【WR】戦姫絶唱シンフォギア S.O.N.G. of Valkyries 全員生存RTA【22:04:21,87】   作:REALGOLD

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年の瀬ギリギリで退院できてたけど術後の方が体が痛いので初投稿です。

あと遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

p.s. 今回ちょっと灰汁が強いかもです。


G Part5

騙して悪いがRTA、始まってるんだよなぁ……。

 

前回はザババの苛烈なコンビネーションを絶唱で叩きのめしたとこまでやりました。

やっぱり脳筋ゴリラじゃないか!まともなのは僕だけか!?

 

今回のパートではついに運命の再会を果たして、物語が加速していきますので早速ほんへに入りましょう。

こいついっつも運命の再会してんな?

 

 

画面上では響ちゃんの融合症例がトンデモレベルで進んでおり、最悪の場合命に関わることが説明されています。

前回のザババ戦からしばらくは響ちゃんが戦線離脱するので、サポキャラにも選べません。

普通の女の子に戻れたんやなって……(感涙)

 

そんなのないよ、ありえない!主人公だからね、仕方ないね♂

 

で、そんな響ちゃんもさることながら今度は縁ちゃんの話題に。

 

「ここ最近の暴走や情緒の不安定さを鑑みた結果、縁は記憶を取り戻しつつあることが考えられる」

 

「ついでに言えば、記憶の鍵はヤツらが握ってる……だよな?弦十郎の旦那」

 

「あぁ……どころか、かつて縁は彼女らF.I.S.の施設にいた可能性が高い。本部内でも少しざわつきが見られるのが悲しいところだ」

 

「……縁が、我々を裏切る可能性があるとでも?!」

 

「おい落ち着け先輩!アネキがんなことする訳ねぇだろうが!」

 

なんか雲行きが怪しくなってきましたよ……。

今まであくせくお手伝いしてた記憶喪失の女の子が、敵対組織の一味かもしれない疑惑が二課内で発生しているようです。

 

二課のOTONAは不安よな。縁、動きます。

 

「……なら、いっそのこと監禁でもする?」

 

「アネキ!よせって!」

 

「私が二課のメンバーを不安にさせるなら、これが一番手っ取り早いでしょう?おじさんも、それを視野に入れてないとは言わせないわよ」

 

「……次の戦闘で結論を出す。頭痛が続くようなら一度本格的に入院してもらうことを忘れるなよ」

 

とりあえず行動制限はかけられずに済んだようです。

ただでさえ一度やらかして育成計画がボドボドになってるのに、これ以上ストップを掛けられたらチャート壊れちゃ^〜うどころか原型が無くなりますので……。

 

では、帰宅して日付が変わったら、次のイベントのために街をフラつきます。

本部のOTONAたちからは懐疑心を持たれている疑いがあるので、寄るのは最低限にしましょう。

じゃないと縁ちゃんのメンタルがマッハです。ついでに同棲してるクリスちゃんのメンタルもマッハです。

 

「私はツカサ……私はツカサ……」

 

縁ちゃんがついに絶望1000%の顔で何か呟き始めました。

もうやめて!とっくに縁ちゃんのメンタルは0よ!

 

まぁ、休ませてなんてくれないんですけどね。初見さん。

 

日付的には多分響ちゃんと393がおデートしてらっしゃる頃合い。しかも昼過ぎなのでタワー付近でイチャイチャしてると思われます。

 

ちょうどその時、タワー内部では今後の活動に疑問を持ったマムが米国政府と密会して会談を行なっています。

 

が、この会談。米国政府は話を聞く気はサラサラ無くデータだけもらってトンズラする予定。

それに激おこなマリアさんがたまさか発生した(人為的)ノイズの襲来に乗じて米国エージェントをメッタメタにして帰還するというのが主な流れです。

 

今回はこのノイズ襲撃(人為的)にカチコミをかけるところから始めていきましょう。

ノイズにカチコミをかけるんじゃないのか……(困惑)

 

では、事件発生までにタワー付近のビル群に接近。発生後すぐに「立体移動」のスキルでもって現場に急行します。

ひとまずタワー付近に行きましょ。

 

