自殺したと思ったらオルフェノクになっていた。 作:地支 辰巳
私と真理と巧は拠点であったクリーニング屋に着いており、人手が必要だと言うので、ここで真理と巧と一緒に暮らしたいる菊池啓太郎という男と合流して改めて雅人が通っていると言われる大学に向かう事になった。
私から見た菊池啓太郎という男の第一印象は少々気合が足りないと思うが、それなりに出来た人間だなとは感じのは事実だ。
そんな啓太郎と初めての雑談をしながらも私たちは雅人が通っている大学に着いた。大学は広そうであり確か一度雅人に会いに来る為に一度は来たことがあったと思うのだが、私はそんなことよりもただ早くトイレに行きたいと考えていた。あのクリーニング屋を出た辺りから腹痛が始まって、こんな雅人を探しに行こうぜ!みたいな雰囲気の中行くことが出来ずにそのままここまで来たというわけだ。というわけでここは探すついでにトイレに行くとするか。
「そうか、そうか。真理達は一旦受付で名前を探すんだな。私はちょっと中の教室とかを回って探して来るよ。じゃあまたあとで」
私は真理達の返事も聞かずに大学内に入っていって、さっそくトイレを見つけると入っていった。
こんな時に真理達の力になれないのは残念だけど、多分この腹痛は久しぶりに雅人と会うからその緊張が出ているんだろう。でもまぁ少しの間ここに篭っていれば真理から雅人を見つけたという連絡がくるからそれまではここにいておくか。
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私がトイレで時間が潰して大体15分ぐらい経った時に真理から電話がかかってきた。ふぅー腹痛は無くなったけど、やっぱりまだ緊張はするが、覚悟は決めないとな。さすがに真理や巧や啓太郎などに失礼だからな。
『もしもし、璃々今どこにいるの?』
『私か?私は今大学の中にいるけど?』
『そうなんだ。じゃあさ大学の校門らへんに来てくれない?草加くん見つかったからさ』
『あ、ああ。分かった直ぐに行くから』
『早く来てね!草加くんも早く会いたがっていると思うから』
私は真理から電話を受け取ると直ぐに建物内から出て、校門前に向かって走り出した。真理ほどでは無いけど私だって雅人と会うのは久しぶりだからどきどきしているが、いざ会えるとなると自分の足がいつもより早く動いていることに気づいた。
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私が校門に着いた頃には一緒に来た三人とそこに雅人も追加された四人がいた。あとから入るのは入りにくいがいつものような態度で行けば問題ないだろう。
「よ、よぉ雅人見つかったんだってな」
「そうそう草加くんやっと見つかったんだよ。色々あって結構苦労しちゃてさ。そういえば草加くん立派になったよね。璃々も最近会ってからそう思うでしょ?」
確かに私はついこの間までは連絡しかとってなかったから分からなかったが、見れば雅人は昔と比べて随分と背も伸びて引き締まったように感じた。なんというかこれが母親が成長した息子に抱く感情なんだなと自分でもそう思えた。
「やぁ璃々じゃないか。久しぶりだね。結構背が伸びたんじゃないかな?」
雅人はこんな笑顔なんてしたかな?というような笑顔をしながら私を褒めてきて、しまいには握手まで求めてきた。私もまぁわざわざいまさらだが握手に応じた。
「ちょっと俺一対一で璃々と話したいことがあるからさ。三人とも先に流星塾のみんなのところに向かってくれないかな?直ぐに向かうからさ」
雅人がいきなり一対一で話したいと言い出しやがった。まるで意味が分からない。そんなに個人で話すことなんてあったかな?あの記憶を思い出したってことは無いだろうし、もしかして真理への恋心の相談なのか?昔はよくされていたもんな。
「うん分かったよ草加くん。二人共積もる話だってあるだろうしね。でも早く来てねまた流星塾のみんなに何かあるとも限らないんだから」
「分かっているよ。そこまで時間はかけるつもりは無いから心配しなくても大丈夫だよ。じゃあ行こうかあっちに行こうか璃々」
私は雅人に連れられるまま三人と一旦お別れを告げながら周りに誰もいないような場所に着いた。雅人からどんな話があるのかは分からないけど、どんな話が出てきても覚悟はしているつもり。
「ここなら大丈夫そうかな。それで璃々に話っていうのはさちょっとカイザのベルトを見してほしくてね」
え、どうしてそんなことを言うんだ?確かに珍しいものだし、危険はあるけど変身すれば力を手に入るものだけどどうして雅人が欲しがるんだ?
