【WR】戦姫絶唱シンフォギア S.O.N.G. of Valkyries 全員生存RTA【22:04:21,87】 作:REALGOLD
本編前 Part1
急に歌うRTAはーじまーるよー。
という訳で今回は業界屈指に過酷で有名なシンフォギアシリーズのARPG「戦姫絶唱シンフォギア S.O.N.G. of Valkyries」においてキャラ全員生存エンドのトロフィー《生きるのを諦めない》を最速で獲得していこうと思います。
オペレーターや博士系のOTONAたちは原作と同じルートをたどりますが、ギア装者や錬金術師などはプレイヤーの行動とステータス次第で生存させることが可能です。
なので自キャラをビシバシたたき上げつつ必要に応じて痛い目にあってもらいます(暗黒微笑)
さて、前置きはこのくらいにして早速キャラメイクから入っていきましょう。
ではNEW GAMEを選択してイクゾー!(デッデッデデデデッカーン
性別はもちろん女。でないと変身できないからね。
ここで男を選ぶとエージェントか錬金術師になりますが、RTA的には無価値なので女を選ぶのが無難でしょう。
お前ノンケかよぉ!(絶望)
続いて外見をいじります。
追加のキャラクリエイトパーツがセットで販売しているのでこだわりたい人は買って好き放題にしてみましょう。
職人クラスになると、響っぽい声がする魔法少女とかラッキースケベられそうな消防官とかいろいろ作れます。
とりあえずRTAでは適当でいいのでランダム生成で(ポチっと
~少女制作中~
外見なんてこだわってもタイムが早くなるわけではないので次に移りましょう。
ちなみに名前は入力速度を考えてデフォルトネームの
略してモツちゃんです。煮込みましょう。
続いてステータスをいじります。
ここはやっぱり……王道を征く筋力(POW)タイプですねぇ。
他にも技量(DEX)、速度(SPD)、適合(LNK)、知力(INT)と全部で5種類あり、それぞれ覚えられるスキルの傾向が異なります。
だがRTAにおいては火力こそパワー。筋肉は何でも解決してくれます。
さて最後に詞ちゃんのスタート陣営を選択しましょう。
ここではギア(F.I.S.)ルートかファウストローブ(パヴァリア)ルートのどちらかを選択できます。
まず手始めにCMか回想の中しか出番のなかったセレナを救助するのでギア(F.I.S.)ルートを選択しましょう。
ちなみに先ほども述べましたが、マムとDr.杉田はどう頑張っても助けられません(6敗)
悲しいなぁ……。
そんなこんなですべての準備が整いました。最後にもう一度項目を確認したら完了です。
【このキャラクターでゲームを開始しますか?】
と聞かれるので「当たり前だよなぁ?」と答えます。
ここから計測開始です。
はーい、よーいスタート。
舞台は白い孤児院。孤児院とは名ばかりの実験棟ですね。
へその緒回収しなきゃ(狩人並感)
未視聴兄貴たちのために解説しておくと、ここはフィーネというウン十世紀前からの片思い(後に両想いと判明)を引きずってる半裸のおばゲフンゲフン
お姉さんが現世に復活するための肉体(子供)をかき集めた施設です。
児ポ法違反はまずいですよ!?