「もう『ユカリ』はいらない……そうよ。そもそも『ユカリ』は存在してはいけなかった。なら消滅するのは必然」

 

縁ちゃん闇堕ちしてません?ままええわ。

タワー近辺に着いたらいつでも出撃できるようにスタンバっておきましょう。ちなみにタワー近辺のビル群は3箇所あり、どこからでもスタートはできます。

 

今回はRTAなので一番移動回数の少ない場所を選びましたが、アクロバティックでスタイリッシュでイケメンな女の子が見たい兄貴たちはこのシーンはかなりオヌヌメです。

かくいう私もイケメン女子が大好きでしてね……(隙自語)

 

「……ノイズ?アイツらか」

 

『縁!タワー近郊にノイズの発生パターンを検知した。今どこにいる?」

 

「とっくに現着してる。あれくらいなら一人でいいよ」

 

「ダメだ!近くに響君の反応があった。おまけに例の黒いガングニールもな。翼たちが着くまで人命救助を優先してくれ!」

 

てな訳でノイズさんたちが来ました。

おじさんからの命令通りにしばらくはノイズを蹴散らして、人命救助を行います。

 

といっても相手の8割が飛行型なのでファンネルばら撒いて終わりです。

卑怯者!降りて戦え!(無理難題)

 

ではある程度のノイズを狩り終えるまでちょっち倍速。

 

 

〜少女救命中〜

 

 

ちなみに先程の連絡でズバババンたちが急行しているとありましたが、真っ赤な嘘です。

正確にはプレイヤーがタワー上部のマリア達に接敵するまでは確実に到着しません。

 

しかも実質無限湧きの戦闘なので、遠距離タイプのアームドギアならこの戦闘が撃破数の稼ぎ所さんです。

適当に弾幕を張ってれば、3分ほどで100は稼げるでしょう。

3分……カップ麺……ノーデン……うっ(吐き気)

 

今回のアームドギアは斧なのでこんな戦闘を長引かせる必要は無し!

さっさとマリアさんたちに接敵するので、「立体移動」でもってぶっとびー!

 

「地上からじゃ埒が開かない……上だな」

 

タワーの骨組みと近くのビル群を上手いこと駆使して上部に到着。展望台の窓ガラスをぶち破って突入します。

パリィン!(無音)

 

「黒いガングニール……彼女なら『ツカサ』について知ってるか」

 

到着したらあとはマリアさんを探してタワワー戦は完了になります。

ちなみに縁ちゃんはたわわーではありません。一期の翼さんと同じくらいです。

シーズンを重ねるごとに萎んでいくSAKIMORIの防盛り(ボソッ)

 

そんなどうでもいい話は置いといて、現状のマリアさんは縁ちゃんに対して殺意マシマシなのになんでわざわざ近づく必要があるんですか?とお考えのネコもいるかもしれません。

 

今回のタワー戦の主な目的はというと

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

 

「ねえツカサ、痛くないの?」

 

一度だけ、彼女にそう聞いたことがある。

いつもいつも自分を顧みない行動や訓練、死ぬことさえ厭わないのかと思わせる戦い方。

なにより彼女の目からは『生きよう』と、『生き残ろう』とする意思が感じられない。

 

少し体も心も成長した私だからこそ、そう感じ取れたのだと今になっては思う。

幼い頃の目にはただすごい人だったモガミ ツカサは、いつからか無鉄砲なモガミ ツカサへと変貌していた。否、元からそうだったのがまともに見られるようになっただけなのだろうか。

 

大怪我をしようが、薬害で体に異常が出ようが、訓練の事故で派手な負傷をしようが、彼女はいつだってケロリとした顔で笑う。

そして、またその時にできる訓練を重ねるのだ。

止まることなく、己を鍛え続ける。

 

まるで、前に進まなければ死んでしまう鮫のようだ。

 

「もちろん痛いよ。骨折も、薬害も、裂傷も。全部痛いに決まってるじゃない」

 

「ならなんで、自分よりも誰かを優先するの?痛くて立てないなら誰かを頼ればいいじゃない!」

 

