【WR】戦姫絶唱シンフォギア S.O.N.G. of Valkyries 全員生存RTA【22:04:21,87】   作:REALGOLD

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終わりが見えてきたので初投稿です。


XV Part10

刻印、掌握

 

研ぎ澄まされた刀のように冷たい声が、耳から脳へと届く。

瞬間、私の直感は全力の赤信号を灯していた。

 

着物を染めるようにして、私の思考がナニカに染まっていく。

動けなくなるまであと数秒。その間に、全てを片付けなければ。

 

みんなから離れるべく跳躍しつつ、頼りになる弟子へ最期の言葉を。

 

「セレナ!後始末頼んだわよ!」

 

それを聞いたセレナは、目を見開いて叫ぶ。

しかし、その声はもう届かない。

 

思考が染まりきる直前、私の隣に人の気配を感じた。

そいつが誰なのか、顔も確認していないのに何故か分かる。

 

死んだはずのあんたが何故ここにいるのか、この場面で私に狙いをつけたのは何故か、これらすべてがあの老害の計画なのか。

 

さまざまな疑問を残しながらも、私の自意識は深い水底と沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、日本政府宛に提出された報告書には以下のように記されていた。

 

最上 詞が造反。

アステリオスのメンバーに重傷を合わせたのち、自身を姉と名乗る少女と共に失踪。

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

強くなれるよ 愛は負けないRTA、始まるザマス!

なんて言っとる場合かァー!

 

うちの子が!うちの詞ちゃんが!あの老醜に乗っ取られてしまいました!

この野郎醤油瓶……!

 

こうなっては操作もナニも無いので休憩を挟みます。

このRTAの良いところはトイレ休憩を二回挟めるところです。お陰様で長時間のプレイも可能、補給品さえ手元にあれば誰でもチャレンジできます。

RTA、やろう!

 

さて場面は変わって訃堂邸。

ついにご対面となるクソカスジジィ、そして死んだはずの姉。全ての謎が今明かされる!

 

「これで二振りの『神稚児』が揃った。神を二分し、現人神として君臨させる。これぞまさに我らの悲願!新時代の抑止力の完成よ!」

 

「……」

 

「フン、明らかな敵意故に自意識までも刻印で封じたが……姉と比べてじゃじゃ馬が過ぎる」

 

老害相手におしゃべりしてあげるほど詞ちゃんは優しくないんです(半ギレ)

まぁボケ老人には延々と独り言をしゃべってもらうとして、シナリオをすっ飛ばしてさっさと次の戦闘へ向かいませう。

 

「さて、貴様にも最後の仕上げを施さねばな」

 

あ、ちょ、待って待って。

おいこらジジイ何勝手にうちの子に触ってんだよその手枯れ枝みたいにパキっとしてあげましょうかコラいや待て待て何脱がそうとしてんだおいふざけんなてめぇ詞ちゃんの肌に触れていいのは同僚の女の子だけなんだよダボがお前みたいな加齢臭激ヤバ時代遅れのゲロ野郎が触れいいもんじゃないんだよおいお前なんだそのぴっちりインナースーツはよギア纏ってる時のやつかそれお前みたいなのと性癖同じとか屈辱の極みなんですけど

いいケツしてるよね詞ちゃん

 

「自ら磨き上げたフォニックゲイン、これまで喰らってきた強者の力に加え、神の力をその身に注ぎ込む。これにより貴様は、真の守護神となるのだ!」

 

許さねぇぞ……。

よくもうちの子にサービスシーンを提供させたな……。

殺してやるぞ、ところ天の助……!

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

後始末。

私と詞さんの間で取り決められた絶対の約束だ。

 

私に何かあって敵に回った時、周りに被害が出る前に必ず狩ること。

 

この組織に加入したメンバーには、まず初めにこの契約が交わされる。

反故にした場合には相応のペナルティが課せられることも踏まえて、雷光のメンバーはあの人と共に仕事をして、食事をして、談笑して、日々を過ごした。

 

皮肉にも、ほぼ全員があの人に命を救われている。

その恩人の命を、有事には刈り取らなければならない。

 

覚悟はしていた。

でもあと一歩で人間に戻せる糸口が見えたところで、それは無慈悲にも断たれてしまった。

 

