エリー×マリー 〜スキル『TS』が意外と強い〜 作:SHノーマル
■あらすじ
春になり、各地から新人やひよっ子たちが集まる季節。
マリー達はギルドが新しく始めた新人教育研修の教官として参加することになった。
去年一緒に依頼を受けた『幌馬車』のメンバーに加え、『オーガキラー』と共に新人の教育係として参加したマリー達は新人たちの中から五人を選んで個別で教えることになる。
実践での教育中に暴走した新人冒険者のフィールとそれを追いかけるアルマ。
二人は魔族であり、吸血鬼とエルフという種族であった。
また、同じく個別に教えていたウルルとルルリラも魔族であることが発覚する。
マリーは彼女たちの身元が必要以上に割れることを恐れて、自分の従者として扱うことに決めた。
魔物娘たちの歓迎会を開いた後にA級冒険者チーム『ラストダンサー』の一人がやってくる。
名前はストルス、男性であった。
男はマリーの実力を調べるため先行してやってきた彼はそのままマリーに勝負を挑む。
マリーとの戦いに敗北したストルスはその実力を認めると、王都にきて仕事をするように依頼するのだった。
その後、A級冒険者チーム『ラストダンサー』のリーダー、ポリーナとあいさつを済ませたマリー達はそのまま互いの実力を確認しながら王都へと向かう。
王都の城では依頼主でもある宰相と出会った。
しかし諸々の事情よりリッちゃんがかつての魔王、リッチ・ホワイトであることが露見してしまい、依頼どころではなくなってしまう。
結果、過去の魔王を無視できなくなった宰相は急遽裁判を開くことになった。
そこでリーダーであるマリーは裁判官を兼ねた王様と対峙し、無実を証明、裁判の結果、事実上の無罪を勝ち取るのだった。
無罪を勝ち取った後、王国にいる勇者リュクシーと出会い、勇者の負債を肩代わりしたマリーは本来の依頼である魔族との闘いに向けて準備を進めていく。
勇者リュクシーのスキルを調べ、戦い方を計画した一行は魔族と戦う最前線である開拓村へと移動する。
開拓村から敵の砦へ移動した一行は途中、敵の策略にはまるも砦の攻略に成功した。
砦の攻略を終えたマリーは魔王と邂逅する。
魔王は死んだ龍の背中に乗り、空を飛んでいた。
魔王はネクロマンサーであり、死者を操る能力を持っていたのだ。
さらに魔王は死者を動かす。
それはすでに死んだはずの初代魔王ファウストであった。
初代魔王ファウストの攻撃をかろうじて跳ね返したマリー。
それをみた魔王は事実上の宣戦布告をして去っていった。
■人物
【ウルル】【ルルリラ】
魔族がひっそりと生活する隠れ里に住んでいた二人。
お菓子作りの研究のため、二人は街に出ることに決めた。
マリー達の街にたどり着いたのは料理がうまい店がある、という噂を聞いたため。
隠れ里では村の外に出ることが一人前の証とされるため背伸びをした子供たちがよく出ようとするが、たいていは魔物に反撃をくらって里に逃げ帰る。
猫の獣人ウルルと狼の獣人ルルリラは幼馴染であり、隠れ里の同じ地域の出身。
けんかっ早いウルルを焼き菓子で餌付けするところから仲が始まった。
【アルマ】【フィール】、【ガロ(カリン)】
アルマとフィールは同じ地域に住む住人。
ウルル達とは違い、人に化けて潜伏している魔族。
表向きはフィール達にアルマ達の一族が仕えているという扱いだが、実際はほぼ対等として扱われる。
また、フィールはそれなりの地位にあるらしく、微妙に金銭感覚その他がくるっている。
種族としてみた場合、フィールは吸血鬼の真祖であり日光には弱いものの高い身体能力と体を霧に変えるなどの特性を持つ。さらにスキルと併用することで相手を自由に操ることもできる。
血を吸うのはリッちゃんが初期の吸血鬼を創造した当時、魔力調節が完ぺきではなかったため魔力の補給方法として魔力を吸うように設定したのがきっかけ。
アルマはエルフであり、高い魔力と森の草木を自由に操る能力を持つ。
ただし身体能力は吸血鬼ほど高くはなく、スキルと魔法を併用しないと一般人より少し強いくらい
アルマとフィールは一族の命題として、かつて封印された友人を探していた。
マリー達の地域に訪れたのは、かつて魔王が何者かを封印していた地域という話を知っていたため最初に訪れるついでに冒険者登録をしようとしていた。
意外なほどあっさり友人ことメイが見つかったので困惑していたりする。
ガロ(カリン)はフィール達と領地を同じくするもさびれた村の出身である。
カリンの母親は騙されて色街に売られるようなことにならないよう、男のふりをさせてガロという偽名を付けていた。