 

 

「……………………簡単に言わないでよ」

 

 

 

刹那、ツカサの顔からは笑みがスッと消え失せて、仄暗い目は一気に淀んで私を真っ直ぐに見据えた。

よほど触れられなくなかった部分なのか、いつも以上の黒い眼差しが私を突き刺し、ドロドロとした淀みが私を包む感触を味わう。

 

得体の知れない恐怖に肩を揺らして怯えながらも、しかして私はその場に踏ん張った。

折れない限り。他ならぬ彼女が教えた心意気を、脚に2本の柱を、己を支える礎を。

 

他ならぬ彼女の教えの通りに、私は視線を逸らすことなく向き合い続ける。

 

「なんで、そんなにボロボロになっても頑張ろうとするの?少しは自分の体を考えなきゃ!すぐにでも死んじゃうよ!?」

 

「……別に、それでもいいの」

 

「……え?」

 

自らの両手へ忌々しそうに視線を向けるツカサは、淀み切って濁り切った黒い瞳をさらに沈めていく。

深い夜の闇の中、そのさらに奥へと沈んでいく瞳を、私はただ眺めて『それでもいい』の意味を考えていた。

そしてツカサがひり出した回答は、私をさらに凍りつかせた。

 

「姉さんを犠牲に生き残った私が、のうのうと生きているのは許されない。だからこそ私は救う。私は、生き残ったこの命を燃やし尽くさなくちゃ姉さんに顔向けできないのよ!」

 

「ツカサ……?何言ってるの?」

 

「私は出来損ないだから!だから人一倍努力しなくちゃいけないの!あの姉さんを超えなきゃならないんだから、もっと痛い思いをしてでも上に行かなきゃいけないの!」

 

見開かれたその目は怒りに満ち満ちて、でもその向き先は他ならぬ自身。角でも生えるのではという量の怒気は熱となって私にも降りかかる。

息を荒げながら、歯を砕かんばかりに噛み締めながら、血管を沸き立たせながら吐き出される言葉に、私はただ呆気に取られていた。

 

叩きつけられたツカサの心の闇は、あまりにも深い。

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

 

黒服の連中は躊躇なくマムへ銃口を向ける。私のガングニールに臆することなく突貫してくる。

私は何も考えずに、降りかかる火の粉を払うが如くエージェントたちを払いのけていた。

 

「マリア……ごめんなさい、こんなことに付き合わせて」

 

「謝らないでマム。誰の手も汚すことなくテロリズムなんて出来るはずないもの」

 

もちろん相手はただの人間。訓練されていたとしても異端技術を駆使する私たちにかなう道理などありはしない。

振り払われた槍は容赦なく肉を削ぐし、吹き飛ばされれば骨を折る。大怪我で済んでいるのは極力歌わないように努めているからに過ぎない。

 

黒服たちは敵わないとようやく理解したのか、散り散りに逃げていく。

好きにすればいい。願わくば二度と顔を見たくないものだが。

 

「ひとまず片付きましたね。マリア、急いでここを離れましょう」

 

そうね。と、マムの提案通りに動こうとしたその時。

 

……あぁでも、まだいる。

姿は全く見えないが、気配でわかる。聞こえなくても、体が覚えている。

 

まさに直感ともいうべきそれが、私の体の隅々まで走った。

 

 

「待ってマム。もう一人、大事なお客さんよ」

 

 

それは、背後から現れた。

モノクロの鎧に、背中には鋭く磨き上げられた刃。墨のような髪を靡かせて、夜の暗闇のように仄暗い瞳をした少女。

 

風鳴 縁が、そこにいた。

 

「随分とやつれたわね。ダイエットでも始めたの?」

 

「そんなの必要ないわ。私はいつだって鍛え続けてるもの」

 

お互いがお互いを見つめ続ける。自然と片手に持つ槍にも力が篭る。

彼女は今アームドギアを持っていない。マムを担いでいるとはいえガラ空きの腹部に槍を突き立てるくらいは出来るだろう。

 