画面上ではフィーネや聖遺物やいろんなものの説明を行っているので、ここらで幼少期パートでやることについて軽く説明しておこうと思います。
このパートではセレナの生存フラグ確立、ボス戦への対策、セレナ、マリア、切歌、調とのフラグ立ての順序で進行していきます。
といっても訓練を重ねていけばこのパートは問題なく終わるので肩慣らし程度に流してイきますよ~、イクイク。
しかしこのF.I.S.パートに出てくるボスが少し厄介で、攻略法を知らないと確実に負けます。
というのも確定で行ってくる「ある攻撃」に即死級コンボがあり、これをみすみす喰らった時点で生存フラグがお亡くなりになるのでリセです。
下調べは大事なんやなって。ぶっかけ本番とかシャレになりません。
そんなこんなで早速マムのご登場です。乗馬用の鞭を持ってますね。
ボンデージとアイマスクも持ってきて、どうぞ(ドM)
「今日からあなた達には戦闘訓練を行ってもらいます。フィーネの器になれなかったレセプターチルドレンは、涙より血を流すことで組織に貢献するのです!」
はえ~、すっごいこわい(適当)
では早速マムの指示通りに訓練に勤しみましょう。もたもたしてるとセレナが絶唱顔して(チャート)壊れちゃ^~う。
プレイヤー画面に入って詞ちゃんの操作が可能になりました。早速少女育成計画を進めていきましょう。
この幼少期パートで行う内容に関しては以下のように繰り返します。
1:適合実験 2:体力トレーニング 3:格闘戦トレーニング 4:休息 以降繰り返し
メニュー1~4で1週とし、3回訓練して一回休みという流れを基本形態として今後も運用していきます。
ちなみにこのゲームにおける訓練は体力が100%の状態で受けると取得経験値が20%UPします。
特に適合係数は今後のチャート進行でもかーなーり重要なのでボーナスは積極的に狙っていきましょう。
ボスイベント発生の条件は主人公が一定の訓練回数をこなす事なので選択ミスってもイベントは進みますが、育成計画がガバります。
まぁそんな凡ミスする走者なんているわけないんですけどね(慢心)
さて画面上では一回目の休息に入りました。
この休息イベントでは同室に原作キャラがいる場合会話イベントが発生します。
NPCの行動は固定なので訓練の内容をチャート通りに(←ここ重要)進めていればここでカデンツァヴナ姉妹との会話イベントを挟みます。
画面が暗転してイベントシーンに入りました。
待機室ではぐずっているセレナをマリア姉さんがお歌であやしていますね。美しい姉妹愛で心温まる光景ですがまずは挨拶してみましょう。
おぅ姉ちゃん、いい声しとるやんけ(威圧)
「……あっ、ごめんなさい」
うーん怒ってると取られたみたいですねぇ、褒めたんだけどなぁ……。
とりあえず誤解を解きたいので選択肢から「いい歌だね」を選びます。
他にも「きれいな目」とか「かわいい妹さんね」とか選択肢が軒並みナンパセリフなのは何なんですかねぇ……。
ロリレズ、そういうのもあるのか(啓蒙)
「ここに連れてこられる前に、よく歌ってたの。だからセレナも落ち着いてくれるかなって」
分かっちゃいましたがこの頃からすでにシスコn
妹思いのいいお姉ちゃんだったんですね。さすが悪事以外は何でもこなせるたやマさんやでぇ……。
こんな具合にチマチマ会話しつつ選択肢を外さなければボスイベントまでには好感度ノルマは達成できます。
外したら好感度が微妙に足りなくてこの後の攻略に支障が出るのでリセです(3敗)
このあとは幼女同士のイチャイチャと育成が続くのでその間に本RTA最大の難所さんであるボス戦について触れておこうと思います。
原作履修済み兄貴たちなら白い孤児院でセレナが絡むボス級と聞けば「あぁアイツか」となる事かと思います。
実際にその通りなのですが、このゲームはモブに厳しいことで有名なシンフォギアシリーズということで難易度自体もなかなか厳しめです。
ぶっちゃけるとキャラの生存に関しては特定の会話イベントによる好感度稼ぎや、XVのラスボスまで行けるステータスがあれば最終戦には装者、錬金術師そろってアッセンボォ……(CV.アメリカのシールダー)することは出来るのです。
しかし本編と異なり自陣の頭数が多くなるわけなので、敵側の戦力もぐっと増えます。
具体的に言うとスペックが通常プレイ(原作ルート)に比べて3倍くらいに膨れ上がります。ワンパンされると体力ゲージが6割持ってかれるのは序の口、ラスボスなんてカスダメツーパンでゲームオーバーです。
なんだこれはたまげたなぁ……(戦慄)
と、ここでようやくボス登場イベントに突入しました。
孤児院に来てから数年後のお話です。少女たちも背が伸びてちょっと大人になりましたね。
まぁそんなことは置いといて、ネフィリムの起動実験中に暴走して大爆発しててんやわんやしています。白衣の大人たちが黒焦げの炭になったり真っ赤な肉塊になったり楽しいことになってますよ(サイコ)
そんなわけで孤児院が完全にブッ壊れる前にアルビノネフィリムをどうにかしましょう。
プレイヤー画面に変わりました。
ここでまずやることは研究室を漁ってありったけのLinkerをかき集めることです。
このLinkerは優しさで出来たウェル博士お手製のLinkerで、選択したステータスを+100するというトンデモ効果を持っています。やりすぎると薬害で死にます(1敗)
こいつは後々のフラグになるので5本全部にロックを掛けましょう。
ヨシ!(指差確認)
続いてセレナと詞ちゃんの適合計数を確認します。
セレナ生存フラグの1つになっているのは「Aネフィリム戦に入るまでにセレナより適合係数が高いこと」なので訓練メニューでは休息を取った後で適合実験が来るように組む必要があったんですね(メガトン構文)
この時点で足りない場合は仕方ないのでお薬をキメましょう。今回はセレナが45に対し詞ちゃんは48。計算通りですね。
ノルマは達成できているのでこのままボスに突っ込むどー!ばんざぁぁぁぁぁぁぁぁい!
