自殺したと思ったらオルフェノクになっていた。 作:地支 辰巳
気がついたら、手前に三人の男達。奥の方に11人の人達がいた。
奥の人達の中には璃々さんやかすみ、紫乃や巧までいた。それに沙耶までいた。どうしてみんながいるのか思い当たる節はあまりにも傲慢なことだけども、みんなが私を助けるという目をしていてくれていた。それが私にはただただこの場の異様な雰囲気よりも嬉しかった。
それで、私は拐った人達の話を聞いていると、どうやら私はオルフェノクの王なる力を持っていたらしい。確かに耳元で囁く時、この子をオルフェノクに出来ると思ってやっていたと思う。それでも、こんな争いの種になるような力を私が持ってしまったのは、17年間も一緒に暮らしたあの人達を殺した罰なのだろう。
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長門の正体とか色々話が終わってお互いが交戦する雰囲気になったので、私も戦いに参戦するためにオルフェノク態に変身して鎖を破壊することでかすみなどがいる所に向かった。
「梓!……無事で良かったよ。何か変なことされなかった?」
「うん。全然大丈夫だよ。私も戦うから頑張ろう」
この部屋に今残っていたのは、敵である副社長の長門。私とかすみと、巧と木場さんだ。木場さんの実力は知らないけど、強いことは確かだろう。私の直感ようなところもあるけれど。
「私の相手をするのは君たちですか。一人はファイズ、他のオルフェノクの中にもオリジナルも含まれているのでしょう。まぁ君たちとは戦いの場数が違いますから、いくらそちらに数の有利があろうと負ける訳にはいきませんね。私の夢を実現する為に犠牲になってもらいます」
その長門の言葉が終わると、ついに戦いが始まった。まず私と木場さんの二人で、近づいて近距離を仕掛けた。私の槍と木場さんの剣はどちらとも攻撃が当たろうとしているのだが、二対の釵を用いることで上手くいなされてしまっていた。流石、伊達に800年ぐらい生きていないみたいだ。
私達がてこずってしまっていると、かすみと巧が同時に背中から長門に向かってパンチをお見舞いした。だが、その攻撃も全然通らなかったようで、後ろに振り向いた長門の釵によって、二人ともダメージをくらってしまった。
それから続け様に二人を蹴り飛ばしてしまった。
私と木場さんはこのままではジリ貧だと言うことで、木場さんは疾走態に、私は遊泳態に変化することで、スピードで攻めることにした。木場さんがまず突進して行くことで、その巨体のパワーに対して長門は二つの釵を使って防がなければならなくなり、両手が塞がった所で、私が遊泳態のスピードで槍を振るうことでダメージを与えられた。だが、やはりというべきか背中は何か硬い物が当たったのか言うように効かなかった。これは長門自身が名乗った亀のオルフェノクの甲羅なのだろう。
私が何度も往復をして攻撃を当てていると、長門がこちらの攻撃を見切ったのか、木場さんを押し返して私に対して攻撃を与えてきた。それによって私と木場さんは飛ばされてしまった。
それから間髪入れずにバイクがどこからともなく走ってきたと思ったら、変形をして長門を殴って怯ませたのだ。
「ファイズのオートバジンですか……。案外頑丈らしいんですよねこれ」
オートバジン?が戦ってくれている間に、私達は一度態勢を立て直すために集合をした。
「あいつと俺で10秒後ぐらいに隙を作ってやるから、そこからのとどめの準備をしておいてくれよ」
そう言った巧のファイズは形態を銀色に変化させると、目にも止まらないスピードで長門に攻撃を加え始めた。
そこから私達の準備が整って十秒が経った頃に、大きな衝撃音が周囲に響き渡り、長門が少し弱った様子を見せていた。
「そんなファイズショットから放ったフォトンブラッドで、私が倒せる訳ないでしょうが」
宣言通りに隙を作ってくれた巧のチャンスを無駄にしないように、長門を倒すために近づこうとすると、その長門の近くに薔薇の花びらが現れたと思うと、それがオルフェノクの形を成した、次の瞬間にその手で長門の体を貫いていた。
「ッ、村上……お前。私に攻撃を加えてどうなると言うんですか?貴方が死ぬだけですよ」
長門は全く迷う素振りを見せることは無く、先程見た村上という男が変身したオルフェノクの体に釵を突き刺していた。あの二人は味方だったはずなのに……どうして仲間割れをしているんだ?
