自殺したと思ったらオルフェノクになっていた。 作:地支 辰巳
副社長は動く
俺は今たまに来ることがある警視庁に来ている。
何故わざわざオルフェノクでしかもスマートブレインの副社長である俺がこんなところに来ているというと、ここには全国の灰化事件の概要、被害者などなどさまざまな情報が集まるからだ。そしてその情報を公表しないように警察に圧力をかけるためと優秀なまだスマートブレインに発見されていないオルフェノクを探すためでもある。これはスマートレディの仕事の一部でもあるのだがあいつは信用は出来なく何となく胡散臭いので、自分でする必要があるのだ。
「これがここ最近の灰化事件の資料です」
俺は渡された資料をいつものようにペラペラとめくりながら見ていると、興味深い事件を発見したのだ。それはある高校で女子生徒三名が行方不明になったというもので、図書室に灰があったものからこの資料に回されたものだった。それに関連してその学校が実施した林間合宿で生徒が六名行方不明になっているということだ。
この事件が他の灰化事件と異なっている点は、同じ閉鎖空間の学校で灰化事件が立て続けに起こっているということだ。
これは珍しいことで学校という場所で覚醒したオルフェノクは通常その学校にいる人間全員を使徒再生した後にスマートブレインに保護されるもしくは一部の生徒を灰化させた後に失踪する場合が多いということだ。
なのでこの学園にいるオルフェノクは個人である可能性が少なく、しかも普通に人間として社会に紛れ込んでいるということがあるかもしれないのだ。
ならば犯人は自ずと見えて来る。この事件の近辺で起こった生徒の家族が灰化する事件があった。そしてそこの学校の生徒である女子生徒は生き残っていている。
伊予梓か……ならばこの生徒がオルフェノクに覚醒しているのだろう。しかも今そいつと住んでいるであろうこの阿波璃々という奴もオルフェノクなのだろうな。
これはもしかしたら良い人材が何人も手に入るかもしれないな。
「それで長門さんに聞きたいことがあるのですがよろしいですか?」
警察関連のお偉いさんが俺に質問があると言ってきた。結構な歳を重ねているのだが、俺に殺されたくないのだろうと丁寧か言葉使いをしていた。俺からしたらこんな歳を取ったやつからの敬語も当たり前だからほとんど何も感じはしないが……。
「なんだ?とっとと質問をしてくれ」
「それが先日耳にしたんですけど、警視庁の南雅彦を殺したとか。何故殺したんですか?あいつはスマートブレインから多くの融資を受けていたはずですが」
南?……ああ、あいつか。オルフェノクに対抗するためにオルフェノクを実験体にしたりして、調べていたらしいからな。そんな事をされても邪魔なだけで俺からしたら人間からのオルフェノクへの認識なんて吸血鬼みたいに伝説で出てくる危険な生物くらいがいいのに、それをわざわざ解き明かそうして、しかも人間とオルフェノクとの戦争に勝つためとか本当にこれ以上オルフェノク過激派を刺激しようとするような事をしてほしく無かったからな。
「スマートブレインから融資を受けていたといってもそれは花形さんと村上くんがやっていたことだろ?私には関係もない。あんな事をやってもオルフェノクとの戦争が現実に近づくだけだ。オルフェノクと人間なんて始めてしまったら終わりなんて見えないし、何よりどちらも絶滅寸前になる事は必至だからな」
俺は話が終わったばかりにもらった資料を持って警視庁から去っていった。スマートブレインまでは迎えの車に乗りながらその中でこれからの行動について考えていると部下からの電話がかかってきた。
『もしもし。私だが』
『副社長ご報告したいことがありまする』
『どうした?いってみろ』
『ラッキークローバーの一員であるジェイが完全に灰化消滅いたしました』
『完全に?三回もジェイがやられたということか?』
『はい。ベルト奪還任務中に三回目はファイズによって倒されてしまいました』
『村上くんはラッキークローバーを酷使しすぎだな。これじゃあラッキークローバーが可哀想だな。でも、ファイズが倒したのか……結構な手練れということだな。じゃあ私もラッキークローバーを使うことにするか』
『それは北崎さんを使うことってことですね』
『ああそうだ。私の言う事を聞くラッキークローバーなんて北崎だけだからな。ってことで北崎に私のところに来るように言っておいてくれ』
『了解しました。では、また後で』
さてと、これからの予定を考えることにするか。
まずはベルト関連だがこれはほっといて問題がないだろう。どうせ村上くんが琢磨や影山に任せるだろうからな。
次に空いたラッキークローバーの枠だがこれも村上くんと他のラッキークローバーの推薦とかに任せるかな。俺がこれから探しに行くオルフェノクが目的の素質を持っていない場合は推薦してもいいがな。
さてと最後はさっきの資料の奴だけど、オリジナルの可能性も考えて北崎を連れて行くことにしたけど過剰過ぎたかな?だが、素質を持っていた場合俺一人だと少々手こずる可能性もあるからな北崎を連れて行って損は無いだろう。
こんなにもわくわくするのは久しぶりかもしれないな。前に北崎を見つけ出したみたいな感覚がするからかもしれないな。
多分あと三、四話ぐらいで終わると思われます。