「政府から我々に、風鳴本家への強制捜査が依頼された。風鳴訃堂の逮捕が主目的だが、場合によっては殺害の許可も出ている」

 

「詞さんの処遇は?」

 

「……契約を履行せよ、だそうだ」

 

作戦会議のため拠点に来所した八紘さんが、眉間にしわを寄せながら口にした。

それは、事実上の処刑命令だ。

 

会議に出席したキャロルさんとサンジェルマンさんは、目を見開いて驚愕するも、その事実を受け止める。

私はもう、驚かなかった。

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

命令は即座に全員へ通達された。

ただし、小日向さんは未成年であることも踏まえて作戦からは除外。オートスコアラーの皆さんと引き続き訓練に勤しんでもらうことに。

この国の大人が、これくらいの良識がまだ残っていることに笑いがこみ上げてきた。

 

Xデイの夜。

各自が装備を整えて、風鳴邸に集う。そのメンバーには、姉さんと翼さんも含まれていた。

お互いがお互いを見て驚愕するも、私たちが纏った異様な気配に姉さんが気づく。

 

「……何をする気?」

 

「約束を果たすだけだよ」

 

会話はそれだけだった。

 

既定の時刻に、強制捜査執行の命令が下された。

八紘さんの手で風鳴邸の門が開かれる。

 

私たちは自ら、地獄の門をくぐったとも知らずに、その中へと突入した。

その日は、月の光も見えないほど仄暗い曇天だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷鳴が響く。

 

雷光が奔る。

 

仄暗い稲妻が、彼女を包んでいる。

 

庭園が炎に包まれる中、私たちは全員が地に伏している。

まさに稲光のように一瞬の出来事。

 

あの人と会敵した瞬間から、一人、また一人と、あの光に焼かれていった。

 

最上 詞は、神速を得ていた。

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

強すぎィ!

ゴリラ並みのパワーを持つ人間に、光の速さが備わって最強に見えるってことですね。

こんなの、チートだ……。チートだ、チート!チートだァァァァッ!(地下生活者)

 

もう全部アイツ一人でいいんじゃないかな、といったところですがプレイヤーキャラなんて総じてこんなもんです。序盤の特大ガバさえなければもっとステータスが盛れたんですけどね。

盛るペコ。

 

さて強制捜査の執行部隊が続々と倒れていくのを尻目に、次の戦闘の鼻塩塩。

 

満を持して登場したTHE・老害こと風鳴 訃堂ですが、こやつの強みは何といっても風鳴由来のフィジカルと「三種の神器」です。

 

前者は普段のOTONAを見ていればお分かりかと思いますが、あれがさらに老獪さを得たことでより磨かれた状態となっています。

だってほんへでOTONAをステゴロで圧倒したわけですし、折り紙付きと言っていいでしょう。

 

そして、このジジイが装備している「三種の神器」は、ご存じ八咫鏡、八尺瓊勾玉、草薙剣の3つからなる日本の至宝です。

その本体を現代へ復活させた聖遺物を所持しており、ダメージの減量及び反射、ステータス大幅向上と浮遊砲台、そして広範囲高火力の必殺剣と破格の能力を持っています。

まさに鬼に金棒ですが、これを正面からタイマンで倒すのは至難を通り越して苦行です。

RTA自体が苦行だって?それはそう。

 

ですが、この老いぼれはウチの詞ちゃんの体をベタベタお触りしやがった罪科があります。

したがって、最も屈辱的な敗北を送ろうと思います。

 

そう、ネタキャラとなってこのRTA上で笑い者になるという屈辱を与えてあげましょう。

お前を芸術品にしてやんよ!