結果、それが定着してしまったため男のように振る舞ってしまう。
ガロとフィールたちの出会いは魔物に襲われていた二人をガロが助けようとしたことから始まる。
戦闘能力の高い二人にとって、異性に守られるという体験は新鮮なものであった。
後ほど男であったことが発覚した際に性癖が少し歪んでしまったがそれは別のお話。
ガロのスキルは互いが親友以上の感情を持っているとき、その相手と能力を共有できるというもの。
スキルのほか、肉体的な能力も共有できるため魔族と共有すると無敵の能力を誇る。
弱点はダメージも共有してしまうため運用を間違えると味方が先に死ぬこと。
【ストルス】【ポリーナ】【ジーニィ】
A級冒険者チーム『ラストダンサー』のメンバー。
広範囲攻撃が得意なポリーナとジーニィに加え、巨大な敵以外はオールラウンドで戦えるストルスの三人で構成される。
ポリーナは元々マリーの街にいた冒険者。
マリーが駆け出し冒険者だったころから冒険者としてやっていた。
そのため見かけはともかく年齢はかなりのものであり、王都にあるエステでの定期的な若作りが必須だったりする。
スキルは熱を周囲から集めて凝縮、発射するというもの。
シンプルにして強力。ただし副作用で自身の体温まで放出するため使いすぎると命に関わる。
ジーニィとは恋人同士。
ジーニィは高い魔法力と広範囲の毒攻撃を得意とする。
元々ジーニィはスラムの子供であり、娼婦として売られそうになっていたところをポリーナに救われたのが始まり。
スラムの汚い場所を見ているため、非常に自分を表現するのが苦手。
ストルスは男で数少ないA級冒険者の一人。
特にストルスの<空間交代>は極めて高い性能を誇り、空を飛べる能力としては風に依存しないという点でも希少。
実はスキルを活かすための空間把握能力が極めて高い。
普段は地形を利用して転移からの落下攻撃などを得意とする。
王都には奥さんがいるらしい。
【宰相】
本名はグロウ・タスケット・ファーブル。多分二度と名前はでてこない。
魔王時代のリッちゃんを知る唯一存命の人。スキルは〈不老〉。
このスキルに目覚めたのはリッちゃんが消えて魔王ファウストが暴れまわっていた時。
このままでは死ねない、という思いからスキルに覚醒した。
見た目は中年のおっさんだが、元々優秀な人が長い経験を積んだおかげで実務能力は化け物。王都が発展したのはだいたいこの人のおかげ。
肉体は歳をとらない一方、周囲の人が老いていく反動からロリコンになってしまった。
【王】
エリーマリー会員No2。仕事では上の下くらいの有能さ。
宰相よりも見た目は老けている。
歳をとって自由もできてからマリーのファンクラブにハマった一番ヤバいタイプ。
一応世継ぎは多くいるがみんな成長してかまってもらえず寂しそう。
【リュクシー】
王都で訓練された勇者。〈吸魔〉というすべての魔法を吸収してため込むスキルを持つ。魔道具などとすこぶる相性が悪いため実生活で使うことはまずないスキル。
元々宰相が近隣の村から勇者候補を見繕っていた時、このスキルが目に留まることで勇者として選ばれた。
エリート教育を受けているため剣の扱いはそれなり。
ただスキルが影響するのか身体強化以外の魔法は使えない。
余談だが両親は勇者として選ばれた際の給金でウハウハらしい。
その他
【魔族たち】
最前線だが魔王に脅迫される形のため士気が低くそこまでやる気はない。
一応、軍を運用するということで部下の食料を不要にする、砦内を迷宮のようにして隔離する、などの戦略的にも支援効果が高いスキル持ちを抱えていた。
魔王のパワハラで壊滅。
【カジノの面々】
社会の裏側にいる紳士たちが運営するギャンブル施設。
勇者ちゃんがハマって大変なことになりそうだった。
裏社会は横のつながりが強いため、マリーのことは情報として手に入れていたため、穏便に済ませる方向で決着した。
ディーラーであったポン子は当初ギルド員として来ていたため、カジノの運営者もいろいろと遠慮していたが、容赦なく冒険者をイカサマカジノで嵌めていく様をみてこっち側の人間だと悟った。
認識を改めてからポン子と結んだ契約は、利益折半、損失はポン子が全責任を負うという鬼畜契約だったが、ポン子は契約をよく読まずにいたため、知らないまま快勝を続けていた。
【ルガル】
ルルリラの兄にして幼女。
食料を不要にするという非常に便利なスキルを持っていたため無理やり魔王軍で働かされていたが、今は王都で働かされている。