「ツカサ!?ここにきてはダメ!」
マムとの会話シーンを少し挟んだ後に詞ちゃんのカッコいい初変身ムービーが入るので見逃さないようにしましょう。まぁスキップするので見たい方はほんへ買って、どうぞ。
このムービーが流れたことでアームドギアの情報が開示されます。
本命は大剣や大槌などの重装型です。ナイフや爪などの軽装は即リセです(無慈悲)
もうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセは嫌だもうリセはしtonight
《少女変身中》
なんと、斧!
やりました。ご希望の重装型の中では最高火力のアームドギアです。いやぁ走者は屑運なんて当てになりませんねぇ(手のひらドリル)
有志の調査によると、アームドギアの抽選については完全ランダム制らしく、何が来るか全く想像つかないのでここが序盤のリセポイントです。
なんでコンシューマーでリセマラしなくちゃいけないんですか?(電話猫)
早速戦闘に入りましょう。
このAネフィリム君ですが、生存フラグが立っているので怯み値と防御力に補正がかかっています。現状の火力だとHPバーを削り切る間に一回ひるむかどうかというくらいにガチガチです。
よってこちらが被弾する可能性が高まりますが、敵の動きはそこまで速くありません。
要はタンクですね。マネしやがって……。
というわけでひたすら弱点の頭部目掛けて攻撃を叩きつけてやりましょう(SPYAIR)
ひるみは期待できませんが単純にダメージは多く入ります。他の部位に攻撃したところで微々たるダメージしか入らないので時間の無駄です。じゃけん(頭を潰しに)逝きましょうねぇ~。
《少女解体中》
ホラホラホラホラ、ホラホラホラホラ(ごり押し)
お、コイツ汁とか吹き出しましたよ。
やっぱ痛いんすね〜(他人事)
【オオオオオオオォォォォォォ!!!】
うるせぇ!!
咆哮が飛んできましたね。これはAネフィリム君の特殊技の前兆で、この後両腕をたたきつけて施設全体に衝撃波を繰り出してきます。
ただでさえ崩れかかってる室内でそんなことしようものなら瓦礫の雨に降られてお陀仏、とはなりませんがこれをスルーするとひるまされたのち確定で噛みつかれて即死します。
即死するとどうなるって?
知らんのか、原作ルートに移るからリセになる(30敗)
じゃあどうするか。
なーんにも変わりません。ひたすらAネフィリムの頭を地面にたたきつけるだけの簡単な作業です。
咆哮モーションが終わって腕を上げた瞬間に遠距離攻撃すると衝撃波をキャンセルして押し倒す事ができます。
暴れんなよ、暴れんな……。
後は致命攻撃を加えて……よし、じゃあぶち込んでやるぜ
この
工事完了です……。
とにかく頭をミンチにしたおかげでAネフィリムが断末魔と共に塵となってご臨終しました。
ここでスキルポイントを15も獲得!ネフィリムに限らずボス戦は致命攻撃でとどめを刺せるとポイントボーナスが入ります。
通常プレイだと5しか入らないところをボーナスで+10も頂けるのはなかなか貴重です。
あとは復活したAネフィリムにぶん殴られてセレナ覚醒ムービーを挟むだけなのでスキップしましょう。
これにてF.I.S.パートが完了し、次から二課パートに入ります。
ようやく本番といったところですね。ここからものすごく忙しくなるけど見どころも満載なので見とけよ見とけよ~?