私を含めたここにいる全員がその二人の行動に呆気に取られていた。
「私が死ぬ時は笑って死にたいと思っていましてね。あのままやられるよりも貴方に一矢報いた方が私は笑って死ねると思った結果ですよ」
「なかなか面白い価値観をお持ちになっているようだね村上は。じゃあ望み通り笑って死んでくれ」
釵で刺された村上はもうすでに体が限界だったのか、人間態に戻ると、その顔を微笑に変えると灰となって消えてしまった。あの人はあの人がやりたいことをやっただけとは思うけど、死ぬ時は笑って死にたいというのは分かる気がする。
「まだ終わっていませんよ。村上は死にましましたが、私はまだ生きていますよ。私を倒せるものなら倒してみなさいよ」
その言葉を受けた巧はいつの間にかバイクになっていたオートバジンから剣を取り出すと構えて、長門の元まで走った。同じように木場さんも剣を構えて、長門まで走った。
巧の剣と木場さんの剣が長門に触れる直前に二対の釵によって防がれて拮抗していたが、巧のベルトをボタンを押して「Exceed charge」の音声によって剣の光が増したかと思うと釵が折れて、ほぼ同時に木場さん側の釵も折れて、二つの剣によって長門は切られた。
「ガッ、オ、オルフェノクの……王は倒さなければ。バランスを」
だが、それを受けても長門は倒れることは無く、私とかすみの方に突撃をしたきた。咄嗟に私達は攻撃を加える構えを取り、私の槍と花を纏ったかすみの手が最後、長門にとどめを刺した。
「長かったな……結局俺はあの人達に会いたかっただけなのかもしれないな。長く生きても一番楽しかったのはあの時だったかな」
長門の体は灰となって崩れ去っていった。彼は結局自分が安心して居られる場所や世界を求めていただけなのかもしれない。普通の人の悩みと変わらないただそんな願いを持っていただけかもしれない。
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そしてオルフェノク王とベルトに関する全ての戦いは幕を閉じた。私を助けるために命を張った全員が生きていてくれたことだけが、私はこの戦いが終わってから初めに味わった幸せだ。
全員傷だらけで、とりあえずは真理や啓太郎がいるクリーニング屋に一旦集合した。全員に今回あった色々の説明をするのは大変だったけど、そんな余裕があるというのは良いことだなと思いながらも過ごしていた。
そして戦いの後から一段落した頃には、それぞれがそれぞれの道を進んでいた。
巧と真理そして啓太郎はほのぼのとクリーニング屋を続けているようだった。偶に今回の戦いを終えたみんなで揃う時はここを使うことになっている。いつ行っても和気藹々としていて、平和をいつも感じられる場所だ。
草加さんと璃々さん、澤田さんと沙耶の四人は全国にいる危険なオルフェノクを倒すために全国を回っているようだった。危険な状態だった澤田さんを私の能力でオルフェノクにしたりもした。四人の関係性は未だによく分かんないけど、なんだかんだ上手くいってそうだし、月一ぐらいにクリーニング屋に顔を出しているらしいし、案外全員寂しがりやなのかもしれない。
木場さんと長田さんと海堂さんの三人はリニューアル開店したピザ屋で働きながらも、ボランティアや友好的なオルフェノクとの交流をしているようだった。この三人もバランスが良いようで、楽しく過ごしているようでなりよりだった。
紫乃と琢磨さんは、紫乃の一人暮らしに伴って一緒に過ごしているようだった。二人の将来はどうなるか分からないけど、琢磨さんは工事現場で働き始めてお金を稼いでいるようで、二人のこれからが楽しみだと言うのが今の本音というやつだ。
スマートブレインの会社は社長と副社長が一気に失って一時期ボロボロになって株価が急降下したけど、前の社長が戻ってきたらしく、会社を立て直して新しい後継者を指名してまた何処に行ったらしい。新しくなったスマートブレインがオルフェノクの巣窟かなんて私にはもう関係の無い話だ。私はもうあの会社に関わる事なんて無いだろうから。
そして今、私は何をしているのかというと、かすみと共にベッドの上でこれまでの思い出話とか、将来はあんなことをしたいなどと話たりしていた。私は璃々さんがほとんど帰って来なくなったけど、そのままこの家を使わせてもらっていた。かすみも前々から一人暮らしでもしようかなと思っていたらしいので、一緒にこの家に暮らして、所謂同棲しているということになる。
親友という関係性からも少し変わったりもしたけど、今が楽しいなと言うのは変わっていないと言うより、日々増している。
オルフェノクにかすみと一緒に変身することもあるけど、それは稀なので、なる事自体は今はあまり多くない。
私は十何年も生きている心地がしなくて、死にたいと思っていた人間の頃よりも、オルフェノクになった今はただ生きていたいなと思えるようになれた。
「私は梓と死ぬまで一緒にいたいな。だから先に行かないでね」
「分かってるよ。例え短い人生だろうと長い人生でも、私はかすみと生きていけたら幸せだから」
ここまで読んでくださってありがとうございました!
UA10000突破とお気に入り40件突破ありがとうございます!
これからの執筆予定について活動報告を書いたのでよろしければどうぞ。
ここから後書きとか書きたいなと思います。
まず改めてここまで読んでくださりありがとうございました。この小説は僕の始めての二次創作だったので、いたらぬ点も色々あったなと思っています。
最初のこの小説はオルフェノクが好きなので、オリ主達が学校をオルフェノクの学校にしようぜ!とか言う感じにしようかなと思っていました。
でも、考えれば考えるほど、原作と絡ませたいなとか、ファイズ関連の色々とかほとんどが心残りがある感じで終わることがあったので、それも良さかなと思いつつも、一つぐらいは完全なハッピーエンドも良いなと思ったこともあり、原作と絡ませることにしました。
流石に全話絡ませるのは無理かなと思って、途中からオリジナルを入れて、ハッピーエンドに向かって動かしていきました。一応設定とかこの小説で出した疑問なんかは大体解消出来たかなとは個人的には思っています。
何個か心残りがあるとすればキャラによっては出番が偏ってしまったことですね。説明上仕方ない奴は居たとしても、サイドバッシャーとか三原なんかは出したかったなとか思いましたね。
でも、オリキャラを変身させるとか、関わらせたかった話に関わらせるとか、ハッピーエンドにするとかの目標は達成出来たのでただただ今は改めて達成感に満ち溢れていますね。
改めてここまで読んでくださりありがとうございました!感謝でいっぱいです。