殺してやる、今度こそ。

満ち満ちた殺意は私の想いを真っ直ぐに槍に乗せて奴の命を刈り取ることだろう。

それが彼女の願いで、私と彼女の約束だから。

 

「殺す殺さないは好きにしていいけど、その前に一つ答えてくれないかな」

 

「答える義務ある?」

 

「…………じゃあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私、そっち側(F.I.S.)につくわ。これでどう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

なんと裏切り。

 

という訳でタワー戦の主目的はこの裏切りフラグを立てるためだったんですね。

マリアさんと会話を挟むことで所属組織をF.I.S.に変更。そしてその先であるものを会得するのが真の目的になります。

 

元々その予定ではありましたが、いつぞやの行動制限のおかげでチャートが狂いに狂ったのでステータスにテコを入れるのも兼ねてます。

ガバは重罪。はっきりわかんだね。

 

「何の真似?ふざけてるとしか思えないけど」

 

「私は記憶を取り戻したい。あなた達がその鍵を握ってる。そして何より私の戦力は体験済み。悪い話じゃないと思うけど」

 

「昨日まで斬り合ってた相手を信用できる?無理よ」

 

「なら私の命、あなたに預けましょう。散々殺したがってた相手でしょ?」

 

何この会話物騒すぎん?とずまりすとこ。

 

ともかくマリアさんと交渉しても突っぱねられるだけなので、冷静なOTONAに参加してもらいましょう。

 

……はい、交渉の内容はさらっと流しましたがひとまずOKがでました。

それもそのはず。今のF.I.S.は指揮系統はガタガタ、資金面から食料面から戦略面まで問題山積み。

テロなんてやってる場合じゃねぇ!って思いのはず。

縋れるものには何にでも縋る勢いで食いつくことでしょう。

 

「一つだけ教えましょう。あなたの苗字は『最上』、本名は最上 詞です」

 

「最上……モガミ ツカサ……」

 

 

 

 

OPEN THE MEMORY

 

 

 

 

ティン!と来ました。

ギアルートの特徴たる『喪失』デバフですが、解除のためには3つの記憶を取り戻す必要があります。その一つ目がこの『自分の本名』だったんですね。

 

このタワー戦ですが、重要なフラグやキーワードが盛り込まれてるので通常プレイの際もターニングポイントになりがちです。

 

蔑ろにすると後々厄介なことになったりならなかったりします。唯一関係ないのは男性かつ錬金術師ルートくらいなもんでしょう。

 

「あなたの次の行動で判断させてもらいます。こちらとしても優秀な戦力は確保しておきたい」

 

「そう。ありがとう」

 

「……変わりませんね、あなたは」

 

 

 

MISSION COMPLETE

 

 

 

 

穏やかな目で見つめられてますけど縁ちゃん、華麗にこれをスルー。用はないと言わんばかりに立ち去っていきます。

とりあえずタワー戦でやらなければならないことは以上になるのでリザルトに入りましょう。

 

ちなみにこの後、393がマリアさんの手によって拉致されたりしますが縁ちゃんにはもう関係のない話なので倍速ですっ飛ばします。

本当に申し訳ない……。

 

 

ちょい短いですが今回はここまで。

次回は……主人公交代。

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

その日の夜、久しぶりに夢を見た。

 

天井、壁、床、全てが鏡ばりの小さな部屋の中。私はぽつんと突っ立っている。

その部屋から外に出たくてあちこち調べてみるけど、何も見つからない。ギアを纏って壊そうとしたけど、鏡は砕けない。

 

うんうんと頭を捻っていると、正面に何かの気配を感じた。

 

鏡の中、同じように頭を抱えている私が映っているはずなのに、そこに私はいない。

鏡像が存在しない。

 

その事実に気を取られたその一瞬。

 

 

 

トスっ

 

 

 

そんな音が聞こえる。何か首元にあたった感触とともに、液体が私の体を滴り落ちる。

疑問に思った私は首元を摩ってみる。すると、手のひらにはどす黒い赤色がたっぷりと塗られていた。

 

そこまでされてようやく知覚できる。刺された、と。

 