「ど、どうしてこれが見たいの?」
「特に深い理由なんてないよ。少し興味深いものだから少し見てみたいってだけでね。大丈夫だよ直ぐに返すから」
私は結局雅人の言う通りにベルトをケースから出して見せてしまった。
「へぇーこんな風になっているんだね」
だけど雅人は見たと思うとカイザのベルトを取りそのまま腰にはめた。
私は何故雅人がそんな事をやっているのか分からなかったけど、とりあえずカイザに変身すると雅人に灰になってしまうと思って止めようとした。
「ちょっと何をしてるの雅人。それは変身すると灰になるかもしれないんだよ?早く外して!」
私の言葉を聞いた雅人は今までに見たことの無いような憎しみを込めた目線で私の方を見てきた。その目と表情を見ただけで私は寒気がしたような恐怖心を感じてしまった。
「黙ってくれよオルフェノク。オルフェノクの君がこのベルトを使う事は許されないんだよ。それで真理の近くにいるなんて近づかなくてくれないかなぁ!」
分からない分からない、何故雅人が私のことをオルフェノクというのか、何故こんなのにも怒りをあらわにするかなんてまったく分からない。私と雅人は親友のはずで、お互いに真理を思っていたはずなのに……
「な、なんでそん「思い出したんだよ。璃々が俺と真理に自身がオルフェノクだと言った時のことをね。俺だって璃々を殺したくなんて無いよ、でもオルフェノクが近くにいると真理に危険が晒される。でも心配しなくても俺が真理をカイザとして守っていくよ」え、いや、そんな事」
どうしてどうして雅人が思い出したんだよ。私の記憶操作は完璧なはずだった。いままで思い出す事なんて無かったんだから。どうしようどうしよう雅人に殺される?……いやだ、まだ生きたい。私が雅人を殺せばいいのか?だめだそんな事出来るわけが無い。いや、まだ和解は出来るはずだ。
私が正面を向くとそこにはカイザが刃を携えてこちらを向いて立っていた。
「オルフェノクに変身しないのかい?俺が人間態の璃々に攻撃出来ないとでも?」
怖い怖い、でも殺される訳にはいかない。真理や梓、かすみや紫乃などの私が守らなければならない人達を守るまでは私は生きなければ。
「雅人君の覚悟はよく分かった。私も死ぬわけにはいかない、だから全力でいかせてもらうよ」
オルフェノクに変身した私に雅人は躊躇なく撃ってきた、痛い痛いけどこんなものぐらい。
「何で璃々がオルフェノク何だ!何故俺と真理の親友のお前がよりによってもオルフェノク何だよ!」
雅人は言葉を叫びながら私に刃を払ってきた。私はところところをガードしながらも攻撃を受け続けた。
「どうして攻撃してこない!オルフェノクらしく理性もなくして攻撃を仕掛けてこい!」
雅人の悲痛な叫び声が私の耳に入って来る。苦しそうで憎悪にも満ちていて悲しい声。やっぱりまだ迷っていてくれることが嬉しくて、それでも今のこの状況をこの雅人の状態を私は許すことなんて出来なかった。
「雅人もうやめてよ。お前はそんな事をするような奴じゃ無かっただろう!もっと人の事を思えて、真理の事を誰よりも純粋に思える良い少年だったじゃないか!そんな君がどうしてこんなことを」
「うるさい!同窓会に来たなかった君には分からないだろうけどな。オルフェノクは危険で人間の暮らしを脅かす存在なんだよ!」
そうだけど、違う違うんだ。人を殺すだけがオルフェノク何かじゃない。人間と変わりなんてほとんどないんだ。
「オルフェノクって一纏めに括るなよ。オルフェノクになって人生が良くなった奴だっている。オルフェノクになって苦労している奴だっている。そんな奴らを全員雅人は殺すのか?」
雅人は荒い息を吐きながらも私の言葉は聞こえていたようだが攻撃の手は緩むことは無かった。
「黙れ黙れ黙れぇ!大人しく灰になれよ!」
雅人はベルトのEnterを押すと私に向かって拘束弾を発射してきて、そのまま構えた。
私は雅人が構えた刃を受ける寸前に拘束された無理やりにでも動かして拘束を解いてそのままギリギリところで避けて何とか致命傷を受けることには成功した。
「……避けたのか。でも相応のダメージは負っているようだね。その体じゃもう満足に戦えないだろうな」
「ああ雅人の言う通り私の身体はもうボロボロさ。だからここは逃げさしてもらうよ。でも、ちゃんと雅人のことは救ってみせるからさ。楽しみにしていてね」
私は言い残すとそのまま飛翔態に変身をして雅人の前から逃亡した。このままいけば完全に回復する見込みなんてないなと思いながらも私は自分の自宅に戻ったのだった。
そこに梓がずっと帰っていない事なんて知らずに。
次回から完結に向けて無理矢理にでも畳んでいきます。