 

では、そろそろ八紘パッパの大一番のシーンです。

刮目して見届けましょう。

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

門をくぐった先には、すでにあの二人がいた。

最上 詞。そして、一向に行方が掴めなかった最上 縁。

 

すでに亡くなっていると結論付けられた彼女は、しかし風鳴 訃堂の管理下にあったようだ。

神稚児計画は訃堂本人の手で着々と進んでいたということか。残りのピースは最上 詞本人だけ。それも彼女本人が実力をつけ続けたことで完遂され、今に至るということだろう。

 

縁が突入班を視認した瞬間。

詞の刃は仄暗い雷光を纏って、獅子の如く狩りを始めた。

 

結果、突入班はものの5分で壊滅させられた。

 

「果敢無き哉……護国の要ともあろうものが何とも不甲斐ない」

 

耳にしただけで怖気の走る声。

重圧と痺れを何とかはねのけてセレナが見上げた先には、老いた鬼。

 

「風鳴 訃堂……詞に何をした!?」

 

「知れたことよ、貴様ら親不孝者に代わって分家の者らを用立てた。最上の当主、我が旧友にしてこやつらの父の遺言に従い、この国を守る真なる防人。否、現人神たらしめる実験の産物よ。ここまでに幾分の母体を使ったが、こやつらの母は特に血筋が良かったと見える」

 

弦十郎の問いかけに訃堂は毅然と答える。

国を守るために、遺伝子実験を繰り返し、産み落とされ、切り捨てられただろう数多の命を。

さも当然と言わんばかりに、この男は必要な犠牲だったと言い放ったのだ。

 

それは、かつて白い孤児院にいたセレナとマリア。そして詞には特大の地雷だ。

 

「刻印で縛りながらもなお足掻く。やはりじゃじゃ馬よな」

 

洗脳されているはずの詞は、視線だけを訃堂にむけて射殺さんばかりの殺気を放つ。

しかし、

 

殲滅せよ

 

彼女の隣に立つ縁の一声で、即座に戦闘が再開された。

 

これが神稚児計画の完成体。

指揮を執る姉と、力を司る妹。連携の強さも、意思疎通も、これまでの相手とは桁が違う。

絶大な実力を誇る弦十郎でさえ、たやすく翻弄される様はまさに圧巻という他なかった。

 

たった1分。

あの風鳴 弦十郎が、たったそれだけで制圧された。

 

S.O.N.G.のメンバーはあっけに取られている。

そのはずだろう。なにせぶっちぎりの強者であった弦十郎が、手も足も出ずにわずかな時間で片付けられてしまったのだから。

 

切り札がいともたやすく折られたことで、一気に絶望の空気が広まる。

誰もがうつむき、放心し、撤退することを考える。立ち上がるものなど、一人と

 

 

「……まだ……折れない!」

 

 

ないはずだった。

詞の背を追い続けた防人が、電撃で鈍った体に鞭打って立ち上がる。その姿はまさに、追い続けた彼女のそれだ。

 

殲滅せよ

 

慈悲のない命令が詞に下る。

天候が荒れ始め、嵐の来訪が予感される。暴風と雷鳴の中、彼女らは幾度と刃を合わせた。

 

翼の肌に傷が増えるが、詞にはない。

翼の体が雷撃で鈍るが、詞は俊敏に動く。

翼の刃はすでにズタズタだが、詞の刃は曇り一つない。

 

勝敗は、決していた。

 

最早動くことすら敵わない翼に、詞の刃が向けられる。

それはまるで、処刑人と罪人のようだった。

 

殲滅せよ

 

繰り返される命令に従うべく、詞の刃が振り上げられる。

そこに、割って入る声があった。

 

 

「嬉しかった……」

 

 

途端に詞の動きが止まる。

命令は下され続けていたが、詞の刃は不調な工作機械のように動きが止まり続ける。

 

「あの日、ライブに来てくれたこと……マリアとのステージも、見ていてくれたこと……海外公演も、テレビ越しで見ててくれたこと……」

 

電撃のしびれで途切れ途切れな言葉は、詞の耳に届いているのか。

誰にもわからないが、少なくとも詞の刃は固まったままだ。

 

「私たちの歌が、好きだって、言葉じゃ、なくても……伝わってたよ。でも、私の家が、貴方たちにしたことは、許されることじゃない」

 

そう告げた後。翼の行動に一同は驚愕の声を上げた。

 

 

「私には、こんなことしかできない。でも、私の命で、貴方の憎しみが晴れるのなら!私の歌が好きだと言ってくれた貴方に、あげる!」

 

 

シンフォギアには防護機能が搭載されている。

普通なら致命傷となる大怪我でも、命を保っていられるのはこの機能が最大限適応されているからだ。

 

当然、ギアを纏っていないならそんな機能は発動しない。

それも、自ら解除しているとなれば、尚更に。

 