うつ伏せに倒れ伏しながら、背後から来た何者かの顔をなんとか見るために眼球を動かす。

空気が喉から漏れ出す音が、まるで瀕死の虫の羽音のように弱々しく部屋の中で掠れ、ひきつけを起こし、喉元からの出血で溺れそうになる。

 

意識も絶え絶えの中、瞳に映った犯人の顔は、見知った顔。

 

 

「満足げにほくそ笑む『最上 詞』」だった。

 

 

なんとか言葉を捻り出そうと力を込めるが、傷口から空気と血液が漏れ出すばかり。

それを愉快そうに眺める詞は、私の髪を引っ張り上げて正面の鏡へ視線を向けさせる。そして、突きつけた。

 

 

「今、正面には誰がいる?」

 

 

そこにいたのは、詞だった。

詞だけだった。

 

本来映るはずの私は、その鏡の中には存在すらしていない。影も形もなく、あるのはニコニコと笑う詞と、何故かある血溜まり。

 

風鳴 縁なんて人間は、鏡にも映っていなかった。

 

 

「そう、あなたは生まれて無い人。居ないはずの人。誰でも無い人。いわゆるジェーン・ドゥ。身元もわからないどこかの誰か……いいえ違うわね」

 

 

存在することさえ許されない。

詞はそう言ってのけた。

 

次第に呼吸が浅く、荒くなっていく。そんな事実を認めたく無いからか、私の焦りは限界を超えていた。

だが焦ったところで体は動かない。ピクリともしない。ただ黙って詞の言いたい放題にさせている。

 

死。それが近づいているのを実感する。終わる、絶たれる、断ち切られる。冗談じゃない!

 

刃を振るえ、拳を握れ、足を踏ん張れ、牙を突き立てろ。

まだだ。まだ終われない。終わってなどいない。

 

折れてたまるか、折られてたまるか、私はまだ負けてない。

負けてない!負けてなんかいない!

 

負けたく———

 

 

「じゃあ聞くけどアナタ、『自分の名前』言える?」

 

 

……名前?

そんなもの決まってる、私の名前は。

 

 

「◯◯ ◯……ぁぇ……?」

 

「ほら見なさい、もう自分が誰かもわかってないじゃない」

 

 

カラカラと詞が笑う。

何故、自分の名前を叫んだはずなのに何も出てこない。喉をかき切られたからとかでは無い。単純に頭の中に文字が出てこないのだ。

 

物忘れのレベルでなく、文字通りに記憶を「亡くして」いる。

死んでいるのだ。かつて『◯◯ ◯』だった時の自分が。

 

 

「もういいじゃない、そこまで死んじゃってるなら。楽になりなさいよ」

 

「ぅ……ぁ"ぇ……ぅぁ」

 

「終わったのよ、アナタの戦いは。だからもう眠る時間」

 

 

視界が遠のいていく。暗い夜闇の中に沈んでいくように、私がだんだんと呑まれる。

戦わなきゃいけないのに、もう体の3分の1が沈んでしまっている。抜け出そうともがいて見るが、固まってしまった体は指先ぐらいしか動いてくれない。

 

 

「頭痛でろくに眠れてなかったでしょう?ゆっくり休んでいいのよ?」

 

 

フィーネの時とは比にならない苦しさと痛みが、体の中を縦横無尽に走り回っている。絶えず電流が流れるような痛みと、体の内側から引き裂かれる痛みが同時に襲う。

 

顔が半分以上沈んでしまった。開いた口の中になにかドロドロとしたものが流れ込んでくる。

鉄と、なにかしょっぱい味がした。

 

 

「おやすみなさい。誰でもない人」

 

 

もう しこうが おいつかない

このまま わたしは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「縁」 「縁」 「アネキ」 「縁さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だれだっけ あなたたち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、私の中で何かが折れる音がした。




さらば教官!風鳴 縁 暁に死す!


まさかの主人公交代とか、これもうわかんねぇな(混乱)
ひとまず縁ちゃんはしばらく休暇に入るので、ゆっくり療養してもらいましょう。

まぁ、その間にも事態は加速していくんですけどね。
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