機動戦士ガンダムバイコーン   作:天津神

5 / 6
第4話 漂流

 

 

「さて、そろそろ話してもらおうか」

 

 目の前にいる兵士がそう話しかける。

 

「拒否させてもらう」

 

 だが、少女の返答は、常に拒否だった。

 

「ったく、鹵獲して何日目だ?」

「6日目だ。メシは食うんだがなぁ……まぁ、世の中には、メシすら拒否する奴がいると聞くし、まだマシなんじゃないか?」

「まぁ、そうは思うが……でも、あんな機体だ。動かせないから吐き出させるしかないだろ」

 

 ネオ・ジオン、通称袖付きの輸送艦。ガランシェールの同型艦。シェルフェヒェールイ。

 インダストリアル7から少し離れたところを航行していたシェルフェヒェールイ(以降シェルフェ)は、バイコーンから奇襲を受けた。

 

『エンジン出力低下!!』

『直掩隊は何をやっている!!』

『以前交戦中!!アンノウンからの流れ弾が本艦に向かってきています!!』

『さっさと落とせ!!もしくは鹵獲しろ!!』

 

 バイコーンとギラ・ズールの戦闘が長引くにつれ、シェルフェは流れ弾によるダメージが増えていく。

 

『まだ終わらんのか!?』

『以前交s……鹵獲しました!!』

 

 シェルフェとバイコーンが遭遇してから2時間。バイコーンはワイヤーに絡まり、シェルフェへと連れてかれた。

 そして、コックピットハッチが開くまで、数時間。パイロットを捕まえ、尋問。それが今の状況である。

 

「ったく。不死鳥探しに忙しいってのに、なんでガキのお守りをしなければならないんだ」

「まぁまぁ……それに、あの機体、どこか不死鳥に似た何かを感じるけどな」

「やめろよ。縁起でもない。ただでさえあの暴走をした機体だ。それと同じとか、あっちゃたまんねぇよ」

「まぁな……俺たち、あの場にいたからなぁ……」

『おいそこ!!話をはずませる暇があったら、さっさとあのガキをなんとかしろ!!』

「今、艦長がなんとかしようとしてるよ!!」

 

 怒号などが飛び交う中、バイコーンは静かにコックピット内でのモニターに、ある表示を出す。

 

[RX-0、接近中]

 

 

 

「艦長……艦長!!」

「お?なんだ?俺は今この少女のナンパに忙しいんだが?」

「そんな冗談は放ってほいて……敵ですよ!!しかも大物!!」

「お、来たか……不死鳥だな?」

「えぇ、そうですよ!!」

 

 艦長と呼ばれた男が私の目の前で、嬉しそうに笑っている。

 

「不死鳥?」

「あぁ、お前さんは知らないのか?不死鳥だ、不死鳥」

「不死鳥って、架空の生物じゃないの?」

 

 私の答えに、大きなため息を吐く。おい、どこがおかしい。

 

「そっちの不死鳥じゃねぇよ。俺たちが言った不死鳥は、“RX-0 3号機フェネクス”のことだ。こいつを見てみな」

 

 そう言って、ある画像を私に渡してくる。

 

「こ、これ……」

「そいつが、フェネクスだ」

 

 金色のユニコーン。私が、ここに迷い込んだ原因。

 

「………私を出して」

「は?」

「私を出して!」

 

 こいつは、敵!!倒すべき敵!!

 

「おいっ!!暴れるなっ!!誰か、こいつを抑えるのを手伝ってくれ!!」

「離せっ!私は、私はっ!!アイツを倒さないと!!落とさないと!!また、またっ!!」

 

 騒ぎを聞きつけてか、男が多数入ってくる。

 

「バイコーンっ!!!!」

「!!?」

 

 突如として、大きな声で、感情を乗せて叫ぶ。

 この声が、バイコーンに届くことを願って。

 

 

 

「ライフルとシールドとタンクは絶対だ!!生きて帰ってこいよ!!いいな!!」

『わかってる!!ただでさえ、人手が少なくなってるんだからな!!』

「行ってこい!!」

『ラジャ!!』

 

 ギラ・ズールが1機、2機と出て行く。

 

(生きて帰ってくれ……俺たちのためにも)

 

「おい。誰だ、こいつ動かしたの」

「さぁ?」

 

 ふと、聞こえてきた会話に耳を傾ける。

 そちらの方を見ると、青いモビルスーツが、勝手に動いていた。

 

「っ!!艦橋に伝えろ!!ドックが壊されるぞ!!」

「りょ、了解!!」

「うぉー!!?止まれぇー!!」

「人の力で抑えられるわけがあるか!!早く離れろ!!」

 

 

 

「ふーっ!!ふーっ!!」

「ったく、力強すぎだろ……4人で抑えられるとか……」

『艦長!!モビルスーツが!!』

「なんだ今度…………………は?」

 

 壁の向こう側から、音がする。鉄を引きちぎるような音が。

 

「おい!壁から離れろ!!なんか来るぞ」

 

 音が近くなり、そして、壁が引き裂かれた。

 向こう側には、バイコーンがいる。

 

「バイコーン……」

 

 バイコーンの手が差し出され、私は力が抜けてきている男の腕を振り払い、手に乗る。

 コックピットハッチが開き、中へと私を誘う。

 

「バイコーン……やるよ。仇じゃないけど、やられたままは、嫌だもんね」

 

 服装は、ずっとパイロットスーツのまま。ヘルメットはコックピットに置き去りにしてたから、問題はない。

 

「RX-1 バイコーンガンダム 。出ます!!」




オリジナルの部隊とかは、原作が壊れないようにするために作っています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。