「さて、そろそろ話してもらおうか」
目の前にいる兵士がそう話しかける。
「拒否させてもらう」
だが、少女の返答は、常に拒否だった。
「ったく、鹵獲して何日目だ?」
「6日目だ。メシは食うんだがなぁ……まぁ、世の中には、メシすら拒否する奴がいると聞くし、まだマシなんじゃないか?」
「まぁ、そうは思うが……でも、あんな機体だ。動かせないから吐き出させるしかないだろ」
ネオ・ジオン、通称袖付きの輸送艦。ガランシェールの同型艦。シェルフェヒェールイ。
インダストリアル7から少し離れたところを航行していたシェルフェヒェールイ(以降シェルフェ)は、バイコーンから奇襲を受けた。
『エンジン出力低下!!』
『直掩隊は何をやっている!!』
『以前交戦中!!アンノウンからの流れ弾が本艦に向かってきています!!』
『さっさと落とせ!!もしくは鹵獲しろ!!』
バイコーンとギラ・ズールの戦闘が長引くにつれ、シェルフェは流れ弾によるダメージが増えていく。
『まだ終わらんのか!?』
『以前交s……鹵獲しました!!』
シェルフェとバイコーンが遭遇してから2時間。バイコーンはワイヤーに絡まり、シェルフェへと連れてかれた。
そして、コックピットハッチが開くまで、数時間。パイロットを捕まえ、尋問。それが今の状況である。
「ったく。不死鳥探しに忙しいってのに、なんでガキのお守りをしなければならないんだ」
「まぁまぁ……それに、あの機体、どこか不死鳥に似た何かを感じるけどな」
「やめろよ。縁起でもない。ただでさえあの暴走をした機体だ。それと同じとか、あっちゃたまんねぇよ」
「まぁな……俺たち、あの場にいたからなぁ……」
『おいそこ!!話をはずませる暇があったら、さっさとあのガキをなんとかしろ!!』
「今、艦長がなんとかしようとしてるよ!!」
怒号などが飛び交う中、バイコーンは静かにコックピット内でのモニターに、ある表示を出す。
[RX-0、接近中]
「艦長……艦長!!」
「お?なんだ?俺は今この少女のナンパに忙しいんだが?」
「そんな冗談は放ってほいて……敵ですよ!!しかも大物!!」
「お、来たか……不死鳥だな?」
「えぇ、そうですよ!!」
艦長と呼ばれた男が私の目の前で、嬉しそうに笑っている。
「不死鳥?」
「あぁ、お前さんは知らないのか?不死鳥だ、不死鳥」
「不死鳥って、架空の生物じゃないの?」
私の答えに、大きなため息を吐く。おい、どこがおかしい。
「そっちの不死鳥じゃねぇよ。俺たちが言った不死鳥は、“RX-0 3号機フェネクス”のことだ。こいつを見てみな」
そう言って、ある画像を私に渡してくる。
「こ、これ……」
「そいつが、フェネクスだ」
金色のユニコーン。私が、ここに迷い込んだ原因。
「………私を出して」
「は?」
「私を出して!」
こいつは、敵!!倒すべき敵!!
「おいっ!!暴れるなっ!!誰か、こいつを抑えるのを手伝ってくれ!!」
「離せっ!私は、私はっ!!アイツを倒さないと!!落とさないと!!また、またっ!!」
騒ぎを聞きつけてか、男が多数入ってくる。
「バイコーンっ!!!!」
「!!?」
突如として、大きな声で、感情を乗せて叫ぶ。
この声が、バイコーンに届くことを願って。
「ライフルとシールドとタンクは絶対だ!!生きて帰ってこいよ!!いいな!!」
『わかってる!!ただでさえ、人手が少なくなってるんだからな!!』
「行ってこい!!」
『ラジャ!!』
ギラ・ズールが1機、2機と出て行く。
(生きて帰ってくれ……俺たちのためにも)
「おい。誰だ、こいつ動かしたの」
「さぁ?」
ふと、聞こえてきた会話に耳を傾ける。
そちらの方を見ると、青いモビルスーツが、勝手に動いていた。
「っ!!艦橋に伝えろ!!ドックが壊されるぞ!!」
「りょ、了解!!」
「うぉー!!?止まれぇー!!」
「人の力で抑えられるわけがあるか!!早く離れろ!!」
「ふーっ!!ふーっ!!」
「ったく、力強すぎだろ……4人で抑えられるとか……」
『艦長!!モビルスーツが!!』
「なんだ今度…………………は?」
壁の向こう側から、音がする。鉄を引きちぎるような音が。
「おい!壁から離れろ!!なんか来るぞ」
音が近くなり、そして、壁が引き裂かれた。
向こう側には、バイコーンがいる。
「バイコーン……」
バイコーンの手が差し出され、私は力が抜けてきている男の腕を振り払い、手に乗る。
コックピットハッチが開き、中へと私を誘う。
「バイコーン……やるよ。仇じゃないけど、やられたままは、嫌だもんね」
服装は、ずっとパイロットスーツのまま。ヘルメットはコックピットに置き去りにしてたから、問題はない。
「RX-1 バイコーンガンダム 。出ます!!」
オリジナルの部隊とかは、原作が壊れないようにするために作っています。