今、詞の前にいる翼は、ギアを解いている。

つまり、振り下ろされる刃は、文字通りの致命傷となる。

 

周囲の空気が一気に冷え込む。

緊張と焦りが突入班の表情から漏れ出す中、詞は

 

刻印、掌握!」

 

自意識を縛られていた。

最早肉体の自由権などない。誤作動を起こしていた腕は真っすぐに振り下ろされ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とっさに飛び込んできた、一人の()を叩き切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石畳の道が赤に染まる。

一人の男が、倒れ伏している。

 

一人の女が、その男に寄り縋る。

 

最上 詞が自意識を取り戻したとき、最初に見た光景がそれだ。

 

何だこれ

 

脳が理解を拒む。一目瞭然の光景を、脳は理解しようとしない。

いや、理解はしていても受け入れようとしない。

 

何故って、倒れているのは恩人で、縋りついて泣き叫んでいるのは親友で。

 

 

自らの手には、その赤がつづいているやいばがあって―――

 

「お父様ぁあああああ!」

 

「医療班!応急手当を!」

 

聞きたくない声が聞こえる。

イヤだ、やめろ、自覚させるな、私が、

 

 

何で泣いてるの?

 

 

詞の奥底で、血まみれの誰かが嗤う。

 

 

あなたがやったのよ?

 

 

不意に自らの顔に手をやる。

何か、生暖かい感触があった。

 

 

あんなに殺したがってたじゃない

 

 

手には、赤黒い何かが付いていた。

全身に悪寒が走り、震えが止まらない。

 

 

憎き風鳴を一人倒したじゃない

 

 

やめろ、やめろ、やめろ。

何度も吠えるが、その声は止まらない。

 

 

復讐を一つ達成したのに、なんで泣くの?

 

 

己のうちで、ガラスの砕ける音が聞こえる。

それは刻印の呪縛からの解放の音だったが、今の詞にはそんなことは気にする余裕もなかった。

 

膝から崩れ落ち、世界がモノクロになり、回転を続ける。

その勢いに酔って、強烈な吐き気と苦しさを催す。今の詞には、呼吸さえまともにできていないことが分からなかった。

尋常でない汗が噴き出て、自然と目から涙がこぼれる。

 

 

内からはじけ飛んでしまいそうな感覚の中、一つの熱が詞に触れた。

 

 

「詞……くん……」

 

八紘だった。

蒼白した顔色と、同じくらいに噴出した汗で濡れながらも、詞に触れている。

 

死力を尽くす、最後の力を振り絞る。まさにそれだった。

 

「君の人生を……私たちが、こわしてしまった……責任は、我々大人にある……」

 

絞り出した声は、暴風にかき消されているものの、詞の耳にははっきりと聞こえている。

 

「友達同士で、傷つけあうのは……あまりにも、悲しいから……それは、我々が背負う、十字架だ」

 

八紘の目からも涙がこぼれる。それは、悲しさからか、くやしさからか。

それは誰にもわからないが、詞の目には贖罪に映った。

 

そして彼の言葉が、

 

「優しさを失わないでくれ……弱い者をいたわり、互いに助け合い、敵であっても手を取る君の心を……!それが私の、最期の……願いだ」

 

詞の心に、再び火を灯した。

 

 

「……すまない、つばさ。しあわせに……」

 

 

それが、風鳴 八紘の最期の言葉だった。

彼は最期まで、父親であった。

 

 

 

Closer voltax minotaur tron(終わりの見えない戦いに一筋の雷光を)

 

 

 

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

 

もう許さねぇからなぁ……!(号泣)

八紘パッパの最期の願いを聞き、詞ちゃんが立ち直りました。

 

「最上ィ!何をしておるか、殲滅せよと告げておるのだぞ!」

 

それ以上喋ったら今度は僕がブチ切れる。

このボケ老人はほっとくとこちらの神経を逆撫でしまくるので、迅速に始末しましょう。

 

では、詞ちゃんの背中をバックに準備画面へ。天候も荒れに荒れて大嵐が到来しています。

タイマン勝負なので特に気にする要素も何もありません。あるとすればいかにしてこの老醜を笑いものにしてやるかくらいでしょう。

 

では、大変お待たせいたしました。

老人解体ショーの始まりや、みんな見とけよ!

