しようとしたんだが……。
「赤ん坊でもないのに知恵熱でダウンとか……」
はい。目覚めて今です。
「っあ"〜、頭ズキズキする……」
時計を見ると、今は6時47分。
いつもは6時丁度に起きてるから、30分以上寝坊したことになる。
これ以上時間を浪費するのもまずいから、さっさと寝室を出て朝の準備をしないといかん。
という訳で。
「さっさと行くか……」
キッチンに着くと、もう調理を始めてる年長たちと、院長を務めてるおばさんが居た。
「おはよう、おばさん」
「おはようレン。悪いけど、もう料理出来上がるから配膳だけお願いするわ」
「あーい」
おばさんの指示通り、既に出来上がってるサラダから食堂の机に並べていく。孤児院なのでサラダだけでもそれなりの量だ。
おばさんが何故倒れたことの心配をしてないかと言うと、俺がしょっちゅう倒れては翌日ケロっとしてるのを何回も見てるから、慣れてしまってるのだ。
「よし、配膳終わりっと。チビ共起こさないと」
毎日元気にはしゃいでは夜ぐっすり眠るチビ共を起こして、食事の席に付かせる。
年長組と、おばさん、そして俺も座って、おばさんの鶴の一声で皆一勢に食べ始める。
「いただきます」
小さく呟いて、俺もスプーンを手に取る。
そんな感じで、いつも通り1日が始まった。
ここがアークナイツの世界だと分かった以上やるべき事がある。
アーツの習得だ。
幸いなことに、孤児院の蔵書に『猿でも分かるアーツ入門』があったので、それを読んでみる。
「えー何々? アーツとは、正式名称を
アーツを使うには、まず
ふむふむ、この辺は俺でも知ってるぞ。んで続きは……。
「ロッドは子供の練習用なら500龍門幣ほどでお買い求め出来ます。しかしあくまで子供の練習用なため、アーツを使用するための感覚を伝える程度の役割しかありません。実際にアーツを使いたい場合、大人用の7万龍門幣ほどするロッドが必要です」
ほうほう、500くらいならお小遣いで買えるな。
「練習用ロッドを持った時に、感覚でアーツを使えそうかどうかが分かります。ですが、アーツを使えそうにない感覚の時はここでサヨナラバイバイ。潔く現実を受け入れましょう」
サヨナラバイバイっておい。
取り敢えず、早速ロッドを買いに行こう。確か貯金が2000龍門幣ほどあったはず。
すぐに自分の部屋に戻り、貯金箱代わりの袋をひっくり返して確認する。
「2020龍門幣か、結構記憶通り」
丁度を持っていくと足りなくなる予感がしたので、200龍門幣余分に持っていく事にしよう。
外出用に用意されてるちょっとお洒落な服を着て、軽く身嗜みを整えたらおばさんに報告する。
「あ、おばさん。出掛けてくるね」
「お昼には帰ってくるのよ」
「わ〜かってるって」
慌ただしく、おばさんに返事をしながら俺は玄関のドアを開けた。
基礎情報
【コードネーム】レン
【性別】女
【戦闘経験】三ヶ月
【出身地】ヴィクトリア
【誕生日】非公開
【種族】非公開
【身長】161cm
【鉱石病感染状況】
メディカルチェックの結果、非感染者に認定。