今回はここまで。
ご視聴ありがとうございました。
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「いい声してるね、まるでお母さんみたい」
始まりはその一言だった。
故郷を失い、流されるうちにこの施設へとやってきた私とセレナは、戸惑いながらも大人たちの言うがままに実験と訓練を重ねていた。
年端もいかない子供たちを集めて、銃を握らせ、薬品を投与するこの組織が怖い大人の集まりであるのは明白。
そんな環境に、幼いセレナが耐えられるはずもなく、今日も鞭で打たれた手とくまのぬいぐるみを胸に抱きながら泣いていた。
そんな妹を勇気づけようと私は故郷の歌を歌い、少しでも休ませようと寝かしつける。
そんな時だ。私たちの隣に座る女の子に声をかけられたのは。
「……あっ、ごめんなさい」
「あぁ、違う違う。怒ってるわけじゃないよ。いい歌だなって思っただけ」
首を横に振るその子は、穏やかな笑顔と共に私の歌をほめてくれる。
黒くて短めの髪に、少し焼けた肌。背丈は私と同じくらいの大人しそうな女の子。
でも彼女の目はひどく澱んで、まるで真夜中の空のように黒と藍色を掛け合わせたような、そんな暗い瞳の女の子だ。
「ここに連れてこられる前に、よく歌ってたの。だからセレナも落ち着いてくれるかなって」
腕の中でぬいぐるみを抱きしめながら寝息を立てるセレナの頭を軽くなでながら、私は彼女と向き合う。
いいお姉さんだ、とまた笑ってこちらに近づきながら彼女はセレナの顔を覗きこむ。
「名前、まだ言ってなかったね」
それが、私と彼女の出会い。
「私は詞、最上 詞……あなたは?」
「マリア。マリア・カデンツァヴナ・イヴよ」
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この孤児院にきてから数年がたって、セレナがよく笑うようになった。
少し年下の女子友達が二人もできて、私以外の誰かと話しているところも何度か見かけるくらいには活発になっている。
姉としては嬉しいけど、ちょっとだけ寂しくもあるかしらね……。
「セレナ取られて悲しい?」
「ッ!?もうツカサ!揶揄わないで!」
凄まじくのんびりとした声に図星をつかれ、肩をびくつかせながら振り返ると相変わらず何を考えているか分からない顔の友人を睨む。
しかし、私にすごまれても何のその。ニコニコと笑う詞はある程度すると気が済んだのか
廊下の隅で話すセレナの所へと歩み寄っていく。
「昨日の実験きつそうだったけど体は大丈夫?」
「ツカサさん!はい、大丈夫です。おかげさまで結構体力付いたんですよ?」
「あっ鬼教官デス!」
「おはようございます、詞さん」
こんな風に詞は他のレセプターチルドレンと関係を保ちつつ、成績も良いことから指導係を任命されるほど大人の信用も大きかった。
たまの休息日には私やセレナ、新たに聖遺物への適性が認められた月読 調や暁 切歌とも会話を重ねるといった自分メニューに従い、着々と強くなるための努力を重ねている。
聖遺物の適合率もセレナとほぼ同じ、どころか詞の方が少し高いらしい。
先天的に聖遺物に関わりがあったか、たまさか数値が高いだけなのかは分からないとマムは言っていたが詞自身にも覚えはないという。
「誰が鬼教官ですって〜?」
「嘘デス嘘デス!教官は裏表のない素敵な人デスッ!」
切歌の頬を軽く抓りながらいつもの常套句を喋らせる詞に調やセレナは苦笑いを浮かべた。
こんな平穏な光景を眺めていると、この先もずっとずっとみんなで一緒にいられたらなんて、夢見がちだとかそういうのは分かっているつもりだけれど、そんな風に願ってしまうのだ。
(故郷はなくなったけれど、前を向いていられるのはあなたがいるからかもね……ツカサ)
だが、その思いは一瞬で砕かれることになる。
この日以降、私たちとツカサは引き裂かれ、引き離され、二度と会う事は叶わなかった。
◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
レッドアラート。白い孤児院の中はどこもかしこも赤や黒に染まっていた。
謎の爆破により建物のあちこちがひび割れ、砕け、瓦礫の雨はやむことなく降り注ぎ、炎の嵐はちっぽけな命を呆気もなく奪っていく。