 

「刻印、きど―――」

 

「少し黙れ」

 

ヒュー!光の速さで投げられた手斧がこめかみをかすめていくー!

冷や汗と共に臨戦態勢を取る老人だが、そんな隙を俺たちの詞ちゃんが逃がすわけがない!

 

「ずっと間違えてたんだ、敵は風鳴じゃなかった」

 

「おのれ……刻印が解かれたか、ならばァ!」

 

おっと姉を盾に使おうったってそうはいかない(激ウマギャグ)

姉ごとぶん殴ればいいじゃんね☆

 

「えぇい、完全な計画にならんとは!」

 

情けない奴ッ!

さて、そこそこ殴られたことで相手もようやく状況が飲めた様子。

改めまして、風鳴 訃堂戦です。

 

このジジイの挙動は複雑怪奇で、初見で苦労するボス筆頭です。

何せすべての攻撃モーションが別のモーションに連結できるので、斬撃が射撃になったり、縦切りが回転切りになったりとパターンが多すぎます。

一見複雑そうに見えるけど複雑だぜ!

 

全てのパターンを覚えるか、安全地帯まで逃げに徹すれば問題ないと思いますが、現実的ではありません。

飛び道具持ちのオールラウンダーから逃げきれというのは無理があります。

 

ではどうすればいいのか。

明確に隙ができるモーションがいくつか存在するので、そこを突いてチマチマダメージを与えるのが確実です。しかしこのジジイが持つ「八咫鏡」の効果でバックスタブが入りません。

本当にチマチマ奥義攻撃をぶつけていくことになるのでものすごーい時間がかかります。

RTAだからこれ!

 

そこで私が提案する解決策と申しますのが、

 

「お前だ……お前が元凶だったんだ」

 

「群蜘蛛を足蹴に……!?侮るなよ、小娘がァ!」

 

踏みにじらせはせぬぞ……!

このようにジジイの誇りである群蜘蛛を踏んづけながら、体幹ダメージからの致命攻撃で倒す方法です。

 

どうにもこのジジイ、相手が防御姿勢を取ると貫通攻撃を最優先で仕掛けるロジックが組まれている様子。

意味もなく煽りたくて、ジジイの前でカチャカチャボタン連打してたら偶々見つけました。

 

「歌で世界は守れない!人が繋がり分かりあうなど片腹痛しィ!」

 

「お前みたいなのがいるから……みんなが苦しむ、私みたいなのが生まれる」

 

「そのような世迷言!血を流し礎となった先達に、顔向けできぬとなぜ分からぬ!」

 

その先達が築いた子孫をキズモノにしてるお前に言われたくないなって。

まぁ永遠に突き突進してくるジジイは面白いのでヨシとしましょう。たまに斬波や下段攻撃が飛んできますが、その際はステップやジャンプで回避します。

とにかく防御の構えから「見切り」で姿勢を崩す。これを覚えておけば強敵だった風鳴 訃堂が耄碌じいさんに早変わりです。

 

ねえどんな気持ち?自分の命と同等の刀踏みにじられてどんな気持ち?

 

「この国に必要なのは防人ではなく、護国の鬼!なればこそ、貴様の父も我に仕えてきたというのに!貴様はそれを無為にするかァ!」

 

「だから何だ?」

 

「何ッ……?」

 

 

「お前らがどんな約束したか知らないけど、人柱立てなきゃ守れない世界ってのは、滅んで正解なんじゃないの」

 

 

ちょっと女子~。おじいちゃんいじめちゃだめでしょ~。

いいえ、あれは人ではなく護国の鬼らしいのでいじめてOKです。さてそろそろ体幹ゲージがたまってきた頃合い。

致命マーカーの出現を確認したので、まんじりとせずぶち込みます。

おじいちゃん散歩の時間ですよ、昼ご飯はさっき食べたでしょう?