散々ぱら私たちの身体をもてあそんだ大人たちは我先に逃げ、逃げた先で炎に包まれ、人に押しつぶされ、だれにも看取られぬまま死んでいく。
私は詞とセレナ、切歌、調とともに近くの研究室のデスクの下で身を潜めていた。
状況もわからぬまま、謎の衝撃だけが不定期に襲ってくる。すっかり怯えてしまった切歌と調を抱きしめながら私はただ戸惑って、動けないでいた。
でも、詞だけはずっと上を向いて考えていた。怖がることもなく、戸惑うこともなく、涙も見せることなく、生きることを諦めてはいない。
「マリア」
震える私の顔をその手で包み、いつもと同じ声で彼女は私を奮い立たせる。
私の視界に映る彼女の目はいつもと同じ、ほの暗い目だ。でも、いつもと違う。
そのまま、どこか遠くに消えていってしまうような、二度と会えなくなるような、深い闇の底へと落ちていく。そんな怖い目だ。
「私が何とかする。だからマリアはみんなを守ってね」
呆気にとられた私は何もできずに、気づいた時には詞は部屋から飛び出していった。すでにいなくなった友人の面影をつかもうと虚空へと手を伸ばし、自分の無力さを痛いほど感じる。
この時私が声をかけていれば、あるいは一緒についていけば、ここでお別れすることもなかったのだろうか。
「姉さん!追いかけないと!」
呆気にとられる私を大声で引き上げたのは、いつも横で守られていたセレナだった。
詞と話すようになって、一緒に訓練を重ねながら詞の背中を見ていくうちに、セレナはこんな気迫にあふれた表情までするようになったのかと私は絶句する。
普段の穏やかなセレナでは見られないような表情を目の当たりにして、先ほどまで怯えていた調や切歌も困惑しているほどだ。
「ツカサさんを一人にしたらダメ!あの人はいつか自分で自分を殺してしまうっ!!」
自分を殺してしまう。その一言で体の震えが止まった。
ふと気づいた時、私の身体はもう動いていた。
◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
燃え盛る廊下を抜けて、広い空間へとたどり着く。
肩で呼吸をしながら、後ろからついてきたセレナたちの姿を確認し、私は部屋の中へと歩を進める。
非常事態を知らせるアラートと大人たちの断末魔をバックコーラスに、誰かの悲鳴をタクトに、彼女はモノクロームの鎧を身に纏って、謎の化け物と戦っていた。
それは、悲運の子。呪いにより生み出されてしまった哀れな王子。
生まれてからすぐに石造りの迷宮の奥底へと押し込められ、迷い込んだ子供たちを食らうことで生き永らえ、最期は勇者によって駆逐された牛の怪物の振るう斧。
銘を、貪斧・ミノタロス。
それを纏う彼女は、怒りながら泣いていた。
「くたばれっ!くたばれっ!くたばれっ!くたばれェェェ!」
喉が引きちぎれそうなくらいに叫び声を上げて、化け物の頭目掛けてひたすら斧をたたきつける。
脇目も振らず、私たちには目もくれず、一心に。化け物を抹殺しようと斧を振りかぶり、唸り声と共に振り下ろす。たたきつけた地面は窪んでクレーターになり、化け物の頭に斧が当たるたびにグチャグチャバキバキと気持ちの悪い音を立てながら赤黒い液体が弾けて、壁や天井に飛び散って滴り落ちていく。
詞はそれでも足りないと、手に持った斧を掲げて変形させる。それは刃が分裂し、回転を始めたかと思うと容赦なく怪物の頭部を砕きにかかり、たった5秒ほどですべてが終わった。
「……は、ハハハ……やれたよ、私にも」
血だまりに佇むその女の子はこちらに気づいたのか、虚ろな目を私に合わせる。
いつもと変わらないにこっとした笑顔が、今はどうにも怖くてたまらない。
あの虚ろな目が、怖くてたまらない!
その恐怖に押されたのがいけなかったのだろう。
私は、ツカサの後ろで蠢く化け物に気づけなかった。奴はまだ……!
「ダメ!後ろ!!」
誰かが叫んだ時には、もう遅い。
彼女は化け物の振り抜いた腕に吹き飛ばされ、轟音と共に壁に激突する。
真っ赤に染まった彼女の身体がゆっくりと壁からはがれ、糸の切れたマリオネットのように地面へ落ちて、それ以降動くことはなかった。
その光景が、私の見た最後のモガミ ツカサだ。
メンタルが保ててる間は続けたいです。
よろしくお願いします。