 

「群蜘蛛が……!そうだ、国を護ることを思えば……あのような、おぞましい光に祖国を焼かれるくらいならば、儂自らが!護国の鬼とならん!」

 

はい、HP半損してから当然のように第二形態です。

群蜘蛛が砕かれたことにショックを受けて半裸になったジジイは、「三種の神器」を多用して手数で押してきます。「草薙剣」による広範囲の薙ぎ払いや、「八尺瓊勾玉」による大幅な攻撃バフと最大9基のファンネル、「八咫鏡」によるダメージ大幅減と反射など面倒くさいギミックが目白押しです。

 

まぁ、防御貫通のロジックは変わらないので踏みにじるのが群蜘蛛から「草薙剣」に変わっただけなんですけどね。

国宝を踏みにじるとか罰当たりすぎんだろ……。

 

「義輝よ……貴様の娘、随分な野蛮人と育っておるぞ!」

 

「お前がいる限り、翼のような悲劇が起こる、ノーブルレッドのように理不尽に利用される人間が増える」

 

おっと薙ぎ払いの構え。

ではちょうどいい踏み台がそこにいるので、それを使って回避します。

 

「えぇい貴様!どこまでもコケにするか!」

 

「みんなのためにも、ケダモノは狩らなければ!」

 

国宝の尊厳破壊をしてると、丁度よく致命マーカー出現。

このまま引導を渡してあげましょうか。

 

「くたばれッ!」

 

ウワーッ!八咫鏡が壊れました!

修繕費いくらだよ……。

 

「くたばれッッ!!」

 

ヒェッ……。八尺瓊勾玉まで。

そんな瓦割の感覚で国宝壊さないでほしいんですけど……。

 

「最上……そうだ、貴様こそ!真なる護国の鬼、否!護国の荒神となれェ!」

 

「くたばれェェェェェェェ!!!」

 

 

 

 

MISSION COMPLETE

 

 

 

 

工事完了です……。

と思ったのですが、おやぁ?何やら人影が見えます。

 

「そこまでだ……詞」

 

「どいて」

 

「お前を本当に鬼にしてしまったら」

 

「どけェ!」

 

 

「俺は八紘兄貴にも、了子君にも顔向けできない!」

 

 

おっといいシーンなのでこのままフェードアウトします。

ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

 

 

 

 

 

一人の親となる。

それはどれだけ光栄なことで、それでいてどれだけ重大な責任を負うことなのだろう。

 

俺にはそれがわからない。

何故なら、恋愛ごとよりも趣味に生きる人間だからだ。

 

初めて翼を抱き上げたときは、とても泣かれたのを覚えている。

八紘兄貴も忙しくしていたので、かまってやれないときは俺が何度か預かっていたこともある。

 

八紘兄貴が翼に冷たい。と女中から相談されたこともあったが、翼の部屋を見ればちゃんと想っていたことが分かった。

兄貴なりの優しさは、翼に伝わりづらかっただろうが、そこを詞や奏が繋いでくれたのだ。

 

俺には親がわからない。

だが、不器用ながらに親をやろうとする兄貴の背中を見てきた。

 

詞が来た時も、自分に親代わりができるとは思っていなかった。

しかし、記憶のない彼女に寄り添うことはできると思ったし、兄貴の背中を思い出しながらぎこちない親を務めた。

 

決していい親だったとは言えない。

どんどん強くなる詞を見て、誇らしく思いながらも、暴走気味な彼女をいさめることは終ぞできなかった。

 

もしもあの時、自分がもっと厳しく言い聞かせてやれば。

もしもあの時、母親代わりに誰か(彼女)がいてくれれば。

 

今こうして、詞は憎悪にとらわれた顔をせずに済んだかもしれない。

 

もしもあの時、もっと詞と向き合おうと努めていれば。

もしも、もしも。

 

だが、時計の針は過去には戻らない。

ならばこそ、これからを見据えるのだ。

 

俺は、詞の目を真っすぐ見て、伝える。

 

「お前に気を使って、優しくしてやるべきだと思っていた。だが、そうじゃなかったんだ。詞を理解しようと努めなかったのは、俺の怠慢だ。すまなかった!」

 

ふと、誰か(彼女)の顔が浮かぶ。

誰か(彼女)は詞の後ろで、あきれ顔で笑っている。

 

「俺たち風鳴が憎いかもしれない。だが、それでも叶うなら」

 

やっと分かった?弦十郎君。

と、誰か(彼女)が告げた気がした。

 

 

「俺は今度こそ、お前の親になりたい!」

 

 











夏までに終われるかな……。
そろそろ新作書けるかな……。
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